【完結】アイツとオレ

奈知

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《番外編》アイツとオレ〜2人の誓い〜

誓いとキスは教会で〜薬指の約束〜 《END》

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ーーー翌朝ーーー


 「うおっ?」


朝目覚めると俺の隣で蒼が規則正しい寝息をたてて眠っていた。しかも一糸纏わぬ姿で。


なんちゅう格好で寝てんだよっ!


あれ?つか俺いつスーツ脱いだっけ?


気付くと何故か自分も似たような状況になっていた。蒼との違いと言えば、かろうじて下着が身についていることだろうか。


ハッ!まさか寝惚けてシちゃった・・とか?
いやいや気付くだろッ!


自分で自分に突っ込んでしまう。


と、とりあえずシャワーでも浴びて頭スッキリしてこよう。


ふーっと息を吐いてベッドから降りようとしたとき、手首を捕まれてひき止められた。


振り向くと、蒼が俺をじっと見つめていた。


 「おはよう」


 「おっ・・はよ・・・・」


昨日の件以来まだ素直に蒼の目を見て返事が出来ない。
思わずスッと目線を逸らしてしまう。


 「遊利、昨夜はごめん。あんな風に言うつもりはなかった。ただ、兄さんと遊利があんまり親しげだったから嫉妬してしまったんだ」


 「嫉妬、って。お前の兄貴だろ?」


 「兄さんでも誰でも、遊利が俺以外のヤツに触られるのはムカつく」


珍しい。普段あんまり口汚い言葉使わないのに。


 「でも、だからってあんな言い方・・」


昨日の蒼の言葉を思い出すと、また胸がギュッと詰まる。


衣擦れの音をさせて蒼が身体を起こす。
ふわりと俺の頭を抱き込んで、胸に引き寄せる。
優しく宥めるように髪を撫で、時折慈しむようにキスをする。


 「俺も、悪かったけど、あんな風に言われたら、立つ瀬ないじゃんか」


少し喉の奥をつまらせながら弱々しく文句を言うと、俺の頭に頬を擦り寄せて、蒼が切なそうに息を吐いた。


 「うん。そうだね、ホントにごめんな。せっかく新年を二人で迎えられるんだから、もっと楽しもう。モデルの件はどうせ兄さんがごり押ししたんだろ?一応俺の方から上手く断っておいたから遊利は何も心配しなくていい」


何だ・・・。蒼、俺の本意じゃないってちゃんと分かってくれてたんだ。


 「そっか」


ちゃんと俺の気持ちを理解してくれたことが嬉しくて、その想いを伝えたくて、蒼の背中に手を回してギュウッと抱き締めた。



 
「遊利、愛してるよ」


そう甘く囁いて、俺の頬を両手で包み込んで上向かせ、唇を重ねてくる。


 「んッ・・・ふっ、あ・・んんッ」


口腔内でクチュリと舌を絡められると、甘い痺れが身体中にジワリと広がる。


いつもの甘く蕩けてしまいそうな蒼の口づけに、だんだんと翻弄されていく。


そのまま裸の身体を重ねられる。


 「あっ、ちょっ、待った蒼!」


 「何?」


俺の身体に唇を這わせながら蒼が言う。


 「何って、今は朝で俺らは起きたばっかだろ?」


 「だから?」


 「だからって。だって」


 「俺を怒らせる遊利が悪いんだよ?おかげで昨夜はイチャイチャ出来なかった。だから、これはお仕置き」


うそだろぉ~ッ!?
こんな朝っぱらからすんのヤだよ~ッ!


 「何がお仕置きっ!アッ、ちょっ、ヤダッ、てッ、こんな朝っぱらからっ」


 「いいから黙って」


 「アッ・・!」


ダメだぁ~!身体から力が抜けていくぅぅっ!


蒼の巧みな愛撫に、結局俺は観念せざるを得なかった。


 「ーーはっ、あッ!蒼、ちょっ、とッ、ヤダよこんな格好っ」


後ろを貫きながら、俺に恥ずかしい格好をさせて攻めてくる蒼に、途切れ途切れの上擦った声で抗議する。


 「どうして?今の遊利、凄くいやらしくてソソられる。陽の光で遊利の白い肌がよく見えるしね。いいからホラ、もっと俺を感じてごらん?」


両足の太股の付け根を左右に大きく倒して、下半身のモノも全て晒された格好で、蒼は自身の欲望でグチュッ、ズチュッとイヤらしい水音をさせながら抽挿を繰り返し、俺の内壁を甘く擦りあげてくる。


 「んあぁッ!」


後ろを貫きながら、片方の手で俺の下半身を、もう一方の手で胸の突起を愛撫してくる。


 「ば・・かッ!この、スケ、ベッ!へんたいぃ~・・ひぁぁっ!や、っ!ソコッ、ダメっ!ゃ・・あぁんッ」


一番敏感な部分を擦りあげられて、俺の口から甘い悲鳴が上がった。


「遊利、凄く可愛い。もっと、もっと感じて」


もはや完全にエロじじい化してる蒼は、まるで獲物を骨の髄まで食い尽くす獰猛な獣のようだ。


卑猥な言葉を囁かれ、後ろに震えるほどの刺激を与えられながら、前も上下に扱かれると、先端の入り口から先走りの雫がトロトロと溢れ出す。



ヌチュクチュと淫靡な音をさせて扱き抜かれると、張り詰めた射精感に襲われる。


 「ぁッは・・・ぁん、あおい・・ッ!もっ、早くッ」


もう早くこの熱をどうにかしてほしくて、潤んだ瞳で見つめると、蒼の息が一瞬詰まった。


 「ッ、遊利。もう少し我慢して。一緒に…ね?」


甘い艶めかしい声で囁いてくる。
前を上下に扱かれて、同時に後ろも激しく穿たれるともう堪らなかった。


 「あっ、はっ、ダメッ、蒼ッ、もぉ我慢できな・・・ッ、あッ、ンンーーーーッ!!」


次の瞬間、俺は我慢出来ずに、張り詰めた蜜液を勢いよく吐き出していた。


 「・・・・ッく」


同時に蒼が息を詰めて、同じように、俺の内壁にに叩きつけるように大量の蜜液を放出した。


 「あッ。はぁっ!はっ・・ん」


少しずつ荒い息を整えながら、内部で放たれたものが、ジワリと拡がっていくのを感じていた。


蒼がゆっくりと腰を退くと、赤く熟した媚肉から内部で放たれた白濁した蜜液がトロトロと流れ落ちた。


その様を蒼が視姦するように眺めている。


うっ!んなじっと見るなよっ!イヤらしいヤツだなっ。


じっと見られている羞恥に、頬がかぁっと燃えるように熱くなって、じわりと目尻に涙が溜まる。見るのをやめてほしくて、俺は震える声で言った。


 「見んなよぉ~・・」


真っ赤な顔で恥ずかしがる俺を見るのが堪らなく楽しいのか、意地悪な蒼はクスクスと笑う。


てめぇ~、性格悪いにも程があるだろうがよ!


 「そんなに恥ずかしい?可愛いなぁ遊利は。じゃあ見るのはやめてあげるけど、ココ、俺が綺麗にしてあげるよ」


 「へっ?」


何をするのかと思ったら、何と俺の蕾から未だ滴るものに舌を這わせてきたのだ!


 「ちょっ!いいッ、んなことしなっ・・・やっ、んぅっ」


舌先を丸めて、尾骨の方まで滴り落ちる蜜液を掬うように舐め取っていく。


「ぁっ、んッ!ちょッ・・もぅやめっ!」


蒼の舌が肌を滑るたびに、またゾクゾクと身体が快楽に震えてしまう。
最後には再び中心のすぼまりに指を入れられて、内に残った蒼のモノをグチュグチュと掻き出されれて、俺はまた甘い声を上げるはめになる。


ああぁぁぁ~っ!
やっ、やめてくれ~~っ!
んなことされたらまた身体が反応するだろぉっ?


一体どこまで俺を弄くり倒せば気がすむんだコイツは!


はぁはぁと、また不規則に息を乱す俺の身体を、蒼は楽しそうに弄くりまくる。


そのあと、やっぱり反応を示してしまった俺の身体を、「鎮めてあげる」と言いながら、結局蒼は二度目の性行為を求めてきたのだった。



止まることを知らない蒼の俺への独占欲に、俺は犯り殺されそうな危機感を抱かずにはいられなかった。


つか、マジ死ぬッッ!


蒼の謝罪の言葉で仲直りも(主にエッチ中心で)出来たわけだけど。


にしたって体力ありすぎだろ~。信じらんねぇよっ、ノンストップで3回も・・・って、わあぁぁぁっ!ダメッ!ダメダメッ!思い出すな~っ!


