4 / 19
学生編
第4話
しおりを挟む
大学進学する為の学費は、ずっと頑張ってきた新聞配達と高校3年間のバイトのお金で賄った。
高校の時に費やした勉強を無駄にすることは無く、国公立の大学に受かった。
大学に進学してからも、気を緩めずに高校と変わらずにバイトを続けて、両親に期待せず、頼らずに学費を稼ぎながら、その他の時間を大学を卒業する為の単位をしっかり取って勉学に励んだ。
沢山の本を持った、老人の男性を見かけて声をかけた。
「教授、手伝います」
「ありがとうございます。君は、他の生徒と比べると珍しい位に真面目に授業を受けてる子だね」
私が手伝ってるこの人の授業は、ちゃんと勉強を怠らない人にとっては、分かりやすくて、合間に挟むユニークのある例え話が知識として役になって、お気に入りの教授である。
「大学に来たからには沢山の事を学びたいんです」
「良い事だ。1つ、気になる事があるんだが」
「何か気に障った事を」
慌てて、被せるように否定をされた。
「違うよ。ただ...。」
少し唸った教授の姿は珍しい物だ。
「1つの質問をしたい。答えたくなかったから、この話は終わりにしよう。君は何故、こんなにも必死に勉強するんだ?」
「勉強が好きなので」
うんと頷かれて
「それは、そうだろう。否定はしない。必死さが他の生徒には無い、狂気に見える瞬間がある」
「狂気ですか?」
「学においての狂気を持ってる私達みたいな人種に似てるが、特有の変態性がない。私達は知識を得る事が全てなのだ。君の場合は、手段に見える」
手段...。
「人と関わる事を、おすすめするよ。」
「今は、そんな余裕がありません」
「いつ、余裕が出来るんだぃ?」
いつ?
あの家を抜け出したら
「いつでも良い。ただ、余裕が出来たら休みなさい。遊びを覚えてみなさい。そしたら、人生が変わると思うよ」
私は教授の言葉を記憶の片隅に置いておく事にした。
在学中は、バイトを休まずに働いてきたから、卒業まで大学費用を両親に頼らず、奨学制度を利用せずに済んだ。
勉学も怠らずに、出席、課題、試験を手を抜かずに真面目に取り組んだ結果、首席合格からの首席卒業という、良い成績を残した。
就職には、在学中に有利になりそうな資格を片っ端から取っていた事で、無事に大手企業の内定を頂いた。
走馬灯のように駆け巡る。
複数のバイトを掛け持ちして時間が無い中で、大学の多くの課題をこなしながら、資格の勉強、頭がこんがらがるし大変だった。
大学の授業の課題が多く、資格勉強をするのが大変だった。
勿論、無理をして体調を崩す日もあった。
それでも、自分の体に鞭を打った。
卒業式、親が来るはずも無く、周りが卒業の日で賑わってる中、私は1人でお世話になった大学を見上げた。
私は、頑張ってきて良かったと心から思った。
高校の時に費やした勉強を無駄にすることは無く、国公立の大学に受かった。
大学に進学してからも、気を緩めずに高校と変わらずにバイトを続けて、両親に期待せず、頼らずに学費を稼ぎながら、その他の時間を大学を卒業する為の単位をしっかり取って勉学に励んだ。
沢山の本を持った、老人の男性を見かけて声をかけた。
「教授、手伝います」
「ありがとうございます。君は、他の生徒と比べると珍しい位に真面目に授業を受けてる子だね」
私が手伝ってるこの人の授業は、ちゃんと勉強を怠らない人にとっては、分かりやすくて、合間に挟むユニークのある例え話が知識として役になって、お気に入りの教授である。
「大学に来たからには沢山の事を学びたいんです」
「良い事だ。1つ、気になる事があるんだが」
「何か気に障った事を」
慌てて、被せるように否定をされた。
「違うよ。ただ...。」
少し唸った教授の姿は珍しい物だ。
「1つの質問をしたい。答えたくなかったから、この話は終わりにしよう。君は何故、こんなにも必死に勉強するんだ?」
「勉強が好きなので」
うんと頷かれて
「それは、そうだろう。否定はしない。必死さが他の生徒には無い、狂気に見える瞬間がある」
「狂気ですか?」
「学においての狂気を持ってる私達みたいな人種に似てるが、特有の変態性がない。私達は知識を得る事が全てなのだ。君の場合は、手段に見える」
手段...。
「人と関わる事を、おすすめするよ。」
「今は、そんな余裕がありません」
「いつ、余裕が出来るんだぃ?」
いつ?
あの家を抜け出したら
「いつでも良い。ただ、余裕が出来たら休みなさい。遊びを覚えてみなさい。そしたら、人生が変わると思うよ」
私は教授の言葉を記憶の片隅に置いておく事にした。
在学中は、バイトを休まずに働いてきたから、卒業まで大学費用を両親に頼らず、奨学制度を利用せずに済んだ。
勉学も怠らずに、出席、課題、試験を手を抜かずに真面目に取り組んだ結果、首席合格からの首席卒業という、良い成績を残した。
就職には、在学中に有利になりそうな資格を片っ端から取っていた事で、無事に大手企業の内定を頂いた。
走馬灯のように駆け巡る。
複数のバイトを掛け持ちして時間が無い中で、大学の多くの課題をこなしながら、資格の勉強、頭がこんがらがるし大変だった。
大学の授業の課題が多く、資格勉強をするのが大変だった。
勿論、無理をして体調を崩す日もあった。
それでも、自分の体に鞭を打った。
卒業式、親が来るはずも無く、周りが卒業の日で賑わってる中、私は1人でお世話になった大学を見上げた。
私は、頑張ってきて良かったと心から思った。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
妊娠したのね・・・子供を身篭った私だけど複雑な気持ちに包まれる理由は愛する夫に女の影が見えるから
白崎アイド
大衆娯楽
急に吐き気に包まれた私。
まさかと思い、薬局で妊娠検査薬を買ってきて、自宅のトイレで検査したところ、妊娠していることがわかった。
でも、どこか心から喜べない私・・・ああ、どうしましょう。
家に帰ると夫が不倫していたので、両家の家族を呼んで大復讐をしたいと思います。
春木ハル
恋愛
私は夫と共働きで生活している人間なのですが、出張から帰ると夫が不倫の痕跡を残したまま寝ていました。
それに腹が立った私は法律で定められている罰なんかじゃ物足りず、自分自身でも復讐をすることにしました。その結果、思っていた通りの修羅場に…。その時のお話を聞いてください。
にちゃんねる風創作小説をお楽しみください。
私の夫を奪ったクソ幼馴染は御曹司の夫が親から勘当されたことを知りません。
春木ハル
恋愛
私と夫は最近関係が冷めきってしまっていました。そんなタイミングで、私のクソ幼馴染が夫と結婚すると私に報告してきました。夫は御曹司なのですが、私生活の悪さから夫は両親から勘当されたのです。勘当されたことを知らない幼馴染はお金目当てで夫にすり寄っているのですが、そこを使って上手く仕返しします…。
にちゃんねる風創作小説をお楽しみください。
小児科医、姪を引き取ることになりました。
sao miyui
キャラ文芸
おひさまこどもクリニックで働く小児科医の深沢太陽はある日事故死してしまった妹夫婦の小学1年生の娘日菜を引き取る事になった。
慣れない子育てだけど必死に向き合う太陽となかなか心を開こうとしない日菜の毎日の奮闘を描いたハートフルストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる