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カイエンの過去
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ヴォルフを乗りこなしながら颯爽と走っている途中、私は突如何者かに抱きかかえられしまった。
突然の事にヒッと喉から声が出た。青い顔で慌てて振り向くと、そこに居たのは元の大きさに戻ったカイエンだった。
「何だカイエンか。もう、、驚かせないでよ。」
私の反応が面白くなかったのか、カイエンは眉間にシワを寄せる。
「何だとは何だ。王子様が颯爽と現れたのだからもっと喜べ。」
「王子様!?どこに王子様がいるというの?居るのはいかがわしい悪魔だけよ。」
「誰がいかがわしい悪魔だ!!せっかく俺様が助けに来てやったのに。」
「助けに?助けにって何よ?どうせ魔力が枯渇したから吸収しに来たんでしょ?」
「ウッ、、。」
図星だったのだろう。カイエンは言葉に詰まり黙り込んでしまう。
「それだけじゃ無い。」
プイッと顔を逸らし、口を尖らしながらカイエンは続けた。
「お前の気配と共にヴォルフの気配がしたから急いでここに来た。」
「ヴォルフの?」
私は首を傾げながらヴォルフを見た。先程より心なしかヴォルフが嬉しそうにしている気がする。
「どういう事?」
「フフンッ、こいつは俺の愛馬なんだよ。」
カイエンが自慢気にそう言った。
嘘かと思ったが、そうだとすれば1つ納得出来た。
ヴォルフはあの時私からカイエンの気配を感じ、マートンさんを必死で止めたのだ。
「そうだったのね。何だ喜んで損した気分だわ。」
「何でヴォルフが俺の愛馬だと損した気分になるんだよ。」
カイエンは少し怒ったように私を睨む。
「だって、ヴォルフは私だから選んでくれたんだと思ったのだもの。」
私がそう言うとカイエンが訳が分からないと首を傾げた。
「ん?ナタリーの事を、気に入ったんだろ?」
「えっ?」
「あのな、俺の賢い愛馬が、俺と契約してる女ってだけで簡単に自分に乗せたりなどしない。お前の事をちゃんと気に入ったんだよ。」
私はそう言われてヴォルフの顔を覗き込んだ。ヴォルフもチラッとこちらを見てニヤッと笑った気がした。
「ヴォルフ、私も好きよ。」
私が嬉しそうにニコリと笑うと、私を抱えていたカイエンの腕の力が少し強くなる。
「ん?何?痛いんだけど。」
「ん?何?じゃない。たまには俺にもそれぐらい可愛い顔見せろよ。」
私はカイエンを半眼で見つめる。
「嫌よ。あんたの事そんな目で見つめたら妊娠するわ。」
「、、するか。ハァー、公爵令嬢とは思えない発言だな。お前以外の女なら、俺と一緒に馬に乗るなど気絶する程喜ぶというのに。」
私は前を向いたままカイエンには見えないようにベーッと舌を出した。
カイエンはナルシストである。これだけ顔が良いから仕方無いのだが、何度も言うが私の好みでは無い。調子に乗らないでもらいたいものだ。
「それで、ハデスには会ったんだろ?どうだったんだ?」
「どうだったって?あなたが言った通り恐ろしい見た目の方だったわ。」
わたしは平然と嘘をついたが、カイエンは私が幼い頃から一緒に過ごしてきたのだ。私の嘘を直ぐに見破ってしまう。
「嘘付け。耳まで真っ赤だぞ。」
不機嫌にそう言った彼はそのまま私の耳を食んだ。
「なっ!?何するのよ変態!!!」
私は後ろを向きカイエンの胸をポカッと打った。真っ赤な顔で訴える私を見てカイエンは満足そうに笑った。
「フンッ、お前は俺の女だ。良く覚えておけ。」
美しく整い過ぎたその顔は見るものを魅了して離さない。
しかし、一部例外の私は心底疲れたため息を吐いて前に向き直る。
「ハァー、それで?あなたここで居て大丈夫なの?」
「流すなよ。あぁ?大丈夫がって何が?」
「ハデス様に見つかったらダメなんでしょ?」
