129 / 300
129 思わぬ人助け。だったらアリだね
しおりを挟む
大型投稿サイト『sotube』に勇太の動画を投稿して、収益を出してしまった女の子達がいる。
特にルナの友人でクラスメイトの足達リエコは、10万円なんてレベルではない金額になる見込み。
リエコはじめ、かなりの額を手にした女子が、勇太にお金を還元したいと言ってきた。
結論からいくと、勇太は投稿した本人に収益金を使ってもらうつもり。
だけど、まずまずの金銭が絡む。
ルナ、梓、カオルには権利放棄をしていいか相談することにした。
グループLIMEで、経緯と考えを知らせた。そして返事を待つ。
今はルナと2人だ。
「ルナはどう思う?」
「傷付けたらいけないから本人には言えないけど、特にリエコには収益金をそのまんま渡したい・・」
勇太は、優しい顔でルナを見ている。
事情は聞いている。ぶっちゃけ足達リエコはお金がない。
リエコは母2人、娘4人の家族構成の長女。
本来、娘は2人だった。
だけど育児放棄で保護された双子をリエコの親が引き取った。リエコとは年が7歳離れている。
この世界では、どうしても解決できない問題点なのだ。
女性同士の婚姻をして人工受精で子供を作る人は多い。だけど、本当に血が繋がっているのは夫婦の片方。
リエコの双子義妹のケースは生みの親が亡くなってしまった。
残った母親が悲しみから酒に溺れ、子供への愛情を途切れさせてしまった。
一夫多妻が当たり前になり400年。
同じ夫を持つ絆を大切に、他の妻の子供を大切に育てている人の方が多数派。
けれど血の繋がりがないということは、何かをきっかけに親子関係さえ崩壊しやすい。
勇太はリエコに、双子を引き取ったお母さん2人をどう思うか聞いたことがある。
するとリエコは迷わず、親2人を尊敬していると言った。早く働いて、両親や妹達の手助けをしたいそうだ。
けれどルナに聞くと、リエコは本当はパラレル総合芸術大学に行って、映像技術を学びたかったと漏らしたことがあるそうだ。
やっぱりネックは金銭面。
そうなると、最近の勇太の活動からしても応援したくなっている。
これが、生き返った勇太の本質なのかもしれない。
「勇太、梓とカオルからLIMEの返事返ってきたよ」
「どれどれ、梓は運良く稼げた人がお金をもらえばいいってか・・」
「え~と、カオルは茶薔薇学園の人に収益のこと聞かれたから、出演料代わりにラーメン奢ってくれって言ったってさ」
「ははは、カオルらしすぎ」
早くも結論は出た。
「ルナ、これからも、俺ら絡みの動画で同じことを言ってくれる人がいるよね」
「だよね~」
「儲かった人が自由に使ってって言いたいけど、どうしたらいいんだろう」
「・・いい方法あるよ」
「ふむ?」
◆
昼休みになって、朝の10人に空き教室に来てもらった。
そして、スマホやビデオカメラを勇太自身に向けて構えてもらった。
「勇太君、みんなスタンバイオッケーだよ」
「うう・・こっちから言い出したのに、改まってカメラに向かうと恥ずかしい」
やっぱりルナに背中をパンパンされて「ドンマイ」と言われている。
このイチャイチャシーンが、すでにネットに流れていることにルナは気付いていない。
足達リエコが合図して、来てくれた10人のアカウントで流してもらう動画を作る。
リアルタイムでも流している。
ガチガチの勇太が喋りだした。
「え、え~と、視聴者のみなさん、こんばんは。坂元勇太と言います」
「勇太まだ、こんにちはの時間だよ。頑張って」。ルナの突っ込みと励ましの声がいきなり入ってしまった。
「こほん。俺が絡む動画で出た収益のことに関して、複数のお話を聞きました」
息を吸ってしっかりカメラを見る。
「その利益を俺に還元したいと言ってくれる人がいるそうです。ありがたいお話ですが、お気持ちだけ受け取らせてもらいます。そのお金は、気にせずご自分でお使いください」
リエコが気付いた。実況中継のリエコチャンネル。
同接が、前触れなく始まった放送なのに100人を越えて、数が伸びている。
コメント欄も流れている。
『わ、勇太君やさし~』
『私も収益出てしまった人間です。いいんでしょうか』
『勇太君、自分のチャンネル作ってライブして下さい』
『そうだ!この収益を勇太君にスパチャしたい』
最後はリクエスト大会になってきた。
「では失礼します」
勇太がカメラに向かって礼をして撮影終了。
勇太は当面、自分のアカウントを作らないことにした。だけど月2回ほど配信を足立リエコのチャンネルを借りてやることにした。
収益のことを聞かれた。
リエコには映像技術の勉強をして、将来的には風花や純子の音楽プロモーションを作って欲しいと
お願いした。
ルナは勇太の行動に胸が熱くなるばかりだ。
特にルナの友人でクラスメイトの足達リエコは、10万円なんてレベルではない金額になる見込み。
リエコはじめ、かなりの額を手にした女子が、勇太にお金を還元したいと言ってきた。
結論からいくと、勇太は投稿した本人に収益金を使ってもらうつもり。
