45 / 97
第1章
45 バカだったわ……
しおりを挟む
「……と言う事で、貴方方?魔王を倒すとか言ってないで、自重して下さいね?」
「何をおっしゃるフィオナ姫。
貴国でももちろん、我がカンターベラ国においても、魔族は敵!絶対悪ではありませんか?」
「バカなの?話聞いてました王子?そもそも8人も居る魔王を、貴方方でどうやって倒しますの?」
「は……8人? や、やだな~ 魔王が8人もいる訳ないじゃないですか~?」
「バカだったわ……貴方の国にも、諸々の事情を知らせた通達が、いってるはずですよ?
その上で各国の代表に、アルティスの元に集まって欲しいと、
人族最大の国ハルステイン王国のリヴァルド王……私の父の名で召集がかかっていますよ」
「何だって?たかが公爵風情が、各国の王を集めるだと?バカにしているのか?お前」
「貴方の御父上も、各国の王も、皆なさん、アルティスの事は理解していますよ。
集まる事にも納得していると思いますが……理解できていないのは貴方だけでしょう」
「嘘だ!こんなガキに、父上が跪く訳がない!」
「はぁ~ 跪く……ですか…… そうだ、貴方、転移装置使わせて差し上げますから、
一度カンターベラにお帰りなさいよ。
行けば理解できるはず……貴方の国で、アルティスの事知らない人は1人もいないのですから」
「何言ってるんだ?フィオナ姫?俺の国の皆んながこいつの事知ってる?な訳ないだろ?」
「だから、説明するより一回帰れ!も~イライラするわね」
「意味わからん。そっちこそバカなんじゃないか?」
「貴方ね?この前のカンターベラの大洪水の時、どこで何してたのかしら?」
「……い……いや……魔王討伐の旅をだな~……」
「遠くに居て、なにもしなかったと?」
「いや……そもそも知らなかったし……知ったのは、かなり後だったんだ。仕方ないだろ?」
「あの時、被害を受けた人々を助けたのは、このアルティスなのよ?それも知らない?」
「……………………」
「大量の水、食料、物資……全て、この公爵風情が自費で用意し、
助けたのよ?
あの国で、この公爵風情は、神の如く崇められてるのよ?
貴方はどうかしら?あの国で、貴方をまだ勇者だと思っている人は、居るのかしらね?
ね、アルからも何か言ってあげたら?……て、何、目をしばしばしてるの?」
「誰なのこの人?フィナが言ってた、勇者の王子さん? キラキラ眩しくて話に集中出来なかった……
金髪は良いとして、金糸の服に金の指輪とネックレス。趣味悪……」
「こ、この貧乏公爵が!」
「何を言ってるの?さっきの話、理解したの?アルは、自分の使うお金は持ってないけど、
それは全て、惜しみなく他国の民の為にまで使ってるからなの!まだ分からない?
大体貴方、アルが言う様に、キラキラキラキラきもいのよ。
男はね、いざという時にギラッと銀色に輝けば良いのよアルみたいに!」
「フィナ?国際問題が何とか言ってなかった?
なあ?キラキラ王子さん。そっちの勇者パーティーの怯えよう見て、
何にも感じないのかな?こいつらを、きっちり躾してやろうと思って来たのに、
この怯え様を見て拍子抜けしちゃってるの俺」
「はぁ?何を感じれと?俺はカンターベラ国の勇者なんだぞ!勝手に口をきくな!不敬にも程がある。
ここで俺と対等に話をしても良いのはフィオナ姫だけだ。
そうだ、なんなら俺の嫁にしてやっても良いぞ?」
「「「「「あっ……」」」」」
言ってはいけない事を……狼狽えるハルステイン王国の勇者パーティー。
アルティスの目の色が変わった。迸る殺気。空気が凍った。
「立てよ……お前今、何てった?」
この一瞬で、アルティスの恐ろしさを理解した第二王子は、立つどころか息をするのも忘れ、震えるばかり。
股間から温かいものが流れ出した。
「あっ……温かい国際問題が股間から…… この人が勇者?勇者って一体?」
呆れて、いつものアルティスに戻っている。
「それからハルステイン王国のあんた達、勇者とか聖女とか名乗るのもう辞めてくれる?
勇者を騙って王国民に、たかるのは金輪際なしにしてね?
神の啓示を受けて……とか言ってるみたいだけど、創造神は、決してお前達の様な者に、加護を与えたりしないから。
近々創造神の孫、アルティスとして、王国全体に正式に神の啓示を出すよ。分かった?」
〝コクコク〝と頷く勇者……いや元勇者パーティーの面々。
「帰ろフィオナ」
「貴方達、王城に滞在するのを許可しますから、これ以上教会に迷惑をかけるのは辞めて下さい。それじゃ」
そう言ったフィオナだが、彼らが王城に来る事はなかった。
後日、勇者の事は、創造神の孫、アルティスとして正式に啓示された。
教会の大聖堂。アルティスが壇上に立つと、ほんの一瞬ではあるが、後ろに神々が顕現したと皆はいう。
創造神の孫という事を誰1人疑う者はいなくなった。
アルティスの声はいつもと違い低く重々しいものだった。
それ以降、暫くは元勇者パーティーの噂を聞くことが無かったそうだ。
しばらくはね?
「何をおっしゃるフィオナ姫。
貴国でももちろん、我がカンターベラ国においても、魔族は敵!絶対悪ではありませんか?」
「バカなの?話聞いてました王子?そもそも8人も居る魔王を、貴方方でどうやって倒しますの?」
「は……8人? や、やだな~ 魔王が8人もいる訳ないじゃないですか~?」
「バカだったわ……貴方の国にも、諸々の事情を知らせた通達が、いってるはずですよ?
その上で各国の代表に、アルティスの元に集まって欲しいと、
人族最大の国ハルステイン王国のリヴァルド王……私の父の名で召集がかかっていますよ」
「何だって?たかが公爵風情が、各国の王を集めるだと?バカにしているのか?お前」
「貴方の御父上も、各国の王も、皆なさん、アルティスの事は理解していますよ。
集まる事にも納得していると思いますが……理解できていないのは貴方だけでしょう」
「嘘だ!こんなガキに、父上が跪く訳がない!」
「はぁ~ 跪く……ですか…… そうだ、貴方、転移装置使わせて差し上げますから、
一度カンターベラにお帰りなさいよ。
行けば理解できるはず……貴方の国で、アルティスの事知らない人は1人もいないのですから」
「何言ってるんだ?フィオナ姫?俺の国の皆んながこいつの事知ってる?な訳ないだろ?」
「だから、説明するより一回帰れ!も~イライラするわね」
「意味わからん。そっちこそバカなんじゃないか?」
「貴方ね?この前のカンターベラの大洪水の時、どこで何してたのかしら?」
「……い……いや……魔王討伐の旅をだな~……」
「遠くに居て、なにもしなかったと?」
「いや……そもそも知らなかったし……知ったのは、かなり後だったんだ。仕方ないだろ?」
「あの時、被害を受けた人々を助けたのは、このアルティスなのよ?それも知らない?」
「……………………」
「大量の水、食料、物資……全て、この公爵風情が自費で用意し、
助けたのよ?
あの国で、この公爵風情は、神の如く崇められてるのよ?
貴方はどうかしら?あの国で、貴方をまだ勇者だと思っている人は、居るのかしらね?
ね、アルからも何か言ってあげたら?……て、何、目をしばしばしてるの?」
「誰なのこの人?フィナが言ってた、勇者の王子さん? キラキラ眩しくて話に集中出来なかった……
金髪は良いとして、金糸の服に金の指輪とネックレス。趣味悪……」
「こ、この貧乏公爵が!」
「何を言ってるの?さっきの話、理解したの?アルは、自分の使うお金は持ってないけど、
それは全て、惜しみなく他国の民の為にまで使ってるからなの!まだ分からない?
大体貴方、アルが言う様に、キラキラキラキラきもいのよ。
男はね、いざという時にギラッと銀色に輝けば良いのよアルみたいに!」
「フィナ?国際問題が何とか言ってなかった?
なあ?キラキラ王子さん。そっちの勇者パーティーの怯えよう見て、
何にも感じないのかな?こいつらを、きっちり躾してやろうと思って来たのに、
この怯え様を見て拍子抜けしちゃってるの俺」
「はぁ?何を感じれと?俺はカンターベラ国の勇者なんだぞ!勝手に口をきくな!不敬にも程がある。
ここで俺と対等に話をしても良いのはフィオナ姫だけだ。
そうだ、なんなら俺の嫁にしてやっても良いぞ?」
「「「「「あっ……」」」」」
言ってはいけない事を……狼狽えるハルステイン王国の勇者パーティー。
アルティスの目の色が変わった。迸る殺気。空気が凍った。
「立てよ……お前今、何てった?」
この一瞬で、アルティスの恐ろしさを理解した第二王子は、立つどころか息をするのも忘れ、震えるばかり。
股間から温かいものが流れ出した。
「あっ……温かい国際問題が股間から…… この人が勇者?勇者って一体?」
呆れて、いつものアルティスに戻っている。
「それからハルステイン王国のあんた達、勇者とか聖女とか名乗るのもう辞めてくれる?
勇者を騙って王国民に、たかるのは金輪際なしにしてね?
神の啓示を受けて……とか言ってるみたいだけど、創造神は、決してお前達の様な者に、加護を与えたりしないから。
近々創造神の孫、アルティスとして、王国全体に正式に神の啓示を出すよ。分かった?」
〝コクコク〝と頷く勇者……いや元勇者パーティーの面々。
「帰ろフィオナ」
「貴方達、王城に滞在するのを許可しますから、これ以上教会に迷惑をかけるのは辞めて下さい。それじゃ」
そう言ったフィオナだが、彼らが王城に来る事はなかった。
後日、勇者の事は、創造神の孫、アルティスとして正式に啓示された。
教会の大聖堂。アルティスが壇上に立つと、ほんの一瞬ではあるが、後ろに神々が顕現したと皆はいう。
創造神の孫という事を誰1人疑う者はいなくなった。
アルティスの声はいつもと違い低く重々しいものだった。
それ以降、暫くは元勇者パーティーの噂を聞くことが無かったそうだ。
しばらくはね?
10
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる