38 / 97
第1章
38 じゃ、そゆ事で……お化け退治
しおりを挟む
「アルよ、すまんが、王国の東、スノタールの、魔法騎士団の拠点迄、行ってもらえんか?」
「うん良いけど、何かあった?」
「スノタール支部の魔法騎士団の者達から、あの地の地脈の流れが、何かおかしいと報告が来ておるのだよ」
「地脈の流れが?」
「あそこには世界樹も有って、我が王国の農作物の収穫を左右する重要な地域でな?
少々気掛かりなんだよ。地脈もエーテルの恵みなんだろ?
お前なら……いや、お前にしか、調査出来ないんじゃないかと思ってな」
「あ、居た。アル。あのね、ソフィヤが居る教会なんだけど、
あそこの霊園の森に、お化けが出るって騒ぎになっているの。
あの森には薬草畑が有って、お化け騒動のおかげで、
ポーション作りに、支障が出てきてるらしいのよ。一緒に行ってくれない?」
「今日は次から次へと、何だか忙しいな? よし分かった。そんじゃあスノタールまで行ってくるよ」
「ちょっと待ってよ?聞いたわよ?地脈の件でしょ?それって急を要する事?まだ何も支障は出ていないんでしょ?」
「さあ?でもポーションだって、他でも作ってるんだろ?そんなに急ぎか?」
「薬草から作るポーションは、生物に近くて有効期限の短いのが結構有るのよ。
だから王都で使われるのは、大半が教会で作られた物なの」
「ふ~ん……そうなんだ? じゃ、そゆ事でスノタールに行ってくる」
「何が〝そゆ事で〝よ? 何んでスノタールになるのよ…………
ねえ?貴方もしかして、お化けが怖いんじゃないの?」
「はぁ~?……な訳あるかい!父さん母さんだって霊だし。
いつも会ってたし……霊は……霊は……怖いもんじゃないし……霊はな……
分かったよ教会に行けば良いんだろ行けば……」
(お化け?そんなの居る訳ない。そんな訳ないんだ。死ねば必ず魂の故郷に飛ぶ。
お化けとか……そんな気持ち悪いもの、居るわけないんだ!
決して怖いわけじゃないぞ?怖いわけじゃ……)
「こ、ここ?真っ暗じゃん?な、何でこんな夜遅くに……明日の朝出直そ?な?」
「バカなの?お化けよ?夜にしか出ないんだから、夜に来るしかないでしょ?
そんなに汗かいて、貴方やっぱり何か変よ?」
「あっ、あっ、あっ?何か居る!あそこあそこ……あの木の後ろ……」
フィオナの後ろに隠れて、しがみつくアルティス。汗が流れ落ちている。
「ちょ……どこ触って……あっ?本当だ!行ってみましょ」
「あれ? う~ん……何もいないわね?」
「いるいる、そこそこ。人だよ人。あれは霊でもなく、魔物でもなく……やっぱ、人じゃん」
「どこよ? あ、ほんとだ……ねえ?そこの人!貴方何してるの?」
後ろを振り向く人影。顔の皮膚は爛れ、片目は腐ったかの様に垂れ下がっている。
(う~わ~何あれ?寒気を誘う程の不気味な顔だぞ。やっぱあれは絶対人じゃない。
お化けってあんな感じだっけ?ゾンビってやつじゃないか?
それにしてもキモい……お化けなの?お化けなのか~~!)
「キャ~キャ~キャ~~」
アルティスが大騒ぎしながら逃げまどう……
「アル?どこ行くのよ? なっ……アルティス?逃げないでよ~」
(キッ……キモッ!あの顔……怖え~ハアハア ビックリした)
「ちょっと待ってよ!アルなら指一本で倒せる魔物でしょ?
まあ、でも確かにあの顔は……怖い……かも……
でもでも、クスクスクス……キャ~とか言ってなかった?」
「死んだら別世界に行くの!ここには残らないの!何か変なの~ ハアハアハア……」
「ぐふふふふ……」
「わ~追いかけてきた~ く…くそ~ も~切れた! きっちり殺してやる~ 簡単に死ねると思うなよ~」
「あ~いや……俺……もう多分死んでるんだけど……」
「しゃ……喋りやがった」
〝ドクッ……ドクッ……ドクッ……ドクッ……〝
「…… あ、あれ?今、あいつの方から心臓の音が……お前?もしや?死んでないんじゃない?
お前の心臓動いてるぞ。俺、めちゃ耳良いからさ、
お前から心音聞こえる……たぶんまだ生きてるぞ?」
「ねえ?あの人?もしかしてだけど、何かの病気なんじゃないの?腐る寸前って感じだけど…」
「病気の人? だったらヒール掛けてみよか?
