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38 意外と真実に近付いた女子会
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難を逃れたとはいえ、梓が怖い目にあったばかり。このまま梓を帰らせるのも良くない。
リーフカフェに引き返したとき、ルナが店に飛び込んできた。
「梓、カオル、見てた人に連絡もらって飛んできたの。怪我してない?」
「お、ルナも来てくれたんだ」
「大丈夫だぞー」
「ルナさん、ご心配おかけしました」
リーフカフェは勇太がお目当ての客で、まだまだ混んでいる。
勇太はシャツを着替えて業務に戻った。
今、リーフカフェの従業員控室。ルナ、カオル、梓の女子会が開かれている。勇太効果のせいで、店内に空席はないのだ。
オーナー葉子の厚意で飲み物を用意してもらった。
今の3人は温度差がある。悪い意味ではない。
ルナは冷静。
梓とカオルは油断すると、勇太の姿を思い出して放心してしそうになる。
自分達のために勇太が男の闘争本能を解放した。
熱気のようなものが伝わってきたままだ。梓もカオルも濡れている。
カオルは顔が熱くなりすぎて、ストローで思い切りアイスコーヒーを吸い込んだ。
そのときルナが、カオルに聞いた。
「カオルも勇太と結婚するよね。勇太とセック●するよね」
ぶほっと、カオルはコーヒーを吹いた。
「ごへっ、げほっ、げほっ」
そう、ルナはストレートなのだ。
梓がカオルの背中をさすって、ようやく落ち着いた。
「けほっ、けほっ。ルナ、アタイは勇太の嫁とか大それたこと考えてねえぞ。柔道漬けの人生と思ってるしよ」
「ダメだよ、早く勇太の彼女を増やさないといけないんだから・・」
梓の方針と真逆である。
「なんで、ルナさん?」
「昨日・・勇太と2度目のアレに突入したんだけど」
カオルが眼をひんむいている。
「普通の男子って、ソーニューして3分が普通。コトを始めて全部の時間を合わせて、長くても20分、1回のみって聞いてたんだけど・・」
梓も、カオルもあわあわしている。
「初めてだった保健室のときと違って時間あったから、勇太が満足するまでいいよって言ったの・・。そしたら、5時間くらい、立て続けに、あんなことや、こんなことを・・」
ルナが、あんなことや、こんなことを、ボディーランゲージで教えている。
美容体操?ヨガのポーズ?それを勇太の前で裸で?カオル、理解が追い付かない。
梓も動揺しているけど、勇太の無尽蔵の体力には心当たりがある。
ネットで勇太の行動をチェックして、すでに異常性に気づいている。
休んでないのだ。
今日が日曜日。金曜日からここまでの勇太の行動を思い返した。
金曜日は朝6時から走って、午前9時にはリーフカフェに現れて仕事。
フルタイムで働いたあと、夜9時に家でご飯を食べて自分とイチャイチャして12時前に自室に帰った。
部屋に忍び込んで眠ったとこも確認して、ついでにキスした。
なのに日付けが変わって土曜の午前2時、つまり2時間後には勇太が街に出没。7時に自分達と走って朝ごはん。9時過ぎから夜8時までカフェでフルタイムの仕事。
その直後からルナとデートしてエッ●で午前4時。朝7時にルナと一緒に家を出た。そして朝9時からカフェに仕事に来て、現在が午後5時。
体力オバケである。
ルナが顔を赤くして梓を見る。
「私、朝方まで勇太とセ●クスして疲れきって、さっきまで寝てたの。梓とカオルも勇太のセッ●スの相手してくれないと。私1人じゃ勇太の全部を受け止めきれない」
ストレートなルナの、赤裸々すぎる告白である。
さすがの梓も絶句した。
そしてカオルはフリーズしたままだ。
「アタイも嫁って・・」
「そうだよ、きっとカオルのことも勇太は大事に考えてるよ」
もうここまでくれば、ルナも謙遜なんてしない。何が絡み合ってそうなったか分からないが、自分は勇太の『特別』だと実感している。
「勇太と長い付き合いじゃないけど感じてたの。梓と私は、何かで繋がってる勇太の特別なんだって」
「ルナさん・・それって」
「う~ん、勇太って怪我したときから変わったんでしょ」
「ですよねえ。まるで別の人の人格が混じったような」
「うん。私も前の勇太のこと聞くと感じるの。半分は太ってた勇太のまんま、半分は別の勇太が浸透したじゃないかなってくらい違うんだよね」
