2 / 24
始まりの扉
気付いたらインキュバス?気付いたら大ピンチ?!
しおりを挟む
「って、なんだコレ―?!」
エナメル素材のピッチピチな黒のニーハイブーツ、そして細いベルトのガーターベルト。
腰骨付近で結ばれた陰部がぎりぎり隠れる程度のパッツパツのTバックの上に、申し訳程度の窮屈なテカテカショートパンツ。
上部に唯一身につけていたのは、ギリギリ乳首が隠れるレベルまで捲し上げて作られたようなピッチピチなエナメルのトップス。
後方の背中部分は肩甲骨の窪みが見えるようにエナメルの生地がT字を描いている。
背中は、黒い悪魔の小さな羽、そして線で書いたように長く細い尻尾。尻尾の先端はハートマークが刺さったような形になっている。
そして…、首には音のならない金鈴の付いたチョーカー。
「…羞恥過ぎる。
社畜のご老体にでこんな布面積の少ない服…。よく風邪をひかなかったな、俺…」
太ももを重ねたり、胸元を腕で隠すと、肌色ばかりに見える体がやけに眩しい。
「な…き、きもすぎ、本当になんで俺、こんなの着てんだ?
30も半ばにもなってこんな変態のコスプレ…
第一、コレ着てみて実感したが着る必要あんのか?ほぼ全裸じゃん?!」
(―――と、とりあえず、脱ごう)
「んっ」
着ている服を脱ごうと腕を上げる。
ピッチピチのテッカテカなエナメル素材は窮屈で、
Tシャツの中で圧密着された乳首が動き、擦れた拍子に変な声が出た。
「わっ、な、なに!?今の俺の声?!」
意図せず妙な声が出たことに驚き、思わず飛び上がる。
恥ずかしくなり、あたりをきょろきょろと見わたした。
「お、俺しかいない…よな?」
周りは嫌なくらいの静けさと、冷ややかな空気を保っていた。
時折、どこから岩の隙間に溜まった水たまりに水滴が落ちる音が聞こえた。
誰もいない、薄暗い洞窟。
会社に急いで戻らなくてはいけないと思う反面――――
(な、なんかムラムラしてきた…)
卑猥な黒光りしているTバックの中には、
窮屈そうに玉と竿が収まっている。
少しづつ、立ち上がろうとしている自身に手が伸びる。
こんな、獣が出てもおかしくない場所だが、何故か無性にムラムラする。
「うっ…お、おさまれ」
Tバックの中に収まりつつも、硬くなり始めた自身がぴくんと返事をするように動いた。
理性と欲の狭間でもがく自分へ負けそうに、おそるおそる手が伸びていく。
「ん…っふ」
唇を噛み締め、そろそろと欲へと伸びていく右手。
体が熱くなり、息を吐くために上を見上げると、岩から透明な液体が垂れている。
垂れた液体は頬へ落ち、首筋を通っていく。
「っ…あ」
液体の冷たさにぷるぷると体が震えた。
興奮へ発火をしそうになった熱が、冷えた水滴によって冷静を取り戻す。
興奮と冷えていく頭の中で、一つの考えが浮かんだ。
(―――待てよ)
「もしかして、ブラック企業のお仕置き的なヤツ…?どこかにカメラ、ある?
頭から血の気が引き、岩の隙間にくまなく目を凝らす。
「こっ、こわ。こんなのドッキリ以外現実にないじゃん絶対、あっぶな」
頭を抱え、現状を受け入れるのに苦しむ。
―――ドッキリでもなんでも、今は会社には行かなきゃいけないという脳裏からの使命だ。
とにかく仕事が詰まっている。
返って来た書類に、他所へお願いしなきゃいけないこと、先方へ出すメール、部長に決済依頼する書類にA社には電話して…。
「あ!そうだ、出口、とにかく出口へ―――」
―――タンッ
大きな足音が少し遠くに聞こえた。
岩に何かが、着地するような…。
音のほうへ振り向き目を凝らすと、全身緑の小さい人型が見えた。
こちらの様子を伺いながら、両手を前にかいては両足を弾ませ近づいてくる。
「ひ、人?」
じゃ、ない。
あ、あれは、
「ゴ、ゴブリン…!?」
エナメル素材のピッチピチな黒のニーハイブーツ、そして細いベルトのガーターベルト。
腰骨付近で結ばれた陰部がぎりぎり隠れる程度のパッツパツのTバックの上に、申し訳程度の窮屈なテカテカショートパンツ。
上部に唯一身につけていたのは、ギリギリ乳首が隠れるレベルまで捲し上げて作られたようなピッチピチなエナメルのトップス。
後方の背中部分は肩甲骨の窪みが見えるようにエナメルの生地がT字を描いている。
背中は、黒い悪魔の小さな羽、そして線で書いたように長く細い尻尾。尻尾の先端はハートマークが刺さったような形になっている。
そして…、首には音のならない金鈴の付いたチョーカー。
「…羞恥過ぎる。
社畜のご老体にでこんな布面積の少ない服…。よく風邪をひかなかったな、俺…」
太ももを重ねたり、胸元を腕で隠すと、肌色ばかりに見える体がやけに眩しい。
「な…き、きもすぎ、本当になんで俺、こんなの着てんだ?
30も半ばにもなってこんな変態のコスプレ…
第一、コレ着てみて実感したが着る必要あんのか?ほぼ全裸じゃん?!」
(―――と、とりあえず、脱ごう)
「んっ」
着ている服を脱ごうと腕を上げる。
ピッチピチのテッカテカなエナメル素材は窮屈で、
Tシャツの中で圧密着された乳首が動き、擦れた拍子に変な声が出た。
「わっ、な、なに!?今の俺の声?!」
意図せず妙な声が出たことに驚き、思わず飛び上がる。
恥ずかしくなり、あたりをきょろきょろと見わたした。
「お、俺しかいない…よな?」
周りは嫌なくらいの静けさと、冷ややかな空気を保っていた。
時折、どこから岩の隙間に溜まった水たまりに水滴が落ちる音が聞こえた。
誰もいない、薄暗い洞窟。
会社に急いで戻らなくてはいけないと思う反面――――
(な、なんかムラムラしてきた…)
卑猥な黒光りしているTバックの中には、
窮屈そうに玉と竿が収まっている。
少しづつ、立ち上がろうとしている自身に手が伸びる。
こんな、獣が出てもおかしくない場所だが、何故か無性にムラムラする。
「うっ…お、おさまれ」
Tバックの中に収まりつつも、硬くなり始めた自身がぴくんと返事をするように動いた。
理性と欲の狭間でもがく自分へ負けそうに、おそるおそる手が伸びていく。
「ん…っふ」
唇を噛み締め、そろそろと欲へと伸びていく右手。
体が熱くなり、息を吐くために上を見上げると、岩から透明な液体が垂れている。
垂れた液体は頬へ落ち、首筋を通っていく。
「っ…あ」
液体の冷たさにぷるぷると体が震えた。
興奮へ発火をしそうになった熱が、冷えた水滴によって冷静を取り戻す。
興奮と冷えていく頭の中で、一つの考えが浮かんだ。
(―――待てよ)
「もしかして、ブラック企業のお仕置き的なヤツ…?どこかにカメラ、ある?
頭から血の気が引き、岩の隙間にくまなく目を凝らす。
「こっ、こわ。こんなのドッキリ以外現実にないじゃん絶対、あっぶな」
頭を抱え、現状を受け入れるのに苦しむ。
―――ドッキリでもなんでも、今は会社には行かなきゃいけないという脳裏からの使命だ。
とにかく仕事が詰まっている。
返って来た書類に、他所へお願いしなきゃいけないこと、先方へ出すメール、部長に決済依頼する書類にA社には電話して…。
「あ!そうだ、出口、とにかく出口へ―――」
―――タンッ
大きな足音が少し遠くに聞こえた。
岩に何かが、着地するような…。
音のほうへ振り向き目を凝らすと、全身緑の小さい人型が見えた。
こちらの様子を伺いながら、両手を前にかいては両足を弾ませ近づいてくる。
「ひ、人?」
じゃ、ない。
あ、あれは、
「ゴ、ゴブリン…!?」
5
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
異世界では総受けになりました。
西胡瓜
BL
尾瀬佐太郎はある日、駅のホームから突き飛ばされ目が覚めるとそこは異世界だった。
しかも転移先は魔力がないと生きていけない世界。
魔力なしで転移してしまったサタローは、魔力を他人から貰うことでしか生きられない体となってしまう。
魔力を貰う方法……それは他人の体液を自身の体に注ぎ込んでもらうことだった。
クロノス王国魔法軍に保護され、サタローは様々な人物から魔力を貰うことでなんとか異世界を生き抜いていく。
※アホ設定なので広い心でお読みください
※コメディ要素多め
※総受けだけど最終的には固定カプになる予定
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
悪役令息の異世界転移 〜ドラゴンに溺愛された僕のほのぼのスローライフ〜
匠野ワカ
BL
ある日、リューイは前世の記憶を思い出した。
そして気付いたのだ。
この世界、高校生だった前世でやり込んでいたゲームかも? 僕ってば、もしかして最終的に処刑されちゃう悪役令息……?
そこからなんとか死亡エンドを回避するため、良い子の努力を続けるリューイ。しかし、ゲームのストーリー強制力に連戦連敗。何をやっても悪役令息まっしぐら。
ーーこうなったらもう逃げ出すしかない!!
他国に逃げる計画は失敗。断罪イベント直前に聖女に助けられ、何故だか他国どころか異世界に飛ばされてしまって、さぁ大変。
ジャングルみたいな森に落っこちたリューイは、親切なドラゴンに助けられ、目指すはほのぼのスローライフ!
平和に長生きしたいんだ!
ドラゴン×悪役令息
言葉の通じない二人のほのぼの(当社比)BLです。
出会うまでにちょっと時間がかかりますが、安心安全のハピエンBL。
ゆっくり更新です。ゆるゆるお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる