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第1章
23 第3の奥義天空の雷……何それ?
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「な……いつの間に? 貴様!卑怯だぞ!」
「えっと?今の戦いの……何処に卑怯が有った?」
「片方が詠唱を始めたら、お互い同時に最後の1手を打つところだろ!それをいきなり背後から……」
「それ、魔族とかじゃ無くても、野盗とかにも通用しないだろ?」
「手合わせだろが!ルールを守れよ!」
しゃがみ込みながら、頭を勢いよくさする騎士科首席のカーマイル。
思った以上に痛かった様で、戦う事をすっかり忘れている。
「そんなルール有るなら最初から言えよ…… 大体そんな詠唱しないと、気が溜められない?」
「………………」
「お前ちょっと、詠唱でも何でもして良いからさ、気を溜めて、この的を打ってみてくれないか?」
「お前に見せなきゃいけない理由は無いだろう……
と言いたいところだが、まあ良い……驚くが良い。
第3の奥義!天空の雷!…………………………ウォリャー!」
〝ガッシャ~ン!〝
電気を纏った剣が、頑丈な人型の的を、バラバラに砕く。中々の破壊力だ。
「お前、修行をしっかりしてるのは分かるよ?でも……気?マナと同じ物だが……
それを練って、纏ってるって、言うけど、さっきの俺との立ち合いの様に、
実戦で動きを止めてる時間は無いぞ?
いったい何の為に訓練してるんだ?手合わせで、勝つためか?」
「………………」
「大切な人を守る為なんじゃないのか?」
「……まあお前の言う様に、実践で役に立たなきゃ、意味が無いってのは分かるよ……」
「だろ?お前、いつもは、どんな訓練してるんだ?」
「訓練か?先ずは、そうだな?欠かさないのは素振りだろ?
そして、今みたいな立ち会いでの実践訓練だ」
「ちっと、いつもの素振りしてみてくれるか?」
「チッ、またかよ………… オリャア!」
「見事……良い太刀筋だよ?良く訓練されてる。
筋力を高める為、と言うならば有りだが、そうでなければ、
これ以上、もう素振りの訓練は要らないんじゃないか?
同じ位置から、同じ軌道で、同じ所に打ち込む……
でもな?相手は…………大きさも違えば、構えも立ち位置も違う、そして相手の人数も違うだろ?
それに対応するには、実践実践実践。それが全てだよ。
気を練って、纏ってるって言うけど、一瞬で気を練って、纏える様な訓練にしなよ。
口を使わず、少しずつ少しずつで良いから、時間を短縮していく様な、気の練り方を訓練することが、大事だと思うよ?」
「そりゃ、言うのは簡単だろうが……」
「ちょっと、その剣かしてみ」
剣を受け取るやなや〝ハッッ!〝剣を振り下ろすアルティス。
振り下ろされた剣の先の地面には、数十メートルの亀裂が走っていた。
「……………………」
目を丸くする騎士科の生徒達。
「お前達にも出来るよ? 騎士科でも、またやりますか?
先ずは、お前たちの言う所の気?……か?魔法科の皆んなと同じように、目で見えるようにして……」
アルティスの講義が、ここでも始まった。
目で見えるようになったマナを、だんだんにコントロール出来る様になる、騎士科の生徒達。
すると、見る見る剣筋が、鋭くなっていく。
最後には、詠唱しながら気を纏って……とか言っていた頃よりも、無詠唱でも、鋭い剣捌きが出来る様になった。
「私は、今までで、何を教えていたんだろう……
こんな短時間で、この子たちを、ここまで変えるなんて……」
「ん? 剣神の先生? 貴方もやってみてよ」
そう言うと先生の肩にそっと触れる。マナの光で、眩く輝き出す剣神と呼ばれるその先生。
「それを、ここに集めて、ゆっくり、こっちに動かして、ここに貯めて、一気に打ってみて……ハイッ!!!」
ドシャーン!10m程の亀裂を地面に開けた。1番届いているのはそれをやった剣神の先生だ。
「剣神の先生のマナの量はすごいね。コントロールも完璧。
長年真面目に訓練してきた事がよく分かる。それは無駄じゃなかったって事だね」
「アルティス殿……」
何だか、とても感動している剣神の先生。
「ねえねえ……何の奥義だっけ?」
首席の少年、首席のカーマイルに、コソコソ話し掛けるアルティス。
「ん? 第3の奥義、天空の雷だけど?」
「他には他には?第1の奥義は?」
「えっ?何で?」
「良いから良いから~ 早く教えてよ~ 今度やってみたいんだよ~
動きを止めずに、あの台詞言いながら攻撃したら良くない? あれ凄くかっこ良い~じゃん!」
「プッ…… お前…………」
思わず吹き出す首席カーマイルだった。
後日の事、王城の大きな会議室に呼ばれたアルティスは驚いた。
そこに居たのは、リヴァルド王を始め、王国の大臣、騎士団幹部、魔法騎士団幹部。
総勢100人は集まっている。
中心にはリヴァルド王。何が始まるんだ?これ……
「アルティス。お前先日、王立学園に行って、生徒逹に一体何をしたのだ?」
「……ん? 何それ?人聞きの悪い……だだの見学だけど?」
(何だこの面子?え~と?何もしてないよね~?俺?)
