1 / 18
始まりは
0話
しおりを挟む
「気味が悪いんだよお前!」
今日もここでは私を怒鳴りつけて、罵る声があちこちから聞こえてくる。
私は幼いころに、瞳の色のせいで親に気味悪がられて孤児院に預けられたらしい。そこのところはあまり覚えていないが気味悪がっていた子供を奴隷にして売るのではなく孤児院に預けたのは最後の親としての責任なのか自分の子供を捨てるという行動に罪悪感をもったかなのかはわからない。
「子供を捨てるくらいなら生まなければよかったのに……」
いま私は10歳になろうとしている。見た目は白に近い灰色の瞳と黒の髪をしている。だからなのか大人は私を見ると気味悪がって暴言を吐く。そして、同年代からは『死神』と呼ばれる。
好きでこんな姿をしているわけではない。なのに、見た目で差別されるのは理不尽だと思ったこともあったがもうどうでも良くなった。理不尽だと思っても周りは変わってくれるわけではない。
「おい、どこにいるノーネイ!」
ここの院長先生が私を呼ぶ声がする。
院長やここの孤児院の大人は私を『ノーネイ』と呼ぶ。意味は『魔族もどき』だと言うらしい。私の瞳が普通の人の色でなければ魔族でも見たことないから、でも魔族みたいだからこんな名前がここにきた時つけらたという。実の親は私に名をつけていなかったとも聞いた。
「呼んだなら早く来い!全く、名前までつけておいてあげているって言うのになんでお前は少しでも迷惑にならないようにとか考えないのか?」
「すいません、院長先生」
「まぁいい、お前もついに役にたつんだからな!」
「えっ、私がですか?」
「そうだ、お前の里親が見つかったんだ!それも金があるから、お前を引き取らせてくれるならたくさんの寄付をしてくれると言う話だ」
「私の瞳を見ても、そう言ってくれるでしょうか?」
「ふん、お前の目は気味が悪いが顔はいいからな。変わっている金持ちは何処にでもいると言うと言うことだ」
「そうですか……」
その時は私は里親になる人に希望を持った。生まれてはじめて私自身を見て、本当の家族になってくれると思った。夢見てしまった。
「そう言うわけだから、これから顔合わせだ。いいか、余計なことを考えるな言うなよ」
「はい……」
「もし、今回ダメならお前を追い出すか奴隷にするからせいぜい気に入られることだ」
「わかりました……」
コンコン
「失礼致します」
「どうぞ」
ガチャ
失敗することは許されない。最後のチャンスになるかもしれない。
そして、これが本当の人生の始まりで平和の終わりだと気づくことはできなかった。
今日もここでは私を怒鳴りつけて、罵る声があちこちから聞こえてくる。
私は幼いころに、瞳の色のせいで親に気味悪がられて孤児院に預けられたらしい。そこのところはあまり覚えていないが気味悪がっていた子供を奴隷にして売るのではなく孤児院に預けたのは最後の親としての責任なのか自分の子供を捨てるという行動に罪悪感をもったかなのかはわからない。
「子供を捨てるくらいなら生まなければよかったのに……」
いま私は10歳になろうとしている。見た目は白に近い灰色の瞳と黒の髪をしている。だからなのか大人は私を見ると気味悪がって暴言を吐く。そして、同年代からは『死神』と呼ばれる。
好きでこんな姿をしているわけではない。なのに、見た目で差別されるのは理不尽だと思ったこともあったがもうどうでも良くなった。理不尽だと思っても周りは変わってくれるわけではない。
「おい、どこにいるノーネイ!」
ここの院長先生が私を呼ぶ声がする。
院長やここの孤児院の大人は私を『ノーネイ』と呼ぶ。意味は『魔族もどき』だと言うらしい。私の瞳が普通の人の色でなければ魔族でも見たことないから、でも魔族みたいだからこんな名前がここにきた時つけらたという。実の親は私に名をつけていなかったとも聞いた。
「呼んだなら早く来い!全く、名前までつけておいてあげているって言うのになんでお前は少しでも迷惑にならないようにとか考えないのか?」
「すいません、院長先生」
「まぁいい、お前もついに役にたつんだからな!」
「えっ、私がですか?」
「そうだ、お前の里親が見つかったんだ!それも金があるから、お前を引き取らせてくれるならたくさんの寄付をしてくれると言う話だ」
「私の瞳を見ても、そう言ってくれるでしょうか?」
「ふん、お前の目は気味が悪いが顔はいいからな。変わっている金持ちは何処にでもいると言うと言うことだ」
「そうですか……」
その時は私は里親になる人に希望を持った。生まれてはじめて私自身を見て、本当の家族になってくれると思った。夢見てしまった。
「そう言うわけだから、これから顔合わせだ。いいか、余計なことを考えるな言うなよ」
「はい……」
「もし、今回ダメならお前を追い出すか奴隷にするからせいぜい気に入られることだ」
「わかりました……」
コンコン
「失礼致します」
「どうぞ」
ガチャ
失敗することは許されない。最後のチャンスになるかもしれない。
そして、これが本当の人生の始まりで平和の終わりだと気づくことはできなかった。
10
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ACCOMPLICE
子犬一 はぁて
BL
欠陥品のα(狼上司)×完全無欠のΩ(大型犬部下)その行為は同情からくるものか、あるいは羨望からくるものか。
産まれつき種を持たないアルファである小鳥遊駿輔は住販会社で働いている。己の欠陥をひた隠し「普通」のアルファとして生きてきた。
新年度、新しく入社してきた岸本雄馬は上司にも物怖じせず意見を言ってくる新進気鋭の新人社員だった。彼を部下に据え一から営業を叩き込むことを指示された小鳥遊は厳しく指導をする。そんな小鳥遊に一切音を上げず一ヶ月働き続けた岸本に、ひょんなことから小鳥遊の秘密を知られてしまう。それ以来岸本はたびたび小鳥遊を脅すようになる。
お互いの秘密を共有したとき、二人は共犯者になった。両者の欠陥を補うように二人の関係は変わっていく。
ACCOMPLICEーー共犯ーー
※この作品はフィクションです。オメガバースの世界観をベースにしていますが、一部解釈を変えている部分があります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる