222 / 300
222 意外な来客
しおりを挟む
12月29日の朝。
夕べはルナが泊まりに来た。だけどエッチはしていない。
お互いに忙しい中でルナ、梓や葉子義母さんと集まった。その彼女の風花さんも来てご飯を作って食べた。
夜は梓の部屋に布団を敷いて勇太、ルナ、梓で川の字になって寝ることになった。
今日はパンのウスヤを手伝う日でもなく、勇太が5人分の朝ご飯を作って食べて出勤。
ルナと梓は、ちょっと情けない顔をして冬季講習に向かった。
勇太のLIMEがピロロロリロンと連続で鳴った。嫁ズプラス伊集院君のグループチャットだ。
カオル『パラ体大で柔道の出稽古』
麗子『ウスヤ』
純子『パラ東モールでゲスト出演、風花さんと一緒』
真子『嘉菜さんと勉強&ドライブ』
嘉菜『真子ちゃんと勉強&ドライブ』
勇太も勇太『リーフカフェ』と返した。
ルナ『暗黒の冬季講座』
梓『地獄の冬季講座』
最近はファミリーで簡単なスケジュールを入れている。
ピロン。
伊集院『東京で婚約者の家のパーティー』
伊集院君も教えてくれる。彼は年末もセレブだ。
◆
リーフカフェに到着したのは開店1時間前の午前9時。
外は真冬の寒さだ。
勇太だけは季節を間違うくらいの薄着だけど、道行く人は寒そうだ。秋までと違いテラス席を作る場所で勇太待ちをしている客はいない。
いや、いた。
身長160センチ。コートを着てすっきりした髪の男の子。
勇太がクリスマスイブに会った、異母姉妹メイちゃんの友人男子だ。護衛を3人連れている。
「どうも、この前はありがとうございました」
「えーと、冬木ゲンジ君だったよね。どうしたの」
護衛の女性3人は、ゲンジの姉だそうだ。登校時も姉妹が交代で護衛している。
勇太は何かあっても走って逃げる自信がある。けど普通の男子外出は護衛付き。
「そういや伊集院君も1人歩きしないな・・」
「あ、あの」
「そうだ。冬木君、カフェに来てくれたんだ。まだ早いし寒いから中に入る?」
「ありがとうございます。あの、今日来たのはメイちゃんのことで・・」
護衛で来たゲンジの姉達は、ネットでクリスマスイブのサルベリアの光景を見ている。
弟がメイちゃんに気があるのは知っている。だって彼女の話を家でした時から週4登校に切り替えて髪を切った。
サルベリアの映像でも、弟の必死な顔を見た。
しかし、ゲンジとの距離を詰める気がないのが、肝心のメイちゃんだ。
意識してゲンジの好意をスルーしているようにも見えた。
なので勇太にアドバイスをもらうゲンジに、ついでに勇太とお近づきになりたい姉が付いてきた。
勇太は複雑。
メイちゃんが自分に恋心を抱いていたのを知らず、自分達が異母兄妹だと明かした。
そして泣かせてしまった。さすがにルナ、梓、カオルから怒られた。
だから、メイちゃんが冬木ゲンジとサルベリアパーティーに合流したときは安心した。
と、思ったらメイちゃんが、まだ新しい恋に心を向けていない。
勇太としては目の前のゲンジに困っている。だから正直に言った。
「何をしに来たかは分かるけど、俺が恋のアドバイスとか難しいと思うんだよね」
「え?」「え?」「え?」
冬木ゲンジの姉3人が驚いた。
勇太といえばモテ男。嫁ズの気持ちを言葉の前に察してあげる、気遣いの男だと言われている。
5月のルナに始まり、梓、カオルの気持ちを大事にしてきた。
希少な男子なのに優しさでできている。
そうしてたちまち7人の嫁ズを作った。
と、思われている。
大間違いだ。勇太は基本的に鈍いのだ。だから悪意と女性からの性欲も、かなりスルーできる。
前世は病気で多くの人に世話になったから、善意だけは見逃さないように心がけている。
勇太の洞察力は前世の闘病生活5年間で偏っている。さすがに転生から半年経ち、自覚してきた。
今のところメインの交流は前世に起因している。なので洞察力が生かせる相手と過ごす時間が多い。
前世彼女のルナ、妹の梓、親友のカオル。性根が前世と似ているから気持ちを分かってあげられた。
純子&麗子では純子が前世の幼馴染み。
風花、葉子は勇太を必死で育ててくれたパラレル両親。
伊集院君は前世友人。吉田真子&間門嘉菜の真子は前世でも親交があったクラスメイトのパラレル体。
現に、前世人物と交流がなかった嘉菜と麗子に関しては、キャラをつかむのは遅かった。特に嘉菜のことでは大いに反省している。
そっちが本当の勇太。
だからメイちゃんの恋心も最初は分かってあげられなかった。
冬木ゲンジがどうすればメイちゃんとうまくいくかなど、もっと分からない。
「あ、あのメイちゃんと仲良くなりたくて・・」
「うん?この前の2人グータッチしたりして、仲良しだったじゃん」
「あ、あのそういうことではなく」
ゲンジの姉3人はらちが明かないと思った。
ゲンジは今日、勇太にメイちゃんのことで色々と聞きに来た。
意気込んできた。
何故、勇太とメイちゃんは付き合えないのか。伊集院君はメイちゃんを将来の嫁として考えているのか、など。
勇太をネットで見ていてゲンジは思った。
勇太は相手が真剣に言っている言葉を茶化したりしない。
パラレル市に来て勇太に会えば、メイちゃんのことを真剣に考えている自分なら、ヒントをもらえると思った。
だが、誰よりも恋の相談相手にならない人物を選んでしまったようだ。
勇太も異母兄妹のメイちゃんを大切にしてくれそうなゲンジを無碍にしない。
カフェに4人を招き入れ、ごちそうすることにした。
夕べはルナが泊まりに来た。だけどエッチはしていない。
お互いに忙しい中でルナ、梓や葉子義母さんと集まった。その彼女の風花さんも来てご飯を作って食べた。
夜は梓の部屋に布団を敷いて勇太、ルナ、梓で川の字になって寝ることになった。
今日はパンのウスヤを手伝う日でもなく、勇太が5人分の朝ご飯を作って食べて出勤。
ルナと梓は、ちょっと情けない顔をして冬季講習に向かった。
勇太のLIMEがピロロロリロンと連続で鳴った。嫁ズプラス伊集院君のグループチャットだ。
カオル『パラ体大で柔道の出稽古』
麗子『ウスヤ』
純子『パラ東モールでゲスト出演、風花さんと一緒』
真子『嘉菜さんと勉強&ドライブ』
嘉菜『真子ちゃんと勉強&ドライブ』
勇太も勇太『リーフカフェ』と返した。
ルナ『暗黒の冬季講座』
梓『地獄の冬季講座』
最近はファミリーで簡単なスケジュールを入れている。
ピロン。
伊集院『東京で婚約者の家のパーティー』
伊集院君も教えてくれる。彼は年末もセレブだ。
◆
リーフカフェに到着したのは開店1時間前の午前9時。
外は真冬の寒さだ。
勇太だけは季節を間違うくらいの薄着だけど、道行く人は寒そうだ。秋までと違いテラス席を作る場所で勇太待ちをしている客はいない。
いや、いた。
身長160センチ。コートを着てすっきりした髪の男の子。
勇太がクリスマスイブに会った、異母姉妹メイちゃんの友人男子だ。護衛を3人連れている。
「どうも、この前はありがとうございました」
「えーと、冬木ゲンジ君だったよね。どうしたの」
護衛の女性3人は、ゲンジの姉だそうだ。登校時も姉妹が交代で護衛している。
勇太は何かあっても走って逃げる自信がある。けど普通の男子外出は護衛付き。
「そういや伊集院君も1人歩きしないな・・」
「あ、あの」
「そうだ。冬木君、カフェに来てくれたんだ。まだ早いし寒いから中に入る?」
「ありがとうございます。あの、今日来たのはメイちゃんのことで・・」
護衛で来たゲンジの姉達は、ネットでクリスマスイブのサルベリアの光景を見ている。
弟がメイちゃんに気があるのは知っている。だって彼女の話を家でした時から週4登校に切り替えて髪を切った。
サルベリアの映像でも、弟の必死な顔を見た。
しかし、ゲンジとの距離を詰める気がないのが、肝心のメイちゃんだ。
意識してゲンジの好意をスルーしているようにも見えた。
なので勇太にアドバイスをもらうゲンジに、ついでに勇太とお近づきになりたい姉が付いてきた。
勇太は複雑。
メイちゃんが自分に恋心を抱いていたのを知らず、自分達が異母兄妹だと明かした。
そして泣かせてしまった。さすがにルナ、梓、カオルから怒られた。
だから、メイちゃんが冬木ゲンジとサルベリアパーティーに合流したときは安心した。
と、思ったらメイちゃんが、まだ新しい恋に心を向けていない。
勇太としては目の前のゲンジに困っている。だから正直に言った。
「何をしに来たかは分かるけど、俺が恋のアドバイスとか難しいと思うんだよね」
「え?」「え?」「え?」
冬木ゲンジの姉3人が驚いた。
勇太といえばモテ男。嫁ズの気持ちを言葉の前に察してあげる、気遣いの男だと言われている。
5月のルナに始まり、梓、カオルの気持ちを大事にしてきた。
希少な男子なのに優しさでできている。
そうしてたちまち7人の嫁ズを作った。
と、思われている。
大間違いだ。勇太は基本的に鈍いのだ。だから悪意と女性からの性欲も、かなりスルーできる。
前世は病気で多くの人に世話になったから、善意だけは見逃さないように心がけている。
勇太の洞察力は前世の闘病生活5年間で偏っている。さすがに転生から半年経ち、自覚してきた。
今のところメインの交流は前世に起因している。なので洞察力が生かせる相手と過ごす時間が多い。
前世彼女のルナ、妹の梓、親友のカオル。性根が前世と似ているから気持ちを分かってあげられた。
純子&麗子では純子が前世の幼馴染み。
風花、葉子は勇太を必死で育ててくれたパラレル両親。
伊集院君は前世友人。吉田真子&間門嘉菜の真子は前世でも親交があったクラスメイトのパラレル体。
現に、前世人物と交流がなかった嘉菜と麗子に関しては、キャラをつかむのは遅かった。特に嘉菜のことでは大いに反省している。
そっちが本当の勇太。
だからメイちゃんの恋心も最初は分かってあげられなかった。
冬木ゲンジがどうすればメイちゃんとうまくいくかなど、もっと分からない。
「あ、あのメイちゃんと仲良くなりたくて・・」
「うん?この前の2人グータッチしたりして、仲良しだったじゃん」
「あ、あのそういうことではなく」
ゲンジの姉3人はらちが明かないと思った。
ゲンジは今日、勇太にメイちゃんのことで色々と聞きに来た。
意気込んできた。
何故、勇太とメイちゃんは付き合えないのか。伊集院君はメイちゃんを将来の嫁として考えているのか、など。
勇太をネットで見ていてゲンジは思った。
勇太は相手が真剣に言っている言葉を茶化したりしない。
パラレル市に来て勇太に会えば、メイちゃんのことを真剣に考えている自分なら、ヒントをもらえると思った。
だが、誰よりも恋の相談相手にならない人物を選んでしまったようだ。
勇太も異母兄妹のメイちゃんを大切にしてくれそうなゲンジを無碍にしない。
カフェに4人を招き入れ、ごちそうすることにした。
41
お気に入りに追加
269
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる