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チート装備

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「で、ポーチの中を確認したんだけど、次は何をすればいいのかな? 魔法の練習? 街を探すこと?」
「一気に聞くでない。先に装備を確認するのである。街を探すのはその後。魔法の練習はさらにその後である」
「装備?」

 言われて自分の服装を見下ろす。普通の服ではなく、いわゆるドレスアーマーだった。ポーチの反対の左腰には剣が。白銀を基調とし、所々空色が入っている、品のいいものだった。

「それは女神特製の装備である」

 マダナイ曰く、

 ドレスアーマー……物理、魔法の能力がアップ・耐熱、耐寒・破壊不可・譲渡不可
 ブーツ……速度アップ・疲労回復・破壊不可・譲渡不可
 ポーチ……無限空間・時間停止機能付き・破壊不可・譲渡不可
 剣……自然と使い方が分かる・破壊不可・譲渡不可

 とのことだった。何というチートだ。女神に感謝しなければならない。これで魔物退治も楽々だ。魔物……いるんだよね?
 この世界のことを何も聞いていなかったことを、イリスは思い出した。

「ボクってばこの世界のこと、何も知らないなぁ」
「何を急に言い出すのかと思えば……そんなのもの、これから知ればいいのである」

 それもそうかと思い納得する。
 言われた通り装備の確認はした。不具合などあるはずもなく、しっくりきている。屈伸したりその場で跳んでみたり。
 さて、次は何をすればいいのか……。

「マダナイ君! 魔法は!? もう魔法は使ってみてもいいのかな!?」

 早く魔法を使ってみたくて、イリスはうずうずとしている。ファンタジーの世界。特にテイマーになるのはもちろん、魔法を使うのも憧れだったのだ。

「待て待て待て! その前にしなければならない、重要なことがあるのである!」
「重要なこと?」

 何も心当たりがなく、首を傾げていると、マダナイがため息を吐いた。

「小娘、お前はテイマーになりたいのであろう?」
「もちろんだよ! もふもふ達といっぱい遊びたいんだよね!」
「そうであろう? しかし小娘、吾輩とまだ『従魔契約』を交わしていないのである」
「あ……」

 言われてみればそうだ。一緒に連れて行ってくれと言われて、そのまま一緒に来ただけだった。うっかりだ。顔に出ていたのか、まったく、と再びマダナイはため息を吐く。
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