アイズwithスターダスト 〜神聖力(エーテル)に愛された神の継承者〜

優陽 yûhi

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第1章

05 おっぱいが危ない

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 玉座の間にリヴァルド王に呼ばれるアルティス。
 玉座に座ったリヴァルド王は先程とは打って変わって威厳に溢れている。
「それにしても、アルティス……お前のその力は一体何なのだ?説明してくれんか?」
「ん~~ん……生まれ時にね、神聖力……エーテルと呼ばれる、光り輝く粒が宿ったんだって。ちょっと想定外の量だったらしいけど……それで、とてつもない潜在能力を得た俺は、
 こっそり裏の森でエーテルと遊び、身体能力が高まり、
 エーテルから学び、真似る事で魔力の使い方を覚えたんだ。
 あの日、事件に巻き込まれた俺を創造神のじいちゃんが神界に保護して、
 そこで10年、創造神の下に集う12柱の神々から、ありとあらゆる事を叩き込まれながら育ったんだよ?
 今話せるのはこれ位かな?信じる?」
「神?神界で育てられたと? にわかには信じがたい事では有るが、今の状況から信じざるを得まいて……」
 考え込むリヴァルド王だった。
「さて、アルティス。誠に遺憾ではあるが……お主に褒賞を与える。何か希望はあるか?」
 何が遺憾だよ、オッサン。
「とりま何か食べたい。腹減った」
「へっ?褒章だよ?食い物?欲しいのはそれだけ?」
「その後はデザートに姫を……」
「ふだ~~げんな~~‼︎」
 何ですと? ふざけるな?ですか?一気に威厳が無くなったな。

 ゆるキャラ2頭身猫少年が王宮のダイニングでガツガツ食事している。
 マナーも何も有ったもんじゃ無い。
「うみゃーにゃー♡」
 うん、猫にしか見えん。完璧じゃないかアルティス。
 暫くすると猫が食べるのを止めてボーッとリヴァルド王を見つめている。
「なっ……なんじゃ?」
(//∀//)王よ何故顔を赤らめる?
「アルティス? ねえ?アル?」
 フィオナの話し方が敬語からタメ口に……少しずつ時を戻す様に変化していく。
「えっ何?」
 猫は最初からタメ口だ。

「どうしたの?ボーッとお父様を見つめて?」
「いや?オッサンの顔とか見てないけど?」
「誰がオッサンじゃ!」
「ちょっと、嫌な情景じょうけいが目に浮かんだ……北の方の砦に、魔族が押し寄せて来ているよ?
 さっき戦った数とか比べ物にならない……数万は居るかな?こっちが本命だったんだ?」
「な……何故その様な事が分かるのだ?」
「この国の広さ位なら国中の気配がほぼ全て感知できるよ?
 心眼でそこをおぼろげに見る事もできるし?
 あっ、まずいな?砦が魔族の手に落ちそうだ」
「北の砦‥あそこには今、余り多くの騎士は居らんぞ‥
 南西の魔王軍討伐に大部分を割いたからな‥
 そして、その騎士達は殆ど犠牲になってしまったと聞く‥」
 か細く震わせたその声は多くを死なせてしまった事に、自責の念を感じている様だ。
 国民を思いやれるこのオッサン、中々いい王様じゃないか。
 大丈夫だよオッサン、女神の癒しで多分彼らは生き戻ってる‥
「今、王都軍は城を守る千人程しか居らんぞ‥」
 顔を青くするリヴァルド王。
 砦が破られ王都に数万もの魔族が押し寄せたらひとたまりも無い。
「心配しなくても良い。雛を俺にくれると約束するならば、全て解決して見せよう」
 鼻の穴を広げながらドヤ顔猫が言う。
「‥ヤダ‥‥あげない‥」  
 リヴァルド王が呟く‥
 えっ?ヤダって言った?国民の命よりフィオナが大事?
 前言撤回、困った王様だ‥  良いからフィオナくれよ?
「アル?急に偉そうなんですけど……」
「冗談言っている場合じゃ無いな……おっぱいの大きな可愛い女の子が危ない。
 たった1人で、防御障壁を張って、頑張っているけど……」
「おっぱいの大きな可愛い女の子って、まさかソフィヤ? 朧げって言ってたけど、そこまで分かるの?」
 北の砦を守っている騎士団に、女の子はそう多くは居ない……
 心配そうに顔を歪まがせるフィオナ。親しい友人の様だ。
「少し霞みはするけど、大体の様子は分かるよ?
 うんっ?他に騎士とか誰もいない?ああ、地下に避難してるのか……
 皆んな大怪我しているな……息の無い者も大勢……待ってろ、おっぱい!今行く!」
「無理じゃ……もう間に合わん……」
 膝から崩れ、震えながらハーゲンが呟く。
 そんな言葉に見向きもせず、アルティスはバルコニーから、空に舞い上がる。
 そして次の瞬間、皆んなの視界から〝フッ〝と消えた。
「大丈夫、絶対間に合います」
 フィオナが言い切る。
「いくら何でも到底間に合いますまい……」
 声も絶え絶え、悲しそうに震えている。
 ソフィアは宰相ハーゲンの娘だった。ウソ?マジ?美少女だぞ?似てないのだ。
「砦までどれだけ離れていようと、必ず間に合います!
 瞬きしている間に、私は戦場から150km離れた王都に居ました!
 今頃もう砦を見下ろしてる頃……」
「そんなまさか?」
 ハーゲンは祈る様に空を見上げた。
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