「フィオナから、聞いておらなんだか?」
「??????」
「先週末、学園と騎士団の合同演習会が有ったのだ。
学生達に騎士団、魔法騎士団の厳しさを教える為の模擬戦。
親睦も深める為の恒例の行事、それが合同演習会だ。
なのにだ……生徒達の圧勝だったと……面目丸潰れ……な訳だよ。
お前が色々やってくれたそうじゃないか?」
「え?マジ? 前に見た時、騎士団、魔法騎士団どっちもマナの量、コントロール共、
生徒達よりもずっと上に見えたけど?」
「そりゃそうだろ。それが専門で、訓練も怠らず精進している事は皆んな知っておる。
それが惨敗だったんだよ。
子供達は驚くどころか、それが当然だって顔をしていたそうだ。
アルティスお前、心当たりが有るだろ?」
「まさかだけど……騎士団達とか、実戦で使い物にならないマナの使い方とかしてたりして?」
かくして、ここでもアルティスの講義が始まるのだった。
「えっと?今の戦いの……何処に卑怯が有った?」
「片方が詠唱を始めたら、お互い同時に最後の1手を打つところだろ!それをいきなり背後から……」
「それ、魔族とかじゃ無くても、野盗とかにも通用しないだろ?」
「手合わせだろが!ルールを守れよ!」
しゃがみ込みながら、頭を勢いよくさする騎士科首席のカーマイル。
思った以上に痛かった様で、戦う事をすっかり忘れている。
「そんなルール有るなら最初から言えよ…… 大体そんな詠唱しないと、気が溜められない?」
「………………」
「お前ちょっと、詠唱でも何でもして良いからさ、気を溜めて、この的を打ってみてくれないか?」
「お前に見せなきゃいけない理由は無いだろう……
と言いたいところだが、まあ良い……驚くが良い。
第3の奥義!天空の雷!…………………………ウォリャー!」
〝ガッシャ~ン!〝
電気を纏った剣が、頑丈な人型の的を、バラバラに砕く。中々の破壊力だ。
「お前、修行をしっかりしてるのは分かるよ?でも……気?マナと同じ物だが……
それを練って、纏ってるって、言うけど、さっきの俺との立ち合いの様に、
実戦で動きを止めてる時間は無いぞ?
いったい何の為に訓練してるんだ?手合わせで、勝つためか?」
「………………」
「大切な人を守る為なんじゃないのか?」
「……まあお前の言う様に、実践で役に立たなきゃ、意味が無いってのは分かるよ……」
「だろ?お前、いつもは、どんな訓練してるんだ?」
「訓練か?先ずは、そうだな?欠かさないのは素振りだろ?
そして、今みたいな立ち会いでの実践訓練だ」
「ちっと、いつもの素振りしてみてくれるか?」
「チッ、またかよ………… オリャア!」
「見事……良い太刀筋だよ?良く訓練されてる。
筋力を高める為、と言うならば有りだが、そうでなければ、
これ以上、もう素振りの訓練は要らないんじゃないか?
同じ位置から、同じ軌道で、同じ所に打ち込む……
でもな?相手は…………大きさも違えば、構えも立ち位置も違う、そして相手の人数も違うだろ?
それに対応するには、実践実践実践。それが全てだよ。
気を練って、纏ってるって言うけど、一瞬で気を練って、纏える様な訓練にしなよ。
口を使わず、少しずつ少しずつで良いから、時間を短縮していく様な、気の練り方を訓練することが、大事だと思うよ?」
「そりゃ、言うのは簡単だろうが……」
「ちょっと、その剣かしてみ」
剣を受け取るやなや〝ハッッ!〝剣を振り下ろすアルティス。
振り下ろされた剣の先の地面には、数十メートルの亀裂が走っていた。
「……………………」
目を丸くする騎士科の生徒達。
「お前達にも出来るよ? 騎士科でも、またやりますか?
先ずは、お前たちの言う所の気?……か?魔法科の皆んなと同じように、目で見えるようにして……」
アルティスの講義が、ここでも始まった。
目で見えるようになったマナを、だんだんにコントロール出来る様になる、騎士科の生徒達。
すると、見る見る剣筋が、鋭くなっていく。
最後には、詠唱しながら気を纏って……とか言っていた頃よりも、無詠唱でも、鋭い剣捌きが出来る様になった。
「私は、今までで、何を教えていたんだろう……
こんな短時間で、この子たちを、ここまで変えるなんて……」
「ん? 剣神の先生? 貴方もやってみてよ」
そう言うと先生の肩にそっと触れる。マナの光で、眩く輝き出す剣神と呼ばれるその先生。
「それを、ここに集めて、ゆっくり、こっちに動かして、ここに貯めて、一気に打ってみて……ハイッ!!!」
ドシャーン!10m程の亀裂を地面に開けた。1番届いているのはそれをやった剣神の先生だ。
「剣神の先生のマナの量はすごいね。コントロールも完璧。
長年真面目に訓練してきた事がよく分かる。それは無駄じゃなかったって事だね」
「アルティス殿……」
何だか、とても感動している剣神の先生。
「ねえねえ……何の奥義だっけ?」
首席の少年、首席のカーマイルに、コソコソ話し掛けるアルティス。
「ん? 第3の奥義、天空の雷だけど?」
「他には他には?第1の奥義は?」
「えっ?何で?」
「良いから良いから~ 早く教えてよ~ 今度やってみたいんだよ~
動きを止めずに、あの台詞言いながら攻撃したら良くない? あれ凄くかっこ良い~じゃん!」
「プッ…… お前…………」
思わず吹き出す首席カーマイルだった。
後日の事、王城の大きな会議室に呼ばれたアルティスは驚いた。
そこに居たのは、リヴァルド王を始め、王国の大臣、騎士団幹部、魔法騎士団幹部。
総勢100人は集まっている。
中心にはリヴァルド王。何が始まるんだ?これ……
「アルティス。お前先日、王立学園に行って、生徒逹に一体何をしたのだ?」
「……ん? 何それ?人聞きの悪い……だだの見学だけど?」
(何だこの面子?え~と?何もしてないよね~?俺?)
「フィオナから、聞いておらなんだか?」
「??????」
「先週末、学園と騎士団の合同演習会が有ったのだ。
学生達に騎士団、魔法騎士団の厳しさを教える為の模擬戦。
親睦も深める為の恒例の行事、それが合同演習会だ。
なのにだ……生徒達の圧勝だったと……面目丸潰れ……な訳だよ。
お前が色々やってくれたそうじゃないか?」
「え?マジ? 前に見た時、騎士団、魔法騎士団どっちもマナの量、コントロール共、
生徒達よりもずっと上に見えたけど?」
「そりゃそうだろ。それが専門で、訓練も怠らず精進している事は皆んな知っておる。
それが惨敗だったんだよ。
子供達は驚くどころか、それが当然だって顔をしていたそうだ。
アルティスお前、心当たりが有るだろ?」
「まさかだけど……騎士団達とか、実戦で使い物にならないマナの使い方とかしてたりして?」
かくして、ここでもアルティスの講義が始まるのだった。
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