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115 勇太、嫁、嫁、部外者の柔道対決

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柔道連盟のPRモノの録画撮り。

気軽な企画で勇太、ルナ、カオルの婚約者3人で試合が始まりそうだった。

ここからは他の部活の見物人も増えてきたが、余計な人も来た。

呼ばれていない不知火マイコが北海道からやってきた。

「勇太君の嫁対決なら、私も参戦すべきでしょう。ほほほ」

「上からモノ言う訳じゃないけど、不知火さんって勇太のファミリーと無関係だよな」

さすがに正論を言うカオルだ。

「不知火さんって男前キャラから、ヘンテコ悪役令嬢にモデルチェンジしてますよ~」

辛辣なルナである。

「な、なによ、私だけのけものにして~」

目に涙を浮かべ、ガチで泣きそうになった不知火マイコ。慌てた勇太が出演をOKしてしまった。

企画側も笑えるんじゃね?くらいのノリで柔道対決は不知火を入れて続行となった。

1試合目はカオルVS不知火。

インターハイ63キロ級の再戦だが、開始1分で不知火の内股炸裂。

左腕の療養に3週間かかり、まだ完調ではないカオル。一流同士の対決で歯が立たなかった。

「ほほほ。カオル、これが愛の力よ」
「くっ」

「カオル、左側から落ちたろ。念のために左腕見せてみろ」
「・・いいよ。負けたのは練習不足の影響さ」

「ほら、意地張るなよ」

「あっ・・」


カオルは勇太に左腕をまくられ、勇太とルナに触診されている。そして最後に勇太に立たされ、背中をポンポンされた。

「よし。大丈夫だな」
「あ、ああ。あんがとよ」

真っ赤な顔のカオル。笑う勇太とルナ。

不知火は、なんだか愛の力に負けた気分だ。


2試合目は勇太VSルナ。

ルナが背負い投げで有効1つ。優勢勝ち。


3試合目は勇太VSカオル。

「行くぞ、カオル」
「来い勇太!」

開始1分半で勇太を投げて、カオルが押さえ込んだが・・

「・・あれ?」

カオルは、勇太と初めての寝技だと気付いた。立ち技の練習は散々したが、投げたら終わりだった。

普段なら勇太相手でも柔道に集中できるけど、今回は『婚約者対決』の録画撮り。気持ちが少し緩んでいる。

勇太の首に手を回したら、インターハイのあとにキスしたときを思い出して顔が真っ赤。

力が緩んだ。

隙を見逃さず、勇太が脱出して逆にカオルを深めの上四方固めで押さえ込んだ。

勇太と逆さまの形で、腰を掴まれてのし掛かられている。勇太の顔が自分のお腹より下にある。

そして勇太のはだけた腹筋が頬に付いている。

こら、ギャラリー女子、シ●クスナ●ンなんて言わないように。きちんとした寝技です。

「ふぎゅるぅ~~」

カオル、力が抜けてダウン。勇太の甘いロックを解けなかった。

反則気味だが勇太が勝った。


4試合目はルナVSぼ~っとしたカオル。

力が抜けたままのカオルが、ルナの足払いで倒れた。

ぱたり・・・

男子免疫が少ないカオルは、54キロ級地区予選で敗退のルナに10秒で負けた。

「ほらカオル、正気に戻って、ちゅっ」
「は?」

「愛してるよ」
「お、おう・・アタイも・・」

最近、積極的になってきたルナからほっぺにチュッとされて、またもドギマギだ。

連盟のカメラマンが親指を立てている。


5試合目は勇太VS不知火マイコ

試合はあっさり終わった。

普段はキリっとした不知火だが、男子免疫のなさはカオルどころじゃない。

いや、男子に避けられる男前キャラだから、勇太とカオルの試合を目の前で見てから、ドッキドキだった。

真っ赤な顔でプルプルしている。

「行きます不知火さん!」

「え・・わ、私もイキそうです・・」

女神印の響く声と、言葉の脳内エロ変換。組む前から、腰から力が抜けた。

腰砕けの不知火は、勇太に柔道着を掴まれて脱力した。

後ろに倒れただけの不知火の動きを引き込み技だと思った勇太は、思い切り不知火にのしかかった。

「はわわわ~~」

完全に抱き合って寝転がっただけ。・・にしか見えない。

勇太が押さえ込み30秒の1本勝ち。


ラストは、ルナVS失神しかけの不知火。

ぼ~っとしている不知火にルナが近付いて、足を引っ掻けて押した。

ぱたり・・・

音もなく不知火が倒れて全試合が終了した。


「あれ?この勝敗って・・」
「企画モノとはいえ、花木ルナさんが・・」

ルナが3勝ゼロ敗。
勇太2勝1敗。
不知火1勝2敗。
カオルゼロ勝3敗。

勇太が弱らせた獲物2匹が復活しないうちに、ルナがトドメを刺した。ルナがインターハイ63キロ級の優勝、準優勝に勝ってしまった。


「さすがルナ部長」
「勇太先輩が絡むとジャイアントキリングの連続っすね」
「・・愛の力」

いや、エロの力だ。

不知火マイコは、負けたけど幸せだ。

押さえ込みの時間が30秒でなく30分ならいいのにと思っている。

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