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Prologue
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しおりを挟む「皆の者、時は満ちた。ようやく、我が王国に勇者と聖女を迎え入れる準備が整った」
神殿チックな建物の広間に、見るからにこの国の国王と言った感じの、高価そうな衣装と装飾品を見に纏い偉そうな椅子に座る壮年男性が嬉々として述べる。
「ふふ、ようやくですのね、お父様!私、楽しみですわ!!」
「ようやく、あの憎き魔王を倒すことが出来るのですね!!」
壮年男性の両隣に立つ、金髪碧眼にツンとした気の強そうな顔立ちの美少女と、同じく金髪碧眼の優しそうな顔立ちの美少年が嬉しそうに喜んでいる。
彼らは、壮年男性と同じように高価そうな衣装と装飾品を纏っている。とくに、少女の方は、ふんだんに宝石を散りばめたドレスを着ておりその総額や......一般人では到底手に入れられるものではない。
そんな彼らの前には何か赤いモノで書かれた魔法陣があり、その周りを白いローブを纏いフードを被った数人の魔法使いが囲み、魔法陣の中にはぼろ布をまといげっそりとやせ細った数人の獣人が両手足お縛られて転がされている。
「陛下、準備が整いました」
ローブの集団の中で一番偉そうな男が、壮年男性を見上げて言った。
「うむ、ではこれより勇者・聖女召喚の儀を始める」
陛下と呼ばれた男がそう声を上げると、魔法陣の周りを囲っていたローブを着た者たちが手を掲げて何かを呟き始める。
すると、先ほどまでただの赤い色の魔法陣だたものが淡く光り始めた。
そして彼らの呟きが終わると、その光は強くなり魔法陣の中にいた獣人たちは苦しそうの悲鳴を上げて消えていく。
最後の一人が消えた瞬間、魔法陣は目があけれないほどの光を放った――。
《本当、あいつらは懲りないなぁ。いい加減に諦めればいいのに……でも、これだから人間て面白いんだよねぇ》
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