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273 冬の選手権県予選の会場前では
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1月19日土曜日。
2日間に渡る柔道・冬の選手権、県予選の1日目だ。
会場は同じ県でも、80キロ離れた街。
リニアモーターカーなら『イルカ』で1区間。20分で行ける。
リニアは前世のこだま、ひかり、のぞみなどのように幾つも名前がある。
こちらでは海の生き物。『イルカ』は『ひかり』の感じ。
勇太、ルナ、カオルの3人は選手。純子は歌の仕事で同じ会場に行く。
だから梓、麗子、吉田真子委員長、間門華菜も応援に行く。勇太ファミリー勢揃いだ。
なので、勇太ファミリー8人で・・
とはならない。
勇太とルナはパラ高柔道部員と、カオルは茶薔薇学園柔道部員と一緒だ。
同じリニアになるように時間調整したけれど、二校分の部員とファミリー、ギタリスト風花、助っ人ギタリスト中戸明日香で1両が貸し切り状態。
さらにメイちゃん&ゲンジもいる。手を繋いでいるけれど、まだ付き合っていない。
伊集院君も来てくれるけど午後から。
同じリニアに乗りたがった。けれど家の絡みがあり、政略婚約者ひとり、パラ高婚約者とリムジンで遅れて来る。
伊集院君、メイちゃん&ゲンジは今日だけの応援。
勇太とルナを除くパラ高柔道部は日帰りの予定。
2日前にもらったトーナメント表では、勝ち上がっても初日の最終戦で茶薔薇と当たる。
茶薔薇は今回、県予選でなく全国大会で三強の一角といわれている。
なので本日は『順当』にいってしまうとパラ高1年生は帰郷だ。
勇太ファミリーは勝ち負けに関係なく歌う。閉会式で歌うし、今日は初めて、大きな和室にファミリー全員で泊まる。
負けても勝っても、パラ高柔道部は伊集院君の招待で食事会の予定。
朝8時には目的地の駅に降り立った。
大会会場の武道館までは徒歩10分。みんなで歩いて行った。
会場に近付くと、大注目を浴びた。
「ゆうたく~ん」
「純子ちゃんと風花さんだー」
「ルナちゃん、麗子ちゃ~ん」
「マコさ~ん」
「カオルさんと嘉菜さんもいる。ファミリー勢揃いだ!」
「うわ、なにこれ?」
勇太は大きな声が出てしまった。
インターハイの予選どころではない。すごい数の女の子がいる。
「そういえば、このメンツって・・」
呟くルナに、マルミ、タマミ、キヨミが突っ込む。
「みんな自覚ないっすね~」
「ここ、パラレル市じゃないんですよ」
「アウェー」
勇太は最近、忙し過ぎてパラレル市から出ていない。
夏のインターハイ応援の東京以来、公式に他の街を訪れたのは初。
その間に歌に関わり、純子&風花のプロデュースをして、デビューも果たしてもらった。
その前の8月末に『パンの歌』で嘉菜と真子を除くファミリーでCDを出している。
真子にしても『マコソング』で知名度がうなぎ昇り。毎日が誰かの誕生日で、どこかでテーマソングが歌われている。
嘉菜にしても、パラレル山山頂の氷点下で勇太をキスをして、偶然にネットで流れた。
ルナの友人が、その映像に勇太が贈った嘉菜のテーマソングを流して編集し、存在感が増している。
キヨミ達からしたら、パラレル市以外ならこの反応と思っていたが、肝心のファミリーが分かっていなかった。
歌って~の声も聞こえる。
柔道の試合前だぞと言うべきだけど、やっぱり意外な行動に出たのは麗子だった。
今日も斜め上を行く。
「この中で誕生日の人~~?」
大声で呼び掛けた。
ざわざわざわとして、4人の女の子が手を上げた。
「お名前はー?」
「え?ハルコです」
「マミです」
「アイコ」
小さい子もいた。
「サヤカです、6歳になりました。パンの歌が大好きです」
「そう、ハルコ、マミ、アイコ、サヤカだね。じゃあ、マコいってみよー」
「ういっす!」
誕生日にハッピーバースデーの歌を贈られて1ヶ月。条件反射になってしまった吉田真子だ。
ためらったら、勇気を出して前に出てきた6歳のサヤカちゃんに悪いと思って堂々とする真子だ。
♪♩♪♩♩♪純子、ルナのアカペラ前奏からファミリーみんなで手拍子を始めた。
「ハッピバースデートゥーユー♩♪♪」
サビは4回繰り返し、ひとりずつ名前を入れていった。ラストは「ハッピバースデー、サヤカ~♩♩♪」で締めた。
「真子ちゃん素敵・・」
潤んだ目になった美女・嘉菜と手を繋がれて会場入りするモブ顔の真子。
最近、嘉菜は真子に夜の生活で純子直伝の技にて蹂躙されまくり。外を歩くとき女子役、男子役で別れてきている感じ。
「かっこいい~」
「あのファミリーって、全員の呼吸が会ってるよね」