さっきまでの行為を思い出すだけで顔中がゆでダコのようになる。


三度目の行為の後、クタクタになった身体を蒼に支えられてシャワーを浴び、ゆっくりする間もなく蒼の携帯にかかってきた電話により街に引っ張り出された。


 「悪い遊利。今日は遊利の行きたい所に連れていってやるつもりだったのに、予定狂っちゃったな」


車の後部座席で隣にいる蒼が申し訳なさそうに言った。

 「別に気にしなくてもいいよ。それより、いいよな。街中建物が煉瓦造りでさ。お洒落な国って感じだよなぁ」


目新しい景色に多少なりともワクワクと胸を弾ませてしまう。


 「街並みもいいけど、協会なんかも建物の趣があってまさに英国って感じでいいぞ。明日はウェストミンスター寺院辺りでも観光してくるといいよ」


前の座席に座っていた要さんが提案してくれる。


 「へぇ。ちょっと見てみたいなぁ。と、そか、蒼は見馴れてるよな」


  「いや、俺も協会は久しぶりだし、もともと行くつもりだったから一緒に行こう」


 「しかし残念だなぁ~。なぁ蒼、どうしても遊利くんの帰国延ばせないのか?」


えっ、俺の話し?
あ、もしかしてモデルの事かな。


 「仕方ないでしょう。昨日の集まりだって無理言って同席してもらったんですし、遊利にだって予定があるんですから、今回は引いてください」


ああ、成る程。そういう理由にしたわけね。


 「う~ん、俺も諦め悪くてねぇ。なぁ遊利くん、ご両親に相談して二日程ずらして貰えないかなぁ?」


ホント諦め悪いなぁ。ダメだって言ってんだから諦めればいいのに。


てか何でそこまで俺に固執すんだろ?


 「兄さん!いい加減にしないと怒りますよ?」


中々引こうとしない要さんに、蒼が珍しく声を荒げた。


腕を組んでムスッとしてしまった蒼に、仕方なしにと言うように了解してくれた。


 「分かったよ。遊利くんうちのイメージに最適だったんだけどなぁ。まぁ仕方がないから今回は諦めるけど、次は絶対に引かないよ?しかし参ったな,コンセプト変更しないと」



ちゃっかり次回の依頼宣言をして、要さんはブツブツと愚痴を溢す。


そんな要さんをチラリとだけ見て、勝ち誇ったように蒼が微笑した。


 「どうぞご自由に。次なんて一生来ませんから」


 「う~ん、我が弟ながらここまで可愛くないといっそ清々しいな」


 「可愛くなくて結構ですよ」


嫌味混じりの要さんの言葉も、気にもしてない様子で蒼は一笑する。


何か凄く丁寧な受け答えなのに、兄弟で押し問答してるように聞こえるのは気のせいじゃないよな?


紛れもなく兄弟で言い合っているのに、片や物腰の柔らかい口調で、片や敬語混じりの丁寧な言葉遣いなのが、育ちの良さを彷彿とさせるよなぁ。


何はともあれ、俺達の滞在期間は明日までということになったらしい。


蒼のハッタリのおかげで、2日の午後には日本に戻る事が出来そうだ。


要さんが言っていた仕事は、カメラマンの都合が今回どうしても合わなかったため、断念せざるを得なかったらしい。


まぁ、俺としては蒼の気転のおかげで、面倒事に巻き込まれなくて助かったって感じだけど。


 「取り敢えず、今日は俺に付き合って貰うぞ蒼」


 「分かってますよ。遊利、昼には終わるから、そのあと少し街を散歩しよう。明日の夕方には飛行機に乗らないといけないから、ゆっくりする時間はないけど少しでも楽しんで帰ろう」


 「あ、うん、そうだな。ハハハ」


この美形兄弟のやり取りに、なるべく関わりたくないと思いながら、極上の笑顔で言った蒼に、俺は苦笑いで答えた。


と、さりげなく俺の手の甲に蒼の掌が重ねられた。


その感触にドキンと心臓が音をたてた。


そのまま指を絡められてギュッと握られる。


その行動にバレやしないかと内心焦ったけど、前に座っている要さんや運転手には、視角になっていて見えていない事に俺はホッとする。


重ねられた掌から蒼の温もりが伝わってくる。
その温もりだけで、蒼の俺への愛情が感じ取れてしまう。


その甘い空気に恥ずかしくなって、思わず俯いてしまった。


ヤバイ、顔が熱くなってきた。


赤面した顔を隠すように、車に乗っている間、俺は俯いた顔を上げることが出来なかった。



蒼ってこういうことさりげなくしてくるよなぁ。


だから気付くとこっちも自然に受け入れてしまってるんだけどさ。


でもそれってお互いの気持ちが通じてるから自然に出来るってことだよな。


改めて感じる蒼との絆に胸の奥が甘く満たされていくのを感じた。


蒼の言ったとおり、用事は昼で終了し、約束通り、俺達は街を散歩することにした。


並んで歩きながら、ロンドンの街を散策する。
裏通りで見つけたカフェで遅めの朝食を取って、近くの公園でのんびり談笑したりして俺達はこの街を十分に楽しんだ。


蒼との関係が始まってからこうやってゆっくり外で一緒に過ごす(いわゆるデートってヤツだな)ということがなかったからか少しだけ解放感に浸ってしまう。


それに、ここには俺達を知っているやつは誰もいない。


だからか、普段人前では絶対に拒絶してさせない手を繋ぐという行為も自然に受け入れてしまう。


指を絡められても全く気にならない。逆に応えてしまうくらいだ。
俺も少しだけ恋人らしく甘い気分になってるのかもしれないな。


 「だいぶ陽が落ちてきたな。そろそろ戻ろうか?」


 「そうだな」


冷たい空気が肌を刺し、吐く息は白く宙を舞う。鼻の頭が冷たさで感覚がなくなってしまっていた。


ズッと鼻を啜ると、蒼が手袋を取った掌を俺の頬に当てた。


ふわぁ~、あったかい。


 「寒い?遊利の頬、冷たくなってるな」


クスッと笑って俺の頬を温めてくれる。


 「お前の手はあったかいな。気持ちいい」


気持ちよさに目を閉じると、温もりが全身に伝わるみたいで心地いい。


心地良さに身を預けていると、チュッと鼻先にキスされた。


パッと目を開くと蒼の優しい眼差しが目の前にあった。


お互いに見つめあってフッと笑ってから、惹かれ合うように唇が重なった。



冷たい風を感じながら、俺達は抱き合って長い長いキスをした。


ホテルに戻った俺達は暖かい部屋の中でゆっくりとくつろいでいた。


 「もうすぐ今年が終わっちゃうなぁ。あ、でも日本じゃもう年明けてんだっけ?てゆうかさぁ、ホントお前と再会してから何か怒涛のように過ぎた気がする」


思い起こすと笑いとも溜め息ともつかない吐息が溢れる。



 
「そう?俺はもどかしかったけどな。やっと再会できた遊利はいつまでたっても頑なだし、俺のいない間に松井みたいな不埒な輩はくっついてるし、気が気じゃなかったよ。まあ、今はこうして一緒にいれるから幸せだけどね」


最後のセリフを心底嬉しそうに言って頬擦りしてくる。



不埒なって・・、まだ光一を目の敵にしてんのか。


ったくしょうがねぇなぁ。でもこういうとこ、子供みたいで憎めないんだよなぁ。


蒼がこんな弛みきった顔を見せるのも多分俺だけなんだろうなと思うと、俺だけの特権みたいでちょっと嬉しかったりして。


 「ね。遊利は俺が好きだろう?」


蒼が甘く微笑んで訊いてくる。


「きっ、訊くなよんなことッ!言わなくたって分かるだろっ?」


またコイツは、そんな直球で・・・・!
すっ・・・て!んなこと言えるかよ!
恥ずかしいやつだなッ!


 「どうして?遊利の口から直接聞きたい。言って?」


じっと俺を見据えながら、ジリジリとにじりよってくる。


同時に俺の身体も退いていく。


確かに、今まで言われて頷くばかりで、自分から口にすることは数えるほどしかない。


俺がそういう言葉を滅多に口にしない理由。それは至って簡単。


だって恥ずかしいじゃんッ!


てなわけだ。


好きだとかって、口にしようとするだけで何かこう、尻の辺りがむず痒くなるっていうかなんていうか・・・。


とにかく超絶に恥ずかしいっ。


よくみんなあんな言葉ツラツラ口から出てくるよな。俺にはとてもマネできんッ!


座り心地の良いソファーの上で、蒼はにじりよりながら少しずつ距離を詰めてくる。


肘掛けのところまで追い詰められて、もう後がない俺は、ひきつった笑いを浮かべた。


蒼の真っ直ぐな目は言わないと許さないと言っているようだ。


「遊利」


早く。と急かすように蒼が俺の名前を
呼ぶ。しかも・・、何だよ?その期待に満ち満ちた目はッ!!さっきの鋭い視線はいずこへッ?


ううぅぅっ。やっぱ、言わなきゃダメだよなぁ~。


けど、蒼だっていつもサラッと言ってんだから、きっと俺にだって言えるはず!


よし、俺も男だ!恥ずかしいけど、ここは一つ言ってやろうじゃないかッ。


でも、本人目の前にすると心拍数上がるから、何かに例えよう。


俺は、目を閉じて脈打つ鼓動を鎮めるように心の中で自分に繰り返し言い聞かす。


こいつは犬だと思え!犬~犬~・・・。


よしっ!自己暗示完了!


意を決して目を開けると、蒼の綺麗な顔が間近に迫ってきていた。


驚いて咄嗟に蒼の顔を両手でバシッと押さえ付けた。


 「ぶっ!・・遊利、痛い」


 「いいいきなり何してんだよッ!」


 「いや、目閉じるから、キスしてほしいのかと思って」


俺の手を退かしながら蒼が笑顔で答える。


 「違うバカ!せっかく俺が好きだって言おうとしたのにお前ってヤツは~っ!」


不埒なのはお前だバカヤロウ!



蒼の顔を叩きまくる俺の手を,蒼は
すかさずパシッと掴む。そして少しだけ頬を上気させながら、俺を見つめてくる。


 「今の、もう一回言って」


今のって。あっ!


 「やっ!あれは、そのっ」


 「遊利、俺が好き?」


 「うっ・・、すっ・・好、き、だよ」


あうぅっ、恥ずいっ!


 「愛してる?」


愛っ?!それも言えってかっ?
うぅ~っっ、あ~っ、もうっ!


 「あっっっっ!愛してるよッ!」


半ばやけくそに言い放ってフイッと顔を背けると、直ぐに顎に指を添えられて、蒼の方を向かせられる。


 「遊利、こっち見て」


恥ずかしすぎて瞼を落としていた俺を蒼は自分の方へと促す。


目線をあげると、優しい笑顔で蒼が俺を見ていた。


 「俺も愛してるよ。遊利、大好きだよ」


そう言って、蒼はゆっくりと顔を近づけてくる。
そのまま甘い唇が重ねられた。


 「ふ・・んッ。ん」


舌を絡められると、まるでチョコレートが口の中で甘く蕩けていくみたな舌触りに、一気に身体中の力が抜けていく。


リーン、ゴーン・・・・。


長く深い口づけの後、タイミング良く0時を告げる鐘が俺達の耳に届いた。


 「年が明けたな。ニューイヤーおめでとう遊利。今年もよろしく」


そう言って愛しげに俺を見つめてくる。


 「おめでとう。こっちこそよろしく」


ニコリと笑って俺も返事を返した。


いつもと違う場所、違う空気の中で新しい年を迎えるのは初めてで、何だか何もかもが色鮮やかに染まっていくみたいで、新鮮だ。


愛しい恋人に愛されて新しい年をスタート出来たことも心から嬉しいと感じる。


少しだけ喧嘩もしたけど、今日この日を蒼と過ごせて良かった。


何か俺、蒼のことどんどん好きになってる。一体この感情はどこまで膨らんでいくんだろう?


そんなことを考えながら、俺は愛しい恋人の隣で寄り添うようにして目を閉じた。



その朝、やっぱり蒼に揺り動かされて目が覚めた。


 「おはよう遊利、もう8時だよ?支度して朝食食べに行こう」


 「うぅ~っ・・はよ・・・。ん~、分かった~」


ボォ~ッとして、まだ半分綴じている瞼を再び落として、また俺はウトウトしてしまう。


 「全く仕方がないなぁ遊利は。起きないならこのまま恥ずかしいことするけど、それでもいいの?遊利のーーーー、俺のでめちゃくちゃにしちゃうよ?」


俺のパジャマをせっせと脱がしながら蒼が卑猥なセリフを色っぽい声で耳元に囁いてくる。


それでやっと目が覚めた。一気にかぁ~っと頬が熱くなる。


 「てっ、てめぇ~っ!朝っぱらから何言ってやがんだっ、この変態ッ!って勝手に脱がすんじゃねぇーっ!」


年明けから、やっぱりデリカシーの欠片も見せない蒼に、俺は朝っぱらから憤慨させられる。


 「何もそんなに照れなくてもいいのに。はいこっち腕通して~」


 「照れてないッ!触るな変態ッ!」


 「はいはい。じゃあ次コレ着て」


ちきしょうっ!全く人の話し聞いちゃいねぇよ・・。


 「外は寒いからちゃんと暖かくして行かないとな。俺の大事な遊利が風邪でもひいたら大変だ」


まるで過保護な母親の如く俺の身なりを整えていく。



しかもすっげぇ楽しそうに。


は~。もうどうにでもしてくれ。


諦めてされるがままになる俺の着替えを完了した蒼は満足そうに頷いた。


 「うん、完璧。今日も可愛いよ遊利」


嬉しそうに言いながら俺の頬にチュッとキスしてくる。


あ~あ、締まらねぇツラしてやがんなぁ。美形が台無しだ。


だけど、俺のことめちゃめちゃ甘やかしてる時の蒼は何だか可愛くて、見てて可笑しくなってついつい笑ってしまう。


 「ブッ、何が、うん完璧。だよ?ったくしょうがねぇなぁ蒼は。お前俺のこと甘やかしすぎだって!あはは」


 「そんなことはないぞっ?まだまだ足りないくらいだ。俺としてはもっと遊利に甘えて欲しいし、もっとベタベタに甘やかしたい。ツンデレもいいけど甘えまくる遊利も絶対に可愛い!」


込み上げる感情を抑えられないのか、グッと拳を握りしめて珍しく蒼が熱く語る。


どっ、どうしよう。笑いが止まんねぇっ!
頭脳明晰、容姿端麗、冷静沈着の名を欲しいままにしてる男が、壊れてるッ!完全に色ボケしてるッ。面白れぇ~。


 「ていうか、遊利笑いすぎ。そういう失礼な子には…お仕置きしなきゃなっ」



そう言いながら、俺の背後からガバッと抱きついて、そのままあちこちをくすぐり出した。


 「わひゃっ!うわっ、あははっ!わかっ!分かった!分かったからやめ・・・ひぃ~~っっ!」


 「降参した?」


くすぐる指をピタリと止めて、俺を覗き込んで訊いてくる。


 「したした。もう降参!・・ぶくくっ。ご、ごめんっ」


堪えるように笑う俺に蒼は恐ろしい言葉を並べ立てる。


 「ふ~ん、遊利はそんなに俺に虐められたいんだ?そうかそうか、これからあんなことやこんなことや、もっとイヤらしいあれやコレが出来るわけだ。楽しみだなぁ。ね、遊利?」


ビクゥーーッ!
あ、あんなことやこんなこと、イヤらしいあれやコレって何ですかぁーーッ?


 「わあぁっ!うそうそッ、タンマタンマ!もう笑わないからッ」


 「ホントかなぁ~」


腕組をして片目で俺をじとっと見据える。


 「ホントホント」


真剣な顔でコクコクと首を素早く縦に振ると、今度は蒼がプッと吹き出した。


 「嘘だよ。ホント遊利は飽きないなぁ」


そう言ってクスクスと笑っている。


ふぅーーっ、やべぇやべぇ、蒼怒らすと後が恐いからなぁ。
間違いなくめちゃくちゃされた上、逃げようもんならそらもう地の果てまで追いかけられて殺られるッ!


 二度も「殺すよ?」と宣言されている俺としては笑い事ではない。


とにかく、ここは話題を切り替えねばッ!


 「そ、そういえば今日はどうするんだ?」


話を振ると、蒼がん?とこっちを見た。


あ、良かった。普通に戻ってる。


 「う~ん、そうだなぁ。あんまり時間はないけど、ここからならロンドン・アイが近いから、初めにそこの大観覧車にのって、テムズ川沿いを少し散歩して、空港からは反対方向になるけどポートレート・レストランで軽く食事してから最後にウェストミンスター寺院を見て帰ろう」


