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変わらない日々からの変化
6話
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この家族はいつか私を受け入れると思っている。
なんなら、今回のパーティーでミナリー様が王子にみそめられれば私を受け入れてくれるかもしれない。
「ユリアスは私と一緒に挨拶回りをしてもらおうと思っているから、準備よろしくね」
「はい」
これは事前に貴族の情報をまとめておいて、覚えて欲しいと言っているようなものだ。ヒステリ様は事前の準備を私にさせておいて貴族との繋がりを作るのだろう。
「今回はもっと上に行くために必要なことだ」
その仕事も殆どを私がやっているがそれを言うことはない。いつか、彼らが困ることになるかもしれないがそれはそれで私にはあまり関係ないのかもしれない。
「さて、話はこれくらいにしてユリアスはもう戻りなさい」
「はい」
ヒステリ様にそう言われ私は味のしない食事を水で流して、席を立った。
そうすっかり見慣れたまにもない部屋で私は明日からやらねければいけないことを整理しながら夢の中に旅立った。
ー 夢 ー
そこではいつものように私を温かく迎えてくれる腕に包まれていた。そして、なんだか懐かしい子守歌。
私はこの夢を見ている間だけは幸せを感じている気がする。
ああ、今日も男の人と思われるものに笑いかけられて、女の人は何か男の人に話しかけている。
しかし、今日はいつもと違うところがあった。
いつもは男の人と女の人と平和な時間を過ごしていたのだが、何かがおかしい。
仲がいいと思っていたが、二人とは違う感じのある男が私に向かって何かを言った途端に私に笑顔を向けていた二人はまるで孤児院で化け物を見ていたその人たちと同じ目をした。
でも、それを言った男は私に申し訳ないような悲しそうな顔を私に向けた。
そして、それからは私が知っている孤児院と今住んでいる屋敷の風景が流れてくる。
その途端、わかってしまった。
今まで見ていた幸せだと思われる夢は私の過去のことで私の悪夢の始まりだということだ。
今この夢を見たということはこれから何かが起こるということなのだろうか。
そして私は夢の中だというのに眠りについた。
その途端「あと少しだよ」と言った気がした。
ー 現実 ー
起きた途端、私から水色の宝石の涙が流れた。今までこんなことがなかったのに、今日見た夢のせいなのだろうか。
このことがヒステリ様に知られたら大変なことになるかもしれない。だから、誰にも知られないようにこの部屋の床下に隠しておいてパーティーがある日に持っていけば買い取ってくれるかもしれないと思った。
そうすれば、今度こそ私の幸せの答え合わせをすることができるだろうか。
なんなら、今回のパーティーでミナリー様が王子にみそめられれば私を受け入れてくれるかもしれない。
「ユリアスは私と一緒に挨拶回りをしてもらおうと思っているから、準備よろしくね」
「はい」
これは事前に貴族の情報をまとめておいて、覚えて欲しいと言っているようなものだ。ヒステリ様は事前の準備を私にさせておいて貴族との繋がりを作るのだろう。
「今回はもっと上に行くために必要なことだ」
その仕事も殆どを私がやっているがそれを言うことはない。いつか、彼らが困ることになるかもしれないがそれはそれで私にはあまり関係ないのかもしれない。
「さて、話はこれくらいにしてユリアスはもう戻りなさい」
「はい」
ヒステリ様にそう言われ私は味のしない食事を水で流して、席を立った。
そうすっかり見慣れたまにもない部屋で私は明日からやらねければいけないことを整理しながら夢の中に旅立った。
ー 夢 ー
そこではいつものように私を温かく迎えてくれる腕に包まれていた。そして、なんだか懐かしい子守歌。
私はこの夢を見ている間だけは幸せを感じている気がする。
ああ、今日も男の人と思われるものに笑いかけられて、女の人は何か男の人に話しかけている。
しかし、今日はいつもと違うところがあった。
いつもは男の人と女の人と平和な時間を過ごしていたのだが、何かがおかしい。
仲がいいと思っていたが、二人とは違う感じのある男が私に向かって何かを言った途端に私に笑顔を向けていた二人はまるで孤児院で化け物を見ていたその人たちと同じ目をした。
でも、それを言った男は私に申し訳ないような悲しそうな顔を私に向けた。
そして、それからは私が知っている孤児院と今住んでいる屋敷の風景が流れてくる。
その途端、わかってしまった。
今まで見ていた幸せだと思われる夢は私の過去のことで私の悪夢の始まりだということだ。
今この夢を見たということはこれから何かが起こるということなのだろうか。
そして私は夢の中だというのに眠りについた。
その途端「あと少しだよ」と言った気がした。
ー 現実 ー
起きた途端、私から水色の宝石の涙が流れた。今までこんなことがなかったのに、今日見た夢のせいなのだろうか。
このことがヒステリ様に知られたら大変なことになるかもしれない。だから、誰にも知られないようにこの部屋の床下に隠しておいてパーティーがある日に持っていけば買い取ってくれるかもしれないと思った。
そうすれば、今度こそ私の幸せの答え合わせをすることができるだろうか。
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