あ、ちょ……たんま!だからたんま‼︎ 近寄んな~こっちから行くからさ……
だ~か~ら~こっち来んなって!ストップ、スト~ップ」
へっぴり腰で、恐る恐る近づくアルティス。チキンかよ?
アルティスはエキストラヒールを掛けてみた。
魔法が効いたのか、ゾンビ顔がちょっと汚れた、ただのおじさんの顔になった。
「ありがとありがと!本当にありがと! 助け求めても皆んな逃げちゃうし……
昼間ならと思って外に出ると、陽が当たって肌が焼けて痛くて……」
握手を求めるおじさん。
「ちょ……待って!来ないで来ないで」
「な、何で?もう普通の人に戻ってるんですよね?」
「ごめん、おじさん臭い…… 腐った匂いが残って……俺、鼻も良すぎるんで……」
お化け騒ぎは、お墓参りに来て突然具合が悪くなり、病気で血の巡りが悪くなり、
生きたまま腐りかけた、おじさんの仕業だったとさ。
目が飛び出してただけに、めでたしめでたし。
「アル。ソフィアも一緒に行くって。もちろん私も行くわよ?」
「なして?俺一人で良いよ。ちょっと空から、地脈の様子を探ってくるだけだから」
「スノタールの北には世界樹が有るのよ。枯れたら大変なの。
農作物の収穫に大きな影響があるのよ?心配だから私達も行って確認したいのよ」
「ふ~ん。リヴァルド父さんもそんな事言ってたな?
ま、良いけど?2人いっぺんには抱けないよ……」
「抱かないと転移出来ないの?」
「…………うん」
「その間は嘘よね?そもそも魔法陣で行けるでしょ?」
「魔法陣は、行った事あるところしか行けないの。
俺、そこには行った事ないから、人の気配を探りながら行くしかないんだよ。
地上に転移して、そこに何か有ったり、誰か居たら、それと混ざっちゃって、
ミックスジュースになっちゃうよ?空中に飛ぶしかないんだよ?」
「そう言われると、そうかも……でも抱かないと転移出来ないってのは嘘よね?」
「手……繋げば行ける……かも?」
「ハイ解決!それじゃ早速行きますか~」
「かも?って言ったんだけど……」
「うん聞いたよ?じゃ行きますか~」
「……はい……」
「うん良いけど、何かあった?」
「スノタール支部の魔法騎士団の者達から、あの地の地脈の流れが、何かおかしいと報告が来ておるのだよ」
「地脈の流れが?」
「あそこには世界樹も有って、我が王国の農作物の収穫を左右する重要な地域でな?
少々気掛かりなんだよ。地脈もエーテルの恵みなんだろ?
お前なら……いや、お前にしか、調査出来ないんじゃないかと思ってな」
「あ、居た。アル。あのね、ソフィヤが居る教会なんだけど、
あそこの霊園の森に、お化けが出るって騒ぎになっているの。
あの森には薬草畑が有って、お化け騒動のおかげで、
ポーション作りに、支障が出てきてるらしいのよ。一緒に行ってくれない?」
「今日は次から次へと、何だか忙しいな? よし分かった。そんじゃあスノタールまで行ってくるよ」
「ちょっと待ってよ?聞いたわよ?地脈の件でしょ?それって急を要する事?まだ何も支障は出ていないんでしょ?」
「さあ?でもポーションだって、他でも作ってるんだろ?そんなに急ぎか?」
「薬草から作るポーションは、生物に近くて有効期限の短いのが結構有るのよ。
だから王都で使われるのは、大半が教会で作られた物なの」
「ふ~ん……そうなんだ? じゃ、そゆ事でスノタールに行ってくる」
「何が〝そゆ事で〝よ? 何んでスノタールになるのよ…………
ねえ?貴方もしかして、お化けが怖いんじゃないの?」
「はぁ~?……な訳あるかい!父さん母さんだって霊だし。
いつも会ってたし……霊は……霊は……怖いもんじゃないし……霊はな……
分かったよ教会に行けば良いんだろ行けば……」
(お化け?そんなの居る訳ない。そんな訳ないんだ。死ねば必ず魂の故郷に飛ぶ。
お化けとか……そんな気持ち悪いもの、居るわけないんだ!
決して怖いわけじゃないぞ?怖いわけじゃ……)
「こ、ここ?真っ暗じゃん?な、何でこんな夜遅くに……明日の朝出直そ?な?」
「バカなの?お化けよ?夜にしか出ないんだから、夜に来るしかないでしょ?
そんなに汗かいて、貴方やっぱり何か変よ?」
「あっ、あっ、あっ?何か居る!あそこあそこ……あの木の後ろ……」
フィオナの後ろに隠れて、しがみつくアルティス。汗が流れ落ちている。
「ちょ……どこ触って……あっ?本当だ!行ってみましょ」
「あれ? う~ん……何もいないわね?」
「いるいる、そこそこ。人だよ人。あれは霊でもなく、魔物でもなく……やっぱ、人じゃん」
「どこよ? あ、ほんとだ……ねえ?そこの人!貴方何してるの?」
後ろを振り向く人影。顔の皮膚は爛れ、片目は腐ったかの様に垂れ下がっている。
(う~わ~何あれ?寒気を誘う程の不気味な顔だぞ。やっぱあれは絶対人じゃない。
お化けってあんな感じだっけ?ゾンビってやつじゃないか?
それにしてもキモい……お化けなの?お化けなのか~~!)
「キャ~キャ~キャ~~」
アルティスが大騒ぎしながら逃げまどう……
「アル?どこ行くのよ? なっ……アルティス?逃げないでよ~」
(キッ……キモッ!あの顔……怖え~ハアハア ビックリした)
「ちょっと待ってよ!アルなら指一本で倒せる魔物でしょ?
まあ、でも確かにあの顔は……怖い……かも……
でもでも、クスクスクス……キャ~とか言ってなかった?」
「死んだら別世界に行くの!ここには残らないの!何か変なの~ ハアハアハア……」
「ぐふふふふ……」
「わ~追いかけてきた~ く…くそ~ も~切れた! きっちり殺してやる~ 簡単に死ねると思うなよ~」
「あ~いや……俺……もう多分死んでるんだけど……」
「しゃ……喋りやがった」
〝ドクッ……ドクッ……ドクッ……ドクッ……〝
「…… あ、あれ?今、あいつの方から心臓の音が……お前?もしや?死んでないんじゃない?
お前の心臓動いてるぞ。俺、めちゃ耳良いからさ、
お前から心音聞こえる……たぶんまだ生きてるぞ?」
「ねえ?あの人?もしかしてだけど、何かの病気なんじゃないの?腐る寸前って感じだけど…」
「病気の人? だったらヒール掛けてみよか?
あ、ちょ……たんま!だからたんま‼︎ 近寄んな~こっちから行くからさ……
だ~か~ら~こっち来んなって!ストップ、スト~ップ」
へっぴり腰で、恐る恐る近づくアルティス。チキンかよ?
アルティスはエキストラヒールを掛けてみた。
魔法が効いたのか、ゾンビ顔がちょっと汚れた、ただのおじさんの顔になった。
「ありがとありがと!本当にありがと! 助け求めても皆んな逃げちゃうし……
昼間ならと思って外に出ると、陽が当たって肌が焼けて痛くて……」
握手を求めるおじさん。
「ちょ……待って!来ないで来ないで」
「な、何で?もう普通の人に戻ってるんですよね?」
「ごめん、おじさん臭い…… 腐った匂いが残って……俺、鼻も良すぎるんで……」
お化け騒ぎは、お墓参りに来て突然具合が悪くなり、病気で血の巡りが悪くなり、
生きたまま腐りかけた、おじさんの仕業だったとさ。
目が飛び出してただけに、めでたしめでたし。
「アル。ソフィアも一緒に行くって。もちろん私も行くわよ?」
「なして?俺一人で良いよ。ちょっと空から、地脈の様子を探ってくるだけだから」
「スノタールの北には世界樹が有るのよ。枯れたら大変なの。
農作物の収穫に大きな影響があるのよ?心配だから私達も行って確認したいのよ」
「ふ~ん。リヴァルド父さんもそんな事言ってたな?
ま、良いけど?2人いっぺんには抱けないよ……」
「抱かないと転移出来ないの?」
「…………うん」
「その間は嘘よね?そもそも魔法陣で行けるでしょ?」
「魔法陣は、行った事あるところしか行けないの。
俺、そこには行った事ないから、人の気配を探りながら行くしかないんだよ。
地上に転移して、そこに何か有ったり、誰か居たら、それと混ざっちゃって、
ミックスジュースになっちゃうよ?空中に飛ぶしかないんだよ?」
「そう言われると、そうかも……でも抱かないと転移出来ないってのは嘘よね?」
「手……繋げば行ける……かも?」
「ハイ解決!それじゃ早速行きますか~」
「かも?って言ったんだけど……」
「うん聞いたよ?じゃ行きますか~」
「……はい……」
10
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?


元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる