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第1章
30 プッ、悪魔神だって
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「貴様ら、こそこそ内緒話か?舐めおって」
「え?何?どこどこどこ?」
「あの気持ち悪い球からじゃないか?」
「我は悪魔の神……悪魔神だ」
「プッ、ちょっとキイタ?悪魔神だって……だっさ~~ せめて魔神にしたら?」
「………………」
「アルティス、笑うなって、悪魔神の球が困ってるぞ……ププププ……」
「くっ……馬鹿にしおって。そうしていられるのも今のうちだ。 サモン!武神!剣神!」
〝ズウウウ~~ン~~……〝低い鐘の音の様な音がお腹に響く。
薄っすらと人影が2体。影がはっきりすると、そこには、武神と、剣を構えた剣神が立っていた。
「あ、あれ?おじさん達?」
アルティスの武の師匠達だ。
「まさか操られている?」
「神の力さえ凌ぐと、囁かれているお前だが、この2神同時に抗えるのか?
さあ、武神!剣神!やれっ!」
息をつく間も無く、いきなり剣神が、アルティスの目と鼻の先にまで、迫ってきていた。
同時に剣が、アルティスに向かって降り下ろされている。
アルティスの肩から反対の腰まで、剣が通り過ぎた。
〝トントン〝背後から剣神の肩を叩く者がいる。
振り返ると、真っ二つにした筈のアルティスだ。目を見開く剣神。
「あっ、それ残像?みたいな……」
言うや否や、アルティスは、剣神の顔に軽く裏拳をぶつける!
〝グシャッ!〝吹き飛ばされる剣神。
背後から物凄い拳圧の拳が、アルティスの顔を吹き飛ばす。
〝トントン〝
「だ・か・ら~ それ残像だって……」
その言葉を最後まで聞く前に〝スッガ~ン!〝武神は、アルティスの横蹴りで、吹き飛んでいた。
たったの2発で、神々は姿が薄くなり、消えそうだ。
「え?もう終わり? この2神、くりそつだし、力も技も同等かもだけど……
拳を合わせたら、すぐ分かるよ?圧倒的に経験値が足りない。
あんまり使い物にならない、残念コピーだったね?ごくろ~さ~ん」
「き、貴様、い、いつの間に……それ程までに力を……」
「何か前から俺の事、良く知ってるみたいな言い方?
神の力さえ凌ぐ……とかも言ってたな?あんた何者だ?」
「だ、だから悪魔……神……だと……」
「あ、ちょっと、悪魔神って名乗るの恥ずかしくなった?」
「や、やかましい!」
「あ、逆ギレ?」
「ふ……まあ良い。ア、アル……お、お前が予期せず現れたから……ちょっと試してみただけだ。
今は未だその時では無い、待っておれ、この世界が終わる時を」
禍々しい球が、2神のコピーと共に、す~っと消えた。
(貴様から最後、アルとか言いそうになってたな?
芝居してたのが、ついうっかり素に戻りそうになった?
やっぱり俺の事よく知ってそうだな)
「アルティス!追わなくて良いのか? いや、あれは追えないか?」
「ん? あいつ悪魔って言ってたろ?
悪魔の領域……あそこは創造神のじいちゃんが造った場所じゃ無いんだよ。
あらゆる生きとし生けるもの……それの発する負のエネルギー。
それが集まり生み出した世界。それが悪魔の領域なんだ。
奴がこっちに来れたんだから、俺も行って行けない事もないんだろうけど、
そのうちまた、来そうな事言ってたろ?
追わなくても、待ってれば、来るんじゃない?
悪魔の領域が何処に在るかは、正確には分かっていないし」
「場所が分からないと?」
「正確に言うと次元だけどね。あと、気になるのは奴が逃げた場所。
気配を追ってみたけど、悪魔の領域には、行ってない気がする。
この世界の何処か。こっちに拠点が、ありそうだよ?」
「拠点て、この世界にそんな物が?そりゃあ物騒だな?そこが何処なのか、気配は追えなかったのか?」
「うん。そもそも俺、気配たどるの、そんなに得意じゃないんだよ。
特別な人とか、行った事があって、イメージし易い所とかなら良いんだけど、
そうじゃないと、例えばこの国だったら、境界の果てとか、その辺が限界かな?」
「十分すごすぎるぞ、それ」
「それよか、先ずはこいつ」
「バカ魔王、ノルマン?」
「正気に戻してやらないと。何年も身体も心も乗っ取られてた感じだし」
「戻せるのか?」
「どうだろ?マナの流れを治してあげれば、治るかも」
ぼ~っと前を虚な目で見ているだけのノルマンの頭に、手のひらを乗せ、光の粒を流し込むアルティス。
ノルマンは〝カクン〝と膝から落ちて、気を失った。
とても安らかな寝顔をしている。憑き物が落ちたとは、まさに、こういう事を言うのだろう。
「今のこいつから、邪悪なものは感じない。少ししたら元の魔王に戻りそうだな。
その頃で良いから、お前達魔王に、もう一度集まって貰いたいんだけど?」
「「「「………………」」」」
「え?何?どこどこどこ?」
「あの気持ち悪い球からじゃないか?」
「我は悪魔の神……悪魔神だ」
「プッ、ちょっとキイタ?悪魔神だって……だっさ~~ せめて魔神にしたら?」
「………………」
「アルティス、笑うなって、悪魔神の球が困ってるぞ……ププププ……」
「くっ……馬鹿にしおって。そうしていられるのも今のうちだ。 サモン!武神!剣神!」
〝ズウウウ~~ン~~……〝低い鐘の音の様な音がお腹に響く。
薄っすらと人影が2体。影がはっきりすると、そこには、武神と、剣を構えた剣神が立っていた。
「あ、あれ?おじさん達?」
アルティスの武の師匠達だ。
「まさか操られている?」
「神の力さえ凌ぐと、囁かれているお前だが、この2神同時に抗えるのか?
さあ、武神!剣神!やれっ!」
息をつく間も無く、いきなり剣神が、アルティスの目と鼻の先にまで、迫ってきていた。
同時に剣が、アルティスに向かって降り下ろされている。
アルティスの肩から反対の腰まで、剣が通り過ぎた。
〝トントン〝背後から剣神の肩を叩く者がいる。
振り返ると、真っ二つにした筈のアルティスだ。目を見開く剣神。
「あっ、それ残像?みたいな……」
言うや否や、アルティスは、剣神の顔に軽く裏拳をぶつける!
〝グシャッ!〝吹き飛ばされる剣神。
背後から物凄い拳圧の拳が、アルティスの顔を吹き飛ばす。
〝トントン〝
「だ・か・ら~ それ残像だって……」
その言葉を最後まで聞く前に〝スッガ~ン!〝武神は、アルティスの横蹴りで、吹き飛んでいた。
たったの2発で、神々は姿が薄くなり、消えそうだ。
「え?もう終わり? この2神、くりそつだし、力も技も同等かもだけど……
拳を合わせたら、すぐ分かるよ?圧倒的に経験値が足りない。
あんまり使い物にならない、残念コピーだったね?ごくろ~さ~ん」
「き、貴様、い、いつの間に……それ程までに力を……」
「何か前から俺の事、良く知ってるみたいな言い方?
神の力さえ凌ぐ……とかも言ってたな?あんた何者だ?」
「だ、だから悪魔……神……だと……」
「あ、ちょっと、悪魔神って名乗るの恥ずかしくなった?」
「や、やかましい!」
「あ、逆ギレ?」
「ふ……まあ良い。ア、アル……お、お前が予期せず現れたから……ちょっと試してみただけだ。
今は未だその時では無い、待っておれ、この世界が終わる時を」
禍々しい球が、2神のコピーと共に、す~っと消えた。
(貴様から最後、アルとか言いそうになってたな?
芝居してたのが、ついうっかり素に戻りそうになった?
やっぱり俺の事よく知ってそうだな)
「アルティス!追わなくて良いのか? いや、あれは追えないか?」
「ん? あいつ悪魔って言ってたろ?
悪魔の領域……あそこは創造神のじいちゃんが造った場所じゃ無いんだよ。
あらゆる生きとし生けるもの……それの発する負のエネルギー。
それが集まり生み出した世界。それが悪魔の領域なんだ。
奴がこっちに来れたんだから、俺も行って行けない事もないんだろうけど、
そのうちまた、来そうな事言ってたろ?
追わなくても、待ってれば、来るんじゃない?
悪魔の領域が何処に在るかは、正確には分かっていないし」
「場所が分からないと?」
「正確に言うと次元だけどね。あと、気になるのは奴が逃げた場所。
気配を追ってみたけど、悪魔の領域には、行ってない気がする。
この世界の何処か。こっちに拠点が、ありそうだよ?」
「拠点て、この世界にそんな物が?そりゃあ物騒だな?そこが何処なのか、気配は追えなかったのか?」
「うん。そもそも俺、気配たどるの、そんなに得意じゃないんだよ。
特別な人とか、行った事があって、イメージし易い所とかなら良いんだけど、
そうじゃないと、例えばこの国だったら、境界の果てとか、その辺が限界かな?」
「十分すごすぎるぞ、それ」
「それよか、先ずはこいつ」
「バカ魔王、ノルマン?」
「正気に戻してやらないと。何年も身体も心も乗っ取られてた感じだし」
「戻せるのか?」
「どうだろ?マナの流れを治してあげれば、治るかも」
ぼ~っと前を虚な目で見ているだけのノルマンの頭に、手のひらを乗せ、光の粒を流し込むアルティス。
ノルマンは〝カクン〝と膝から落ちて、気を失った。
とても安らかな寝顔をしている。憑き物が落ちたとは、まさに、こういう事を言うのだろう。
「今のこいつから、邪悪なものは感じない。少ししたら元の魔王に戻りそうだな。
その頃で良いから、お前達魔王に、もう一度集まって貰いたいんだけど?」
「「「「………………」」」」
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