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169 ガール・ミーツ・ガールの予定ではないのに・・
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勇太と仲良くなったのに、恋愛領域に入っていけない2人が出会った。
勇太のクラスメイト吉田真子と、梓の異母姉・間門嘉菜である。
梓、ルナ、カオルは勇太が2人を受け入れれば歓迎する気だ。あとは本人次第。
だけどヘタレである。
え、純情?
それは勇太の前世での話でしょ。女子が攻撃型ばかりの世界で、チャンスに攻め切れない女子はヘタレ評価なのだ。
ネット民はともかく、リアルに真子の恋を見ている人は前途多難だなと感じている。
特にクラスメイトは不思議だ。総スカンを食らっていた勇太に、真子は1年以上も声をかけ続けていた。
その勇太がエロカワ変身して、変身前の勇太を見放さなかった真子に感謝している。
ちょっと押せば、花木ルナみたく勇太とセッ●スして4人目の嫁になれるよと思っている。
なのに押さない。
真子は度胸もある。クラスメイトのために、強面教師に意見したこともある。
なのに勇太を押し倒さない。
そんな真子の実像を知らず、嘉菜は真子を恋の達人だと思っている。
だから思い切って真子に声をかけた。
「あ、あの恋愛マスターの吉田さんに、相談したいことがあるんですが」
「え、ええ?恋愛マスター?」
丁寧だけど、明かな嘉菜の暴投。
だけど・・。意外な点から真子は、彼女のキャラを知っていた。
真子の4人の母のひとりが間門の社員で、1年前から社長・彩奈の秘書。つまり嘉菜の母親の部下なのだ。
その母親から生真面目な会社の跡取り娘が、最近は恋をしていると聞いた。普通なら聞き流すけど、相手が坂元勇太だと聞いて覚えていた。
母親に聞いたキャラは、普段はクールなきまじめキャラ。だけど目の前の嘉菜は秒でポンコツの匂いがする。
だから、いきなり実直で丁寧な言葉に好感が持てる。
嘉菜は幾らでも我が儘を言える立場にあるのに、妻仲間のために我慢を重ねた実母を見習っている。みずからを制してきたという。
常に異母姉妹を優先する。
真子は単純に好感を持った。だが気付いていない。真子も同じタイプなのだ。
8人姉妹の長女として、仕事と育児に忙しい母親達に甘えることを我慢しながら成長してきた。
教師に意見をするのはクラスメイトのため。怖いのに上級生と喧嘩したのも妹のため。
だから自分のことがおろそかになっていた。
それが分からずとも、嘉菜の気持ちに共感してしまった。
結局はふたりとも、人に甘えるのが下手なのである。
「あの、恐らく私の母は、間門さんのお母様の部下だと思います。吉田ミユキという名前に心当たりはありませんか」
「まあ、吉田さんにはお会いしたことがあります。彼女の自慢の娘さんって、あなただったのですね」
いきなり話が弾んだ・・訳でない。
しかし、周囲のアシストがあるのに、うまくアプローチができない真子。
色々な足かせで勇太と接しにくいが、尊敬する母が絡んでいるので家族にも不満を漏らせない嘉菜。
ストレスがたまっていた。
なので1時間後。
何となく離れがたく、2人で近くのメキシカンレストランに入ってしまった。
やっと、ぶっちゃけ話ができるようになってきた。
嘉菜からの希望で名前呼びにした。
「え、真子ちゃんって、まだ勇太さんの彼女じゃないんですか?」
「違いますよ。伊集院君の度の過ぎたセリフも、アシストでやってくれてるんです。ははは」
嘉菜は、なんて不器用な人なんだと思った。
「聞いた話は絶対に漏らしませんけど、嘉菜さんも大変ですね。勇太くんとのこと、うまくいくように応援してますからね」
そして優しいと思った。
2人で辛いタコスをつまんでいたときだ。
「お代わり、お持ちしました」
「あ、いいタイミングです」
「から、辛い~」
2人とも一気にジュースを飲んだつもりだけど・・
アルコール入りだった。オーダーミスをした店員が戻ってきたときは、2人ともグイッといっていた。
「あ・・」
「嘉菜さん、車って言ってましたよね」
「仕方ないです。近くに会社で借りてるマンションがあります。そこに泊まります」
お開きかと思ったが、嘉菜は思い切って真子を誘った。話が弾み出したし、久々に気楽なのだ。
「ど、どうせ飲んでしまったから、マンションに場所を変えてお話しませんか」
「いいですね~。どうせなら、ちょっとお酒を買って行きましょう」
2人は家に電話を入れた。
どちらの母親も、信用できる相手だし簡単にOK。日頃、ハメを外さない娘達の夜遊びを歓迎している。
さらに1時間後。ワイン一杯ずつ追加。
「えへへ、じゃあ嘉菜さん、2人で共同戦線を張りましょう」
「共同戦線?」
「そうです。1人じゃ勇太君とうまく話せないから、2人でフォローし合って、梓さん達に勇太君の嫁に加えてもらえるまで頑張りましょう」
「あらら~、いいですね~。真子ちゃんと一緒なら、勇気が沸いてきそうですね」
共同戦線。無茶苦茶を言っているようだが、1人の男と付き合うのは1人の女という前提がない。
これはアリ。
◆
さらに1時間後。ワイン2杯追加。ベッドの上に移動。
「・・嘉菜さん、唇が可愛い」
「あ、真子ちゃん、そんなとこ・・」
「そんなこと言いながら、嘉菜さんも・・」
チュッ、チュッ、チュッ・・
あれ?あれれ?
吉田真子。経験人数に女子1人追加。合計2人。
間門嘉菜。初のセック●。合計女子1人。
なんと、こちらがデキてしまった。
勇太のクラスメイト吉田真子と、梓の異母姉・間門嘉菜である。
梓、ルナ、カオルは勇太が2人を受け入れれば歓迎する気だ。あとは本人次第。
だけどヘタレである。
え、純情?
それは勇太の前世での話でしょ。女子が攻撃型ばかりの世界で、チャンスに攻め切れない女子はヘタレ評価なのだ。
ネット民はともかく、リアルに真子の恋を見ている人は前途多難だなと感じている。
特にクラスメイトは不思議だ。総スカンを食らっていた勇太に、真子は1年以上も声をかけ続けていた。
その勇太がエロカワ変身して、変身前の勇太を見放さなかった真子に感謝している。
ちょっと押せば、花木ルナみたく勇太とセッ●スして4人目の嫁になれるよと思っている。
なのに押さない。
真子は度胸もある。クラスメイトのために、強面教師に意見したこともある。
なのに勇太を押し倒さない。
そんな真子の実像を知らず、嘉菜は真子を恋の達人だと思っている。
だから思い切って真子に声をかけた。
「あ、あの恋愛マスターの吉田さんに、相談したいことがあるんですが」
「え、ええ?恋愛マスター?」
丁寧だけど、明かな嘉菜の暴投。
だけど・・。意外な点から真子は、彼女のキャラを知っていた。
真子の4人の母のひとりが間門の社員で、1年前から社長・彩奈の秘書。つまり嘉菜の母親の部下なのだ。
その母親から生真面目な会社の跡取り娘が、最近は恋をしていると聞いた。普通なら聞き流すけど、相手が坂元勇太だと聞いて覚えていた。
母親に聞いたキャラは、普段はクールなきまじめキャラ。だけど目の前の嘉菜は秒でポンコツの匂いがする。
だから、いきなり実直で丁寧な言葉に好感が持てる。
嘉菜は幾らでも我が儘を言える立場にあるのに、妻仲間のために我慢を重ねた実母を見習っている。みずからを制してきたという。
常に異母姉妹を優先する。
真子は単純に好感を持った。だが気付いていない。真子も同じタイプなのだ。
8人姉妹の長女として、仕事と育児に忙しい母親達に甘えることを我慢しながら成長してきた。
教師に意見をするのはクラスメイトのため。怖いのに上級生と喧嘩したのも妹のため。
だから自分のことがおろそかになっていた。
それが分からずとも、嘉菜の気持ちに共感してしまった。
結局はふたりとも、人に甘えるのが下手なのである。
「あの、恐らく私の母は、間門さんのお母様の部下だと思います。吉田ミユキという名前に心当たりはありませんか」
「まあ、吉田さんにはお会いしたことがあります。彼女の自慢の娘さんって、あなただったのですね」
いきなり話が弾んだ・・訳でない。
しかし、周囲のアシストがあるのに、うまくアプローチができない真子。
色々な足かせで勇太と接しにくいが、尊敬する母が絡んでいるので家族にも不満を漏らせない嘉菜。
ストレスがたまっていた。
なので1時間後。
何となく離れがたく、2人で近くのメキシカンレストランに入ってしまった。
やっと、ぶっちゃけ話ができるようになってきた。
嘉菜からの希望で名前呼びにした。
「え、真子ちゃんって、まだ勇太さんの彼女じゃないんですか?」
「違いますよ。伊集院君の度の過ぎたセリフも、アシストでやってくれてるんです。ははは」
嘉菜は、なんて不器用な人なんだと思った。
「聞いた話は絶対に漏らしませんけど、嘉菜さんも大変ですね。勇太くんとのこと、うまくいくように応援してますからね」
そして優しいと思った。
2人で辛いタコスをつまんでいたときだ。
「お代わり、お持ちしました」
「あ、いいタイミングです」
「から、辛い~」
2人とも一気にジュースを飲んだつもりだけど・・
アルコール入りだった。オーダーミスをした店員が戻ってきたときは、2人ともグイッといっていた。
「あ・・」
「嘉菜さん、車って言ってましたよね」
「仕方ないです。近くに会社で借りてるマンションがあります。そこに泊まります」
お開きかと思ったが、嘉菜は思い切って真子を誘った。話が弾み出したし、久々に気楽なのだ。
「ど、どうせ飲んでしまったから、マンションに場所を変えてお話しませんか」
「いいですね~。どうせなら、ちょっとお酒を買って行きましょう」
2人は家に電話を入れた。
どちらの母親も、信用できる相手だし簡単にOK。日頃、ハメを外さない娘達の夜遊びを歓迎している。
さらに1時間後。ワイン一杯ずつ追加。
「えへへ、じゃあ嘉菜さん、2人で共同戦線を張りましょう」
「共同戦線?」
「そうです。1人じゃ勇太君とうまく話せないから、2人でフォローし合って、梓さん達に勇太君の嫁に加えてもらえるまで頑張りましょう」
「あらら~、いいですね~。真子ちゃんと一緒なら、勇気が沸いてきそうですね」
共同戦線。無茶苦茶を言っているようだが、1人の男と付き合うのは1人の女という前提がない。
これはアリ。
◆
さらに1時間後。ワイン2杯追加。ベッドの上に移動。
「・・嘉菜さん、唇が可愛い」
「あ、真子ちゃん、そんなとこ・・」
「そんなこと言いながら、嘉菜さんも・・」
チュッ、チュッ、チュッ・・
あれ?あれれ?
吉田真子。経験人数に女子1人追加。合計2人。
間門嘉菜。初のセック●。合計女子1人。
なんと、こちらがデキてしまった。
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