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本当の始まり
新生徒会
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その日の放課後、イザベルとマリアが加わった新生徒会の集まりがあったので、イザベルと共に生徒会室へと向かっていた。
「ティーナ、ヘンリー様があれから口を聞いて下さらないのよ。」
イザベルはとても悲しそうに言った。
先日イザベルとマリアが醜い罵り合いになった時に、ヘンリーがぶち切れるという事件が起こったらしい。
「どんな風に怒られたの?」
イザベルが言いにくそうにしている。よほど恐ろしいかったのかと思ったが、彼の怒り方はいたってシンプルだった。
お前らいい加減にしろ!!!である。
「???それ怖いの?」
もっと怒られたと思っていたので、私は拍子抜けした。
「違うのよ。それがヘンリー様じゃなければ怖くないのよ。だってティーナ、ヘンリ様が怒った姿を見た事がある?出会ってから初めて見たわ。いつも穏やかな人が怒ったら、それはそれは怖いのよ。」
その時のことを思い出したのか、イザベルはブルっと身震いした。
生徒会室に入ると、私達以外のメンバーがもう揃っていた。
サーキス君が私の元へ駆け寄ってくる。
「クリスティーナ様、お会いしたかった。あなたがいない学園はそれはつまらないものでした。」
彼は青白い手で私の手を掴み、頬ずりしてくる。
「サ、サーキス君落ち着いて。教室でも会ってたでしょ?」
私はササッと手を引こうとするが、ガシッと掴まれた。
彼が学園長先生の息子と知ってしまったので、雑な扱いが出来ない。
私は困ってヘンリーを見ると、彼は苦笑いして私に助け船を出してくれた。
会議の助手に任命してくれたので、ヘンリーの横にいそいそと並ぶ。
サーキス君はいかにも渋々といった顔で席へ戻った。
ホッとしてヘンリーにお礼を言う。
それにしても、彼から怒っている雰囲気を特に感じない。
もう怒ってないのでは、、?
今日の会議は5月中旬に行われる校外学習について話し合われる。
3年生から始まるこの校外学習は、学園の保有する山で行われる。
3泊4日滞在し、主に魔法学の実技をするのだが、乙女ゲームの中にもこの校外学習がある。
特に事件は無かったのだが、攻略対象者の好感度を上げるイベントは盛りだくさんなのだ。
一緒にご飯を作ったり、お風呂上がりのマリアを見て攻略対象者がドキッとしたり、雨に打たれた2人が雨宿りするといったものもあったな、、。
そんな事を思い出していると、ヘンリーに怒られる。
「コラッ、クリス今の事ちゃんと書いてよ!」
そうだった。私は出た意見をホワイトボードに書く係なのだ。
今は校外学習最終日のキャンプファイヤー、そして3年生限定タイマリス学園ミスコンテストについて話し合っている。
「去年は生徒会メンバーが盛り上がってミスコンテストを開催したらしいけど、、皆どう思いますか?どんな規模にするかにもよるけど、準備物が増えれば大変だと思うのですが。」
ヘンリーはミスコンを取りやめにしたいようだった。
ゴードンが発言する。
「俺はミスコンテストの楽しさは分からない。女子達は盛り上がるだろうけど、男子は楽しめるものなのか?」
サーキス君がすかさず言い返す。
「私はクリスティーナ様が出るなら楽しい。むしろそれだけを楽しみに校外学習を乗り切ります!」
、、あぁ、恥ずかしい、彼には黙っていて欲しい。
ヘンリーが女子の意見も聞きたいと言ったので、マリアが発言する。
「そうですね。私としては、自分が出るよりヘンリー様のお姿を拝見する方が幸せですし、ミスコンではなくミスターコンテストでも楽しいですわ。」
イザベルが鼻で笑う。
「ミスコンなら自分が出ると決まっているようにおっしゃいますが、何を根拠に。」
「あら、この学園で私より可愛らしい女子なんているのかしら?少なくともこの部屋には見当たらないわ。」
これに噛みついたのはイザベルではなく、サーキス君だった。
「貴様何を言うか!!クリスティーナ様よりお美しく愛らしい女などこの世にいるはずがない。ふざけた事を言うのも大概にしろ!!」
サーキス君が立ち上がったので、ゴードンが後ろから止めに入る。
マリアがバカにしたように笑った。
「クリスティーナ・バレンティアが私より美しくて可愛いって言うの!!まさかやめてよ!私を誰だと思ってるのよ!」
「何が私を誰だと思ってるのよ!よ。マリア・クレメンティー子爵令嬢でしょ?あんたこそティーナを誰だと思ってるの?公爵令嬢なのよ?」
今度はイザベルがバカにした。
あぁ、もうめちゃくちゃだ。
ヘンリーがまた切れるのではないかと、ハラハラする。
すると、マリアが立ち上がり、私の前までやってきた。
人差し指で私を指差しながら、
「クリスティーナ・バレンティア!私とミスコンテストで勝負しなさい!」
と言った。
「えっ、、、嫌「やるわ!もちろんやるでしょ、ティーナ!」
私が断ろうとすると、イザベルが勝手に勝負を引き受けた。
「、、、、いい加減にしろ!!」
今日切れのはヘンリーではなく私だった。
しかし、校外学習でミスコンテストが行われる事は決定してしまったのだ。
私は出ないぞ、、。
そう心に誓う。
「ティーナ、ヘンリー様があれから口を聞いて下さらないのよ。」
イザベルはとても悲しそうに言った。
先日イザベルとマリアが醜い罵り合いになった時に、ヘンリーがぶち切れるという事件が起こったらしい。
「どんな風に怒られたの?」
イザベルが言いにくそうにしている。よほど恐ろしいかったのかと思ったが、彼の怒り方はいたってシンプルだった。
お前らいい加減にしろ!!!である。
「???それ怖いの?」
もっと怒られたと思っていたので、私は拍子抜けした。
「違うのよ。それがヘンリー様じゃなければ怖くないのよ。だってティーナ、ヘンリ様が怒った姿を見た事がある?出会ってから初めて見たわ。いつも穏やかな人が怒ったら、それはそれは怖いのよ。」
その時のことを思い出したのか、イザベルはブルっと身震いした。
生徒会室に入ると、私達以外のメンバーがもう揃っていた。
サーキス君が私の元へ駆け寄ってくる。
「クリスティーナ様、お会いしたかった。あなたがいない学園はそれはつまらないものでした。」
彼は青白い手で私の手を掴み、頬ずりしてくる。
「サ、サーキス君落ち着いて。教室でも会ってたでしょ?」
私はササッと手を引こうとするが、ガシッと掴まれた。
彼が学園長先生の息子と知ってしまったので、雑な扱いが出来ない。
私は困ってヘンリーを見ると、彼は苦笑いして私に助け船を出してくれた。
会議の助手に任命してくれたので、ヘンリーの横にいそいそと並ぶ。
サーキス君はいかにも渋々といった顔で席へ戻った。
ホッとしてヘンリーにお礼を言う。
それにしても、彼から怒っている雰囲気を特に感じない。
もう怒ってないのでは、、?
今日の会議は5月中旬に行われる校外学習について話し合われる。
3年生から始まるこの校外学習は、学園の保有する山で行われる。
3泊4日滞在し、主に魔法学の実技をするのだが、乙女ゲームの中にもこの校外学習がある。
特に事件は無かったのだが、攻略対象者の好感度を上げるイベントは盛りだくさんなのだ。
一緒にご飯を作ったり、お風呂上がりのマリアを見て攻略対象者がドキッとしたり、雨に打たれた2人が雨宿りするといったものもあったな、、。
そんな事を思い出していると、ヘンリーに怒られる。
「コラッ、クリス今の事ちゃんと書いてよ!」
そうだった。私は出た意見をホワイトボードに書く係なのだ。
今は校外学習最終日のキャンプファイヤー、そして3年生限定タイマリス学園ミスコンテストについて話し合っている。
「去年は生徒会メンバーが盛り上がってミスコンテストを開催したらしいけど、、皆どう思いますか?どんな規模にするかにもよるけど、準備物が増えれば大変だと思うのですが。」
ヘンリーはミスコンを取りやめにしたいようだった。
ゴードンが発言する。
「俺はミスコンテストの楽しさは分からない。女子達は盛り上がるだろうけど、男子は楽しめるものなのか?」
サーキス君がすかさず言い返す。
「私はクリスティーナ様が出るなら楽しい。むしろそれだけを楽しみに校外学習を乗り切ります!」
、、あぁ、恥ずかしい、彼には黙っていて欲しい。
ヘンリーが女子の意見も聞きたいと言ったので、マリアが発言する。
「そうですね。私としては、自分が出るよりヘンリー様のお姿を拝見する方が幸せですし、ミスコンではなくミスターコンテストでも楽しいですわ。」
イザベルが鼻で笑う。
「ミスコンなら自分が出ると決まっているようにおっしゃいますが、何を根拠に。」
「あら、この学園で私より可愛らしい女子なんているのかしら?少なくともこの部屋には見当たらないわ。」
これに噛みついたのはイザベルではなく、サーキス君だった。
「貴様何を言うか!!クリスティーナ様よりお美しく愛らしい女などこの世にいるはずがない。ふざけた事を言うのも大概にしろ!!」
サーキス君が立ち上がったので、ゴードンが後ろから止めに入る。
マリアがバカにしたように笑った。
「クリスティーナ・バレンティアが私より美しくて可愛いって言うの!!まさかやめてよ!私を誰だと思ってるのよ!」
「何が私を誰だと思ってるのよ!よ。マリア・クレメンティー子爵令嬢でしょ?あんたこそティーナを誰だと思ってるの?公爵令嬢なのよ?」
今度はイザベルがバカにした。
あぁ、もうめちゃくちゃだ。
ヘンリーがまた切れるのではないかと、ハラハラする。
すると、マリアが立ち上がり、私の前までやってきた。
人差し指で私を指差しながら、
「クリスティーナ・バレンティア!私とミスコンテストで勝負しなさい!」
と言った。
「えっ、、、嫌「やるわ!もちろんやるでしょ、ティーナ!」
私が断ろうとすると、イザベルが勝手に勝負を引き受けた。
「、、、、いい加減にしろ!!」
今日切れのはヘンリーではなく私だった。
しかし、校外学習でミスコンテストが行われる事は決定してしまったのだ。
私は出ないぞ、、。
そう心に誓う。
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