87 / 254
87 男子の密集地帯と過疎化現象
しおりを挟む
東京見物をしているうちに、帰る時間が近づいてきた。
見たいところは、パラレル秋葉原から短時間で行ける範囲にない。そこで執事カフェでお勧めされた店に行くことにした。
パフェが売りの店だが、男子同伴限定店。
男女比1対12で強気すぎと思ったが、都会だから成り立つ商売だった。
紹介されたお店に入ると、40人くらいお客さんがいた。ただし、グループとしては6つ。
お店には長袖のシャツを着たハンサム男子が6人。そこに4~10人くらいのハーレムメンバーが一緒にいる。
勇太は、たまにならこういうのもいいと思った。女子は多いけど、みんな自分の群れの男子だけを見ている。
知らない女子には注目されないから、男子の気分が落ち着くのだ。
勇太が転生して約3か月。いつも女子に注目されてきたが、昨日まで3日間のインターハイ会場での視線は尋常ではなかった。
自分で考えていた以上に気疲れしていたようだ。
「ルナ、こういうとの初めて?」
「男の子に連れてきてもらわないと入れない店なんて、縁がないと思ってたもん。初体験~」
そうしていると、この中では少ない4人の女子を連れた男子に話かけられた。
「ご、ごめんね、急に。僕はナラシノ秋。君ってネットで見かけるカフェ店員の坂元さんですよね」
「あ、そうですよ~」
「女性の中に混じって仕事をするって、勇気があるよね。羨ましい」
勇太は、こう言われるのは何となく分かった。梓やルナに色々と予備知識をもらっていた。
秋君は青森県の田舎出身の20歳。
性格は地味らしいが、勇太から見ても中性的で色白のハンサム。
小3くらいから美貌が特に目立ってきて、何度も知らない女性に声をかけられたらしい。
田舎となると男子などゼロ地域もある。ある時から身の危険も感じるようになった。ヤンキー女子にまとわりつかれたこともある。
3人の母親と相談して防犯体制が整っているパラレル青森市に移ったが、市街地の規模が小さいから防犯有効範囲が狭い。
うっかり郊外を1人で歩いていて、特攻服を着た女子数人にいきなり手を捕まれた。
その時、通りかかった4人の空手女子に助けられ難を逃れた。
2歳年上の彼女4人とは、その時からの付き合い。普段から護衛役をしてくれた。
東京には17歳で出てきた。イラストの勉強を希望した。
東京を選んだのは、男子保護の防犯体勢が広範囲で整っている。どこよりも男子が住みやすいから。
空手女子4人はみんな顔に自信もない。身を引く気だった。
しかし秋君の方から正式な交際を申し込み、一緒に東京に来た。常に誰かが付いていてくれる。
言い方は悪いが、横にいる4人もゴツイ。対して他のグループの取り巻き女子は、みんな華やかだ。
しかし秋君は長い経験のせいで大半の女子が怖い。
美女でも危険な人にばかり接してきた彼は、本気で自分を守り続けてくれた4人の女性が好きになり、先月5人で入籍したそうだ。
「へえー、そういう彼女の選び方をする人もいるんだな」
とは返事した勇太だが、奇しくも自分の真横にいるルナが柔道の有段者じゃねえかと気付いた。
現時点では勇太よりも強い・・
ルナは、秋君の彼女達と話している。
『まさかの』モテる男子ゲットというとこで、共通点がある。
「とっても幸せですよ」
「まさか、私達に秋君が交際を申し込んでくれるとは思わなかった」
「ルナちゃんは、ネットのホットランキングによく出てるよね」
「あ、あはは。私も勇太が良くしてくれるのが、今でも不思議ですね~」
ルナはルナで、共感できるお姉様がたと談笑していた。LIME交換もした。
余談ではあるが、かつては日本政府だけでなく、各国の問題点に男子の都会への集中化があった。
防犯カメラ、スマホが充実する前は、ボディーガードが男子を守ってきた。
田舎よりも都会の方が人材が集まりやすかったし、男子のコミュニティーを作って複数女子に住処を守ってもらうこともあった。
ただそれだと、男子が都会に集中して田舎で子供が産まれなくなると懸念された。
かつて江戸幕府の将軍・徳川家綱子制定した『男子貸与の心得』では、身分が低い家に産まれた男子は多数の農村にレンタルされまくった。
なんとなく、昔の人も近親結婚を重ねると子孫が危険なのは分かっていた。
だから、かなり離れた幾つかの村で男子数人がシェアされ、数年ごとに移動させられ、子供を作らされまくった。
そういう切羽詰まった理由から、遺伝子研究は勇太の前世よりも発展している。
今現在は、その心配はない。
人工授精の技術があるため、男子が住んでいない街にいても女子は子供は産める。
だから男子がどこに移動しても、文句は出ない。
あとは、女子の感情の問題である。
秋君とはLIME交換して別れた。2人目の同性友人ができるかも知れない。
ルナと2人でパフェを堪能して、大急ぎで東京駅からリニアに飛び込んだ。
「ごめんなルナ、ちょっと執事カフェやパフェの店で時間食い過ぎた」
ルナはにこにこしている。
「勇太・・」
「なに」
「楽しかったね」
それで十分だった。
見たいところは、パラレル秋葉原から短時間で行ける範囲にない。そこで執事カフェでお勧めされた店に行くことにした。
パフェが売りの店だが、男子同伴限定店。
男女比1対12で強気すぎと思ったが、都会だから成り立つ商売だった。
紹介されたお店に入ると、40人くらいお客さんがいた。ただし、グループとしては6つ。
お店には長袖のシャツを着たハンサム男子が6人。そこに4~10人くらいのハーレムメンバーが一緒にいる。
勇太は、たまにならこういうのもいいと思った。女子は多いけど、みんな自分の群れの男子だけを見ている。
知らない女子には注目されないから、男子の気分が落ち着くのだ。
勇太が転生して約3か月。いつも女子に注目されてきたが、昨日まで3日間のインターハイ会場での視線は尋常ではなかった。
自分で考えていた以上に気疲れしていたようだ。
「ルナ、こういうとの初めて?」
「男の子に連れてきてもらわないと入れない店なんて、縁がないと思ってたもん。初体験~」
そうしていると、この中では少ない4人の女子を連れた男子に話かけられた。
「ご、ごめんね、急に。僕はナラシノ秋。君ってネットで見かけるカフェ店員の坂元さんですよね」
「あ、そうですよ~」
「女性の中に混じって仕事をするって、勇気があるよね。羨ましい」
勇太は、こう言われるのは何となく分かった。梓やルナに色々と予備知識をもらっていた。
秋君は青森県の田舎出身の20歳。
性格は地味らしいが、勇太から見ても中性的で色白のハンサム。
小3くらいから美貌が特に目立ってきて、何度も知らない女性に声をかけられたらしい。
田舎となると男子などゼロ地域もある。ある時から身の危険も感じるようになった。ヤンキー女子にまとわりつかれたこともある。
3人の母親と相談して防犯体制が整っているパラレル青森市に移ったが、市街地の規模が小さいから防犯有効範囲が狭い。
うっかり郊外を1人で歩いていて、特攻服を着た女子数人にいきなり手を捕まれた。
その時、通りかかった4人の空手女子に助けられ難を逃れた。
2歳年上の彼女4人とは、その時からの付き合い。普段から護衛役をしてくれた。
東京には17歳で出てきた。イラストの勉強を希望した。
東京を選んだのは、男子保護の防犯体勢が広範囲で整っている。どこよりも男子が住みやすいから。
空手女子4人はみんな顔に自信もない。身を引く気だった。
しかし秋君の方から正式な交際を申し込み、一緒に東京に来た。常に誰かが付いていてくれる。
言い方は悪いが、横にいる4人もゴツイ。対して他のグループの取り巻き女子は、みんな華やかだ。
しかし秋君は長い経験のせいで大半の女子が怖い。
美女でも危険な人にばかり接してきた彼は、本気で自分を守り続けてくれた4人の女性が好きになり、先月5人で入籍したそうだ。
「へえー、そういう彼女の選び方をする人もいるんだな」
とは返事した勇太だが、奇しくも自分の真横にいるルナが柔道の有段者じゃねえかと気付いた。
現時点では勇太よりも強い・・
ルナは、秋君の彼女達と話している。
『まさかの』モテる男子ゲットというとこで、共通点がある。
「とっても幸せですよ」
「まさか、私達に秋君が交際を申し込んでくれるとは思わなかった」
「ルナちゃんは、ネットのホットランキングによく出てるよね」
「あ、あはは。私も勇太が良くしてくれるのが、今でも不思議ですね~」
ルナはルナで、共感できるお姉様がたと談笑していた。LIME交換もした。
余談ではあるが、かつては日本政府だけでなく、各国の問題点に男子の都会への集中化があった。
防犯カメラ、スマホが充実する前は、ボディーガードが男子を守ってきた。
田舎よりも都会の方が人材が集まりやすかったし、男子のコミュニティーを作って複数女子に住処を守ってもらうこともあった。
ただそれだと、男子が都会に集中して田舎で子供が産まれなくなると懸念された。
かつて江戸幕府の将軍・徳川家綱子制定した『男子貸与の心得』では、身分が低い家に産まれた男子は多数の農村にレンタルされまくった。
なんとなく、昔の人も近親結婚を重ねると子孫が危険なのは分かっていた。
だから、かなり離れた幾つかの村で男子数人がシェアされ、数年ごとに移動させられ、子供を作らされまくった。
そういう切羽詰まった理由から、遺伝子研究は勇太の前世よりも発展している。
今現在は、その心配はない。
人工授精の技術があるため、男子が住んでいない街にいても女子は子供は産める。
だから男子がどこに移動しても、文句は出ない。
あとは、女子の感情の問題である。
秋君とはLIME交換して別れた。2人目の同性友人ができるかも知れない。
ルナと2人でパフェを堪能して、大急ぎで東京駅からリニアに飛び込んだ。
「ごめんなルナ、ちょっと執事カフェやパフェの店で時間食い過ぎた」
ルナはにこにこしている。
「勇太・・」
「なに」
「楽しかったね」
それで十分だった。
53
お気に入りに追加
252
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる