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249 中学生と初詣
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1月3日は梓とのんびり過ごした。
梓の彼女のカオルはパラ体大の柔道合宿で2泊3日の缶詰め。
特に過ごし方は決めなかった。
勇太がコーヒーを淹れて、朝ごはんを作った。お昼は梓が作って、コンビニに出掛けたり、河川敷散歩と近所を散策。
勇太からすれば何気ない、1日。男女比1対12世界の女子からしたら貴重な時間を過ごした。
◆◆
1月4日。
梓や葉子をはじめとするリーフカフェのメンバー、プラス風花。そして勇太の異母妹メイちゃんのクラスメイトで、またも初詣。
カフェのバイト6人は、ガッツポーズ。全部で16人の顔ぶれの中に、男子が3人もいる。
勇太、冬木ゲンジ、ヤマモトタロウ。
参拝客はそこまで多くないけど、パラレル神社前で注目されている。
メイちゃんは普段のペース。
「勇太お兄さん、梓さん、明けましておめでとうございます」
「メイちゃん、今年もよろしくね」
「メイちゃん、パラ高で会えるの楽しみにしてるよ~」
ゲンジも挨拶をしたあと、ヤマモトタロウも勇太に挨拶した。
勇太が意外だったのは、タロウがきちんとした感じなこと。
メイちゃんから聞いていたイメージとは違う。
「坂元さん、俺もパラ高を考えてますから、そのときはよろしくお願いします」
ヤマモトタロウの彼女3人も頭を下げた。礼儀正しい。
ゲンジは気が重くなった。
メイちゃんを巡るライバルのヤマモトタロウがいる。
元から高かったタロウの男子力に磨きがかかっている。
それに、今日は会っていきなりタロウはメイちゃんに謝った。今までのことを。
『メイ、2学期は色々と余計なことを言ってスマンかった』
『あ、えと、気にしてないから・・。こちらこそ、気を使わせてごめんね』
和解していた。
ゲンジとメイちゃんは、まだ恋仲ではない。
勇太のところで歌ったあと、ゲンジとメイちゃんの仲は少し進展した。
だけどメイちゃんは勇太への気持ちの整理が完全に付いていない上に、難度が上がったパラ高を狙う受験生。
困惑状態になった。
ゲンジの方から、『受験が終るまでは、そっちに集中しよう。俺も自分を磨きたい』と言った。
そして一緒に勉強している。
相手のことを考える男になろうとしている。
焦る気持ちを抑えて我慢したゲンジだ。
視界が開けてくると、男子力でヤマモトに勝てないと思うようになっている。
男女比1対12だし、勝てないと思えば避ければいい。それでも今のゲンジのコミュ力があれば彼女は簡単にできる。
きついけど、逃げたらメイちゃんに好きになってもらえない。
その気持ちを持って接するゲンジに、メイちゃんが陥落寸前だと気付いていない。
気付いてないから焦る。
そして、周り女子のゲンジへの熱が上がっている。
ゲンジは、カフェで歌ってから人気も出ている。そして思いやりも出てきた。
正月は姉の友人なども家に来たけど、そこでもリクエストに応えて歌って一緒にお茶をした。
メイちゃん以外にもモテている。
◆
勇太、ゲンジ、タロウに肉食女子が寄ってきて、ちょっと収集がつかなくなった。
特にゲンジはネットで話題になりつつあるのに、暫定彼女がメイちゃんだけとバレている。
重婚当たり前の世界。
乙女達からしたら、『彼女枠』が山ほど空いて見えるのである。
リーフカフェオーナー葉子の振る舞いで、色々と食べ物を持ってカフェで新年会でもするかと提案した。
そしてカフェ。
勇太、梓、メイちゃんで話している。
ゲンジとタロウは、カフェのお姉さまがたから猛チャージを食らって、中3女子が阻止しようとしている。
「メイちゃん、ヤマモト君っていいやつじゃん」
「そうですね。しばらく嫌なこと言って悪かったって、今日謝られました」
「良かったね」
「はい、元々は感じがいい人だったから良かったです」
「何があったんだろうね」
「何があったんでしょうね」
梓は、勇太とメイちゃんのやり取りを見て、タロウの変化はメイちゃんに気があるからだよと言いたい。
一目瞭然だろと。
けれど気付かないふたり。鈍い。
やっぱり、このふたりは血の繋がりがあるなと笑ってしまった。
その視線に勇太が気付いた。
「梓どうした?」
