39 / 97
第1章
39 僕は、アルティスにゃ……痛っ!……
しおりを挟む
「ここで良いのかな?」
「うん、ここで間違ないわ。遥か向こうに、そびえ立っているのが世界樹ね。
あそこの建物が、多分、魔法騎士団の拠点よ」
「ねえ?フィオナ。この街、こんなに人多かったかしら?」
「ソフィアは、ここ何年振り?私、随分来てなかったけど、確かに人多いいわね」
「でしょう?地脈が変だって、地震か何かの前触れかもって噂が出て、
世界樹の有る観光地なのに、人がずいぶん減ってるって聞いてたけど」
「あ、あれよあれ。あそこで、お祭りやってない?それで人が多いいのよ」
「そう言えば、今、収穫祭の時期じゃ無い?きっとそのためね」
「ちょっと見て、あの人だかり、あれ勇者パーティーじゃ無い?あれ以来会ってないけど」
「なあ2人とも。ここで下すんで良いのかな?それとも先に世界樹を見に行く?」
「ここはダメよ。あの人達と顔を合わせたくないわ。
それに先に挨拶を済ませて、話を聞いてみないと……騎士団の所に行きましょう」
「そか。じゃあ俺は先に少し空から地脈調べてくるよ」
「貴方も、先ず一緒に、連絡をしてきた魔法騎士団の所に行って、話を聞いた方が良いんじゃない?」
「俺は少し気になる事が有るから、フィナ達だけ先に行って」
「貴方最初から1人になりたがっていたけど何故?何か変よ?」
「先ずは少し調べさせてくれ。話はその後で、な?」
そう言ってアルティスは、2人を降ろすと、空に消えた。
「あ、アル。やっと戻って来た。遅かったわね。
こちらは、魔法騎士団スノタール支部長のランドールさんよ」
「初めまして。アルティス・フェイト閣下。
ここの魔法騎士団を預かっているランドールです。
遠い所お越し頂きありがとうございます」
「僕は、アルティスにゃ……痛っ!……」
フィオナに足を思いっきり踏まれるアルティス。
「あらごめんなさい……ホホホ」
目が全く笑っていない。
「アルティス・フェイトと申します……俺、未だ15だし、堅っ苦しいのは苦手だから、アルって呼んで?」
「とんでもないことです。いずれ我らが王となられるお方を、呼び捨てなど……」
「ソフィアもアルって呼んでくれてるよ?今は信頼のおける人脈……友人を作りたいんだよ」
「私が友?恐れ多いい……」
「魔王にも友達いるよ?何も問題ないさ。誰がどう言う人間か、本質を見分ける事ができるしね俺。
貴方はすごくいい人……友達になってよ?」
「承知しました。友と呼んでいただける様になれるかは分かりませんが……
今はアルティス様とお呼びさせて頂きます」
「で、アル。調べたい事があるって言ってたけど、何か分かったの?」
「うん色々ね。ランドールさん、この辺の地図ある?」
かなり使い込まれた古い木のテーブルに、スノタール近辺の地図を広げるランドール。
それをアルティス達皆んなで囲み、覗き込む。
「この地図、書き込みしても良い?」
「はい、訓練や作戦で使う物なので、同じ物が何枚もございますから」
アルティスが地図の上から手をかざすと、地図に模様が浮き上がってきた。
「今、浮き出てきた模様、これがこの辺の地脈の流れだよ。
この太い流れが、世界樹まで繋がってるでしょ?
この地脈に流れるマナを世界樹が取りこみ、
この地、更にはこの国へと、恵みとして広がり、お膝元の、この地では特に豊作が続いていたんだね」
「魔法騎士達が、地脈が変だ、気持ちが悪いと言っているのは、何故なのでしょう?」
「あのね、見ててね」
もう一度、地図にアルティスが手をかざすと、
今度は模様が動き出し、マナの流れている様子が分かる様になる。
「あれ?ここで流れが、ほぼ止まっていない?」
「そゆ事……ここが全ての元凶だったんだよ」
「一体ここには何が?」
*************************
「ここだな~この真下で間違いない。この下で何かがおこってる……」
ここの地下深くに、禍々しい気配と空洞?建築物?何か分からないが感じ取れる。
「やっぱり1人で来て正解だったな。先ずは潜ってみるか」
慎重に空間の位置を探り、空間転移するアルティス。
アルティスもミックスジュースには、なりたく無い。
「何だ~~この瘴気は!10m先が見えない位、視界が遮られてるじゃないか?
それとあのウゴウゴ動いてる、小ちゃくて、めっちゃキモいのは、確かガーゴイル?
とか言うやつか?合ってる?ベルゼ?」
「ベルゼは辞めて下さいと、申し上げたではございませんか?我が君。
あなた様が付けて下さった名……カイン……その名でお呼び下さい」
先程から、独り言を喋っているのかと思えば、いつの間にか、アルティスの後ろには、
モーニング姿の、目つきの鋭いイケメンが静かに立っていた。
*************************
(悪魔の世界、魔界。創造神が造ったこの世界とは異なる世界。
本当、全然知識ないんだよな俺)
創造神に聞くも、今まで、こちらの世界にほぼ影響がなかった事や、
むしろ好ましくないエネルギーを吸い取ってくれるので、ほっておいたらしい。
詳しくは分からないと……余り話したくなさそうだった。
「うん、ここで間違ないわ。遥か向こうに、そびえ立っているのが世界樹ね。
あそこの建物が、多分、魔法騎士団の拠点よ」
「ねえ?フィオナ。この街、こんなに人多かったかしら?」
「ソフィアは、ここ何年振り?私、随分来てなかったけど、確かに人多いいわね」
「でしょう?地脈が変だって、地震か何かの前触れかもって噂が出て、
世界樹の有る観光地なのに、人がずいぶん減ってるって聞いてたけど」
「あ、あれよあれ。あそこで、お祭りやってない?それで人が多いいのよ」
「そう言えば、今、収穫祭の時期じゃ無い?きっとそのためね」
「ちょっと見て、あの人だかり、あれ勇者パーティーじゃ無い?あれ以来会ってないけど」
「なあ2人とも。ここで下すんで良いのかな?それとも先に世界樹を見に行く?」
「ここはダメよ。あの人達と顔を合わせたくないわ。
それに先に挨拶を済ませて、話を聞いてみないと……騎士団の所に行きましょう」
「そか。じゃあ俺は先に少し空から地脈調べてくるよ」
「貴方も、先ず一緒に、連絡をしてきた魔法騎士団の所に行って、話を聞いた方が良いんじゃない?」
「俺は少し気になる事が有るから、フィナ達だけ先に行って」
「貴方最初から1人になりたがっていたけど何故?何か変よ?」
「先ずは少し調べさせてくれ。話はその後で、な?」
そう言ってアルティスは、2人を降ろすと、空に消えた。
「あ、アル。やっと戻って来た。遅かったわね。
こちらは、魔法騎士団スノタール支部長のランドールさんよ」
「初めまして。アルティス・フェイト閣下。
ここの魔法騎士団を預かっているランドールです。
遠い所お越し頂きありがとうございます」
「僕は、アルティスにゃ……痛っ!……」
フィオナに足を思いっきり踏まれるアルティス。
「あらごめんなさい……ホホホ」
目が全く笑っていない。
「アルティス・フェイトと申します……俺、未だ15だし、堅っ苦しいのは苦手だから、アルって呼んで?」
「とんでもないことです。いずれ我らが王となられるお方を、呼び捨てなど……」
「ソフィアもアルって呼んでくれてるよ?今は信頼のおける人脈……友人を作りたいんだよ」
「私が友?恐れ多いい……」
「魔王にも友達いるよ?何も問題ないさ。誰がどう言う人間か、本質を見分ける事ができるしね俺。
貴方はすごくいい人……友達になってよ?」
「承知しました。友と呼んでいただける様になれるかは分かりませんが……
今はアルティス様とお呼びさせて頂きます」
「で、アル。調べたい事があるって言ってたけど、何か分かったの?」
「うん色々ね。ランドールさん、この辺の地図ある?」
かなり使い込まれた古い木のテーブルに、スノタール近辺の地図を広げるランドール。
それをアルティス達皆んなで囲み、覗き込む。
「この地図、書き込みしても良い?」
「はい、訓練や作戦で使う物なので、同じ物が何枚もございますから」
アルティスが地図の上から手をかざすと、地図に模様が浮き上がってきた。
「今、浮き出てきた模様、これがこの辺の地脈の流れだよ。
この太い流れが、世界樹まで繋がってるでしょ?
この地脈に流れるマナを世界樹が取りこみ、
この地、更にはこの国へと、恵みとして広がり、お膝元の、この地では特に豊作が続いていたんだね」
「魔法騎士達が、地脈が変だ、気持ちが悪いと言っているのは、何故なのでしょう?」
「あのね、見ててね」
もう一度、地図にアルティスが手をかざすと、
今度は模様が動き出し、マナの流れている様子が分かる様になる。
「あれ?ここで流れが、ほぼ止まっていない?」
「そゆ事……ここが全ての元凶だったんだよ」
「一体ここには何が?」
*************************
「ここだな~この真下で間違いない。この下で何かがおこってる……」
ここの地下深くに、禍々しい気配と空洞?建築物?何か分からないが感じ取れる。
「やっぱり1人で来て正解だったな。先ずは潜ってみるか」
慎重に空間の位置を探り、空間転移するアルティス。
アルティスもミックスジュースには、なりたく無い。
「何だ~~この瘴気は!10m先が見えない位、視界が遮られてるじゃないか?
それとあのウゴウゴ動いてる、小ちゃくて、めっちゃキモいのは、確かガーゴイル?
とか言うやつか?合ってる?ベルゼ?」
「ベルゼは辞めて下さいと、申し上げたではございませんか?我が君。
あなた様が付けて下さった名……カイン……その名でお呼び下さい」
先程から、独り言を喋っているのかと思えば、いつの間にか、アルティスの後ろには、
モーニング姿の、目つきの鋭いイケメンが静かに立っていた。
*************************
(悪魔の世界、魔界。創造神が造ったこの世界とは異なる世界。
本当、全然知識ないんだよな俺)
創造神に聞くも、今まで、こちらの世界にほぼ影響がなかった事や、
むしろ好ましくないエネルギーを吸い取ってくれるので、ほっておいたらしい。
詳しくは分からないと……余り話したくなさそうだった。
10
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる