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転生魔王様編
魔界カフェ?
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『お疲れ様で~す』
『おかえりなさ~い』
そんな声が聞こえてきた。朝比奈先輩が外回りからご帰還なされたようだ。
だが今はそれどころではない。
毎回思うのだが、紙のサイズなどなんでもいいのではないか?
世の中の紙、全て同じサイズに統一しておけば丸く治るのだ!
そんな事を思いながら数種類の書類をコピーしつてた時だった。
『今日、いくわよ』
ふと背後から声が聞こえる。
ハッとして振り向くと、壁にもたれながら腕を組み
難しい顔をした朝比奈先輩が真剣な顔で少し俯き加減に問いかけてきた。
『もしかして先輩、まさか……』
と魔王様が真剣な答えた。
『今日、仕事終わったら分かってるわね』
私は静かにうなづいた。
今日こそリベンジの時だ。
退社の時間になって朝比奈先輩とアイコンタクトで
すかさずダッシュしようとした時、セクハラ課長が朝比奈先輩に
タッチしようとしてきた、私は威嚇のスキルで失神させてやった。
『か、かちょ~~~』
焦っている朝比奈先輩の手をとりその場を後にした。
今はそれどころではないのだ。
『ちょ、朝陽くん。課長が』
先輩が驚いている。
『大丈夫です、すぐ目を覚ましますよ。それよりも今は急ぎましょう』
電車に乗り少し先の駅を目指す。二人とも窓の外を眺め遠くを見ていた。
不安そうな朝比奈先輩を見て魔王様は
『今日こそは大丈夫ですよ、先輩』
と声を掛け先輩の不安を和らげそうとした。
魔界の王ともあろう私がここで動じてはいかん。
不安な時でもそれを感じさせない。そうあらねばならぬ。
電車を降り、目的地へとダッシュする。
そして目的地へとついた二人が見たものは
『いや~うまいですね!先輩』
と魔王様が言う。
『ほんと。ほっぺたが落ちそうとはこの事だね』
朝比奈先輩が満面の笑みを浮かべる。
そう、私と先輩が狙っていたのは不定期販売される老舗和菓子店の
おはぎだったのだ。
この店は会社から少し先、家とは逆の方向なのだが老夫婦が経営なされてる事もあり
ネットでの情報展開がされておらず、何かしら他者からの情報のみで販売されている事を
知り得るのだ。ただ数が少なく、あっという間に売り切れてしまう。
販売される日は1日に3度売り出される事がわかっており、夕方の部に期待し
過去何度か来てみたのだが、一度も買えてなかった。
今回先輩が会社に戻る電車の中から営業されているのが見えたのだ。
その時寄ればいいやんって思われるだろうが、販売開始時間がまだ先なのだ。
この微妙な時間設定はお店次第なのだが、これが買う側にとって
幻の、と言われる所以なのだ。
ともかく食べれてラッキーなのだ。
お店の前に置かれた椅子に座って食べる二人。
一つ、妹御に持って帰ろう。
そう思っていたら朝比奈先輩が
『月依ちゃんの?仲良いね、うらやましい』
そう言われるとよくわからないのが本心だが
『あの娘も甘い物が好きだから』
と私は答えた。
『あの子?他人行儀ね。照れなくてのいいのよ~』
フフフと可愛らしく微笑んでいる先輩を見るとこちらも和む。
『そういえば課長大丈夫かしら?』
とセクハラ親父の心配をする先輩。
『いつもの立ちくらみじゃないですかね?』
といって気にしないそぶりを見せる魔王様。
『課長、最近たまにあるもんね、たちくらみ。鉄分不足かな。大体朝陽くんがいる時だね~』
『君が何かしているのかな?フフフ』
ドキっとした魔王様だったがすぐに先輩が
『なぁんてね。魔法使いじゃあるまいしそんな事できないよね』
『魔法使いっていうか呪術師?みたいなやつだね』
アハハって笑いながら冗談だよって言ってる先輩に合わせる魔王様。
あっぶね~ばれたら気持ち悪いと思われるよね。
流石にこの世界の理が少し理解している。
こういう異能の力は気味悪く思われてしまう事が多い。
知られずにいる事が大事。
『美味しかったね。さてと帰ろうか』
朝比奈先輩と席を立ち、あまり見慣れない道を歩き駅へと向かう。
その時だった。さっきは走っていたので気がつかなかったが
目の前に新規オープンと書いてあるお店の名前が魔王様の目に飛び込んできた。
魔界カフェ エルドギナ
な?なんだって魔界カフェ???しかも名前が
『エルドギナだと……』
と重わらず口に出してしまった
『ん?何か言った朝陽くん?』
と朝比奈先輩。
『あ、いえ。なんでもないですよ』
と笑いながらごまかす魔王様。
どういう事なの?この名前。私が城を構えていた都市の名前だよね。
この世界でもよくある名前なのか?
魔界と言ったら?みたいに出てくる名前なのかな?
朝陽の記憶で検索しても出てこない。
一般的な名前、ではなさそうだし、たまたま似てるって事では
納得できないし、凄く気になる。
『先輩、ちょっと先行っててください』
と言って、お店の方に走っていく魔王様。
『ちょっと朝陽くん、どうしたの?』
そんな声を聞きながらも魔界カフェなる物が気になって仕方がない魔王様は
お店がある方へ走って行った。
『おかえりなさ~い』
そんな声が聞こえてきた。朝比奈先輩が外回りからご帰還なされたようだ。
だが今はそれどころではない。
毎回思うのだが、紙のサイズなどなんでもいいのではないか?
世の中の紙、全て同じサイズに統一しておけば丸く治るのだ!
そんな事を思いながら数種類の書類をコピーしつてた時だった。
『今日、いくわよ』
ふと背後から声が聞こえる。
ハッとして振り向くと、壁にもたれながら腕を組み
難しい顔をした朝比奈先輩が真剣な顔で少し俯き加減に問いかけてきた。
『もしかして先輩、まさか……』
と魔王様が真剣な答えた。
『今日、仕事終わったら分かってるわね』
私は静かにうなづいた。
今日こそリベンジの時だ。
退社の時間になって朝比奈先輩とアイコンタクトで
すかさずダッシュしようとした時、セクハラ課長が朝比奈先輩に
タッチしようとしてきた、私は威嚇のスキルで失神させてやった。
『か、かちょ~~~』
焦っている朝比奈先輩の手をとりその場を後にした。
今はそれどころではないのだ。
『ちょ、朝陽くん。課長が』
先輩が驚いている。
『大丈夫です、すぐ目を覚ましますよ。それよりも今は急ぎましょう』
電車に乗り少し先の駅を目指す。二人とも窓の外を眺め遠くを見ていた。
不安そうな朝比奈先輩を見て魔王様は
『今日こそは大丈夫ですよ、先輩』
と声を掛け先輩の不安を和らげそうとした。
魔界の王ともあろう私がここで動じてはいかん。
不安な時でもそれを感じさせない。そうあらねばならぬ。
電車を降り、目的地へとダッシュする。
そして目的地へとついた二人が見たものは
『いや~うまいですね!先輩』
と魔王様が言う。
『ほんと。ほっぺたが落ちそうとはこの事だね』
朝比奈先輩が満面の笑みを浮かべる。
そう、私と先輩が狙っていたのは不定期販売される老舗和菓子店の
おはぎだったのだ。
この店は会社から少し先、家とは逆の方向なのだが老夫婦が経営なされてる事もあり
ネットでの情報展開がされておらず、何かしら他者からの情報のみで販売されている事を
知り得るのだ。ただ数が少なく、あっという間に売り切れてしまう。
販売される日は1日に3度売り出される事がわかっており、夕方の部に期待し
過去何度か来てみたのだが、一度も買えてなかった。
今回先輩が会社に戻る電車の中から営業されているのが見えたのだ。
その時寄ればいいやんって思われるだろうが、販売開始時間がまだ先なのだ。
この微妙な時間設定はお店次第なのだが、これが買う側にとって
幻の、と言われる所以なのだ。
ともかく食べれてラッキーなのだ。
お店の前に置かれた椅子に座って食べる二人。
一つ、妹御に持って帰ろう。
そう思っていたら朝比奈先輩が
『月依ちゃんの?仲良いね、うらやましい』
そう言われるとよくわからないのが本心だが
『あの娘も甘い物が好きだから』
と私は答えた。
『あの子?他人行儀ね。照れなくてのいいのよ~』
フフフと可愛らしく微笑んでいる先輩を見るとこちらも和む。
『そういえば課長大丈夫かしら?』
とセクハラ親父の心配をする先輩。
『いつもの立ちくらみじゃないですかね?』
といって気にしないそぶりを見せる魔王様。
『課長、最近たまにあるもんね、たちくらみ。鉄分不足かな。大体朝陽くんがいる時だね~』
『君が何かしているのかな?フフフ』
ドキっとした魔王様だったがすぐに先輩が
『なぁんてね。魔法使いじゃあるまいしそんな事できないよね』
『魔法使いっていうか呪術師?みたいなやつだね』
アハハって笑いながら冗談だよって言ってる先輩に合わせる魔王様。
あっぶね~ばれたら気持ち悪いと思われるよね。
流石にこの世界の理が少し理解している。
こういう異能の力は気味悪く思われてしまう事が多い。
知られずにいる事が大事。
『美味しかったね。さてと帰ろうか』
朝比奈先輩と席を立ち、あまり見慣れない道を歩き駅へと向かう。
その時だった。さっきは走っていたので気がつかなかったが
目の前に新規オープンと書いてあるお店の名前が魔王様の目に飛び込んできた。
魔界カフェ エルドギナ
な?なんだって魔界カフェ???しかも名前が
『エルドギナだと……』
と重わらず口に出してしまった
『ん?何か言った朝陽くん?』
と朝比奈先輩。
『あ、いえ。なんでもないですよ』
と笑いながらごまかす魔王様。
どういう事なの?この名前。私が城を構えていた都市の名前だよね。
この世界でもよくある名前なのか?
魔界と言ったら?みたいに出てくる名前なのかな?
朝陽の記憶で検索しても出てこない。
一般的な名前、ではなさそうだし、たまたま似てるって事では
納得できないし、凄く気になる。
『先輩、ちょっと先行っててください』
と言って、お店の方に走っていく魔王様。
『ちょっと朝陽くん、どうしたの?』
そんな声を聞きながらも魔界カフェなる物が気になって仕方がない魔王様は
お店がある方へ走って行った。
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