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人間の世を形成する男と女という性別。
そしてα β Ωという性分類。
全体人口の八割を占めるβという大多数と、残り二割にαとΩが存在するが、割合はΩの方が少ないのではないかと言われている。
その理由は、Ωは長くは生きられないから――らしい。
「ファシナンがオメガ性の子達の集団だと、辻褄が合う理由ってなんだろう?」
「顔出しNGということは、素性バレすると都合が悪い何かがあるってことだろ?どんな手段を使っても、メンバーの情報が一切上がってこない」
「徹底した守秘だな」
「年齢が十六から二十二歳までのメンバーという部分もポイントだな」
「オメガの子はその年齢の間に番契約を結べないと死ぬ……っていうやつか。都市伝説みたいな話だと思ったが」
「そうそう!」
「卒業制度を取り入れているというのも、オメガだからで理由がつけられるな」
「おぉ、礼保、いいとこつくじゃん!」
「メンバーは一切メディア露出しないんだけど、ファシナンのプロデューサーである黒河は、メディアに何度か登場している」
倫治はスマートフォンで何やら検索を始め、一人の男の全身が映った画像を見せる。
「あぁ、これは……アルファだろうな」
「だろ?俳優かと見紛えるほどの超絶イケメンな敏腕プロデューサー」
「プロデューサーがアルファで、プロデュース相手がオメガか……それが本当なら斬新だな」
「ベールに包まれるファシナンだが、唯一、接触できるかもしれぬチャンスがあるのだ!」
「チャンスね……」
「新曲がリリースされる度に、オンラインイベントに抽選で参加できるキャンペーンをやっているのだが……」
「はぁ……」
「よし!礼保、俺が代わりに今申し込んでみるから、当選したら参加しろ!」
「はぁ?なんで?しかも当選するかもわからないのに」
「このオンラインイベント、もの凄い当選確率が低い、超プレミアムイベントなんだけど……どうやら、このイベント、アルファの応募者だと当選確率が上がるらしいと、これも噂だ」
「へぇ、もし間違って当たったら、ファシナンの謎が一つ解明されるのか」
「そうだよ!ちょっとワクワクするだろ?じゃあ、ちょっと今応募フォーム開いて……おい礼保?」
「何だ?」
「さっき、セリフがなんちゃらと聞いただろ?」
「あぁ」
「応募の際のクイズの答えかもしれない!『曲中でセリフが聞こえたら記入してください』と書いてる」
「へえ、マジか」
「俺は聴こえないのに、礼保は聴こえたんだろ?」
「微かにだけど聴こえる」
「答えの部分だけ礼保が入力してくれ、あとは俺がやるわ!これは当たるんじゃない?」
「まさか…そんな簡単にいくかよ」
数日後、そのまさかは現実になる。
そしてα β Ωという性分類。
全体人口の八割を占めるβという大多数と、残り二割にαとΩが存在するが、割合はΩの方が少ないのではないかと言われている。
その理由は、Ωは長くは生きられないから――らしい。
「ファシナンがオメガ性の子達の集団だと、辻褄が合う理由ってなんだろう?」
「顔出しNGということは、素性バレすると都合が悪い何かがあるってことだろ?どんな手段を使っても、メンバーの情報が一切上がってこない」
「徹底した守秘だな」
「年齢が十六から二十二歳までのメンバーという部分もポイントだな」
「オメガの子はその年齢の間に番契約を結べないと死ぬ……っていうやつか。都市伝説みたいな話だと思ったが」
「そうそう!」
「卒業制度を取り入れているというのも、オメガだからで理由がつけられるな」
「おぉ、礼保、いいとこつくじゃん!」
「メンバーは一切メディア露出しないんだけど、ファシナンのプロデューサーである黒河は、メディアに何度か登場している」
倫治はスマートフォンで何やら検索を始め、一人の男の全身が映った画像を見せる。
「あぁ、これは……アルファだろうな」
「だろ?俳優かと見紛えるほどの超絶イケメンな敏腕プロデューサー」
「プロデューサーがアルファで、プロデュース相手がオメガか……それが本当なら斬新だな」
「ベールに包まれるファシナンだが、唯一、接触できるかもしれぬチャンスがあるのだ!」
「チャンスね……」
「新曲がリリースされる度に、オンラインイベントに抽選で参加できるキャンペーンをやっているのだが……」
「はぁ……」
「よし!礼保、俺が代わりに今申し込んでみるから、当選したら参加しろ!」
「はぁ?なんで?しかも当選するかもわからないのに」
「このオンラインイベント、もの凄い当選確率が低い、超プレミアムイベントなんだけど……どうやら、このイベント、アルファの応募者だと当選確率が上がるらしいと、これも噂だ」
「へぇ、もし間違って当たったら、ファシナンの謎が一つ解明されるのか」
「そうだよ!ちょっとワクワクするだろ?じゃあ、ちょっと今応募フォーム開いて……おい礼保?」
「何だ?」
「さっき、セリフがなんちゃらと聞いただろ?」
「あぁ」
「応募の際のクイズの答えかもしれない!『曲中でセリフが聞こえたら記入してください』と書いてる」
「へえ、マジか」
「俺は聴こえないのに、礼保は聴こえたんだろ?」
「微かにだけど聴こえる」
「答えの部分だけ礼保が入力してくれ、あとは俺がやるわ!これは当たるんじゃない?」
「まさか…そんな簡単にいくかよ」
数日後、そのまさかは現実になる。
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