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第1章
34 少し俺の事舐めてませんか?
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休憩も挟まず、今度は剣術での立ち合いが始まる。
「俺を本当に切り裂くつもりで、真剣を振るってくれる?」
「いや……真剣って……流石にそれは危険では?大怪我しますよ?」
「問題無いから、真剣使って……俺の技量を見たいんでしょ?」
「そうですか……少し俺の事舐めてませんか?
ま、良いでしょう。遠慮なく、いかせてもらいますよ」
「うん。最初、俺からは攻撃しないで、防御だけするから。
俺を魔族かなんかだと思って、思いっきり本気で掛かってきて」
「だからそれが、舐めてるって言うんだよ……」
小声でぶつぶつ……不服そうなサインツ。
「初め!」
サインツは、腰を屈めたかと思うと、アルティスに向かって、超速で飛び掛かった。
天才と言われてるだけあって、勇者などより遥かに早く、剣先も鋭い。
〝ざんざんざん…………ビュンビュンビュンビュン!〝
サインツの剣が、アルティスの身体を容赦なく切り刻む。しかし……
「な、何故切れていないんだ?確実に切りさいたはず……」
「……切ってないから切れてないんでしょ?それとも切った手応えでもあった?」
「な、何で?何がどうなってる?魔法とか使ってるんじゃ無いのか?」
「いや、普通に避けてるんだけど?」
「そ、そんな……避ける動作が見えないなんて……そんなスピードあり得ない……
本当に身体強化とかじゃないのか?」
「してないよ?魔法禁止なんでしょ?身体強化とかしたら、こんな感じだよ」
〝スッ〝とアルティスが視界から消えた。
〝ズバン!ズバン!ビュ~~ン!ビュ~~ン!〝
音はする。風も吹けど、アルティスの姿は、残像すらも見えない。
「見えた?」
忽然とサインツの目の前に、姿を現すアルティス。
「これね~身体強化と同時に、地面も魔法で強化しないと、全然早く動けないんだよ?
地面がクレーターだらけになって、蹴り出す力が逃げちゃうの。結構むずいよ?」
「……………………参りました……」
「えっ?もう良いの?未だ、な~んも剣技見せてないけど?」
「剣技以前に、目に見えない程のスピードの相手には、手も足も出ません……」
震えが止まらないサインツ。
(とんでもねえ圧だよこの人。目の前に立たれなきゃ、気付かね~かもしんねえが……)
「そっか~ 分かったよ。じゃあ、これで終了。
でも、サインツさん、凄く良い感じにマナ使えてるね?
でも、まだまだ上達の余地があるよ?
今からマナの動き、目で見える様に可視化してみせるから、それをコントロールしてみて」
手合わせが、いつの間にか、アルティスの講義に代わっていた。
皆んな目を輝かせて、アルティスの話に耳を傾けている。
「上手くいった様ですな?」
「アルが、魔法を打ち始めた時は、ヒヤヒヤしたぞ?
それにしても、初めて見たが、我が国の先鋭の騎士団だろ?やつら。
それがだ……アルティスの間に、これ程までの差があるとは。
驚きを通り越して、呆れるばかりだぞ」
「私も初めて見ましたが、改めて思い知らされました。
あの力あって初めて魔族を撃退出来たのだと。
アルティス殿が、戻ってくれていなかったら、今頃王国はどうなっていたのやら……
娘も失うところだったかと思うと、今更ながら、恐ろしくなりますな……」
「おちゃらけた……いや本人は真面目にか?
あのアルティス猫とかの姿を、普段見せられてると、つい忘れてしまうが、
言われてみれば、アルティスが居なければ、
フィオナとて、無事ではいられなかっただろう……
神が与えてくれた奇跡なのかもしれん……
で?あいつは今、何をレクチャーしておるのだ?」
「ちゃうちゃう、猫耳の様に手を頭の上に乗せるの。
そんで~~顔を斜めに、にっこり笑顔で!」
「「……………………」」
「アルティス殿!驚きです。この短時間で、騎士団をここまで変えるとは。
騎士団、魔法騎士団とも、大きく戦力アップしております」
「今迄、皆んなが一生懸命訓練してきたからだね。
基礎が出来ていなければ、こうは簡単にいかなかったよ?でしょ?団長さん達」
「あの……厚かましいのですが……出来れば地方の各支部の者にも、一度ご教授頂けませんか?」
「あ……ごめん。こう見えても、俺今、凄く忙しくて、時間取れないかな?
でもね、貴方達が教則本みたいに使ってる、
大昔に、神から授かったとか言われている指導書の写しね?
あれ、見せて貰ったけど、写しを繰り返してるうちにメチャクチャになってるよ。
で、神達が新たに、それぞれの〝手引書〝って言ってたけど……渡されているから、
今は、それ読んで訓練してみてくれないかな?
分らない事あれば、いつでも聞きにきてくれて良いからさ」
「「か……神様達が……」」
皆んなの尻尾が激しく揺れている。アルティスが猫教えたから?気のせいかな?
