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154 日本刀剣術が進化しなかった世界
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勇太はパラレルな江戸初期の歴史を調べているうちに、刀について考えている。
あっちの世界では、病床にあったとき転生もののファンタジー小説も読んだ。鍛冶スキルで定番の1つといえば不思議金属で作った日本刀。
今、思い出してみたら、こっちの世界では、物語にも日本刀がほぼ出てこない。
これがまさに、男女比が狂った影響だった。
日本刀の達人は宮本武蔵、柳生宗矩あたりで途切れていた。勇太は非常に残念だ。
勇太もファンタジー経由だけど、日本刀にちょっと憧れがある。
こっちの世界で発展しなかった理由は、当時の女子に日本刀は馴染みがなかった。
徳川家康に始まり、徳川家の男子はパラレル世界でも武芸に長けていた。
大名も本人の強さに関係なく日本刀コレクションを持っていたりした。
しかし、疫病で男子が減って、本来は『姫様』として育てられた人間が、急遽『殿様』になった。
領地経営、幕府との顔繋ぎ、女性の人材登用、やることは山ほどあった。
このパラレル江戸時代の各家当主は、元が姫。刃渡り60~80センチの日本刀なんて興味がない。
形式上、武士を名乗っただけだ。
パラレル柳生宗矩は生き残ったのに、柳生家の才能ある子息は疫病で病没。
子供時代からの研鑽があり、なおかつ才能も必要という宗矩の剣術は誰も引き継げなかった。
家系の都合から、兵士の家を非力な女子が継いだが、個人技の研鑽なんてしていない。
集団戦では槍や薙刀のリーチがある武器を使った。
要人や地位がある家の男子護衛のメインは、短刀と体術を組み合わせた技術だった。
ここで勇太は、前世と全く違う扱いで歴史に名を残している人がいることを知った。
パラレル宮本武蔵と、その弟子で女性の宮本伊織である。
勇太が、こちらのネットで見たドラマの切り抜き動画に、こんなのがある。
かなり信憑性があると、歴史学者も保証している。
時は1627年。
パラレル武蔵は身長180センチ。当時としては大男。1584年生まれの中年男性。
対して疫病で倒れた弟同様に武芸の才能を買われ、5年前に武蔵の弟子になった伊織。
1610年生まれ。17歳のピチピチギャル。勇太の世界の歴史には登場しない148センチ。
「のう伊織、なぜ俺の二刀流は、世に受け入れられんのかの?」
黄昏時に、憂いを帯びた目で遠くを見る武蔵。
しかし、勇太の世界の宮本伊織と、こっちの世界の伊織はパラレルな関係にない。モノをずけずけ言うギャル。
「なに言ってんの師匠、無茶言わんで」
「無茶だと?」
「ほら~、アタイの細腕見てよ。師匠が持ってるオーバーサイズの2本の刀、片方だって自在に扱えないって」
「ぬ?」
「ぬ、じゃないって。疫病で生き残った男だって師匠みたくデカくて力持ちっていないでしょ」
「ぬぬぬ?」
「え、ガチに気付いてなかったの? 師匠の二刀流、やってみたい人はいるんだよ。けど、答えは真似できない~。残念!」
ガーンという顔になるパラレル武蔵。
武蔵はショックを受けた。
女子でも武芸の才能を感じて12歳の伊織を生まれた村から引き取った。ロリコンと言われるかと心配したら、村長に2つ条件を出された。
1つ目。伊織をいつか嫁にしてやること。
2つ目。男子が減った村に子種の提供。
武蔵はアラフォー世代なのに20人を越える村の女と閨を共にさせられた。
2ヶ月間の軟禁生活の間に、数えきれないくらいに精を放った。
剣の訓練をしようにも、剣どころか、ふんどしさえも取り上げられている。
朝起きたら、ご飯を運んできた後家さんと一発。飯食ったら、若い女が2人待ってて連続放射。
昼も晩も、同じパターン。
連れ合いを疫病で亡くした伊織の母ちゃんの相手もした。
約束になかったのに、近隣の村から20歳前後の女子か来て、100人くらい相手をさせられた気がする。
疫病が流行る寸前、剣術道場の吉岡一門と敵対した。100人くらいの門弟から命を狙われたときより辛かった・・
伊織と旅して5年経つ。噂が広まって、修行の支援をしてくれる女性がいる代わりに子種を求められる。
そこまでして育てた弟子に、あっさりダメ出しされた。
「師匠、現実見ようよ。せっかく作り上げた二刀流、時代に合わせて作り替えようよ」
伊織に提案された。
勇太の知る前世の伊織と違いすぎて違和感があるけど、この女の子はパラレル伊織ではない。
名前を引き継いだだけのギャル系な姉だ。
あっちの世界では、病床にあったとき転生もののファンタジー小説も読んだ。鍛冶スキルで定番の1つといえば不思議金属で作った日本刀。
今、思い出してみたら、こっちの世界では、物語にも日本刀がほぼ出てこない。
これがまさに、男女比が狂った影響だった。
日本刀の達人は宮本武蔵、柳生宗矩あたりで途切れていた。勇太は非常に残念だ。
勇太もファンタジー経由だけど、日本刀にちょっと憧れがある。
こっちの世界で発展しなかった理由は、当時の女子に日本刀は馴染みがなかった。
徳川家康に始まり、徳川家の男子はパラレル世界でも武芸に長けていた。
大名も本人の強さに関係なく日本刀コレクションを持っていたりした。
しかし、疫病で男子が減って、本来は『姫様』として育てられた人間が、急遽『殿様』になった。
領地経営、幕府との顔繋ぎ、女性の人材登用、やることは山ほどあった。
このパラレル江戸時代の各家当主は、元が姫。刃渡り60~80センチの日本刀なんて興味がない。
形式上、武士を名乗っただけだ。
パラレル柳生宗矩は生き残ったのに、柳生家の才能ある子息は疫病で病没。
子供時代からの研鑽があり、なおかつ才能も必要という宗矩の剣術は誰も引き継げなかった。
家系の都合から、兵士の家を非力な女子が継いだが、個人技の研鑽なんてしていない。
集団戦では槍や薙刀のリーチがある武器を使った。
要人や地位がある家の男子護衛のメインは、短刀と体術を組み合わせた技術だった。
ここで勇太は、前世と全く違う扱いで歴史に名を残している人がいることを知った。
パラレル宮本武蔵と、その弟子で女性の宮本伊織である。
勇太が、こちらのネットで見たドラマの切り抜き動画に、こんなのがある。
かなり信憑性があると、歴史学者も保証している。
時は1627年。
パラレル武蔵は身長180センチ。当時としては大男。1584年生まれの中年男性。
対して疫病で倒れた弟同様に武芸の才能を買われ、5年前に武蔵の弟子になった伊織。
1610年生まれ。17歳のピチピチギャル。勇太の世界の歴史には登場しない148センチ。
「のう伊織、なぜ俺の二刀流は、世に受け入れられんのかの?」
黄昏時に、憂いを帯びた目で遠くを見る武蔵。
しかし、勇太の世界の宮本伊織と、こっちの世界の伊織はパラレルな関係にない。モノをずけずけ言うギャル。
「なに言ってんの師匠、無茶言わんで」
「無茶だと?」
「ほら~、アタイの細腕見てよ。師匠が持ってるオーバーサイズの2本の刀、片方だって自在に扱えないって」
「ぬ?」
「ぬ、じゃないって。疫病で生き残った男だって師匠みたくデカくて力持ちっていないでしょ」
「ぬぬぬ?」
「え、ガチに気付いてなかったの? 師匠の二刀流、やってみたい人はいるんだよ。けど、答えは真似できない~。残念!」
ガーンという顔になるパラレル武蔵。
武蔵はショックを受けた。
女子でも武芸の才能を感じて12歳の伊織を生まれた村から引き取った。ロリコンと言われるかと心配したら、村長に2つ条件を出された。
1つ目。伊織をいつか嫁にしてやること。
2つ目。男子が減った村に子種の提供。
武蔵はアラフォー世代なのに20人を越える村の女と閨を共にさせられた。
2ヶ月間の軟禁生活の間に、数えきれないくらいに精を放った。
剣の訓練をしようにも、剣どころか、ふんどしさえも取り上げられている。
朝起きたら、ご飯を運んできた後家さんと一発。飯食ったら、若い女が2人待ってて連続放射。
昼も晩も、同じパターン。
連れ合いを疫病で亡くした伊織の母ちゃんの相手もした。
約束になかったのに、近隣の村から20歳前後の女子か来て、100人くらい相手をさせられた気がする。
疫病が流行る寸前、剣術道場の吉岡一門と敵対した。100人くらいの門弟から命を狙われたときより辛かった・・
伊織と旅して5年経つ。噂が広まって、修行の支援をしてくれる女性がいる代わりに子種を求められる。
そこまでして育てた弟子に、あっさりダメ出しされた。
「師匠、現実見ようよ。せっかく作り上げた二刀流、時代に合わせて作り替えようよ」
伊織に提案された。
勇太の知る前世の伊織と違いすぎて違和感があるけど、この女の子はパラレル伊織ではない。
名前を引き継いだだけのギャル系な姉だ。
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