ヒトシと一緒!

ねこにごはん

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「昨晩の雑炊も旨かったお! 米もまだ有るし、暫くは胡瓜で我慢できそうだお!」
「ワイは、もっと別の物を食いたいんやけど?」
「上の味を覚えてしまったのかお?」
「せやっ! もう、あの頃のワイには戻れんのや!」
「試しに、ほふほふしてみるかお? リセットされるかもしれないお!」
「無駄や! そんなんで忘れる訳がないやろ!」
「ハクシに負けた事を忘れてる奴が何を言ってるんだお!」
「ワイがハクシに? そんな訳ないやろがい! 何をどうすれば、あんな雑魚に負けるっちゅーねん!」
「胡瓜でおすりのしばき合いだお! 僕の予想では、10対0でハクシの勝ちだお!」
「なんでやっ! 納得いかんで!」
「そもそも、僕達とうんこマンでは勝負にならないんだお! ハクシとうんこマンの攻撃力が同等だとしても、防御力が全然違うんだお!」
「!? まさか、おすりの毛が?」
「その通りだお! 僕達の頭から爪先まで高密度なたわしの如く、びっしりと生えた硬い毛に守られてるんだお! 因みに、前面は少し柔らかいお!」
「成程やで! ワイだけ、剥き出しのおすりやった訳か……」
「まあ、多分だけど、お? それだけじゃないんだお!」
「どーゆーこっちゃ?」
「ハクシは、自分だけ萎びた胡瓜を使ったんだお!」
「?」
「うんこマンは、みずみずしい新鮮な胡瓜を使ったんだお! その結果、うんこマンの胡瓜だけ折れて、後はハクシの独壇場だったはずだお!」
「あんのカス! 狡い真似しくさってからに!!!」
「それじゃあ、ハクシと勝負でもしたらいいお!」
「まーた、ワイに不利な勝負でもさせる気やろ?」
「そんなつもりはないお! と、言うよりは興味が無いお!」
「妙やな……、ワイに興味が無い? そんな奴おるんか?」
「お前以外のほぼ全ての人に当て嵌まると思うお! 僕は、うんこマンより腸内細菌の勢力図を知りたいお!」
「くっ、腸内細菌め! ぶっ……、ほふほふしたるわ!」
「生のにんにくを沢山食べるといいお! 病院で便移植されるけどお!」
「病院!? ワイは知ってるぞ! カラシが収容されてる所やろ!」
「そうだお! 規模が小さいから、正確には診療所なんだけどお! 腕っ扱きの先生だから、安心して入院するといいお!」
「ワイが入院ってのをするんか? 腸内細菌にも勝てないんか?」
「腸内細菌は、お腹の中にいるんだお! 生き物の体内には大抵いるお! 宿主と腸内細菌は持ちつ持たれつの共生関係だから、どちらかが滅ぶと、もう片方も滅ぶお!」
「成程やで! この勝負は引き分けっちゅー事やな!」
「因みに、腸内細菌は母親由来なんだけど、お? 日本人は、お? 子供が小さいうちは、父親と一緒にお風呂に入る事も多いから、お? 父親由来の腸内細菌も持ってたりするお!」
「ほーん……!? ワイのお腹がハクシの腸内細菌に侵略されとるやないかい!!!」
「まあ、おあいこだお! それよりも、ハクシとの勝負はどうするかお? 狩りにするかお?」
「狩り? 何を狩るんや?」
「食べられる物なら何でもいいお! 胡瓜に飽きたって、お前が言ってたお! 食材くらい自分で用意しろお!」
「せやなっ! ハクシー! さっさと起きんかい!」
「まだ、眠いお……」
「お前、姑息な手段でワイに勝った気でいるんやってな!」
「目覚めが悪い事を言うなお……。僕だって、1日も早く忘れたい記憶だお……」
「やかましいっ!!! 今日は正々堂々と狩りで勝負やで!!!」
「面倒臭いお……。狩りなんてした事ないお!」
「ワイもや!」
「それに朝ご飯も食べてないお!」
「ワイもや!」
「バカなのかお? とりあえず、ご飯を食べてからにしようお!」
「そう言って、ワイが食後に寝てる隙に狩りに行くつもりなんやろ!」
「そんな事はしないお! そう思うなら糞人は食べなければいいだけだお!」
「ほら! すぐ姑息な手を使おうとする! ワイは騙されんで!!!」
「朝から面倒臭いお! 責任者、出て来いお!」
「僕の事かお? 恐れながら、お客様は神様ではございませんお!」
「ファミレスの頭の悪いクレーマー扱いするなお! 余計に面倒臭くなったお!」
「学習しろお! もう少し、人間関係とか運動とかに興味を持てお!」
「親面するなお!」
「ハクシは僕が育てた様なものだお!」
「おこがましいお!」
「そんな訳で、次話は狩り勝負だお! それじゃあ、バイバイだお!」
「どんな訳だお!!!」
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