ギャラリー女子よ、今日のメインは柔道の試合だぞ。
忘れるな。
2日間に渡る柔道・冬の選手権、県予選の1日目だ。
会場は同じ県でも、80キロ離れた街。
リニアモーターカーなら『イルカ』で1区間。20分で行ける。
リニアは前世のこだま、ひかり、のぞみなどのように幾つも名前がある。
こちらでは海の生き物。『イルカ』は『ひかり』の感じ。
勇太、ルナ、カオルの3人は選手。純子は歌の仕事で同じ会場に行く。
だから梓、麗子、吉田真子委員長、間門華菜も応援に行く。勇太ファミリー勢揃いだ。
なので、勇太ファミリー8人で・・
とはならない。
勇太とルナはパラ高柔道部員と、カオルは茶薔薇学園柔道部員と一緒だ。
同じリニアになるように時間調整したけれど、二校分の部員とファミリー、ギタリスト風花、助っ人ギタリスト中戸明日香で1両が貸し切り状態。
さらにメイちゃん&ゲンジもいる。手を繋いでいるけれど、まだ付き合っていない。
伊集院君も来てくれるけど午後から。
同じリニアに乗りたがった。けれど家の絡みがあり、政略婚約者ひとり、パラ高婚約者とリムジンで遅れて来る。
伊集院君、メイちゃん&ゲンジは今日だけの応援。
勇太とルナを除くパラ高柔道部は日帰りの予定。
2日前にもらったトーナメント表では、勝ち上がっても初日の最終戦で茶薔薇と当たる。
茶薔薇は今回、県予選でなく全国大会で三強の一角といわれている。
なので本日は『順当』にいってしまうとパラ高1年生は帰郷だ。
勇太ファミリーは勝ち負けに関係なく歌う。閉会式で歌うし、今日は初めて、大きな和室にファミリー全員で泊まる。
負けても勝っても、パラ高柔道部は伊集院君の招待で食事会の予定。
朝8時には目的地の駅に降り立った。
大会会場の武道館までは徒歩10分。みんなで歩いて行った。
会場に近付くと、大注目を浴びた。
「ゆうたく~ん」
「純子ちゃんと風花さんだー」
「ルナちゃん、麗子ちゃ~ん」
「マコさ~ん」
「カオルさんと嘉菜さんもいる。ファミリー勢揃いだ!」
「うわ、なにこれ?」
勇太は大きな声が出てしまった。
インターハイの予選どころではない。すごい数の女の子がいる。
「そういえば、このメンツって・・」
呟くルナに、マルミ、タマミ、キヨミが突っ込む。
「みんな自覚ないっすね~」
「ここ、パラレル市じゃないんですよ」
「アウェー」
勇太は最近、忙し過ぎてパラレル市から出ていない。
夏のインターハイ応援の東京以来、公式に他の街を訪れたのは初。
その間に歌に関わり、純子&風花のプロデュースをして、デビューも果たしてもらった。
その前の8月末に『パンの歌』で嘉菜と真子を除くファミリーでCDを出している。
真子にしても『マコソング』で知名度がうなぎ昇り。毎日が誰かの誕生日で、どこかでテーマソングが歌われている。
嘉菜にしても、パラレル山山頂の氷点下で勇太をキスをして、偶然にネットで流れた。
ルナの友人が、その映像に勇太が贈った嘉菜のテーマソングを流して編集し、存在感が増している。
キヨミ達からしたら、パラレル市以外ならこの反応と思っていたが、肝心のファミリーが分かっていなかった。
歌って~の声も聞こえる。
柔道の試合前だぞと言うべきだけど、やっぱり意外な行動に出たのは麗子だった。
今日も斜め上を行く。
「この中で誕生日の人~~?」
大声で呼び掛けた。
ざわざわざわとして、4人の女の子が手を上げた。
「お名前はー?」
「え?ハルコです」
「マミです」
「アイコ」
小さい子もいた。
「サヤカです、6歳になりました。パンの歌が大好きです」
「そう、ハルコ、マミ、アイコ、サヤカだね。じゃあ、マコいってみよー」
「ういっす!」
誕生日にハッピーバースデーの歌を贈られて1ヶ月。条件反射になってしまった吉田真子だ。
ためらったら、勇気を出して前に出てきた6歳のサヤカちゃんに悪いと思って堂々とする真子だ。
♪♩♪♩♩♪純子、ルナのアカペラ前奏からファミリーみんなで手拍子を始めた。
「ハッピバースデートゥーユー♩♪♪」
サビは4回繰り返し、ひとりずつ名前を入れていった。ラストは「ハッピバースデー、サヤカ~♩♩♪」で締めた。
「真子ちゃん素敵・・」
潤んだ目になった美女・嘉菜と手を繋がれて会場入りするモブ顔の真子。
最近、嘉菜は真子に夜の生活で純子直伝の技にて蹂躙されまくり。外を歩くとき女子役、男子役で別れてきている感じ。
「かっこいい~」
「あのファミリーって、全員の呼吸が会ってるよね」
ギャラリー女子よ、今日のメインは柔道の試合だぞ。
忘れるな。
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