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277 勇太は女の子のやる気ブースター

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2回戦の先鋒勇太が勝った。持ち上げられ、勇太フェロモンで気絶しかけた相手をソフトに背中から置いた。

技の名前は、まだない。

次鋒のサイガは勇太を見に来たギャラリーの視線を浴びて緊張しまくりだ。

「サイガ、右手出しなよ」
「?」

手を握って引き寄せた。そしてサイガの背中をぽんぽんと優しくたたいている。

「大丈夫だ。お前も頑張ってる。一緒に深呼吸しよ。す~は~」

「は、はい、す~は~、す~は~」
 
そして勇太がサイガの手をにぎにぎした。

「よし、行ってこい!」
最後に強めに、サイガの背中をたたいた。

ぱーんと、勇太も強くやりすぎたかなと思うくらいの音がした。
「はいいい!先輩、ありがとうございます!」

サイガはM感覚に目覚めた。ここの話と関係ないので割愛。

次鋒戦も圧勝。考えてみれば、相手は勇太が対戦相手でもないのに大観衆の前にさらされている。

サイガ以上にガチガチだった。

サイガの払い腰で技あり。そして勇太へのエロ成分たっぷりな練習を重ねた押さえ込みで20秒。

「会わせ技1本!」


「よかったあ、勇太先輩、勝てましたああ」
「ようし!」

帰ってきたサイガをガッチリとハグ。
きゃあああ、と歓声がすごい。

「よしヨシキ、頑張ってこい」
「がんば!」

「ありがとうございます勇太先輩、ルナ部長。よっしゃ!」

3番手のヨシキマイミは、サイガの試合中に十分にケアしてもらっていた。

サイガ以上にびびっていた。涙目だったから、まず勇太は頬ふにふに。
「しぇ、せんぴゃい?」

「ほら、次は手を出して」「は、はい」

勇太は手のひらマッサージで気持ちもほぐしていった。

意気揚々として試合に向かったヨシキも圧勝だった。

副将キヨミの背中をぱんぱんして送り出した。

そして圧勝。勇太と軽くタッチした。
「感謝・・」

珍しく普通だ。

そして大将ルナ。勇太に背中をパンパンされて送り出された。

「うっし!」
「行って来い!」

相手は身長165センチと体格に恵まれたバスケ経験者。運動神経はいいが、実力2段まで上がっているルナの敵ではない。

そうそう、ルナは初段のままだ。勇太と出会って忙しすぎる。茶薔薇の強豪と練習したり、勉強したり。その上に勇太絡みで色んなことに関わっている。

試験に受かるかどうかはともかく、勇太との用事があったから昇段審査を受けに行っていない。

開始1分半。相手は身長もルナより10センチ大きくて、体重もある。そして運動神経もいい。

ここまでノーポイントだが、ルナは相手に十分なプレッシャーをかけている。

ルナのフェイントの足払いに相手が気を取られたときだ。

「よおおおし!」
ルナは相手に懐に素早く入って、思い切り担いだ。

見事な背負い投げ。

相手が宙を舞って、見事に1回転した。

パーンといい音のあと、「一本」のコール。

パラ高は1回戦に続いて全勝で2回戦を突破した。

「やったあルナ!」

ルナは冷静に戻ってきたが、あまりの技のキレに勇太の方が興奮した。

勇太がルナの腰を抱き上げて、くるくる回してしまった。

きゃあー、いいなーと歓声が上がる。ルナは冷静に戻っているから、恥ずかしくてたまらない。

「ゆ、勇太。嬉しいけど、ちょっとやりすぎでは・・」
「あ・・」

照れるふたりだ。

次は3回戦。とうとうV候補筆頭の茶薔薇学園と当たる。


とりあえず控室スペースにしている場所に帰ると嘉菜と真子も待っていた。梓はブレることなくライバル高のカオルのところにいる。

「良かったです勇太さん、ルナさんも素敵でした」
「だね。みんな格好良い」

嘉菜と真子も興奮している。

「ほら、勇太さんが女の子を持ち上げてゆっくり降ろした技も、優しさがあふれてて良かったです」

そう言われた勇太は、嘉菜にいたずらした。

「じゃあ、嘉菜さんにも仕掛けよっと」
素早く嘉菜の後ろに回って、嘉菜を高く持ち上げた。

お姫様抱っこだ。

「きゃああ!」ガチに驚いた嘉菜の声にみんなが振り向いた。

高い位置で注目を浴びた嘉菜は顔が真っ赤だ。

次は真子を持ち上げて、きゃーきゃー言わせていた。


その時だ。

「お楽しみのとこだけど、次は茶薔薇学園だよ。カオルからの伝言持ってきた、勇太君」

臼鳥麗子がカオルからの伝言を持ってきた。

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