4 / 6
事の始まり
4話
しおりを挟むそして、私たち4人は作戦を立てなるべく早いうちに侵入することにした。
「しかし、おふたりも『タトゥー』保持者だったとは……」
私がそういうと優良が少し気まずそうに答えてくれた。
「私たちは少し物騒な仕事しているですが、今回のことはプライベートなことだったので上司に相談することができなかったんです」
「いや、優良は相談するべきだって言ったんだが俺が断ったんだ。一般人が俺たちのことを知ったら仲間にするか殺すかのどちらかしかないからな」
と龍二が否定して答えた。
確かに裏の世界にいるものは大抵その世界の組織に入っている。裏の世界では様々な情報が集まるので組織の人間や国のものが集まりやすくなっている。しかし、一般人がいないわけではなく家出などといった事情でこの世界に来る人間も少なくはない。
「それなのにあなた方はリスクを背負ってこの作戦に参加するのですね」
彼らはなんやかんや優しい人種なんだと思う。普通、この世界で生きていると表の人間とかかわることもかかわろうとしないものだ。それを顔をさらして命の危険をかけてまで助けようとするなんてあまりにも無謀だ。いつかその甘さが彼らを殺すかもしれないし、組織の危機や崩壊につながるかもしれないというのに……
しかし、私はそんな生き方も嫌いだとは思えない。私には歩めない姿、歩むことをあきらめた姿だからなのかもしれない……
「雨乃様?どうかなさいましたか?」
感傷にふけっていると隣から顔色を窺うように麗子さんが心配そうに聞いてきた。
「いいえ、何でもありません。少し昔のことを……」
「昔のことですか!?とっても気になります!」
目をキラキラして麗子さんがこれまた声を高らかにして話しかけた。
「それは私たちも気になりますね」
と優良が言い、龍二がそれに同意するように首を縦に振った。
「そうですか。そんなことより、作戦の詳細をもう一度してもらいますよ」
そういうと少し残念な感じに三人が私に目を向けた。
「私の過去を知りたいでしたら少なくとも10億は用意してもらわないと……」
そういうと優良と龍二はあきれたような顔をして、麗子さんは何か考えだした。
「少し無茶すれば雨乃様の情報が手に入る!」
と麗子さんは言い出してスマホを取り出した。
「その金額をだしてももうしっいる情報の確立もありますが……」
そういうと、麗子さんはそっとスマホをしまった。
「さて、先に進みますか!」
と、何もなかったように歩き出した。
そして、少し進むと通路に三人の男性が立って道をふさいでいた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる