モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました

とみっしぇる

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207 クリスマスの前からサンタは忙しい

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12月23日、2学期も終わりを迎えた。

「みんな、よいお年を~」

勇太もクラスメイトと仲良くなった。伊集院君にまとわりついていた自称・親衛隊も行いを反省して解散。変なギスギス感もなくなった。

行ける人で1月2日に初詣に行くことになった。

伊集院君も参加するし、全員来るだろうと勇太は思っている。

「ゆ、勇太君、明日の・・クリスマスイベントもよろしくね」

4日前の誕生日に、メキシカンレストランで勇太にタコス味のキスをしてしまった嫁枠の吉田真子。

まだ余韻が残りすぎて、普通に話せない。

「だね、明日よろしくね」

真子はネットにキスシーンが流れて焦っているが、周囲はルナと同じく濃厚セック●をしていると思っている。

あれが初キスなどとクラスメイトも思わない。今更、キスくらいで何を言ってるんだろうみたいな感じ。

勇太を柔道部に迎えに来たルナを見て、ルナのように堂々とできる日が来るのだろうかと考えている。


いつものように勇太も体育館に畳を敷いて、2時間ほど練習。内容割愛。

ルナ以外は、みんなソワソワしている。

すでに大量のマフラーを勇太が買った情報は入っている。8人の1年生部員は、自分達にブツが回ってくるのかと、期待と不安でいっぱいだ。

8人の中で、過去に男子からクリスマスプレゼントをもらったことがあるのは2人。

片方は林長製菓のパッキー1箱。もう片方はシャープペンシル1本。それが普通だ。

練習が終わった。年明けまで忙しくなる勇太はこれが年内最後の部活。

普段と違い、制服に着替えて再び集合。勇太は綺麗にラッピングされた8つの袋を用意している。

「みんな、今年はお世話になったね。俺からささやかながら、クリスマスプレゼントだよ」

「わあ~」
「嬉しいです」
「やった~~~」
「男の人からのクリスマスプレゼントなんて初めて!」

包みを胸に喜ぶ部員達の中で、やはりキヨミが動いた。

いきなり包みのリボンを解いて、中のマフラーを引っ張り出した。そして勇太の前で首を差し出した。

「巻く」

勇太は、なんとなく予測していた。

「甘えん坊だな~」
「砂糖入り」

男子にマフラーを巻いてもらえる女子。統計では500人にひとり。

勇太はキヨミの首にマフラーを巻いて、頬をうにうにした。

キヨミの顔がゆでダコのようだ。

「頬熱し」。マフラー効果2割、勇太のうにうに効果8割だ。

「そりゃ、良かった」
「にへ」

勇太は初めてキヨミの笑顔を見た。


当然、残る部員も並んだ。

この光景もネットに流れた。そしてヘイト反応が多かった。

『甘えん坊どもが!首が締まってタヒんでしまえ』

これは、仕方ない。


男子が少ない世界でモテるということは、なかなか大変だ。

プレゼント配りが終わらない。

ルナは今日は別行動。花木家は家族で過ごす。

ルナと純子の両親も、どうせクリスマスの娘2人はパートナーと過ごすのだろうと、最初から夫婦旅行を予定に入れているそうだ。

パラレル総合病院に行って、仲がいい山口キミカをはじめとする看護師軍団8人にマフラーを渡した。

「勇太君、ありがとう!」

「梓の入院のときもお世話になりました」

ここでも勇太絡みで女性から女性へのヘイトが集まっている。

キミカは、どうせヘイトだらけならと、パラ高でキヨミがやってもらったようにリクエストをした。

マフラーマキマキでドキドキ。頼んでないのに、頬ぺふにふにまでのフルコースをしてくれた。

キミカは意識が飛びかけた。

キミカは入院したときの梓と、かなり仲良くなっている。

それを見た看護師軍団はキミカが勇太の嫁に加わることを応援している。

もちろん、キミカの紹介から勇太の嫁になるという打算が前提にある。恐ろしい世界だ。

あ、勇太もクリスマスプレゼントをもらった。

大量すぎて、リーフカフェに置きに行った。


日も傾いてきた。

茶薔薇学園には、あさっての25日に行く。

次が今日のラスト。電車に乗って2つ隣の街に来た。

会いに来たのは中3のメイちゃん。山咲芽依。

転生して5月の早い段階で知り合った勇太似の女の子。

『出生番号』で精子提供者が一致した、勇太の遺伝子的な妹だ。

「メイちゃん、ごめんね呼び出して」
「来てくれてうれしいです。勇太お兄さん」


メイちゃんは勇太が男子として好きだった。

なのに8月に異母兄妹だと知って失恋した。


それから4ヶ月、元気を取り戻しつつある。


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