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157 不定例、嫁会議

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10月22日の火曜日、テストが終わった。

勇太はテスト勉強をしたけれど、偏った歴史ばかりに熱中した。

歴史、英語、国語が少し伸びたけど、物理や数学がダメだ。

2年男子では伊集院君の次まで上がった。女子を1人抜いたけど、抜いた相手は男子と結婚している5組の子。

体調不良でテストを途中退場。病院に運ばれたら、つわりだったそうだ。

「すげ、来年から育児休学か・・」

勇太もルナとやることはやっている。梓、カオルと結婚する覚悟だけでなく、高校生パパになる覚悟も追加せねばならない。


学校はテスト最終日だから午前中で終わった。

柔道部に行って、予定通りに2時間汗を流した。

勇太は午後3時半から、リーフカフェの手伝い。部員もテストの打ち上げをするために、カフェに付いてきた。


なのに、珍しくルナだけが離脱した。

◆◆

ルナの花木家に、梓とカオルも集結。

嫁会議である。

今日はカオルの茶薔薇学園もテストだったが、午前10時に終了。柔道の練習は、きっちりしてきた。

「お邪魔で~す。ルナの母ちゃん」

「カオルちゃんいらっしゃい。梓ちゃんもルナもいるわよ~」

ルナママがカオルをハグ。

すでにカオルも勇太、梓とともに、ルナの両親に挨拶している。

カオルもルナと婚姻するから、ルナママからしたら義理の娘になる。


「よっ、梓とルナ」

「いらっしゃいカオル」
「カオルちゃん、2日ぶり」

あらかじめ、ルナからLIMEでグループトークに概要が伝えてある。

原山良作さん72歳のハーレムを見てきたルナが、ひとつの形を見せられた。そしてカオルと梓も連れて、遊びにおいでと言われている。

「ほえー、家族の半分が集まったら50人!」
「やっぱ、目の前で見たら壮観だったよ。家には男子が色んな世代で6人もいたし」

「なんか、ひとつの村みたいね」

「そうだよ、そこを仕切ってる依子さんて人が、まさに初代村長。その娘さんが二代目村長」

「はは、梓の役目だな」
「・・頑張る」

「ところでさ・・」
「なにカオルちゃん」

「勇太の嫁の数って、最終的に何人になるんだろ」

3人が不思議なのはそこだ。

5月10日に、いきなり陰キャからエロ可愛くて優しくなった。その後の話だ。

あの日を境に、あっという間にルナを彼女にした。梓と入籍日を決めた。5月末にはカオルもルナと梓側に入った。

イケてる勇太になって、週1ペースで彼女を増やした。

そして5か月たったけれど、自分達3人から彼女が増えていないのだ。

5月末に梓が心配したのは、週1ペースで彼女が増えていくこと。来年の5月、勇太が変わって1年が経つ頃には、1年間が52週間あるから、下手をしたら52人になると思っていた。

最低でも、今の時点で10人くらいのハーレムを作ると思っていた。

だけど、ふたを開けてみたら、最初の頃のように自分達3人を大切にしてくれる。

花木純子、臼鳥麗子の2人が来年増えそうでも、モテるのに誠実だ。

彼女になりたい女子は、軽く3桁に昇っている。美形の梓から見ても、すごい美女もいる。だけど自分達3人を優先してくれる。

だから3人は最近、ちょっと誇らしくて、かなり不思議なのだ。


「けどよ、実際に勇太の嫁って確実に増えるよな・・」
「うん、ユウ兄ちゃんが優しくて女性を受け入れてるから、間違いなく将来は2桁だね」

「モテる男子と付き合うって、同性からのヘイトだけが問題じゃなかったんだね」

ルナの理想は、気楽な勇太の10番目の嫁だったが、逃げていられない。良作さんの家族を実際に見ると、梓ひとりにファミリーの管理を任せるのは、責任の放棄に感じる。

ましてや、ネットでは梓、カオルと並んで、これから増える勇太ファミリーのトップトライアングルと称してあった。


だから、次に来る嫁候補を把握しておかねばならない。

それで3人で、改めて候補をピックアップしている。勝手にこんなことをして何様だという感覚が、特にルナとカオルにはある。

だけど梓にも、必要なことだと言われている。

まず、純子&麗子は間違いない。そして最近の勇太を見ているとマルミ、タマミ、キヨミの長谷川三姉妹も嫁に収まる気がする。

これで5人追加。

先輩関係ではパラ高の元柔道部で時子部長と田町先輩。そして茶薔薇学園の桜塚元部長。非公式ファンクラブの剛田。

数えていくときりがないが、茶薔薇の山田ツバキ柔道部部長なんかもいる。

看護師の山口キミカも仲がいい。

同世代のキミカがアリなら自分もアリだと、勇太の担任の長谷川佳央理先生も勇太狙い。

ギタリスト周防風花は勇太と距離が近いけど、最近は梓の母・葉子と親密だ。
勇太とは歌を介した仕事仲間から逸脱しそうに感じない。

そして柔道アイドル不知火マイコ・・・。3人は、可愛そうだけど勇太との恋は空回りに終わる気がしている。


ここで3人は、勇太と同じクラスの委員長・吉田真子を思い浮かべている。

文化祭の準備中、2年3組で起こったアクシデントを3人は聞いた。

捨て身の勇太に助けられた吉田真子が惚れてしまった。

いい噂が多い人物。

勇太は真子の気持ちに気付いてないようだけど、3人は真子を無視できない。

去年からクラスメイトが見放していた段階の勇太に、我慢強く声をかけていた。

なんとなく恩を感じるのだ。

真子の恋を応援したいのだ。

対象が自分たちの男なのに変?

これ、男女比1対12の世界では意外に普通の感覚だったりする。


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