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99 合宿終了と今後の方針

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合宿最終日の朝5時半。3時半から食事を準備している勇太を、柔道部員が手伝おうとした。

ルナを除く8人全員だ。

勇太からすれば、ただ食事をふるまっただけだが、部員からしたら違った。

合宿初日の昼と夜、2日目の3食。5食連続で勇太100パーセントの男子メシを食べている。

女子連中の友人、知人から、ふざけるなの連絡が殺到。

逆に、このチャンスに勇太の胃袋をつかめとか、印象を良くしろといったアドバイスも送られてきている。

そんな裏事情を勇太は知らない。

「気にしないでいいよー。俺がやりたくてやってるんだから」

「いえ、そんな訳にいかないっす」
「貴重な男の人にここまでしてもらったらヤバいです。1回くらい休んでて下さい」
「我、有罪」

マルミ、タマミ、キヨミが訴えてきた。キヨミは泣き真似をしている。

「サンキューみんな」

キヨミを軽くハグしながら、上半身はタンクトップだけの勇太が言った。
部員は、キヨミの立ち回りをしっかり学ぼうとしている。

ルナだけは、まだ寝ている。平常運転だ。

「あ、そうだ。今朝はパンも焼いたんだ。そっちも食べる?」

今日の献立はハムエッグと卵スープの予定だけど、まだ早い。

その前に、コーヒーと勇太パンを食しながら談笑タイムとなった。

「ああ、おいしいです~」
「早起きしてよかった~。最高」

「あれ?」
「あっ」
「はれれ?」

「・・・って違うよ、みんな」
「そうだった!」

「ちょっとぉ~。私達、結局は手伝わずに、おもてなしされてる」
「パンはおいしいし、勇太先輩は目の保養だし、柔道部ってなんなの」
「勇太先輩の追加攻撃、優しくて激しすぎ」

「この幸運の反動で、帰りに事故にあうのでは・・」

物騒なことを口に出す1年3組ハラダヒマワリだった。



午前中の練習を早めに切り上げて、合宿所の掃除。勇太が最後のご飯を作って食べた。そののち解散の時間となった。

「みなさん、お疲れさまでした」

「ルナ部長、勇太先輩、ありがとうございました!」

こののち、勇太が柔道部にいることで多くの影響があるため、今後の方針をルナと勇太から話すことになった。

「ええと勇太に対して、柔道連盟から色々と仕事の打診が来てるの」

「あ、知ってますよ~」
「インターハイで、とにかく柔道が切り抜かれてましたもんね」

「勇太先輩は、世界柔道のゲスト解説をするかもなんですよね」
「外国人選手が表彰式のプレゼンテーターを熱望とかって話でしたよ~」

それで、秋のパラレル市近郊地域の新人戦が始まる前に、連盟のプロモーションなど、PRモノを作りたいという提案。

早くもスポンサーも付いていて、世界柔道の前に民放で流れる予定だそうだ。

それに勇太と、パラ高柔道部も出演して欲しいそうだ。

「え?茶薔薇学園とか名門高とのコラボじゃなく?」
「うん。進学校の、体育館の一画を借りた自然な部活シーンだって」

普通の初心者もいる、勇太のリアルが欲しいそうだ。

「わ、私達まで・・・」
「出演オッケー」

三つ子の中のキヨミが立ち上がっている。

「サンキューキヨミ」
「貸しイチ」

どんどん図々しくなる、キヨミである。

「ありがとうキヨミ。私も恥ずかしいけど、勇太のためになるなら参加するよ」

ルナの返答に勇太は満面の笑顔。そしてーー

恐らく無意識に、勇太はルナの肩を抱いて頬にちゅっとした。

「ゆ、勇太・・」
「あ・・」

勇太は部員の前で、やってしまった。

ルナの顔が真っ赤。勇太は照れているが、2人の雰囲気がいい。

何を見せられた。いや、なんだこのルナ部長の幸せそうな照れ顔。部員達は、勇気を出して出演にOKを出した。

勇太の嫁と彼女で合わせて、まだ3人。美女は梓だけ。

他のハーレムメンバーのように美人でなくても、一生懸命なルナを勇太は愛している。

自分達のような平凡顔やブスでも頑張れば、ルナやカオルのように愛されるチャンスがあるのでは。

そんな夢を見てしまう。




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