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88 カオルのお母さんと、お母さんに挨拶
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パラレル市に勇太とルナも帰ってきた。
4日間の東京遠征の直後。だけど8月6日は勇太、ルナ、梓でカオルの家に行くことに決めていた。
カオルと結婚の約束をしたし、カオルの4人のお母さんに挨拶に行く。
夕方の6時で時間調整をしてもらった。
カオルの左腕の怪我は、前日の精密検査で後遺症の心配なし。ただし全治3週間で軽傷ともいえないので、最低でも1週間は練習もせず安静と厳命されたそうだ。
カオルは絶対に言いつけを守れない。監視役を梓が買って出た。
6日の勇太はリーフカフェを早めに切り上げさせてもらったが、十分に活動した。
夜は日付が6日に変わった12時に就寝して1時に起床。
2時から特殊夜勤明けのキミカら看護師3人とファミレス。
今更だが特殊夜勤とは、男子の精子提供に絡む仕事。男子に人目を気にするやつが多いので、真夜中にこっそり提供する制度がある。24時間稼働だ。
朝4時から7時までパンのウスヤでお手伝い。
7時半からパラ横商店街で集まってくれた子供の前で純子、麗子と一緒にパンの歌。ついでにリクエストされた童謡を歌ってリーフカフェへ。
数日ぶりに出勤した勇太を見に来た女性客に笑顔で対応しながら、午後4時まで働いた。
「お待たせ勇太」
「ルナ、疲れは少しくらい取れた?」
勇太はルナと合流して、カオルと梓が待つ、カオルの家に行った。
今日の勇太はネクタイ着用だ。
◆
カオルの家では歓迎された。
カオルを産んだ麻季お母さん39歳だけ小柄で可愛らしい。
他の3人のお母さんはみんなスポーツマンだったと予想できる風貌。
姉妹も都合がつかいない2人だけ欠席で、4人が同席している。みんなガタイがいい。
「坂元勇太さんね。カオルから聞いております」
「はい、カオルさんとの結婚を認めていただきに参りました」
ほおおーとカオルのお母さん方や、姉妹から声が上がった。産んだ麻季母さんは、まだ冷静だ。これには訳がある。
「では失礼ですが、坂元さんの出生番号カードを見せていただいても、よろしいですか」
「はいどうぞ」
「カオルも貸して」
「ほい、母ちゃん。一応は勇太と確認したけど、その目で確かめてくれ」
これは簡単に言えば、カオルと勇太が異母兄弟ではないかの確認だ。ルナのときにも確かめた。
『出生番号』カード。勇太の前世のマイナンバーカードに近いものだが、絶対に前世なら付いていない記述がある。
重婚ありの世界で、人工授精技術が増えたあとの問題を解消するためだ。
カードには、数字と4つのアルファベットでランダム構成した15桁で個人番号を表記。
その中で最初のアルファベットと3番目のアルファベットの間に、必ず5つの数字が入っている。
勇太の場合は『673F321A19P5K58』。
勇太は人口受精児。そしてカオルも人工授精児。そして今回、問題となるのは『F321A19P』の部分。
もしもカオルも問題の部分が『F321A19P』だった場合は、精子を提供した男性が一緒だったということになる。
一致してしまったら、勇太とカオルは腹違いの兄姉である。
結婚したくても、役所の審査は通らない。遺伝子的2親等として扱われる。
番号が一致すると、子供を作らない同性婚でも結婚禁止となる部分に、改善すべきという声もある。
麻季母さんが、勇太とカオルの番号を確認して笑顔になった。
カオルは『2Y34B814J56P582』問題の部分はY34B814Jだ。勇太とは一致しない。
「はい、問題はありませんね。勇太さん、梓さん、ルナさん、カオルのことを末永く愛してやって下さい」
「はい。ルナ、梓とともにいい家庭を作っていけるように、努力します」
「良かったねカオル。こんなにきちんと挨拶してもらえて・・」
麻季母さんが、涙ぐんでいる。
が、しんみりもそこまで。なんせ、アグレッシブにしか見えない女子がたくさんいる。
今ここにいるカオルの姉妹は上から26歳、20歳、19歳、13歳。
「梓ちゃん、勇太君のお嫁さんは何人まで増やすの」
「カオルちゃん、全国ネットのテレビでプロポーズされてたよ、勇太君ってすごいー」
「ルナさん、伊集院君にも告白されたんでしょ、モテる秘訣を教えて」
「勇太お兄ちゃんは、13歳でも守備範囲ですか」
中1のサリナちゃんまで攻めの姿勢を見せている。
勇太は今回も、ルナの母親に挨拶したときのように、女神のいたずらを疑っている。
今、カオルを産んでいない史子母さん29歳と握手をしている。
どう見ても、前世の今川薫の母親はこの、南国系で目がぱっちりした女性だ。確か30歳でカオルを産んでいた。
だけどパラレルカオルを産んだのは、カオルとは似ていない女性。だけど名前は勇太も覚えがある麻季さん。
目の前で色白な麻季さん、カオル&史子さんの色黒でそっくりなコンビで並んでいる。
カオルのパラレルな母親は、名前パラレルと見た目パラレルで分離していた。
手が込んでいるぞ、女神。
4日間の東京遠征の直後。だけど8月6日は勇太、ルナ、梓でカオルの家に行くことに決めていた。
カオルと結婚の約束をしたし、カオルの4人のお母さんに挨拶に行く。
夕方の6時で時間調整をしてもらった。
カオルの左腕の怪我は、前日の精密検査で後遺症の心配なし。ただし全治3週間で軽傷ともいえないので、最低でも1週間は練習もせず安静と厳命されたそうだ。
カオルは絶対に言いつけを守れない。監視役を梓が買って出た。
6日の勇太はリーフカフェを早めに切り上げさせてもらったが、十分に活動した。
夜は日付が6日に変わった12時に就寝して1時に起床。
2時から特殊夜勤明けのキミカら看護師3人とファミレス。
今更だが特殊夜勤とは、男子の精子提供に絡む仕事。男子に人目を気にするやつが多いので、真夜中にこっそり提供する制度がある。24時間稼働だ。
朝4時から7時までパンのウスヤでお手伝い。
7時半からパラ横商店街で集まってくれた子供の前で純子、麗子と一緒にパンの歌。ついでにリクエストされた童謡を歌ってリーフカフェへ。
数日ぶりに出勤した勇太を見に来た女性客に笑顔で対応しながら、午後4時まで働いた。
「お待たせ勇太」
「ルナ、疲れは少しくらい取れた?」
勇太はルナと合流して、カオルと梓が待つ、カオルの家に行った。
今日の勇太はネクタイ着用だ。
◆
カオルの家では歓迎された。
カオルを産んだ麻季お母さん39歳だけ小柄で可愛らしい。
他の3人のお母さんはみんなスポーツマンだったと予想できる風貌。
姉妹も都合がつかいない2人だけ欠席で、4人が同席している。みんなガタイがいい。
「坂元勇太さんね。カオルから聞いております」
「はい、カオルさんとの結婚を認めていただきに参りました」
ほおおーとカオルのお母さん方や、姉妹から声が上がった。産んだ麻季母さんは、まだ冷静だ。これには訳がある。
「では失礼ですが、坂元さんの出生番号カードを見せていただいても、よろしいですか」
「はいどうぞ」
「カオルも貸して」
「ほい、母ちゃん。一応は勇太と確認したけど、その目で確かめてくれ」
これは簡単に言えば、カオルと勇太が異母兄弟ではないかの確認だ。ルナのときにも確かめた。
『出生番号』カード。勇太の前世のマイナンバーカードに近いものだが、絶対に前世なら付いていない記述がある。
重婚ありの世界で、人工授精技術が増えたあとの問題を解消するためだ。
カードには、数字と4つのアルファベットでランダム構成した15桁で個人番号を表記。
その中で最初のアルファベットと3番目のアルファベットの間に、必ず5つの数字が入っている。
勇太の場合は『673F321A19P5K58』。
勇太は人口受精児。そしてカオルも人工授精児。そして今回、問題となるのは『F321A19P』の部分。
もしもカオルも問題の部分が『F321A19P』だった場合は、精子を提供した男性が一緒だったということになる。
一致してしまったら、勇太とカオルは腹違いの兄姉である。
結婚したくても、役所の審査は通らない。遺伝子的2親等として扱われる。
番号が一致すると、子供を作らない同性婚でも結婚禁止となる部分に、改善すべきという声もある。
麻季母さんが、勇太とカオルの番号を確認して笑顔になった。
カオルは『2Y34B814J56P582』問題の部分はY34B814Jだ。勇太とは一致しない。
「はい、問題はありませんね。勇太さん、梓さん、ルナさん、カオルのことを末永く愛してやって下さい」
「はい。ルナ、梓とともにいい家庭を作っていけるように、努力します」
「良かったねカオル。こんなにきちんと挨拶してもらえて・・」
麻季母さんが、涙ぐんでいる。
が、しんみりもそこまで。なんせ、アグレッシブにしか見えない女子がたくさんいる。
今ここにいるカオルの姉妹は上から26歳、20歳、19歳、13歳。
「梓ちゃん、勇太君のお嫁さんは何人まで増やすの」
「カオルちゃん、全国ネットのテレビでプロポーズされてたよ、勇太君ってすごいー」
「ルナさん、伊集院君にも告白されたんでしょ、モテる秘訣を教えて」
「勇太お兄ちゃんは、13歳でも守備範囲ですか」
中1のサリナちゃんまで攻めの姿勢を見せている。
勇太は今回も、ルナの母親に挨拶したときのように、女神のいたずらを疑っている。
今、カオルを産んでいない史子母さん29歳と握手をしている。
どう見ても、前世の今川薫の母親はこの、南国系で目がぱっちりした女性だ。確か30歳でカオルを産んでいた。
だけどパラレルカオルを産んだのは、カオルとは似ていない女性。だけど名前は勇太も覚えがある麻季さん。
目の前で色白な麻季さん、カオル&史子さんの色黒でそっくりなコンビで並んでいる。
カオルのパラレルな母親は、名前パラレルと見た目パラレルで分離していた。
手が込んでいるぞ、女神。
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