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始まりは

4話

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私はその後、何もない倉庫にほったらかしにされた。何もなしに……

グ~

「お腹すいたな……」

だからと言って、何かをせびりに行けば悪い子だと思われるかもしれないし、家族にしてもらえないかもと思うと怖くて動くことができなかった。

「私はここに来たけどそれが良かったのか……」

その日は少しの後悔と多くの期待と明日への願いを込めて毛布をかぶって眠った。夢は見ることができなかったがいつもよりよく眠れたような気がした。

次の日は朝から地獄が始まった。

「ちょっと!いつまで寝ているつもり?」

ミナリー様がいきなり部屋に入ってきて何かを投げてきた。

「袋の中のパン食べたら裏庭にある井戸で体を綺麗にして、これに着替えたら仕事よ!うちにおいてあげるんだからしっかりと働きなさい!そうしたら、家族になってあげるかもね」

そういって、今度は今着ているものよりはましというくらいの古着を投げられた。

「返事は?」

「はい、ミナリー様……」

私はミナリー様ににらまれたので返事をして急いで井戸へと足を運ばせた。

「ああ、家族に認められるのは大変そうだ……」

少し弱音を吐きながらも私は少しでも認められるようになりたいと思った。
井戸の前でパンを食べ終わると冷たい水で体と頭を洗う石鹸はもらえたのでそれで洗い、着替えた。

「この生活なれないと、体調を崩しそうだな」

着替え終わって脱いだ服を先ほどの石鹸で洗うと部屋に戻った。

「遅い!全くそんな屑を養子にするなんて、ヒステリ様は何を考えているのかしら?」

この屋敷で働いているメイド姿の女の人が私の部屋の前で私を待っていたようだった。その人は、この屋敷のメイド長らしくこの屋敷のことはほとんど任されているらしい。

「いい?この家にいるときは私の指示に従って動いてもらいますからね!少しでもそむけば、奥さまやヒステリ様に報告してお仕置きしてもらうから覚悟していなさい!」

「はい、メイド長……」

メイド長の名前はわからなかったが見た目は茶色い目に茶色い髪といった感じでどこにもいる感じだったが身なりは少し裕福のように見えた。

「まずは、洗濯に掃除、野菜の皮むきとヒステリ様の補佐として書類のかたずけは基本として買い物や奥さまやミナリー様の用事を聞くことまでやってもらうわ」

「えっ、そんなにできません」

「できないんじゃなくて、やるのよ!まずは午前中に掃除、洗濯、野菜の皮むきは終わらせて」

「……」

「返事は?」

「はい……」

この日から私は地獄を味わうことになった。孤児院に戻りたいと思うほどの地獄を……
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