「俺を本当に切り裂くつもりで、真剣を振るってくれる?」
「いや……真剣って……流石にそれは危険では?大怪我しますよ?」
「問題無いから、真剣使って……俺の技量を見たいんでしょ?」
「そうですか……少し俺の事舐めてませんか?
ま、良いでしょう。遠慮なく、いかせてもらいますよ」
「うん。最初、俺からは攻撃しないで、防御だけするから。
俺を魔族かなんかだと思って、思いっきり本気で掛かってきて」
「だからそれが、舐めてるって言うんだよ……」
小声でぶつぶつ……不服そうなサインツ。
「初め!」
サインツは、腰を屈めたかと思うと、アルティスに向かって、超速で飛び掛かった。
天才と言われてるだけあって、勇者などより遥かに早く、剣先も鋭い。
〝ざんざんざん…………ビュンビュンビュンビュン!〝
サインツの剣が、アルティスの身体を容赦なく切り刻む。しかし……
「な、何故切れていないんだ?確実に切りさいたはず……」
「……切ってないから切れてないんでしょ?それとも切った手応えでもあった?」
「な、何で?何がどうなってる?魔法とか使ってるんじゃ無いのか?」
「いや、普通に避けてるんだけど?」
「そ、そんな……避ける動作が見えないなんて……そんなスピードあり得ない……
本当に身体強化とかじゃないのか?」
「してないよ?魔法禁止なんでしょ?身体強化とかしたら、こんな感じだよ」
〝スッ〝とアルティスが視界から消えた。
〝ズバン!ズバン!ビュ~~ン!ビュ~~ン!〝
音はする。風も吹けど、アルティスの姿は、残像すらも見えない。
「見えた?」
忽然とサインツの目の前に、姿を現すアルティス。
「これね~身体強化と同時に、地面も魔法で強化しないと、全然早く動けないんだよ?
地面がクレーターだらけになって、蹴り出す力が逃げちゃうの。結構むずいよ?」
「……………………参りました……」
「えっ?もう良いの?未だ、な~んも剣技見せてないけど?」
「剣技以前に、目に見えない程のスピードの相手には、手も足も出ません……」
震えが止まらないサインツ。
(とんでもねえ圧だよこの人。目の前に立たれなきゃ、気付かね~かもしんねえが……)
「そっか~ 分かったよ。じゃあ、これで終了。
でも、サインツさん、凄く良い感じにマナ使えてるね?
でも、まだまだ上達の余地があるよ?
今からマナの動き、目で見える様に可視化してみせるから、それをコントロールしてみて」
手合わせが、いつの間にか、アルティスの講義に代わっていた。
皆んな目を輝かせて、アルティスの話に耳を傾けている。
「上手くいった様ですな?」
「アルが、魔法を打ち始めた時は、ヒヤヒヤしたぞ?
それにしても、初めて見たが、我が国の先鋭の騎士団だろ?やつら。
それがだ……アルティスの間に、これ程までの差があるとは。
驚きを通り越して、呆れるばかりだぞ」
「私も初めて見ましたが、改めて思い知らされました。
あの力あって初めて魔族を撃退出来たのだと。
アルティス殿が、戻ってくれていなかったら、今頃王国はどうなっていたのやら……
娘も失うところだったかと思うと、今更ながら、恐ろしくなりますな……」
「おちゃらけた……いや本人は真面目にか?
あのアルティス猫とかの姿を、普段見せられてると、つい忘れてしまうが、
言われてみれば、アルティスが居なければ、
フィオナとて、無事ではいられなかっただろう……
神が与えてくれた奇跡なのかもしれん……
で?あいつは今、何をレクチャーしておるのだ?」
「ちゃうちゃう、猫耳の様に手を頭の上に乗せるの。
そんで~~顔を斜めに、にっこり笑顔で!」
「「……………………」」
「アルティス殿!驚きです。この短時間で、騎士団をここまで変えるとは。
騎士団、魔法騎士団とも、大きく戦力アップしております」
「今迄、皆んなが一生懸命訓練してきたからだね。
基礎が出来ていなければ、こうは簡単にいかなかったよ?でしょ?団長さん達」
「あの……厚かましいのですが……出来れば地方の各支部の者にも、一度ご教授頂けませんか?」
「あ……ごめん。こう見えても、俺今、凄く忙しくて、時間取れないかな?
でもね、貴方達が教則本みたいに使ってる、
大昔に、神から授かったとか言われている指導書の写しね?
あれ、見せて貰ったけど、写しを繰り返してるうちにメチャクチャになってるよ。
で、神達が新たに、それぞれの〝手引書〝って言ってたけど……渡されているから、
今は、それ読んで訓練してみてくれないかな?
分らない事あれば、いつでも聞きにきてくれて良いからさ」
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皆んなの尻尾が激しく揺れている。アルティスが猫教えたから?気のせいかな?
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