モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました

とみっしぇる

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140 文化祭2日目は海軍下士官

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文化祭初日が終わって帰宅した勇太だが、やっぱり暇ではない。2日目の仕込みがある。

柔道部、バドミントン部合同の海軍カフェ『蜃気楼』で飲み物と茶菓子を出したのだけど、茶菓子が足りなかった。

ぶっちゃけ、勇太の手作りクッキーが売れまくった。

現在は夜の12時。

疲れて10時に寝たのに女神印の回復力により2時間睡眠で全快。これから、クッキーを焼きまくる。

クッキーを誰が焼いたかなんて分からない。ごまかしてもバレないけど、勇太は律儀なのだ。

ゴブリンパンの勇太くん、という不本意な異名も取る勇太は、ゴブリンクッキーもリクエストされた。

そして、パラレル工業高校の女子がわざわざ金型を作って海軍カフェでプレゼントしてくれた。

早速作るはめになった。

まずは寝る前にシャカシャカと作った生地を焼いた。プレーン、ゆず味、チョコの3種類。

海軍カフェの『三等兵のクッキーセット』ではクッキー3枚とドリンクのセットで200円なり。

家には勇太専用のオーブンレンジも買った。

焼きながら次の生地作り。ひたすらにシャカシャカと焼き作業を繰り返して、300セットの出来上がり。

夜明け前に味噌汁を作って、梓の起床を待った。

「おはよ~、ユウ兄ちゃん」
「梓、おはよ~」

「わ、台所が甘い匂い。ありがとー」

「味噌汁も出来てるぞ」
「嬉しいー」

梓がベーコンエッグを作って、2人で簡単な朝食を取った。

勇太の味噌汁をネットに上げて自慢したいところだけど、先週やってクラスメイトはじめパラ高1年生を刺激してしまった。

今回は自重する梓だ。

◆◆

何だかんだとパラ高文化祭の2日目スタート。

海軍カフェの最初のお客さんには、勇太下士官が対応した。

前を向いて笑顔もなく、真剣な顔と口調。

「ようこそ上官どの、戦艦蜃気楼へ」

いきなりお客さんの顔が赤い。前日の光景をネットで見て、3つ隣の街から来た女の子3人組だ。

前の日に伊集院君の劇も終わり、勇太のところへ女の子が流れてきた。

今日は午後2時から、体育館で3年男子2人を含む7人バンドの演奏がある。

それが目玉だけど、前日の伊集院君が出たシンデレラほど期待されていない。

勇太も梓を通じて軽音楽部の女子に出演を打診された。そちらは丁重にお断りした。

実は、こっちの世界の歌がまともに歌えない。

気に入って聞いている曲はある。しかし最初から最後まで通して覚えてる曲がない。

勇太の前世の歌がこちらの世界で斬新なのと同様に、勇太からしても今世の歌に馴染んだものがない。

最近では風花&純子のために、前世の名曲を思い出す作業に時間を割いている。

それをふと思い出して人前で口ずさむことがある。だから作詞作曲の才能が飛び抜けていると勘違いされている。

それが前世名曲のパクりなんて誰も思わないから、打診してきた女の子は勇太が歌に精通していると思い込んでいる。

打診されたのは2週間前。そこから今世の歌を練習して形になるほど、転生勇太はハイスペックでもない。

軽音楽部には直接行って謝っておいた。


2日目の海軍カフェは全員が接客に慣れてきた。この世界で珍しい詰め襟学生服を着回し、みんなが男装の麗人風になると女の子の受けが良かった。

ルナも吹き出さず、演技ができるようになった。

本物の男性・勇太と一緒の写真をリクエストする子が一番多いが、次に梓へのリクエストが増えていった。

身長160センチで男性と見るなら小柄だけど、美形女子の男装には破壊力がある。

「ふわぁ~、エロカワ勇太君の1人目のお嫁さんだよね。なんか高1とは思えない雰囲気持ってる」
「すごくカッコいいよね」
「やっぱり、勇太君に抱かれているうちに・・」
「勇太君と梓ちゃんのBLプレイが見たい・・」

言われてみれば梓には色気がある。女性経験が二桁というのは伊達じゃない。

ルナも勇太とそういう関係になり色気が出てきた。カフェの男装姿で梓の次に人気がある。

ここにいないが、カオルは不思議がられている。

勇太、ルナ、梓と一緒に3月3日の4人婚が決まっている。

それなのに色気ゼロ。

カオルの入籍日予定日は知られているけど、梓の希望により入籍日まで処女を守ることは公開していない。

だからカオルがバリバリの処女だと知る人は少ない。

世間的には夜のカオルは、勇太を裸で押さえ込んだり、梓とルナに押さえ込まれたりしていると思われている。


海軍カフェの客足が途絶えず、勇太が休憩が取れないまま午後2時になった。

ほぼリーフカフェで働いているときと同じ状況だ。

残り1時間。逆算して、あと30人で打ち切らせてもらうことにした。

勇太の手作りクッキーも30セットを残して、販売希望の人に売ってしまった。

勇太の転生後初となる文化祭は、日常と同じく忙しく時間が過ぎた。



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