「俺」と皇帝=父上

らそまやかな

文字の大きさ
上 下
14 / 25

新しい命

しおりを挟む
「ごめんね、ルキアのはないんだ…また一緒に何か買いに行こう?」
ったくこいつルキアには優しいんだよな。双子の俺には遠慮も優しさもないくせに。まあプレゼントしてくれたし、よしとするか。
「約束だよ!」
「ルカ、俺のも買ってきてくれるか?」
「えーお父様のは買ってこないよ!だってお小遣いにしたもん!前と同じでお小遣い制じゃなければ買ってきたかもしれないけどぉ」
ルカ、お小遣い制を辞めさせようとしているな。卑怯なやつ。でもこんなのにひっかかる父上じゃないだろう。
「分かった、お小遣い制を辞めよう!だから買ってきてくれ、な?」
え、嘘だろこんなのにひっかかるのか…あ!俺もルカに使い切られて金がないんだった。
「父上、俺もお小遣い制やめてください。ルカに使い切られてお金ないんですよ!」
「いいぞ」
なんでこんなにあっさり…あ、分かった。きっともうすぐ俺の弟か妹が生まれるからだな。俺も楽しみだ!
「母様、いつ生まれるんですか?もうすぐ生まれるんじゃ…出産の準備をした方がいいのでは…」
「あ!私も気になります!お母様いつ生まれるんですか?私の妹か弟!もう、出産室に行っときましょう。もうすぐでしょう?」
「そうね、行っとこうかしら。医者の話だとあと30分程度で陣痛が始まるそうですが…ルシア、連れて行ってくれます?」
「ああ!急がねばならぬな」
「ええ…っ!ル、シア痛い始まりました。急いで…!」
「なんだと!?分かった急ぐ。ルイ、ルカ医者を呼んでこい!出産室にいると伝えてくれ。ルキアはシリアのそばにいろ!俺も居るがお前もいた方がいい」
『はい!』

「ルカ、医者はどこに?」
「自室にいるはずよ!」
医者は宮廷医として雇っているから自室を用意したんだ。それにしてもついに生まれるのか…!
「おい!今すぐ出産室に来てくれ!皇太子命令だ」
「殿下!?分かりました。陣痛が始まったのですか?」
「ああそうだ急げ」

「父上、母様!医者を連れてきました。大丈夫ですか?」
「ええ…大丈夫よ。ストラー診てくれる?」
ストラーって誰だ?医者の名前かな、俺そういうの興味無いから分からないな。
「はい、皇后様」
やっぱり医者の事だったか。
「これは…!前回診断した時は気づかなかったけれど皇帝陛下、皇后様生まれるのは…おそらく3つ子です…」
は?3つ子?3つ子なんて皇族の中で初めてじゃないか?皇族の中でというか平民の中でも初めてなんじゃ…
「シリア!でかしたぞ!3つ子とは歴史上初めてだ!頑張れ!ほら、お前達も応援しなさい!」
「頑張れ~!お母様!頑張れ、お母様!無理しないで頑張れ~!」
俺も応援だ。
「母様、頑張ってください!」
「みんなありがとう!…痛っ生まれる…あぁ…!ううっ」
「頑張れシリア!」
『えぇーん!っっう、あー!』
う、生まれた…
「よっしゃあぁ!お疲れ様、頑張ったなシリア。ううっ」
父上、泣いてる…でも俺も嬉しい。言葉では表せないほど色々な感情が混ざってる。早く、抱っこしたい…!
「お疲れ様です!母様!」
「お疲れお母様!」
「良かったわ、ルシアあなたの子供。私の子供。そして、ルイ、ルカ、ルキアあなた達の弟と妹よ…!」
母上も、泣いてる。無事に生まれてよかった。母様も死ななくて、良かった。3つ子だから死ぬ可能性もあったんだ。本当に良かった。
「あの、母様…俺、名前をつけたい。みんなも考えて、俺が決めたい。許してくれますか?みんな!」
「そうね、あなたは色々頑張ってくれたし、あなたにつけて貰えたらこの子達も喜ぶわ」
「そうよ!ルイがつけるの賛成!」
「僕もです!」
「俺もだ、いい名前つけてあげなさい」
「みんな…ありがとう頑張っていい名前をつけるよ!」
「では、改めて我が家へようこそ。3つ子達!」
「あう!にゃたー」
3つ子のうちの女の子が喋った?のかな。うん。それにしても3つ子全員同時に出てくるとはな…
名前、何にしようか…実は前から少し考えてた名前があるんだよな…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

処理中です...