 「ほあ~。何か本格的に観光って感じで今から楽しみだなぁ」


どんどん出てくる場所の名前に否応なしにドキドキと胸が高鳴りだす。
早く廻りたくて身体がウズウズしてくる。


 「じゃあ、まずは朝食を食べに行こうか」


 「おう、そうだな」


蒼の後ろに付いて歩きながらホテルを出ると、ヒヤッとした空気に晒されて、全身が寒さでブルッと震えた。



 「さむっ!」


外に出たと同時に吐く息が白く染まる。


 「流石に寒いなぁ。最低気温2度だっけ?」


 「ああ、まぁこっちじゃこれが普通だけどね。遊利ホラ、こっちにおいで」



鼻先までマフラーに顔をすぼめて寒がる俺の肩を抱き寄せて、暖めるように擦ってくれる。


男同士でくっついていても、あまり違和感を感じさせないのはここが日本じゃないからだろう。
ということにしておこう。


それにしても寒い!慣れるまでに結構な時間がかかりそうだな。


 「景色もいいし、旅行するにはいいところだけど、住むのは絶対ムリ」


カタカタと震える声で言うと、蒼がクスッと笑う。


 「遊利は寒いの苦手だもんな」


その通り。俺は寒いのが大の苦手だ。夏生まれってのもあるかもしれないけど、とにかく苦手だ。冬の間はまさに飼い猫がコタツで丸くなるが如く室内に籠ることが殆んどだ。


今回だって、この国がこんなに寒いって知ってたら来なかったかもしれない。


昨日は日中に散歩したからそうでもなかったけど、朝は格段に気温が低くて凍えそうだ。


ああ、家のコタツが恋しい。


そんなことを思いながら暫く街を歩いて、朝食を済ませた俺たちは、目的のロンドン・アイに足を運んだ。


 「ひゃ~、高いな」


ロンドン・アイ。その名の通り、ロンドンの街を一望できる大観覧車だ。


今日一日で色々見て廻るのは不可能だけど、街の景色だけでも楽しめるからと蒼が予定に入れたらしい。


 「ホラ、あそこに見えるのが国会議事堂で、その向こうがウェストミンスター寺院。その奥がバッキンガム宮殿だ」


カプセル内で蒼が色々と説明してくれる。


 「お~っ、絶景だなぁ~。街全体がアートって感じで、見応えあるよなぁ」


約30分間の空の旅を堪能し、テムズ川沿いを歩いて、通りすぎるボートを見ながら暫く景色を満喫して、軽く昼食を済ませて、最後に例の寺院へと訪れた。


流石は有名な寺院。
長い歴史を思わせるその姿はまさに圧巻。


中は教会だけあって、厳かな空気が漂っている。


天井のステンドグラスが陽の光でキラキラしていて、何となく心が洗われる気がする。



 「ここで神様に祈ったりするんだよなぁ」


 「遊利。こっちに来てちょっと目を閉じて」


何だろう?


手招きする蒼に近づいて、言われるまま目を閉じる。


 「ん。閉じたぞ?これでいいのか?」


何するんだろう?


そう思っていると蒼がそっと俺の手を取った。


ん?何か指に違和感が・・。


 「もういいよ」


言われて目を開けると、左手の薬指に銀色に輝くリングが嵌められていた。


何が起きたのかが直ぐに把握できない俺は呆然とリングを眺めていた。


 「え・・・?」


えぇっと、これはどう見たって指輪だよな?


これって、もしかして・・・。


ゆっくりと顔を上げると、蒼が熱い眼差しで俺を真っ直ぐに見つめていた。


その真剣な目に、思わずドキンと胸が鳴った。


 「ここで、二人だけの約束を交わそう」


 「約束?」


 「そう。ここにいる全ての神が証人だ。今もこれからも、俺は遊利を、一生涯愛することをここに誓います。例え死が俺達を別つときも永遠に…。俺が遊利を幸せにしてあげるよ。だから遊利、ずっと俺の側にいて」


俺の手をしっかりと握り締めて、蒼は真摯な声で一つ一つの言葉を丁寧に大事に扱うように綴った。


これって、もしかしなくても、プロポーズされてるんだよな?


真剣な蒼の熱い想いが伝わってきて、胸の奥がきゅっと詰まった。


男同士で結婚は出来ない。でも、蒼は俺との未来を選んだ。


どうしよう。めちゃくちゃ恥ずかしいけど、それ以上にめちゃくちゃ嬉しい。


どうしよう、泣きそうだ。


我慢できずにじわりと込み上がった涙の滴が頬を伝って零れ落ちた。


あ、あれ、おかしいな?止まらない。


後から後から涙は止めどなく溢れ出て、一向に止まってくれない。


 「遊利?返事は?」


そうだ、返事・・。


 「俺は・・。俺も、約束するよ。俺にも、ずっとお前だけだ・・っ」


どんな言葉も足りない気がして、俺は不器用ながらも溢れる想いを口にした。


想いは確かに伝わったと思う。
でも蒼は何だか浮かない表情だ。


 「肝心の愛の誓いを聞いてない…」


拗ねたように言われる。


 「プッ。全く、しょうがねぇなぁ。一生愛し続けてやるから、覚悟してろよッ?」


泣きながら笑って、俺は愛しい恋人の首にギュッと抱きついた。


それを受け止める様に蒼が俺の背中に腕を回して抱き締めた。


 「望むところだ」


そう言った蒼の声は今までで一番、最高に幸せそうに聞こえた。


そうして俺達は、誓いのキスを交わした。



その日の夕方、蒼の家族に別れを告げて、俺達は飛行機に搭乗した。


 「本当に良かったのか?久しぶりに家族に会えたんだろ?俺の事は気にしないでゆっくりしてくれば良かったのに」


 「別に構わない。家族には会おうと思えばいつでも会えるし、遊利を一人で帰すなんて、俺が気が気じゃないよ」


 「子供じゃないんだから一人でだって平気だ」


子供扱いされたような気分になって、ツンとそっぽを向くと、蒼が深いため息をついて、寂しそうに呟く。


 「分かってないなぁ。一分一秒でも離れていたくない俺の気持ち、遊利は分かってくれないの?」


うっ!


 「教会であんなに泣きながら愛を誓ってくれたのに、遊利は俺と一緒にいたくないんだ?」


ううぅっ!


それを言われると、返す言葉がない。


 「~~分かったよッ!蒼と一緒にいれてめちゃめちゃ嬉しいですッ!これでいいんだろ?」


顔を赤らめてやけくそ気味に言った俺に、蒼はニッコリと満面の笑みを浮かべた。


 「素直でよろしい。本当に遊利は恥ずかしがり屋さんだなぁ。まぁそこが可愛いんだけどね」


言いながら頬擦りしてくる。


 「ちょっ、こんな狭いところでくっつくなよっ!」


 「そんな可愛くないこと言うと、恥ずかしいことしちゃうよ?」


クスクス笑いながら蒼がイタズラっぽく耳元で囁いてくる。


 「なっ!」


こんなところで冗談じゃないッ!何考えてんだこのエロエロ魔神がっ!綺麗な顔して頭ん中そればっかかよっ!


お前はもう人間じゃねぇ!見境なくやりまくる獣だ!獣!


 「野に帰れ野獣ッ!このッ、離れろっつ~のっ」


 「絶対にイヤだ。可愛い遊利、一生離さないよ」


ぐぬぬっ!剥がれねぇッ!
俺の胸にしがみついて離れない蒼の頭を思いっきり押すが、びくともしない。


ったく、これから9時間近くもこんな攻防戦を続けなければいけないのかと思うと、今からげんなりしてしまう。


やがて諦めて息を吐くと、蒼が幸せそうに目を閉じた。


 「気持ちがいいな」


はぁ~。全く、しょうがないヤツ。


蒼の柔らかい髪を弄くりながら、なんとなくフッと笑いが溢れた。



俺達はきっとこれから先もこんな風に一緒にいて、こんなやり取りをしてるんだろうな。


俺を幸せにすると言った蒼の言葉は、どんなものより深く強く俺の心を揺さぶった。


俺達はまだまだ未熟で、自分のことさえ満足にできないガキだ。


それでも、コイツが、蒼がいてくれるなら俺はきっと自分の信じた道を見失うことはないだろう。


新しい年が開けて、もうすぐ俺達も高3。


俺達にとって、最高の年になるといいな。


「どうした?遊利」


「ん?何でもねぇよ」


不思議そうに見上げた蒼に、俺は穏やかに微笑んだ。


「蒼?」


「何だ?」


「好きだぜ」


そう言って、一瞬目を見開いて次に嬉しそうに破願した蒼の唇に、そっとキスを贈った。


この先の未来。



それはきっと、左手の薬指で光る、この指輪だけが知っているのかもしれない――。



アイツとオレ ~二人の誓い~  完
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