だけど、まずまずの金銭が絡む。
ルナ、梓、カオルには権利放棄をしていいか相談することにした。
グループLIMEで、経緯と考えを知らせた。そして返事を待つ。
今はルナと2人だ。
「ルナはどう思う?」
「傷付けたらいけないから本人には言えないけど、特にリエコには収益金をそのまんま渡したい・・」
勇太は、優しい顔でルナを見ている。
事情は聞いている。ぶっちゃけ足達リエコはお金がない。
リエコは母2人、娘4人の家族構成の長女。
本来、娘は2人だった。
だけど育児放棄で保護された双子をリエコの親が引き取った。リエコとは年が7歳離れている。
この世界では、どうしても解決できない問題点なのだ。
女性同士の婚姻をして人工受精で子供を作る人は多い。だけど、本当に血が繋がっているのは夫婦の片方。
リエコの双子義妹のケースは生みの親が亡くなってしまった。
残った母親が悲しみから酒に溺れ、子供への愛情を途切れさせてしまった。
一夫多妻が当たり前になり400年。
同じ夫を持つ絆を大切に、他の妻の子供を大切に育てている人の方が多数派。
けれど血の繋がりがないということは、何かをきっかけに親子関係さえ崩壊しやすい。
勇太はリエコに、双子を引き取ったお母さん2人をどう思うか聞いたことがある。
するとリエコは迷わず、親2人を尊敬していると言った。早く働いて、両親や妹達の手助けをしたいそうだ。
けれどルナに聞くと、リエコは本当はパラレル総合芸術大学に行って、映像技術を学びたかったと漏らしたことがあるそうだ。
やっぱりネックは金銭面。
そうなると、最近の勇太の活動からしても応援したくなっている。
これが、生き返った勇太の本質なのかもしれない。
「勇太、梓とカオルからLIMEの返事返ってきたよ」
「どれどれ、梓は運良く稼げた人がお金をもらえばいいってか・・」
「え~と、カオルは茶薔薇学園の人に収益のこと聞かれたから、出演料代わりにラーメン奢ってくれって言ったってさ」
「ははは、カオルらしすぎ」
早くも結論は出た。
「ルナ、これからも、俺ら絡みの動画で同じことを言ってくれる人がいるよね」
「だよね~」
「儲かった人が自由に使ってって言いたいけど、どうしたらいいんだろう」
「・・いい方法あるよ」
「ふむ?」
◆
昼休みになって、朝の10人に空き教室に来てもらった。
そして、スマホやビデオカメラを勇太自身に向けて構えてもらった。
「勇太君、みんなスタンバイオッケーだよ」
「うう・・こっちから言い出したのに、改まってカメラに向かうと恥ずかしい」
やっぱりルナに背中をパンパンされて「ドンマイ」と言われている。
このイチャイチャシーンが、すでにネットに流れていることにルナは気付いていない。
足達リエコが合図して、来てくれた10人のアカウントで流してもらう動画を作る。
リアルタイムでも流している。
ガチガチの勇太が喋りだした。
「え、え~と、視聴者のみなさん、こんばんは。坂元勇太と言います」
「勇太まだ、こんにちはの時間だよ。頑張って」。ルナの突っ込みと励ましの声がいきなり入ってしまった。
「こほん。俺が絡む動画で出た収益のことに関して、複数のお話を聞きました」
息を吸ってしっかりカメラを見る。
「その利益を俺に還元したいと言ってくれる人がいるそうです。ありがたいお話ですが、お気持ちだけ受け取らせてもらいます。そのお金は、気にせずご自分でお使いください」
リエコが気付いた。実況中継のリエコチャンネル。
同接が、前触れなく始まった放送なのに100人を越えて、数が伸びている。
コメント欄も流れている。
『わ、勇太君やさし~』
『私も収益出てしまった人間です。いいんでしょうか』
『勇太君、自分のチャンネル作ってライブして下さい』
『そうだ!この収益を勇太君にスパチャしたい』
最後はリクエスト大会になってきた。
「では失礼します」
勇太がカメラに向かって礼をして撮影終了。
勇太は当面、自分のアカウントを作らないことにした。だけど月2回ほど配信を足立リエコのチャンネルを借りてやることにした。
収益のことを聞かれた。
リエコには映像技術の勉強をして、将来的には風花や純子の音楽プロモーションを作って欲しいと
お願いした。
ルナは勇太の行動に胸が熱くなるばかりだ。
62
お気に入りに追加
268
あなたにおすすめの小説
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
男女比1/100の世界で《悪男》は大海を知る
イコ
ファンタジー
男女貞操逆転世界を舞台にして。
《悪男》としてのレッテルを貼られたマクシム・ブラックウッド。
彼は己が運命を嘆きながら、処刑されてしまう。
だが、彼が次に目覚めた時。
そこは十三歳の自分だった。
処刑されたことで、自分の行いを悔い改めて、人生をやり直す。
これは、本物の《悪男》として生きる決意をして女性が多い世界で生きる男の話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる