狂母

wawabubu

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狂母

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 物心(ものごころ)ついた時から、ぼくは母とセックスをしていたことになる。

 母は、精神を病んでいた。

 セックスというものが、荒れた女の人を優しくすると、少ない経験から、ぼくは信じていた。

 父を亡くし、半狂乱になった母をなだめるにはセックスしかなかったのだ。



 ずいぶん大きくなってから、母親とセックスする人間は獣(けもの)以下だと知った。

 しかし、それでも母は、ぼくに求めてくる。



 お父さんがいけないのだ。

 父が突然、会社を辞め(父は辞めさせられたと言っていた)、母に暴力を振るい、ぼくにも辛(つら)く当たることが増えたのである。優しい頃の父を知っていただけに、その豹変ぶりに、ぼくたち母子は戦(おのの)いていた。

 そして父は、お酒におぼれて、帰ってこなくなった。

 明くる日、鉄道事故で亡くなった父親の遺体が身元不明で新聞に載っていたらしい。

 すぐに警察から連絡があってぼくたちは病院に駆けつけたが、遺体の損傷が激しく、幼いぼくは対面することを許されなかった。

 その時から、母は変わってしまった。

 はじめは、ぼくに抱きついて嗚咽(おえつ)を漏らすだけだった。

 ぼくは、しかたなしに母の背中や腰をさすりながら、なだめていた。

 しばらくすると、泣き止んだ母が、ぼくの股間を撫でている。

 ぼくは、気持ちよくなって、おちんちんが硬くなってくるのを覚えた。

 まだ小五だったぼくは、そうやって硬くなるのが、なぜなのかわからないくらい子供だった。

 母の手は、ぼくの硬くなったものをズボンの上からつまむように、しばらく触っていた。

 ふふふ…

 泣いていた母が笑ったようだった。

 ぼくは嬉しくなった。

 いつもの母にもどってくれたんだと思って。



「いい?」

「何が?」

「おちんちん、見せて」

「え?」

「いいじゃない。見せて」

 「変なことを言うなぁ」と思っていたけれど、母に見せるくらい別に何とも思わなかった。

 お風呂でいつも一緒だし。

 ぼくはズボンを脱いで、パンツも脱いでやった。

 ぴんぴんに立って、バネのように揺れていた。

「まあ、元気」

「母さん、こんなの見てどうすんのさ。エッチ」

「いいじゃないの。息子の成長を見て何が悪いのよ」

 そう言われれば、そういうものかもしれないと、ぼくは思ってしまった。

 先っぽが少し皮の中から顔を出して上を向いている。

 母が手を伸ばして、皮を押し下げて剥いてしまった。

 赤くなった肉が出て、冷やりとした。


「へぇ、ちゃんと剥けるんだ」

「大人って剥けてるよね。父さんもそうだったよ」

「ああ、あの人ね…」

 一瞬、難しい顔をした母だった。

「寝てごらん」

 言われるままに、畳の上に仰向けになった。

「かわいいねぇ」

 そういうと、母が、おちんちんを口にくわえたのだ。

 ぼくは身をよじって、逃げようとしたけれど、腰を押さえられて逃げられなかった。

 おちんちんは母のつばで、びとびとにされ、痛痒くなって、ますます硬くなってしまう。

「まあ、こんなにおっきくなって」
ぼくのおちんちんは、血管を浮き上がらせて、今までにないような大きさに膨(ふく)らんでいた。

「なんだよぅ。母さん、やめてよぅ」

「もっと気持ちよくしてあげる」

 そう言って、母も裸になってしまった。

 お風呂で見慣れた、毛の生えた部分がぼくの目の前にあった。

 そして見上げると、大きなおっぱいがこっちを見ている。

「じゃ、いい?」

「何すんの?」

「いいこと」

 にっこり笑うと、母はしゃがんで、ぴきぴきに硬くなったおちんちんを、黒々とした毛の中に入れてしまった。

 毛の中には、はみ出た肉のようなものがぶら下がっていてその間に、ぼくのちんちんが差し込まれていったのだ。

 熱い、母さんの中。

 その包まれるような感覚に、ぼくは安心した。

 ぼくは、母親がこうやって子供をあやすのだと勘違いしていた。

 本当は、愛し合う他人同士の大人の男女にしか許されない「セックス」だということすらわかっていなかった。

「硬くなったおちんちんはね、母さんの中でなだめてあげるの」
そう母が言うのだから、ぼくは信じていた。

「ふうん」

 母はぼくに覆いかぶさってきて、柔らかな、おっぱいがぼくの顔に押し付けられた。

「吸いなさい」

「え?ぼく赤ちゃんじゃないよう」

「いいから。今日だけ、赤ちゃんになりなさい」

 ぼくは、しかたなくおっぱいに口をつけて吸った。

「はぁん」

 母が気持ちよさそうに声を出した。

 なんか、とってもどきどきしてきた。

 腰のあたりがず~んとして、しびれて、こそばゆいような、宙に浮くような…

「母さん、ぼく」

 そう言うが早いか、びくびくっとぼくは勝手に震えて、ちんちんがどうにななったんじゃないかと思うくらい気持ちよくなった。

「いっちゃった?」

「いっちゃうって?」

「なんかおちんちんから出たでしょう?」

「出てないよ」

「まだなのかな?」

 母が、お尻をあげると、ぼくの小さくなったちんちんがそこにあった。

 ぬめぬめと濡れて、冷たく感じた。触られると、とても敏感になっていてくすぐったい。しびれを切らした足を触られるような感じだった。

 母が、ちんちんに鼻を近づけて嗅いでいる。

「どうしたの?くさいの?」

「大人のしるしがでたかなって。出てないみたいね」

「大人のしるし?」

「セイエキよ」

「なんだそれ」

「知らないのかぁ。そのうちわかるわ」



 そんなことがあってから、一年が経ち、その間も、同じようなことをお風呂場でしたり、寝床でしたりしていた。

 母がアレをすると、元気を取り戻すようなので、ぼくも嫌がらなかった。

 そのころ、母は着飾って夜の仕事に出るようになった。



 六年になった春、ぼくは「大人のしるし」を放った。

 母が、手でしてくれたとき、いつものあの感覚がぼくを襲い、ビャーっと白い液体が、ちんちんから吹き出したのだ。

「あらあら」

 母は嬉しそうな声を上げて、

「おめでとう。じゅんちゃん」

 そう、ほめてくれた。

 青臭いような変な匂いの液体で、ぬるぬるしていて、母が言うにはこれが「精液」というもので、赤ちゃんの素(もと)だということだった。

「これからは、これをしないとね」

 その夜、母は包みを破って、ゴムの袋をぼくのちんちんにかぶせてから体の中に入れた。

「アレがでると、お母さんに赤ちゃんができちゃうの。だからこのコンドームで精液が、お母さんの中に入らないようにするのよ」

 あの袋はコンドームというらしい。

 それから、ぼくのちんちんは大人のようにいつも剥けているようになり、大きさもずいぶん太く長くなった。

 毛も生えてきて、まったく大人の様子を見せていた。



 その時でも、母親とセックスすることは、ぼくたち親子の間ではなんの嫌悪感もなかった。

 ただ、母は、

「よそではぜったい、このことを言ってはいけないのよ」

 と釘をさした。

「なんで?」と尋ねると。

「セックスのことは誰にも話すもんじゃないの」

 としか言ってくれなかった。

 親子のスキンシップとして、どこの家でもやっていることなんだと勝手にぼくは理解していた。



 中学生になれば、もう母から「お呼ばれ」しなくても、ぼくのほうからねだった。

「もう、この子ったら」

 と言いながらも、すぐに裸になってぼくを迎え入れてくれた。

「今日は、コンドームしなくていいわよ」

 そう言ってくれる時もあった。

 その基準がどうもぼくにはわからなかったけれど、母は自分の体の様子で、妊娠するかしないかがわかるんだと考えていた。

 コンドームをしないでするとき、母はすごく乱れた。

 自分から、ぼくを押し倒し、上に乗っかってきた。

 そして狂ったように腰を動かし、白目をむいて、気絶することもあった。

 ぼくのちんちんは赤く腫れ上がり、痛くなることもあった。



 無事高校に入学し、母は旅行に連れて行ってくれた。

 母の車で泊まったところはラブホテルだった。

 その頃には、ぼくにはちゃんと知識もあり、母としていることは、禁忌(タブー)である「近親相姦」だということもわかっていた。

 何かの本で、「近親相姦」は畜生にももとる行為だと書いてあった。

 ぼくはショックを受けた。

 母にそのことを告げると、

「ばかね。愛しあう相手が母と息子というだけでしょ?だれかに迷惑をかけるのかしら?じゅんちゃんは、お母さんのこと嫌いになったのかしら?」

 そう言って優しく、ぼくを抱いてくれた。

 そうだ、ぼくは母を愛しているのだ。

 ぼくにとって、十分過ぎる理由だった。



 大学に入って、母の態度に変化が見られた。

 どうも、再婚話がもちあがっているらしいのだ。

 母は、いわゆる「水商売」だった。

 そこのお店の常連さんで、会社役員をしている人に言い寄られているらしい。

 ぼくは初めて嫉妬した。

 その男性を憎く思った。

 母の帰りが遅い時、その人とホテルでしているんだと思うと、いてもたってもいられなくなった。

 母が帰ってくるのを待ち構えて、玄関で無理やり押し倒したこともあった。

「母さん。こんな時間までだれと一緒だったんだよ。あいつかよ」

 母は答えなかった。

 ということは図星なのだと、ぼくは思った。

 ぼくは母の上着をはぎとり、下着を破いた。

 そして、怒張を、まだ潤っていないはずの母の亀裂に押し込んだ。しかし、情事の後の肉鞘は簡単に己(おのれ)を呑み込んでしまった。「あいつの印(しるし)が残っているからだ…」ぼくは、無性に腹が立った。

「ううっ」

 歯を食いしばって、耐える母の横顔を見ていると、自分のしていることが鬼畜のように思えた。

 次第に母は、涙をこぼしながら、ぼくの動きに合わせてくれた。

「母さん…」

「じゅんちゃん。ごめんね、ごめんね…」

 許可を得ていないのに、ぼくはナマで母の中に射精した。

 母は咎めず、やさしく頭を撫でてくれ、挿入したまましばらく重なりあっていた。



「ありがとう。じゅんちゃん」

「母さんは再婚するんだね。その人と」

「ううん。じゅんちゃんがいるんだもの、しないわ。お断りしてきたの。今日」

「え?」

「じゅんちゃんに、もし好きな人ができて、お母さんが必要なくなったら、また考えるわ」

「そんな…」

 ぼくの身勝手を、ぼくは恥じた。

「もう、やめよう」

「どうして?」

「こんなこと、しちゃいけないんだ」

「どうしちゃったの?」

「母さんは、母さんの人生を生きてくれよ。ぼくは、もう独り立ちしなきゃ」

「じゅんちゃん…」

 また、ひしと抱き寄せられた。

 しかし、ぼくはその手をほどき、離れると、そのまま自室に戻った。

 母の嗚咽を背中で聞きながら。



 ほどなく、ぼくは一人暮らしを都会で始めた。

 大学にはそこから通っている。

 母は、再婚を決めたらしい。



 ぼくも新しい人生を歩もう。



(おしまい)
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