モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました

とみっしぇる

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253 グルメはB級、デートは?級

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1月5日、勇太と嘉菜で初の1対1デート。

パラ東会館のB級グルメの祭典に来てみた。


「嘉菜さん、こういうのでよかった?」
「はい! 楽しみです」

会館入口前を囲い、キッチンカーを並べてある。

買った食べ物は、会館一階のフラットな催事場スペースに並べた席に座って食べる。

臨時で作ったフードコートのような感じた。

ハーレムグループも10組くらいいるような感じ。

最近のパラレル市近郊は勇太&伊集院効果で、人混みに現れる男子が増えている。

「いい匂いしますね~」
「嘉菜さんの口に合うかな」

「大丈夫ですよ。私は仕事絡みで外に出て、簡単に済ます日もありますから。この前は真子ちゃんと、カップ焼きそばも食べましたよ」

「じゃあ、色々と食べてみよう」

ホルモン焼きそば、ドライカレー、うどん、デザートなど、嘉菜のリクエストは何でも買った。

余りはしない。嘉菜が少し味見して、残りは勇太がモリモリ食べる。

スイーツも何点か出店している。女性が多いゆえ、こういうのも定番のようだ。

嘉菜と行列に並んでいる。

嘉菜からしたら並ぶのが楽しい。話題も尽きないし、混んでいて自動的に勇太との距離も近い。

それにお嬢様育ちで、こんなのは初体験だ。

「嘉菜さんって、やっぱカレー好きなんだ」
「手軽ですし、豚肉のカレーとか好みですね」

「じゃあ、次は違うカレーにも挑戦しようかな」

「・・ふふ、お願いいたします」

今日だけは、わがままでいい。

だから好きなものをリクエストしておく。

ざわっとしている。
「そういや、あの人って男子メシ・・」
「家事できないって話だよね」

「けど、次期社長なら仕方ないか。仕事が最優先だもんね」
「収入が大きい人は、家庭の要だもんね」

男女比1対12になって、子育てするのも女性なら、一家の大黒柱となるのも女性。稼ぎ重視で家事をしない女性も普通にいる。

そんな話をしていると、自分達の順番がきた。

アイスクリームのキッチンカーだ。

「ブドウとイチゴのやつを1個ずつ下さい」

勇太はイチゴ味、嘉菜はブドウ味にした。

「ん、うまい」
「ほんとですね」

勇太は自分のアイスをすくって、嘉菜の前に差し出した。

「味見する?」

「・・え、あ、あの」

嘉菜は驚いている。周りの女子は、もっと驚いている。

けれど、せっかくのデートだ。

「あ、あ~ん」

「はいっ」

ただのイチゴ味なのに・・

「じゃ、じゃあ勇太さんも」

「あ~ん」

嘉菜はドキドキしている。勇気を出したけど指が震えた。
ぱくっとした勇太の唇に、クリームが付いてしまった。

勇太が、ぺろんと自分の舌でクリームをなめ取った。

舌の動きを凝視してしまった。

なまめかしい。

嘉菜は見とれてしまった。

周囲には人がたくさんいる。

だけど、キスしたい。キスしたい。そしてキスしたい。


辛うじて理性が打ち克った。

◆◆
嘉菜は楽しく腹ごしらえもできた。

勇太も次の行き先を考えているようだけど、標高623メートルのパラレル山をリクエストした。

嘉菜も勇太と行ってみたかった。

勇太のファンだった過去がある嘉菜には、勇太とルナが初の正式デートで行ったパラレル山の展望台が聖地に見えた。

だから頼んだ。

タクシーに乗って、ふもとのロープウェー乗り場まで行った。

すごく寒いのに、お客さんはまずまず。座席も8割くらい埋まった。

ロープウェーの終点は八合目。降りたら、すごい寒さと風だった。

ここにはルナとも来た展望台だけでなく、自販機が置いてある展望室もある。

気温は1度らしい。

勇太は薄手のシャツにコートという格好だけど、かなり耐えれる。女神印の身体は寒冷地仕様のようだ。

「嘉菜さん、寒いでしょ」

「寒~い。けれど空気が済んでて、見晴らしがいいですね」
「だね。今日は遠くまで見える」

「展望室に入る?」

嘉菜は考えたけど、ちょっと冒険してみたくなった。

ここは山の八合目。舗装された道路をクルリと700メートル歩けば山頂に着く。

「山頂、行きませんか?」

勇太は即答した。
「じゃあ、行こうか」

嘉菜は、あっさり聞いてくれて驚いた。改めて勇太は優しいと思った。


勇太に差し出された手を嘉菜はつかんだ。

そしてふたりで、ゆっくりと坂道を歩き出した。
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