憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉

噴煙の翼

「そこまでだ！」

　今度は誰だい？　と思い、声のした方を振り返ると、正義のヒーロー（笑）のようなマントを羽織った青年と、美女三人が立っていた。
　次から次へと……いや、本当に誰？

「おい、『噴炎の翼』のエスパーダだ」
「え、『噴炎の翼』って言ったら……あのAランクの？」
「あいつら終わったな……」

　外野の話をまとめると、『噴炎の翼』というAランクパーティで、リーダーがあの正義のヒーロー（笑)のようなマントを羽織った男――ということのようだ。

「お前達はそんなことばかりして、恥ずかしくないのか？　それとも、僕が相手になってやろうか？」
「ッく……」

　エスパーダという男はAランクということだけあって、かなり強いのだろう。絡んできたガラの悪い男達のリーダー格らしき男が指示を出し、引き下がっていく。

「おい！　お前ら、行くぞ！」

　どうやら男達はエスパーダと争いたくないらしく、逃げるように立ち去って行った。
　男達が去ったあと、一拍おいてギルド内から大きな歓声が上がった。エスパーダという男が人気なのか、ガラの悪い男達の評判がよくないのかは分からないが、ひとまず一難去ったようだ。
　ほっと一息吐き、マダナイをもふもふする。あ～、落ち着く。が、マダナイは嫌そうな顔をしているような気がする。うん、きっと気のせいだ。