「あぁ、それなら大丈夫。あいつは今お前を監視する為に魔力を使うなど無理だ。偵察に来るなら下っ端だろう。下っ端には見破られないぐらいの目隠しはしてるから。」
「そうなの?」
チラッとカイエンを見たが、目隠しの魔法を使っている魔力を感じなかった。私の視線に気付いたカイエンが優しく笑う。
「俺とお前は一心同体だろ?目隠しの魔法を使った所でお互い意味は無い。元はと言えば俺の魔力はお前の物だしな。」
そう言うと、クシャリと私の頭を撫でた。カイエンは最近こういった優しい雰囲気をたまに出してくる。出会った頃は野良猫といった感じで、触れようものならシャーと言って飛びかかって来そうな男だったのに。
「それで大丈夫なのか?人質生活ってどんなんもんなんだ?」
「それが、思ったより快的なの。残して来た者達に申し訳ないぐらい良い扱いをして貰っているわ。あっ!そういえば、あなた弟もいるんですってね?あと、イアンって知ってる?サイレーイス様は?あと、マートンって方にも今日会ったわ!それにね、ご飯も美味しかったし、あぁ、でも厨房は恐ろしくてね!」
急に私が早口で話し始めたので、カイエンは目を白黒させる。
「待て待て待て。一度に言われても分からん。まず何だ?弟?あぁ、ヴェルディスの事か?あいつとはあんまり話した事も無いんだ。良く分からん奴だ。」
「弟なのに?」
私がそう聞くとカイエンは苦笑いした。何だか聞いてはいけなかった事を聞いてしまった気がして私は少し慌てる。
「俺とハデスが異母兄弟なのは言っただろ?」
私はコクリと頷いた。
「俺の母さんは俺が幼い頃に死んだんだが、その後しばらくしてハデス達の母親が親父と結婚したんだ。そして出来たのが、ハデスとヴェルディス。あいつら2人は俺よりは仲が良かったかもしれないが、、。ハデスは人間を好きだという気持ちを持っているが、ヴェルディスは皆無だった。そこが決定的に違うせいで2人は離れた。」
「どうして2人はそんなに考え方が違うの?」
「ハデスは父親に懐いていたんだが、ヴェルディスは母親に懐いていた。あいつらの母親は反人間派の一員だったからな。そのせいだと思う。親父は今までの魔王の中でも一番人間に興味を持ち、そして好いていた。俺には分からなかったんだけどな。そのせいで俺と親父は喧嘩ばっかり。自分の考えを引き継いだハデスが可愛かったんだろう。結局、親父の後を継いだのはハデスだった。」
私は、遠い目をして語り出したカイエンを見て、母親を亡くし、父親とも折り合いが合わず、ずっと1人で寂しく過ごしていたのでは無いかと胸が少し痛んだ。いつもの不遜な態度の彼は今ここに居ない。
「カイエン、、」
私は彼に掛ける言葉が見つからず困っていた。自分には両親が揃っており、一人っ子だった事もあってかなり溺愛されていた。彼の気持ちなど分かるはずがないのだ。
「気にすんな。今は良い大人だからな。さて、街が見えてきたな。俺はもう消えるから。」
気付けば街の入り口辺りまで来ていた。馬車で移動した時の半分の時間で着いたような気がする。
「カイエン、今は寂しくないの?」
詳しい事は分からないが、彼は魔力を封じられ祖国を追い出された。
親どころか友とも離れ今まで暮らしていたのだ。彼と出会った時、あれほど警戒心が強かった理由を垣間見た気がした。
しかし、私の心配をよそにカイエンはケラケラと笑った。
「今はお前がいるからな。」
そう言うと私の頬にチュッと音を立てて口付けをする。
「カイエン!!人が心配してあげてるのにー!!!」
「ハハッ、ありがとさん!あっ、ナタリー、ハデスの居る城は結界が張っていて近付けないから、たまに外に出てくれな!」
そう言うとカイエンは小さな身体に戻り、風に飛ばされるようにヒラリと飛んで行く。
「じゃぁなぁ~。」
その姿をヴォルフと見送った私の顔はもう怒ってなどいない。私にとって彼はもう家族の一員なのだ。彼が笑っていれば私も嬉しい。
「さて行こう、ヴォルフ!」
私は背筋を伸ばすと、後少しの距離を今度は自分で手綱を持ち進み始めた。
突然の事にヒッと喉から声が出た。青い顔で慌てて振り向くと、そこに居たのは元の大きさに戻ったカイエンだった。
「何だカイエンか。もう、、驚かせないでよ。」
私の反応が面白くなかったのか、カイエンは眉間にシワを寄せる。
「何だとは何だ。王子様が颯爽と現れたのだからもっと喜べ。」
「王子様!?どこに王子様がいるというの?居るのはいかがわしい悪魔だけよ。」
「誰がいかがわしい悪魔だ!!せっかく俺様が助けに来てやったのに。」
「助けに?助けにって何よ?どうせ魔力が枯渇したから吸収しに来たんでしょ?」
「ウッ、、。」
図星だったのだろう。カイエンは言葉に詰まり黙り込んでしまう。
「それだけじゃ無い。」
プイッと顔を逸らし、口を尖らしながらカイエンは続けた。
「お前の気配と共にヴォルフの気配がしたから急いでここに来た。」
「ヴォルフの?」
私は首を傾げながらヴォルフを見た。先程より心なしかヴォルフが嬉しそうにしている気がする。
「どういう事?」
「フフンッ、こいつは俺の愛馬なんだよ。」
カイエンが自慢気にそう言った。
嘘かと思ったが、そうだとすれば1つ納得出来た。
ヴォルフはあの時私からカイエンの気配を感じ、マートンさんを必死で止めたのだ。
「そうだったのね。何だ喜んで損した気分だわ。」
「何でヴォルフが俺の愛馬だと損した気分になるんだよ。」
カイエンは少し怒ったように私を睨む。
「だって、ヴォルフは私だから選んでくれたんだと思ったのだもの。」
私がそう言うとカイエンが訳が分からないと首を傾げた。
「ん?ナタリーの事を、気に入ったんだろ?」
「えっ?」
「あのな、俺の賢い愛馬が、俺と契約してる女ってだけで簡単に自分に乗せたりなどしない。お前の事をちゃんと気に入ったんだよ。」
私はそう言われてヴォルフの顔を覗き込んだ。ヴォルフもチラッとこちらを見てニヤッと笑った気がした。
「ヴォルフ、私も好きよ。」
私が嬉しそうにニコリと笑うと、私を抱えていたカイエンの腕の力が少し強くなる。
「ん?何?痛いんだけど。」
「ん?何?じゃない。たまには俺にもそれぐらい可愛い顔見せろよ。」
私はカイエンを半眼で見つめる。
「嫌よ。あんたの事そんな目で見つめたら妊娠するわ。」
「、、するか。ハァー、公爵令嬢とは思えない発言だな。お前以外の女なら、俺と一緒に馬に乗るなど気絶する程喜ぶというのに。」
私は前を向いたままカイエンには見えないようにベーッと舌を出した。
カイエンはナルシストである。これだけ顔が良いから仕方無いのだが、何度も言うが私の好みでは無い。調子に乗らないでもらいたいものだ。
「それで、ハデスには会ったんだろ?どうだったんだ?」
「どうだったって?あなたが言った通り恐ろしい見た目の方だったわ。」
わたしは平然と嘘をついたが、カイエンは私が幼い頃から一緒に過ごしてきたのだ。私の嘘を直ぐに見破ってしまう。
「嘘付け。耳まで真っ赤だぞ。」
不機嫌にそう言った彼はそのまま私の耳を食んだ。
「なっ!?何するのよ変態!!!」
私は後ろを向きカイエンの胸をポカッと打った。真っ赤な顔で訴える私を見てカイエンは満足そうに笑った。
「フンッ、お前は俺の女だ。良く覚えておけ。」
美しく整い過ぎたその顔は見るものを魅了して離さない。
しかし、一部例外の私は心底疲れたため息を吐いて前に向き直る。
「ハァー、それで?あなたここで居て大丈夫なの?」
「流すなよ。あぁ?大丈夫がって何が?」
「ハデス様に見つかったらダメなんでしょ?」
「あぁ、それなら大丈夫。あいつは今お前を監視する為に魔力を使うなど無理だ。偵察に来るなら下っ端だろう。下っ端には見破られないぐらいの目隠しはしてるから。」
「そうなの?」
チラッとカイエンを見たが、目隠しの魔法を使っている魔力を感じなかった。私の視線に気付いたカイエンが優しく笑う。
「俺とお前は一心同体だろ?目隠しの魔法を使った所でお互い意味は無い。元はと言えば俺の魔力はお前の物だしな。」
そう言うと、クシャリと私の頭を撫でた。カイエンは最近こういった優しい雰囲気をたまに出してくる。出会った頃は野良猫といった感じで、触れようものならシャーと言って飛びかかって来そうな男だったのに。
「それで大丈夫なのか?人質生活ってどんなんもんなんだ?」
「それが、思ったより快的なの。残して来た者達に申し訳ないぐらい良い扱いをして貰っているわ。あっ!そういえば、あなた弟もいるんですってね?あと、イアンって知ってる?サイレーイス様は?あと、マートンって方にも今日会ったわ!それにね、ご飯も美味しかったし、あぁ、でも厨房は恐ろしくてね!」
急に私が早口で話し始めたので、カイエンは目を白黒させる。
「待て待て待て。一度に言われても分からん。まず何だ?弟?あぁ、ヴェルディスの事か?あいつとはあんまり話した事も無いんだ。良く分からん奴だ。」
「弟なのに?」
私がそう聞くとカイエンは苦笑いした。何だか聞いてはいけなかった事を聞いてしまった気がして私は少し慌てる。
「俺とハデスが異母兄弟なのは言っただろ?」
私はコクリと頷いた。
「俺の母さんは俺が幼い頃に死んだんだが、その後しばらくしてハデス達の母親が親父と結婚したんだ。そして出来たのが、ハデスとヴェルディス。あいつら2人は俺よりは仲が良かったかもしれないが、、。ハデスは人間を好きだという気持ちを持っているが、ヴェルディスは皆無だった。そこが決定的に違うせいで2人は離れた。」
「どうして2人はそんなに考え方が違うの?」
「ハデスは父親に懐いていたんだが、ヴェルディスは母親に懐いていた。あいつらの母親は反人間派の一員だったからな。そのせいだと思う。親父は今までの魔王の中でも一番人間に興味を持ち、そして好いていた。俺には分からなかったんだけどな。そのせいで俺と親父は喧嘩ばっかり。自分の考えを引き継いだハデスが可愛かったんだろう。結局、親父の後を継いだのはハデスだった。」
私は、遠い目をして語り出したカイエンを見て、母親を亡くし、父親とも折り合いが合わず、ずっと1人で寂しく過ごしていたのでは無いかと胸が少し痛んだ。いつもの不遜な態度の彼は今ここに居ない。
「カイエン、、」
私は彼に掛ける言葉が見つからず困っていた。自分には両親が揃っており、一人っ子だった事もあってかなり溺愛されていた。彼の気持ちなど分かるはずがないのだ。
「気にすんな。今は良い大人だからな。さて、街が見えてきたな。俺はもう消えるから。」
気付けば街の入り口辺りまで来ていた。馬車で移動した時の半分の時間で着いたような気がする。
「カイエン、今は寂しくないの?」
詳しい事は分からないが、彼は魔力を封じられ祖国を追い出された。
親どころか友とも離れ今まで暮らしていたのだ。彼と出会った時、あれほど警戒心が強かった理由を垣間見た気がした。
しかし、私の心配をよそにカイエンはケラケラと笑った。
「今はお前がいるからな。」
そう言うと私の頬にチュッと音を立てて口付けをする。
「カイエン!!人が心配してあげてるのにー!!!」
「ハハッ、ありがとさん!あっ、ナタリー、ハデスの居る城は結界が張っていて近付けないから、たまに外に出てくれな!」
そう言うとカイエンは小さな身体に戻り、風に飛ばされるようにヒラリと飛んで行く。
「じゃぁなぁ~。」
その姿をヴォルフと見送った私の顔はもう怒ってなどいない。私にとって彼はもう家族の一員なのだ。彼が笑っていれば私も嬉しい。
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