3 / 6
兼四(1)
しおりを挟む
頭が痛い。。これは飲み合わせが良くなかった時の二日酔いだ。。
昨日飲んだのは、店で麦焼酎、家でも麦焼酎だったような…?あ、そうだ店で馴染みの祐さんにワイン一杯もらったんだったーー
そうかあれかー。
わかってる。そんなに酒に強くない。しかもちゃんぽんがダメなタイプで、その日に同じ種類の酒しか飲めないという謎の縛りがある。
昨日は横に座ってた祐さんと盛り上がっちゃって祐さんがボトルで飲んでいたワインを一杯もらったんだった。美味しかったけどそれで頭痛がするタイプの二日酔いになったようだ。
水、、、痛い頭を抑えてゆっくり起き上がると、意外とテーブルの上が片付いていた。
昨日グラス洗ったっけ…?珍しいな。えらいぞ自分!と自画自賛する。
「おい、水だ。飲め。」
寝起きで二日酔いにハスキーボイス。 びっくりしないやつはいないと思う。
驚きすぎてフリーズしていたら天狗さんがグッとグラスを押し付けてきた。
「あ、ありがとうございます。」
どもりながら答えるのが精一杯だった。
一気に水を飲んでフラフラとお風呂場に行き、顔を洗う。化粧水を吹きかけてクリームを塗る。ぼんやりしながら歯を磨く。
「え?天狗さん?村に帰らないんですか?」
歯を磨いたら頭が冴えてきた。天狗さんの水のおかげかいつもより回復が早い。それでもぼけぼけで歯磨きをしながら聞いてしまった。
天狗さんは黙ってこちらに顔を向けた。
正直、天狗さんの表情は全くわからないから怖い。黙っていると特にわからない。もう少し顔に出して欲しい。
「それは、私がいると不都合があるということか?」
天狗さんは良く通る声で聞いてきた。
「不都合と言うか、、私の家は狭いので場所の問題でーございます。」
天狗さんの圧のせいか時代劇風の喋りになる。
「ふむ、ではこれで解決だ。」
天狗さんは音もなく消えたかと思ったら、小さくなっていた。手乗り文鳥ぐらいの大きさだ。可愛い。
「実は禁忌を犯したのでしばらく帰れん。ここにいようと思う。」
あまりに当然に言うので、思わず
「え、はい。」
と答えた。そう。答えてしまった。
昨日飲んだのは、店で麦焼酎、家でも麦焼酎だったような…?あ、そうだ店で馴染みの祐さんにワイン一杯もらったんだったーー
そうかあれかー。
わかってる。そんなに酒に強くない。しかもちゃんぽんがダメなタイプで、その日に同じ種類の酒しか飲めないという謎の縛りがある。
昨日は横に座ってた祐さんと盛り上がっちゃって祐さんがボトルで飲んでいたワインを一杯もらったんだった。美味しかったけどそれで頭痛がするタイプの二日酔いになったようだ。
水、、、痛い頭を抑えてゆっくり起き上がると、意外とテーブルの上が片付いていた。
昨日グラス洗ったっけ…?珍しいな。えらいぞ自分!と自画自賛する。
「おい、水だ。飲め。」
寝起きで二日酔いにハスキーボイス。 びっくりしないやつはいないと思う。
驚きすぎてフリーズしていたら天狗さんがグッとグラスを押し付けてきた。
「あ、ありがとうございます。」
どもりながら答えるのが精一杯だった。
一気に水を飲んでフラフラとお風呂場に行き、顔を洗う。化粧水を吹きかけてクリームを塗る。ぼんやりしながら歯を磨く。
「え?天狗さん?村に帰らないんですか?」
歯を磨いたら頭が冴えてきた。天狗さんの水のおかげかいつもより回復が早い。それでもぼけぼけで歯磨きをしながら聞いてしまった。
天狗さんは黙ってこちらに顔を向けた。
正直、天狗さんの表情は全くわからないから怖い。黙っていると特にわからない。もう少し顔に出して欲しい。
「それは、私がいると不都合があるということか?」
天狗さんは良く通る声で聞いてきた。
「不都合と言うか、、私の家は狭いので場所の問題でーございます。」
天狗さんの圧のせいか時代劇風の喋りになる。
「ふむ、ではこれで解決だ。」
天狗さんは音もなく消えたかと思ったら、小さくなっていた。手乗り文鳥ぐらいの大きさだ。可愛い。
「実は禁忌を犯したのでしばらく帰れん。ここにいようと思う。」
あまりに当然に言うので、思わず
「え、はい。」
と答えた。そう。答えてしまった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。



Red Assassin(完結)
まさきち
ファンタジー
自分の目的の為、アサシンとなった主人公。
活動を進めていく中で、少しずつ真実に近付いていく。
村に伝わる秘密の力を使い時を遡り、最後に辿り着く答えとは...
ごく普通の剣と魔法の物語。
平日:毎日18:30公開。
日曜日:10:30、18:30の1日2話公開。
※12/27の日曜日のみ18:30の1話だけ公開です。
年末年始
12/30~1/3:10:30、18:30の1日2話公開。
※2/11 18:30完結しました。


スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜
シャチ
ファンタジー
タリム復興期を読んでいただくと、なんでミリアのお母さんがぶっ飛んでいるのかがわかります。
アルミナ王国とディクトシス帝国の間では、たびたび戦争が起こる。
前回の戦争ではオリーブオイルの栽培地を欲した帝国がアルミナ王国へと戦争を仕掛けた。
一時はアルミナ王国の一部地域を掌握した帝国であったが、王国側のなりふり構わぬ反撃により戦線は膠着し、一部国境線未確定地域を残して停戦した。
そして20年あまりの時が過ぎた今、皇帝マーダ・マトモアの崩御による帝国の皇位継承権争いから、手柄を欲した時の第二皇子イビリ・ターオス・ディクトシスは軍勢を率いてアルミナ王国への宣戦布告を行った。
砂糖戦争と後に呼ばれるこの戦争において、両国に恐怖を植え付けた一人の令嬢がいる。
彼女の名はミリア・タリム
子爵令嬢である彼女に戦後ついた異名は「狙撃令嬢」
542人の帝国将兵を死傷させた狙撃の天才
そして戦中は、帝国からは死神と恐れられた存在。
このお話は、ミリア・タリムとそのお付きのメイド、ルーナの戦いの記録である。
他サイトに掲載したものと同じ内容となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる