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220 外でイチャイチャするハーレム男子は必要だからやっているのだ

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12月28日の午後。

吉田真子、間門嘉菜との接し方を変えようと考えた。特に嘉菜と、もっと親密に。


ちょうど真子&嘉菜がリーフカフェに来た。

たった今から、2人も婚約者だとアピールすることにした。

「嘉菜さん、委員長、時間ある?」


吉田真子の委員長呼びは継続。勇太は真子に切り替えようとしたが、真子の方から無理に呼んでいるように感じると言われた。

なので委員長だ。

これ、今の真子からしたらプレミア感。

ハッピーバースデーの歌を12月19日の誕生日に贈られた。早くも広まり始め、家族や友人の誕生日に歌った人がいる。

もちろんサビのところは、名前を『マコ』から祝われる人に変える。

そして正式な歌詞の固有名詞が愛されてるから『マコ』なのだと知っていく。

身近なところでは、さらに反応が早い。

真子は最近、勇太の第7の嫁『マコ』として、吉田さんと呼んでいた人にまでマコさんと声をかけられる。

クラスメイトも『吉田さん、真子、委員長』がすべて『マコ』に統一された。

だから真子は勇太だけに委員長と呼ばれることに特別な響きを感じている。


さて、勇太のお誘いに戻る。
「どう、2人とも忙しい?」

「大丈夫だよ」
「今日は2人とも午後から自分の勉強ですから」

「じゃ、3人でお昼ごはん行こうか」

「え、はいはい、ぜひお願いします!」
「勇太さん、嬉しいです」

勇太は2人をわざわざ外で待たせた。ソムリエエプロンを外し、そして店外で待つ2人のとこに来た。

「待たせてごめんね」

「ん?」
「ほんの1~2分くらいですよ?」

「寒いとこで待たせたお詫び」

勇太は謝ると同時に正面から嘉菜の腰を抱いた。あえて人が多い広場で。

そして右の頬っぺにチュ。そして左にチュ。

「は、はう・・」嘉菜は口がパクパクしている。

そして真子にもした。

人前でイチャイチャを好まない勇太だけど、2人を周囲に認知してもらうために恥ずかしさを隠して愛情表現した。

「勇太君、大胆・・あ、嘉菜さんが・・」
「え?」

真子は勇太と1対1デートをしてキスしたし耐性はできた。少し濡れたが足を踏ん張れた。

しかし嘉菜はハグまでしかしていない。

嘉菜が頬に手を当てて冷たい石畳にぺたんとへたりこんでいる。スカートのフレアが大きく広がっている。

「・・・」
「嘉菜さん、腰砕けだよ・・」

嘉菜は6番目の嫁ズに加わったとき、間門家と勇太の調停のゴタゴタが完全鎮火していなかった。

だからスキンシップさえ自重した。

調停から間がなかった誕生日も間門家で祝ってもらうことを断った。間門家の次期代表となる自分への戒めとして勇太やルナからのプレゼントも断った。

その日は真子と2人で粛々と過ごした。

問題の完全解決後、勇太にはクリスマスに初キスを頼もうと思っていた。

しかし12月に入ると、姉妹の由乃が病気になったこともあり浮わついたこと自体を自重していた。

本当に家族思いで生真面目なのだ。

勇太に会って、たまにハグしてもらったりでも十分だと思っていた。

だから、この不意打ち程度でもキャパをオーバーした。

真っ赤な顔をして石畳にへたりこんだ嘉菜。

「わ、可愛い」
「勇太君の嫁ズの中では最年長よね」
「けど、純情」


嘉菜を見たギャラリー女子は、嘉菜に萌え萌えキュンとしてしまった。

真子は嘉菜と女同士の恋人である自分に、ライバルが増えた気がした。


3人のお昼ご飯は和食の店にした。

料理をオーダーしたあとも、嘉菜の顔は真っ赤なままだ。

カフェの前で腰砕けになった嘉菜を勇太が抱っこして立たせた。

場所は繁華街に近い噴水広場の前。人が山ほどいる。スマホを向けられまくっていた。

ざわついている。

嘉菜の足はふらふらしていたし、勇太は思い切ってお姫様抱っこしてみた。

さらにざわっとした。

「ゆ、ゆ、ゆーたさん、大丈夫、大丈夫ですから降ろして下さい」
「どっしよっかな~」

勇太は少しスイングしてみた。

「きゃっ」
「あはは」
「あ、うあ、勇太さん」

嘉菜が勇太の首に回した手の力がぎゅっと入った。真子も嬉しそうに2人を見ている。

「降ろすよ~」
「え?・・、あ、は、はい・・」

ちょっと残念そうである。けれど笑顔だ。

たまたまだけど、嘉菜のクラスメイト3人が、この光景を離れた場所から見ていた。

「嘉菜、勇太君との距離がきちんと縮まってるんだね」
「よかったー。他の嫁ズがインパクトありすぎて、愛されてるのか心配だったもんね」
「なんか安心したね」


勇太のミッション、とりあえず成功のようだ。



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