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前菜 開店準備に大車輪!
第25話 私は完全幸福サレンダー
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私はウィラ・グルナイ!
獣人ガルワナ族の永遠の一八歳!
そう、永遠になりました。
これもすべてクレアさまのお陰です。
無知で貧弱で矮小で下劣だった私はあの日、愚かにもご主人さまの暗殺に向かって失敗し、クレアさまによって永遠なる眷属ヴァンパイアにしていただきました。
お陰でもー毎日がちょーハッピー! って感じ?
えへえへ……
仲間もできたし。
仲間……
初めての、おともだち……
えへえへえへ……
そうそう、お店の一員になるまでになにがあったかちょろっと話しとこうかな!
クレアさまの眷属にしていただいた私は、翌日からたっぷり調教を受け、ご主人さまからとっても大事な任務を言い渡されたの。
「ラジェル商会の目ぼしい悪党どもをブッ殺してこい」
よゆーのよっちゃんちょーお任せ! って感じ!
あのクソ野郎どももとから大嫌いだし皆殺しにしても全然オッケーなんだけど、皆殺しはダメなんだって。なんか難しいこといってたけど私馬鹿だからよくわかんない。
しかもご主人さま、すんごい注文が多くて覚えるのが大変だった……
私、殺すしか能のない暗殺者だからあんまりいろいろいわれてもできるか不安なんだけど、でもでもご主人さまの命令は絶対で、クレアさまの命令より絶対だってクレアさまがいってたから、失敗しないように頑張って覚えたのだ!
そんなわけでシェラン王国に戻って、サクッと頭取の首をかき切ってやりました。
噴き出した血が死ぬほど美味しそうだったけど、あんなクズ野郎の血なんて死んだって飲みたくないから死ぬほど我慢して立ち去って、どんどん殺していった。
だけどすぐに噂が広まって、殺せば殺すほど難しくなっていったよ……
同業者とか私と同じように商会に買われて暗殺者になったやつとかも出てきたし、何度か普通だったら死んでたような傷ももらっちゃった。
でもへーき!
だって私、ヴァンパイアになったから!
もーいつでもビンッビンのギンッギン!
いやー便利だねーヴァンパイアって。
血さえ飲んでれば生きてられるし、私もとから夜型だし、傷はすぐ治るし、クレアさまさまさま!
まっ、顔馴染みのやつにはさすがに驚かれたけどねー。同期で訓練受けた子とか私を妹みたいに可愛がってくれてたお姉さまとかが護衛についてたりもしてちょっとやりにくかったけど、まっ、こんな商売だし?
敵なら殺《ヤ》っちゃうしかないよねー!
お姉さまの血、たいへんおいしゅうございました。
そんなこんなで一週間ほど殺しに殺し回って、ラジェル商会は滅亡しましたとさ!
残念!
まー報いだよね、あくどい方法でぼろ儲けしてたし、単なる奴隷商売ならともかくさらった子供や貴族なんかを売買しちゃってたことがぜ~んぶバレちゃったんだもん。
バラしたの私だけど!
うん、これがご主人さまの命令だったのね。
やつらの悪事の証拠をできるだけバラ撒いてこいって。
ついでにバリザード商工会の紋章の入った空封筒を現場に置いてきたから、シェランじゃあ商工会の怨念だーとかやつらがヴァンパイアになって復讐しにきたんだーとかいって、大騒ぎ。
あ、うん、ヴァンパイアの仕業ってことはさすがにバレちゃった。
だってしょうがないじゃん!?
殺したら吸うでしょ、フツー!
ってな感じで無事任務完了して戻ってくると、クレアさまからご褒美をいただいた。
耳と尻尾がふさふさで犬っぽいから首輪だって!
わんわん!
でも本命は別にあって、クレアさまから血を吸ってもらっちゃった~……にへへ。
しかも吸った血を逆流させて私に戻すの!
吸われては戻され、吸われては戻され、吸われるときの天にも昇るような快楽と戻されたときの、快感が全身を駆け巡って中から弾け飛ぶようなあの気持ちよさったらない……!
もう頭の中ぐっちゃぐちゃ。
体のほうもぐっちゃぐちゃ。
私、完全にトチ狂っちゃった!
前の私ってどんなんだっけ?
もっとじめじめして暗かったような気がするんだけど、もう思い出せないや!
暗殺者になるための訓練を受けてたときからハシスとかいう変な薬を飲まされてて、あれもおかしくなるくらい気持ちよくなれたんだけど、そんなのメじゃないね! もうあんな紛い物の快楽なんていりませーん!
そういえばハシスの話をしたときご主人さまがすんごい顔してたけど、なんでだろう?
まっ、なんでもいいや!
私は完全に生まれ変わったのです!
最高の主人と、たくさんの仲間ができてちょーハッピーなのだ!
「今日からうちの従業員として働くことになった、ウィラ・グルナイだ。こいつの担当は夜間警備で基本単独の仕事だが、なにかあったときは渡した鈴を鳴らせ。こいつが駆けつけて綺麗さっぱり処理してくれる」
ハイ!
キレイ殺ッパリ処理シマス!
「ほら、挨拶しろ」
「よろしく……」
思ったほど声が出なかった……
初めてできた仲間だし、やっぱりちょっとキンチョーしちゃうかなっ?
でも大丈夫!
時間なんていくらでもあるし、きっとすぐに仲良くなってやるんだっ!
おともだち、たくさん……
えへっ、えへえへえへ……
獣人ガルワナ族の永遠の一八歳!
そう、永遠になりました。
これもすべてクレアさまのお陰です。
無知で貧弱で矮小で下劣だった私はあの日、愚かにもご主人さまの暗殺に向かって失敗し、クレアさまによって永遠なる眷属ヴァンパイアにしていただきました。
お陰でもー毎日がちょーハッピー! って感じ?
えへえへ……
仲間もできたし。
仲間……
初めての、おともだち……
えへえへえへ……
そうそう、お店の一員になるまでになにがあったかちょろっと話しとこうかな!
クレアさまの眷属にしていただいた私は、翌日からたっぷり調教を受け、ご主人さまからとっても大事な任務を言い渡されたの。
「ラジェル商会の目ぼしい悪党どもをブッ殺してこい」
よゆーのよっちゃんちょーお任せ! って感じ!
あのクソ野郎どももとから大嫌いだし皆殺しにしても全然オッケーなんだけど、皆殺しはダメなんだって。なんか難しいこといってたけど私馬鹿だからよくわかんない。
しかもご主人さま、すんごい注文が多くて覚えるのが大変だった……
私、殺すしか能のない暗殺者だからあんまりいろいろいわれてもできるか不安なんだけど、でもでもご主人さまの命令は絶対で、クレアさまの命令より絶対だってクレアさまがいってたから、失敗しないように頑張って覚えたのだ!
そんなわけでシェラン王国に戻って、サクッと頭取の首をかき切ってやりました。
噴き出した血が死ぬほど美味しそうだったけど、あんなクズ野郎の血なんて死んだって飲みたくないから死ぬほど我慢して立ち去って、どんどん殺していった。
だけどすぐに噂が広まって、殺せば殺すほど難しくなっていったよ……
同業者とか私と同じように商会に買われて暗殺者になったやつとかも出てきたし、何度か普通だったら死んでたような傷ももらっちゃった。
でもへーき!
だって私、ヴァンパイアになったから!
もーいつでもビンッビンのギンッギン!
いやー便利だねーヴァンパイアって。
血さえ飲んでれば生きてられるし、私もとから夜型だし、傷はすぐ治るし、クレアさまさまさま!
まっ、顔馴染みのやつにはさすがに驚かれたけどねー。同期で訓練受けた子とか私を妹みたいに可愛がってくれてたお姉さまとかが護衛についてたりもしてちょっとやりにくかったけど、まっ、こんな商売だし?
敵なら殺《ヤ》っちゃうしかないよねー!
お姉さまの血、たいへんおいしゅうございました。
そんなこんなで一週間ほど殺しに殺し回って、ラジェル商会は滅亡しましたとさ!
残念!
まー報いだよね、あくどい方法でぼろ儲けしてたし、単なる奴隷商売ならともかくさらった子供や貴族なんかを売買しちゃってたことがぜ~んぶバレちゃったんだもん。
バラしたの私だけど!
うん、これがご主人さまの命令だったのね。
やつらの悪事の証拠をできるだけバラ撒いてこいって。
ついでにバリザード商工会の紋章の入った空封筒を現場に置いてきたから、シェランじゃあ商工会の怨念だーとかやつらがヴァンパイアになって復讐しにきたんだーとかいって、大騒ぎ。
あ、うん、ヴァンパイアの仕業ってことはさすがにバレちゃった。
だってしょうがないじゃん!?
殺したら吸うでしょ、フツー!
ってな感じで無事任務完了して戻ってくると、クレアさまからご褒美をいただいた。
耳と尻尾がふさふさで犬っぽいから首輪だって!
わんわん!
でも本命は別にあって、クレアさまから血を吸ってもらっちゃった~……にへへ。
しかも吸った血を逆流させて私に戻すの!
吸われては戻され、吸われては戻され、吸われるときの天にも昇るような快楽と戻されたときの、快感が全身を駆け巡って中から弾け飛ぶようなあの気持ちよさったらない……!
もう頭の中ぐっちゃぐちゃ。
体のほうもぐっちゃぐちゃ。
私、完全にトチ狂っちゃった!
前の私ってどんなんだっけ?
もっとじめじめして暗かったような気がするんだけど、もう思い出せないや!
暗殺者になるための訓練を受けてたときからハシスとかいう変な薬を飲まされてて、あれもおかしくなるくらい気持ちよくなれたんだけど、そんなのメじゃないね! もうあんな紛い物の快楽なんていりませーん!
そういえばハシスの話をしたときご主人さまがすんごい顔してたけど、なんでだろう?
まっ、なんでもいいや!
私は完全に生まれ変わったのです!
最高の主人と、たくさんの仲間ができてちょーハッピーなのだ!
「今日からうちの従業員として働くことになった、ウィラ・グルナイだ。こいつの担当は夜間警備で基本単独の仕事だが、なにかあったときは渡した鈴を鳴らせ。こいつが駆けつけて綺麗さっぱり処理してくれる」
ハイ!
キレイ殺ッパリ処理シマス!
「ほら、挨拶しろ」
「よろしく……」
思ったほど声が出なかった……
初めてできた仲間だし、やっぱりちょっとキンチョーしちゃうかなっ?
でも大丈夫!
時間なんていくらでもあるし、きっとすぐに仲良くなってやるんだっ!
おともだち、たくさん……
えへっ、えへえへえへ……
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