6 / 6
事の始まり
6話
しおりを挟む
「え、絶対に教えてくださらなと思っていました……」
そう優良が言って、ほかの二人も頷いた。
「まぁ、ホイホイ聞いてくるのはいかがなものかと思いましたが……」
私が龍二に向って言うと、龍二は何を言っているのかわからないといった顔を向けてきた。
「すいません、龍二はそういった空気を読むことが苦手なんです。もちろん嫌味で言ったのではなく純粋に気になったんだと思います」
龍二はと長年、一緒にやっている感じの優良は少し申し訳なさそうに弁明してくる。
「なんとなくそんな予感はしましたが、あまりホイホイこんなことがあると苦労しそうです」
「そんなことはありませんよ、この性格はもちろん短所とも言えますがふとしたときや面倒見の良さとかで役に立つことが多いんです。私と違ってコミュニケーションが高いので友達も多いんですよ」
「誰にでも得意なことはあるんですねー」
私がそういうと龍二は何を言われたかわかっていないが、褒められていることを察したように得意げな顔をした。なにか、ムカついて殴りそうになったことは言うまでもない。
「それで、教えてくれるですか!」
目をキラキラしたように麗子さんが聞いてきた。さっき私の情報が聞けなかったことがそんなに残念だったのか今度は聞く気満々のようだった。
「ええ、いいですけど。その代わり皆さんの『タトゥー』も教えてくれたらですね」
「「「いいです!」」」
少し無理な条件を出したと思ったが返答は思ったより早かった。そんなに私のことが知りたいのだろうか?麗子さんはともかく、優良や龍二までこんなに知りたがっているのは意外だと思う。龍二は何も考えていなさそうだが優良はなにか裏がありそうだ。
「そんなに知りたがるのは意外でしたが、なら順番に紹介しいき!」
突然、今までなかった気配がその場に現れた。それもとても気持ち悪い気配が……
「なんだい、敵陣まできて自己紹介をしているのかい?ならぜひとも僕をいれてくれたらうれしいなー」
どこともなく響く声はとても幼いようにも聞こえる。
「うーん、雨乃 享仁の情報が聞けるならと思って滅多に出てこない『傍観者』の僕が来たというのになんか静かじゃない?」
「呼んでいませんよ、あなたなんか……」
少し不機嫌になった私がそう答える。麗子さんは少し怒ったようで体を震わらせ、優良と龍二はどこかとも聞こえる声に警戒心がむき出しになっている。殺意を出さないところ皆、流石プロだと思う。
「えー、そんなこと言ったちゃうと、えい!」
掛け声が聞こえたと思ったら道をふさいでいた三人の機械人形がコテンパンにい吹き飛んだ……
「はぁ~、私たちが考えた作戦が水の泡に……」
そういって、私は隠れている声の主に殺気を飛ばした。すると……
「そんな熱いエールを送ってこないでよ、今そこに行くからさ!」
「いえ、来なくていいので帰ってください」
こちらに来るといった声の主に私はすかさず冷たく言い放った。
「いいのかなー
僕がいれば君たちが探しているという小泉真奈美の下に案内してあげられるのに!」
そういってカマを持った少年が姿を現した。
そう優良が言って、ほかの二人も頷いた。
「まぁ、ホイホイ聞いてくるのはいかがなものかと思いましたが……」
私が龍二に向って言うと、龍二は何を言っているのかわからないといった顔を向けてきた。
「すいません、龍二はそういった空気を読むことが苦手なんです。もちろん嫌味で言ったのではなく純粋に気になったんだと思います」
龍二はと長年、一緒にやっている感じの優良は少し申し訳なさそうに弁明してくる。
「なんとなくそんな予感はしましたが、あまりホイホイこんなことがあると苦労しそうです」
「そんなことはありませんよ、この性格はもちろん短所とも言えますがふとしたときや面倒見の良さとかで役に立つことが多いんです。私と違ってコミュニケーションが高いので友達も多いんですよ」
「誰にでも得意なことはあるんですねー」
私がそういうと龍二は何を言われたかわかっていないが、褒められていることを察したように得意げな顔をした。なにか、ムカついて殴りそうになったことは言うまでもない。
「それで、教えてくれるですか!」
目をキラキラしたように麗子さんが聞いてきた。さっき私の情報が聞けなかったことがそんなに残念だったのか今度は聞く気満々のようだった。
「ええ、いいですけど。その代わり皆さんの『タトゥー』も教えてくれたらですね」
「「「いいです!」」」
少し無理な条件を出したと思ったが返答は思ったより早かった。そんなに私のことが知りたいのだろうか?麗子さんはともかく、優良や龍二までこんなに知りたがっているのは意外だと思う。龍二は何も考えていなさそうだが優良はなにか裏がありそうだ。
「そんなに知りたがるのは意外でしたが、なら順番に紹介しいき!」
突然、今までなかった気配がその場に現れた。それもとても気持ち悪い気配が……
「なんだい、敵陣まできて自己紹介をしているのかい?ならぜひとも僕をいれてくれたらうれしいなー」
どこともなく響く声はとても幼いようにも聞こえる。
「うーん、雨乃 享仁の情報が聞けるならと思って滅多に出てこない『傍観者』の僕が来たというのになんか静かじゃない?」
「呼んでいませんよ、あなたなんか……」
少し不機嫌になった私がそう答える。麗子さんは少し怒ったようで体を震わらせ、優良と龍二はどこかとも聞こえる声に警戒心がむき出しになっている。殺意を出さないところ皆、流石プロだと思う。
「えー、そんなこと言ったちゃうと、えい!」
掛け声が聞こえたと思ったら道をふさいでいた三人の機械人形がコテンパンにい吹き飛んだ……
「はぁ~、私たちが考えた作戦が水の泡に……」
そういって、私は隠れている声の主に殺気を飛ばした。すると……
「そんな熱いエールを送ってこないでよ、今そこに行くからさ!」
「いえ、来なくていいので帰ってください」
こちらに来るといった声の主に私はすかさず冷たく言い放った。
「いいのかなー
僕がいれば君たちが探しているという小泉真奈美の下に案内してあげられるのに!」
そういってカマを持った少年が姿を現した。
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる