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教訓〜約束は、破るべからず〜
嫉妬と情事
しおりを挟むあの一件から数日が過ぎた。
後で光一に聞いた話しだけど、オレを襲った奴らは、オレのファンクラブの過激派連中だったそうだ。
なんてこった!
ファンクラブ・・・・恐るべし!
つうか、そんな妙な団体解散してくんねえかな。てか解散して欲しい。いや、解散しろ!
あいつらのおかげで、オレはエライ目にあったんだからな!
あの日、一人で帰ろうとした罰だと言った蒼は、お仕置きと称して、再びオレの部屋に泊まり込み、オレに恥ずかしい事の数々を強要したのだ。
つまりエッチしたって事だ。
今思いだしても、顔から火が出そうなくらいに恥ずかしい!
でも二度目だっただけに、身体も少し慣れたのか、格段に気持ちよかったことは、まあ、否定しないけどさ・・。
「何が気持ち良かったんだ?」
「わあっ!」
急に声をかけられて、ビクッと心臓が飛び跳ねた。
ドキドキいう心臓を押さえて、オレは相手を見やった。
声の主は良平だった。
ここは学校で、今は自習中だ。
「何だ良平か。脅かすなよ~」
「そりゃこっちのセリフだ。んで?何が気持ち良かったんだよ?」
げっ!マズイ、もしかして心の声漏れてた?
「は?オレんな事言ったっけ?」
オレは咄嗟にすっとぼけたフリをした。
「無意識か?まあいいけど。そういや、ユウいつの間に新藤と仲良くなったんだ?最近よくつるんでるよな?てゆうかベッタリじゃね?」
やべ、そうだった。良平はオレ達の関係知らないんだった。
いや、むしろ知られたくないんだけどね。
良平にバレたらと思うと気が気じゃない。
もし知られたら、オレらの友情が壊れちまう。
「あ、うん、あの合コン以来何か気が合っちゃって。家も近いみたいで何となく?」
内心焦りながら笑って答えると、良平はふーんと言っただけでそれ以上聞いては来なかった。
良平の言葉通りあれ以来、オレは蒼と一緒にいることが多くなった。
というか、多すぎな位だ。
蒼いわく、もしまたあんな事が起こるか分からないからということらしいが、授業中以外は終始オレにくっついていて、オレとしては正直ちょっとうっとおしい。
「でも新藤ってあんな気さくな感じだったっけ?俺役員が一緒だけど、ちょっと意外だったな~。いっつも冷静沈着で大人なイメージだったけど、あのルックスであの人当たりじゃ、人気あるの頷けるよ」
「え?そんな人気あんのかアイツ?」
オレが訊くと、良平が呆れたようにため息をついた。
「だからお前さ、もうちょっと周りに関心持てよ」
「持ってるよ!期末テストのカンニング方法に何か良い手はないかとか、今月の小遣いどうやってちょろまかそうとか!」
あと、絶対言えないけど、蒼を辱しめてみたい・・・とか。
ああ~オレってば変態・・・。
「お前な。毎回毎回、くだんねぇ悪巧みばっか考えやがって。おばさんもそうそう騙されてくんねぇぞ?イヤそうじゃなくて、もっと人との関わりを持てって言ってんの!」
まぁためんどくさいことを。
良平と光一とオレは中学から一緒で、良平は昔から明るくて快活で、部活も委員もやってるから友達は比較的多かった。
人当たりの良さそうな雰囲気に自然と人が集まるのだろう。
オレの方は昔から人見知りで、人付き合いは下手くそだ。
よっぽど気の許せるヤツとしかつるまない。
でも別に不自由しないし、良平と光一がいれば、オレはそれでいい。
「いいよ別に。それに、他の奴らってオレの外見のイメージだけで寄ってくるのばっかじゃん。オレがちょっと声荒げただけでイメージと違うって、一体どんなイメージだっつうの!」
「あ~、まぁ、ユウは見た目柔らかい(花のように可愛らしくて儚げ)感じだから中身とのギャップが激しいんだろ。まあ気にするな」
ポンと肩に手を置かれる。
何か妙に引っ掛かる言い方だけど、まぁいいか。
でも、そうか。蒼のヤツ、そんな人気あるんだ。
まぁあのルックスじゃ当然か。
オレだって初めて見たとき見惚れたもんな。
思えば、あの時もうすでにオレの心は蒼のものだったのかもしれないな。
でも考えてみたら、蒼ってオレの初恋の相手なんだよな。
そりゃ、昔は女の子としか思ってなかったけど、結婚の『約束』するくらい好きだったわけだし。
その『約束』も蒼が男だって分かった時点で成立しなくなったけど。
男同士じゃ結婚できねーもんな。
でもこれも、運命ってヤツかな?
全く違う形で再会したのに、また惹かれてしまうなんてな・・。
不思議な巡り合わせに、思わずクスッと笑ってしまう。
そんなオレを、良平が首を傾げて?マークを飛ばしていたのだった。
下校時間になると、蒼がオレの教室まで迎えにくる。
というのがあの日以来、恒例になっている。
最初の頃はオレ達のあまりの急接近ぶりに、良平も面喰らっていたが、最近じゃ二人ともすっかり打ち解けて、良平もさして気にしていないようだ。
「まさか、ユウと新藤がこんなに親しくなるとは思わなかったよ」
未だにちょっと意外だと、良平は笑って言った。
ははは。別にオレも毎日一緒に帰らなくてもいいんだけど、蒼との『約束』だからね。
あの日した約束。それは半ば強制的なものだった。
「これから、登下校は必ず一緒にいること」
「ええっ?毎日?」
「もちろん。これは遊利と俺の『約束』だから必ず守ってね」
と笑顔で蒼は言った。
「え、でもオレ一人のが楽…」
「守れるだろう?ね、遊利」
「ーーーはい。」
守らなかったらどうなるか分かるだろ?と言われているようで、オレは仕方なく頷いた。
こうして、蒼はオレとの『約束』を取り付けたのだ。
コイツの腹ん中って、真っ黒なんじゃなかろうか?
オレはあの時、そんな疑いを抱かずにはいられなかった。
オレの帰り支度を待ちながら、良平と談笑する蒼を恨みがましい目で見ると、視線に気付いて蒼がこちらを見た。
「ん?どうした遊利?」
「何でもねーよ、帰るぞ。じゃな良平」
鞄を肩に引っ掛けて、良平に軽く挨拶し、蒼を促した。
「じゃあ、また。例の件よろしく頼むよ」
「了解。また連絡するよ」
?何の話しだ?
耳に聞こえてきた二人の会話が気になった。
何だよ?例の件って。
二人の間にだけ成立する秘密のような気がして、何となく疎外感を感じる。
胸の辺りが、モヤモヤする。
「良平と、随分仲いいんだな」
帰り道を歩きながら、イライラとした感情が先立って、嫌味な言い方をしてしまう。
「遊利?もしかして、妬いてるのか?」
そう聞いてきた蒼に、ガバッと抱きつかれた。
「るっさいなッ!抱き付くなってば!」
「全く、バカだなぁ遊利は。俺が遊利以外に興味持つわけないだろう?」
言いながら、嬉しそうに頬擦りしてくる。
「遊利、愛してるよ」
チュッ、チュッと瞼や頬にキスの雨を降らせてくる。
「ちょ!蒼やめろってば!」
幸い周りに人がいないけど、こんな道の真ん中でっ!
何考えてんだよ!
恥ずかしさに、顔を真っ赤にしてギッと睨み付けると、蒼はフワリと美麗な顔を幸せそうに綻ばせた。
「可愛い。遊利」
「うっ、うるさい!離せってば」
顔を真っ赤にして怒鳴ると、息なり蒼が俺の手首を掴んで引っ張り出した。
「ちょ・・・蒼ッ?どこ行くんだよ?そっちオレんちじゃなーー」
「今日は俺の家に行く」
「えっ?」
「遊利にあんな可愛い嫉妬されて、我慢できるわけないだろ?今すぐ抱きたい」
ええぇぇっ!
ちょ・・・!抱きたいって!今から?こんなまだ明るいのに?
イヤ問題はソコじゃねぇだろオレ!
マジでッ?
ウソ、ちょっと待って!心の準備がぁ~!
ものすごい力で引っ張られて、抗う間もなくオレは蒼の自宅に連行された。
到着したとたん、オレはあんぐりと口を空けてしまった。
「こ、ここ?」
「そう、俺ん家。そう言えば、遊利は初めてだったな」
デカ・・・!家、つうか・・城?
昔のお武家様が住んでいそうな、日本屋敷。
実はコイツ、めちゃめちゃ金持ち?
門扉をくぐると、広い庭園が拡がっていた。
大きな池には、何匹もの高そうな錦鯉が悠々と泳いでいる。
あまりの凄さに、オレはさっきまでの動揺を綺麗さっぱり忘れ去っていた。
風情のある庭、悠然とした家構えに思わず感嘆の息を漏らした。
「すげぇな・・・・」
「そうか?まあ、ここは祖父の別邸だからね。本宅はもっと洋風なんだ」
マジでッ?
どんだけ金持ちなんだよ!
「おいで、遊利」
「あ、うん」
促されて、あちこち見回しながら玄関をくぐると、木のいい香りが漂ってくる。
「お帰りなさいませ。蒼様」
「ああ。早紀さん、ただいま」
あっ、蒼さま~っ?
スゲー!さま呼ばわりだよ!
何かオレ・・・、場違いなとこ来ちゃったな~。
か、帰ろうかな?
つか、帰りてぇ~。
家の凄さに圧倒されて、何だか自分の存在が小さく思えて落ち着かなくなってくる。
「俺の部屋に行こう。おいで、遊利」
「あ~、イヤ~、オレやっぱ帰・・」
「ここでキスしてもいいのか?」
帰りたい一心で断ろうとしたオレの言葉を遮って、蒼がボソリと耳打ちしてくる。
げっ!
なんちゅう事を言うんだコイツはっ!
ここでキスなんて、冗談じゃないッ!
けど、コイツならやりかねん!
「おっ、おじゃまします」
家に帰るのは諦めて、オレはしぶしぶ蒼に付いていくことにした。
ああそうだよ?コイツには逆らえないよ?
だってこえぇんだもん!
しょーがねぇじゃん!
オレは心の中で大量の涙を流した。
うっうっ・・・、可哀想なオレ・・(泣)
蒼の自室に通されると、やっぱりだだっ広い室内に驚かされた。
広っ!
日本家屋らしい畳の床に、木彫りの高そうな家具が置いてある。
手触りの良さそうな座卓に手招きされる。
「遊利、何か飲むか?」
「いや、おかまいなく」
ヤバイ、何か緊張するんですけどっ!
自慢じゃないが、他人の家でこんなに畏まったことが、オレは未だかつてない。
それはもちろん、こんな上流階級のお宅訪問をしたことがないのもあるが、何より、蒼の家というのが、更にオレの緊張を増しているのだ。
何だか、結婚前提のお付き合いをしている恋人の家に泊まりに来たような。
まさにそんな緊張感。
借りてきた猫のように、大人しく畏まってしまう。
「遊利?そんなに堅くならなくても、ここには俺達二人だけなんだから」
蒼がクスクスと笑う。
いや分かってんだけど、身体が緊張を解いてくれないんだよ!
どうしても、仕草がギクシャクしてしまってくつろげない。
ううっ、情けねぇッ!
「もっと楽にして」
そう言ってオレの手をそっと取り、手の平に、甲に、指先に、蒼は唇を辿らせる。
「・・ッ――」
触れる唇に、ピクンと指先が小さく震えた。
蒼の唇の温もりに、緊張で冷たくなっていた指先に体温が戻ってくる。
オレの手を余すところなく唇で堪能しながら、横目で誘うようにオレを見る。
甘く妖しい目線に、クラリと目眩がしそうになる。
眼鏡の奥の濃茶の瞳に、吸い込まれそうだ。
くっ・・、やられた!
その目は反則だろ!
蒼は美人だしカッコいいし、妖しく魅力的な男だ。
顔の輪郭、目、唇、どのパーツをとっても綺麗に整った絶世の美男子だ。
多少可愛いらしいが、一般的な顔の造形をしているオレの隣には相応しくないんじゃないかと思うくらいだ。
まあそんな事を言うと蒼に否定されそうだけど。
ほら、なんてったって蒼はオレにベタ惚れだからさ。
そんな蒼がオレ以外のヤツと親密そうにしているなんて、オレにとっては面白くない話しだ。
さっきの蒼と良平の会話を思い出してしまって、蒼の腕の中でオレは表情を曇らせた。
「ッ・・・なぁ」
「ん、どうした?」
「さっき、良平と何話してたんだ?」
オレの首筋に唇を這わせながら、制服の上着を脱がせようとしていた蒼は、途中で手を止めた。
そのままスルリと頬に手を添えて、優しい穏やかな声で話しかけられる。
「遊利、俺を見て」
目を伏せていたオレは、蒼の声にゆっくりと目線を上げた。
「俺のこと、信用出来ない?」
少し淋しそうに笑う蒼に、オレは急いでフルフルと首を横に振った。
「蒼の事は、信用してる」
けど、どうしてもあのときの二人の親密な感じが、オレの神経を逆撫でするんだよ!
