赭坂-akasaka-

暖鬼暖

文字の大きさ
上 下
8 / 11

第7話 「再来」

しおりを挟む
男は警察官の消失に困惑し、行き詰まっていると感じていた。




「街に、戻ろうかな」




しかし、男の前に再び謎の少女が現れたのだ。

「先生、大丈夫?久しぶり」



男は驚いた。赭坂とともに少女も幻であったと考えていたからだ。

「少し旅行に行ってたの。先生居なくなっちゃったからびっくりしちゃったよ。診療所、閉めちゃったんだ?」




男は少女の存在に思わず涙が出ていた。少女は驚いていたが、大人のように男へ優しい声をかける。





「あの警察官の人?」



少女は驚くべきことに、警察官の存在を覚えていた。



少女は男に対し、微笑みながら言った。「見てもらいたいことがあるの。一緒に探しましょう」



男は驚きながらも、少女が何か重要な情報を持っているのだと感じた。男は少女の言葉に従い、一緒に警察官への足取りを追うことに決めた。



二人は赭坂の中心部にある警察署に向かった。



「警察所が…あったなんて」



建物は荒れ果てていたが、少女は自信を持って中に入っていく。男は彼女に続き、中に入ると警察官の姿を捜し始めた。



「赭坂の村の規模にしては、随分広い警察署だね…」




数分が経過し、男と少女はひとつの部屋にたどり着いた。その部屋には警察官の姿はなかったが、何か大切な手がかりがあるような気を感じた。



少女は一枚の写真を見つけ、それを男に差し出した。「これが重要なものだと思うの」



男は写真を手に取り、それをじっと見つめた。写真には赭坂の村が映っており、何人かの人々が集まっている様子が写っていた。その中に、警察官の姿も確認できた。



「警察官がいる!」男は興奮しながら叫びんだ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

雨の向こう側

サツキユキオ
ミステリー
山奥の保養所で行われるヨガの断食教室に参加した亀山佑月(かめやまゆづき)。他の参加者6人と共に独自ルールに支配された中での共同生活が始まるが────。

紙の本のカバーをめくりたい話

みぅら
ミステリー
紙の本のカバーをめくろうとしたら、見ず知らずの人に「その本、カバーをめくらない方がいいですよ」と制止されて、モヤモヤしながら本を読む話。 男性向けでも女性向けでもありません。 カテゴリにその他がなかったのでミステリーにしていますが、全然ミステリーではありません。

パラダイス・ロスト

真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。 ※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

Strange Days ― 短編・ショートショート集 ―

紗倉亞空生
ミステリー
ミステリがメインのサクッと読める一話完結タイプの短編・ショートショート集です。 ときどき他ジャンルが混ざるかも知れません。 ネタを思いついたら掲載する不定期連載です。

旧校舎のフーディーニ

澤田慎梧
ミステリー
【「死体の写った写真」から始まる、人の死なないミステリー】 時は1993年。神奈川県立「比企谷(ひきがやつ)高校」一年生の藤本は、担任教師からクラス内で起こった盗難事件の解決を命じられてしまう。 困り果てた彼が頼ったのは、知る人ぞ知る「名探偵」である、奇術部の真白部長だった。 けれども、奇術部部室を訪ねてみると、そこには美少女の死体が転がっていて――。 奇術師にして名探偵、真白部長が学校の些細な謎や心霊現象を鮮やかに解決。 「タネも仕掛けもございます」 ★毎週月水金の12時くらいに更新予定 ※本作品は連作短編です。出来るだけ話数通りにお読みいただけると幸いです。 ※本作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。 ※本作品の主な舞台は1993年(平成五年)ですが、当時の知識が無くてもお楽しみいただけます。 ※本作品はカクヨム様にて連載していたものを加筆修正したものとなります。

設計士 建山

如月 睦月
ミステリー
一級建築士 建山斗偉志(たてやま といし)小さいながらも事務所を構える彼のもとに、今日も変な依頼が迷い込む。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

処理中です...