「何でもないよ」
少し考えた勇太は、ギターを持った。
「梓のために1曲歌うかな」
梓の彼女のカオルはパラ体大の柔道合宿で2泊3日の缶詰め。
特に過ごし方は決めなかった。
勇太がコーヒーを淹れて、朝ごはんを作った。お昼は梓が作って、コンビニに出掛けたり、河川敷散歩と近所を散策。
勇太からすれば何気ない、1日。男女比1対12世界の女子からしたら貴重な時間を過ごした。
◆◆
1月4日。
梓や葉子をはじめとするリーフカフェのメンバー、プラス風花。そして勇太の異母妹メイちゃんのクラスメイトで、またも初詣。
カフェのバイト6人は、ガッツポーズ。全部で16人の顔ぶれの中に、男子が3人もいる。
勇太、冬木ゲンジ、ヤマモトタロウ。
参拝客はそこまで多くないけど、パラレル神社前で注目されている。
メイちゃんは普段のペース。
「勇太お兄さん、梓さん、明けましておめでとうございます」
「メイちゃん、今年もよろしくね」
「メイちゃん、パラ高で会えるの楽しみにしてるよ~」
ゲンジも挨拶をしたあと、ヤマモトタロウも勇太に挨拶した。
勇太が意外だったのは、タロウがきちんとした感じなこと。
メイちゃんから聞いていたイメージとは違う。
「坂元さん、俺もパラ高を考えてますから、そのときはよろしくお願いします」
ヤマモトタロウの彼女3人も頭を下げた。礼儀正しい。
ゲンジは気が重くなった。
メイちゃんを巡るライバルのヤマモトタロウがいる。
元から高かったタロウの男子力に磨きがかかっている。
それに、今日は会っていきなりタロウはメイちゃんに謝った。今までのことを。
『メイ、2学期は色々と余計なことを言ってスマンかった』
『あ、えと、気にしてないから・・。こちらこそ、気を使わせてごめんね』
和解していた。
ゲンジとメイちゃんは、まだ恋仲ではない。
勇太のところで歌ったあと、ゲンジとメイちゃんの仲は少し進展した。
だけどメイちゃんは勇太への気持ちの整理が完全に付いていない上に、難度が上がったパラ高を狙う受験生。
困惑状態になった。
ゲンジの方から、『受験が終るまでは、そっちに集中しよう。俺も自分を磨きたい』と言った。
そして一緒に勉強している。
相手のことを考える男になろうとしている。
焦る気持ちを抑えて我慢したゲンジだ。
視界が開けてくると、男子力でヤマモトに勝てないと思うようになっている。
男女比1対12だし、勝てないと思えば避ければいい。それでも今のゲンジのコミュ力があれば彼女は簡単にできる。
きついけど、逃げたらメイちゃんに好きになってもらえない。
その気持ちを持って接するゲンジに、メイちゃんが陥落寸前だと気付いていない。
気付いてないから焦る。
そして、周り女子のゲンジへの熱が上がっている。
ゲンジは、カフェで歌ってから人気も出ている。そして思いやりも出てきた。
正月は姉の友人なども家に来たけど、そこでもリクエストに応えて歌って一緒にお茶をした。
メイちゃん以外にもモテている。
◆
勇太、ゲンジ、タロウに肉食女子が寄ってきて、ちょっと収集がつかなくなった。
特にゲンジはネットで話題になりつつあるのに、暫定彼女がメイちゃんだけとバレている。
重婚当たり前の世界。
乙女達からしたら、『彼女枠』が山ほど空いて見えるのである。
リーフカフェオーナー葉子の振る舞いで、色々と食べ物を持ってカフェで新年会でもするかと提案した。
そしてカフェ。
勇太、梓、メイちゃんで話している。
ゲンジとタロウは、カフェのお姉さまがたから猛チャージを食らって、中3女子が阻止しようとしている。
「メイちゃん、ヤマモト君っていいやつじゃん」
「そうですね。しばらく嫌なこと言って悪かったって、今日謝られました」
「良かったね」
「はい、元々は感じがいい人だったから良かったです」
「何があったんだろうね」
「何があったんでしょうね」
梓は、勇太とメイちゃんのやり取りを見て、タロウの変化はメイちゃんに気があるからだよと言いたい。
一目瞭然だろと。
けれど気付かないふたり。鈍い。
やっぱり、このふたりは血の繋がりがあるなと笑ってしまった。
その視線に勇太が気付いた。
「梓どうした?」
「何でもないよ」
少し考えた勇太は、ギターを持った。
「梓のために1曲歌うかな」
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