そうとは言えずに、言葉はそこで途切れてしまう。
けれど、蒼はそれだけ聞ければ十分だというように微笑み、いそいそとオレの服を脱がすのを再開しだした。
そしてそのまま畳の床に押し倒される。
「痛てッ!何すんだよ?」
固い畳に身体を押し付けられて、痛さに抗議の声を上げた。
上等な、い草の香りがフワリと漂う。
疑いはまだ晴れてないんだからな!
じとっと見据えると、蒼がニヤリと笑った。
「緊張は解けたみたいだな」
言われて気付く。
そう言えば、さっきまで張っていた気がいつの間にか弛んでいる。
どちらにしろこうなることが予想されていたからか、オレはいつもより落ち着いた口調で言葉を返した。
「畳が痛てえよ」
文句を言うと、蒼はクスッと微笑した。
「その方が扇情的だろう?畳の色に遊利の白い肌がよく映そうだ」
言われたセリフに、一気に耳までかぁぁっと熱くなる。
んなッ!何だよ扇情的って!
「てめっ!何エロジジイみたいなこと言ってんだよっ!」
怒鳴ると、蒼はニコリと笑顔になった。
「う~ん、誉め言葉として受け取っておくよ」
全然誉めてねぇよッ!!
「あっ、バカ!息なりおっ始めんな!・・・ッあ・・・」
何の前触れもなく、カッターの裾から手をスルリと滑り込ませて、胸の突起に指を這わせてくる。
いつもはキスで散々とろけさせてから次の段階にいくのに、息なり胸を愛撫されて狼狽えてしまう。
「ふあぁっ・・ンンッ」
徐々にツンと尖ってくる突起を、押し潰すように擦られて、甘い声が口から漏れた。
こっ、このバカタレ!もうちょっと段取とかふめよッ!
じわりと沸き上がる快感の波に、段々と息遣いが荒くなる。
目尻に小さな涙を滲ませて、オレは蒼をキッと睨み付けた。
「言ったろ?我慢できないって。今すぐ遊利が欲しい」
熱烈に求められて、ドキドキと胸が鳴った。
身体中に熱が帯びてくる。
蒼と交わりたいと、その肌に触れたいと訴えている。
身体を重ねたときの蒼の肌の温もりを、俺を翻弄する溶かされそうに熱い熱を思い出して、腰の辺りがフルリと震えた。
あ、どうしよう・・・。
オレも。オレも蒼と肌を重ねたい。
あの、甘くとろけてしまいそうな口づけが欲しい。
オレ、蒼に欲情してる?
ドキンドキンと、耳に聴こえるくらい心臓が高鳴っている。
全身の熱に瞳が潤んでくると、待ちわびていた口づけを蒼がくれる。
「ーーーんッ」
初めは唇を触れ合わすだけの軽いキス。
それを何度か繰り返すと、僅かに開いた唇の狭間に、舌をゆっくりと潜り込ませてくる。
クチュリと舌を絡め捕られると、じわりと耳の後ろに甘い痺れが走る。
「はっ、ぅっ・・ンンッ。はぁっ、ん」
クチュクチュと舌で口腔内を蹂躙される。
角度を変えて、何度も深く激しい口づけを与えられると、段々頭がボォ~としてくる。
深い口づけを重ねる毎に、お互いの唾液が混ざりあって、飲み込めずに溢れ出た雫が、顎を伝って滴り落ちた。
口腔内を堪能しつくした蒼の唇が、唾液の糸を引いて離れた。
もはや頭の芯までトロトロにとろけているオレは、早く蒼の温もりが欲しくて、知らず、ねだるように自分から両手を伸ばしていた。
「蒼・・・ギュって、して」
抱き締めて欲しくてそう言うと、伸ばした手が優しく引かれる。
抱き起こされて、向かい合った瞬間に、フワリと優しく抱き締められた。
あ。蒼の臭いがする・・。
スゥッと吸い込むと、ホッとして落ち着いた気分になった。
そのまま身を預けていると、蒼が耳許で囁いた。
「遊利、もっと俺にくっついて。ホラ手、こっち」
「うん・・」
ボォ~としたまま素直に頷き、言われるがまま蒼の広い胸にピタリと身を寄せると、背中に回していた手を首の方に導かれる。
そうすると、頭一つ分高い蒼の首に、膝を立ててしがみつく形になった。
それを待ちわびていたように、蒼がオレのズボンのベルトに手をかけた。
「っ・・~~!!」
その感触にビクッと身がすくんで、すがるように蒼の首にギュウッとしがみついた。
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