「なんで、そんなこと考えるの、ルナさん」
「だって、勇太って不思議なんだもん」
「不思議?」
「私の友達も知らない、変なこと知ってるの」
「・・変なこと?」
「そう。この前は私が1人で行ってた公園に連れていこうとしたら、勇太が場所だけじゃなくて、近道まで知ってた」
「私、そんなファンタジックなやつはないけど、日常が変わりましたね・・」
「梓の同級生に、いきなり勇太が謝罪して回ってたでしょ。男子がだよ。それがまさに『特別』だよね」
「そうですね。あの日を境に、すべてにおいて優しいんです。別に今日だけのことじゃなかったんですね・・」
「さっきも梓のために、ただ敵に突っ込んで行ったもんな。すごかったぜ」
「カオルちゃんのためでもあるよ」
「あ、まあ、私はまだわからんけど、可愛い女とか言われて・・あはは」
「カオルとの再会も、間違いなく『特別』だって」
なにげに真髄に近づいてきたルナ達だった。
梓とルナは、パラレル勇太ではない、前世勇太の存在を感じている。そして、3人とも前世勇太に惹かれている。
「きっと融合した勇太は、違う世界で、その世界の私達3人と深い関係だったんだよ・・」
「なんか否定できない」
「アタイまで入ってんのかよ」
次元を越えた真実に近付いてきた3人である。
ルナが結論を言おうとしている。
果たして、正解は出るのか。
梓とカオルは、真面目に聞いている。
「きっと融合した方の勇太は、自分の世界でも梓、カオル、私を嫁にしてたんだよ」
「かもね!」
「そうか。じゃなきゃ、アタイなんか可愛いって言わないよな」
ルナ惜しい!
真実から離れていってしまった。
正解は妹、親友、彼女である。嫁、嫁、嫁ではない。
ルナは男女比1対12の世界の住人。前提が間違っていた。別世界のことを重婚アリで考えている、
カオル、梓の中にも男女比1対1の概念がない。
優しくなった勇太の半身が違う世界から来たとして、その世界の自分達は勇太の嫁、嫁、嫁で結論付けた。
「へへへ、ま、あり得ない話だよな」
「だよね~、ユウ兄ちゃんでも、それはないよね~」
「考えるの面白かった。2人とも聞いてくれてありがとう」
こうして真実は忘れられていく。
リーフカフェに引き返したとき、ルナが店に飛び込んできた。
「梓、カオル、見てた人に連絡もらって飛んできたの。怪我してない?」
「お、ルナも来てくれたんだ」
「大丈夫だぞー」
「ルナさん、ご心配おかけしました」
リーフカフェは勇太がお目当ての客で、まだまだ混んでいる。
勇太はシャツを着替えて業務に戻った。
今、リーフカフェの従業員控室。ルナ、カオル、梓の女子会が開かれている。勇太効果のせいで、店内に空席はないのだ。
オーナー葉子の厚意で飲み物を用意してもらった。
今の3人は温度差がある。悪い意味ではない。
ルナは冷静。
梓とカオルは油断すると、勇太の姿を思い出して放心してしそうになる。
自分達のために勇太が男の闘争本能を解放した。
熱気のようなものが伝わってきたままだ。梓もカオルも濡れている。
カオルは顔が熱くなりすぎて、ストローで思い切りアイスコーヒーを吸い込んだ。
そのときルナが、カオルに聞いた。
「カオルも勇太と結婚するよね。勇太とセック●するよね」
ぶほっと、カオルはコーヒーを吹いた。
「ごへっ、げほっ、げほっ」
そう、ルナはストレートなのだ。
梓がカオルの背中をさすって、ようやく落ち着いた。
「けほっ、けほっ。ルナ、アタイは勇太の嫁とか大それたこと考えてねえぞ。柔道漬けの人生と思ってるしよ」
「ダメだよ、早く勇太の彼女を増やさないといけないんだから・・」
梓の方針と真逆である。
「なんで、ルナさん?」
「昨日・・勇太と2度目のアレに突入したんだけど」
カオルが眼をひんむいている。
「普通の男子って、ソーニューして3分が普通。コトを始めて全部の時間を合わせて、長くても20分、1回のみって聞いてたんだけど・・」
梓も、カオルもあわあわしている。
「初めてだった保健室のときと違って時間あったから、勇太が満足するまでいいよって言ったの・・。そしたら、5時間くらい、立て続けに、あんなことや、こんなことを・・」
ルナが、あんなことや、こんなことを、ボディーランゲージで教えている。
美容体操?ヨガのポーズ?それを勇太の前で裸で?カオル、理解が追い付かない。
梓も動揺しているけど、勇太の無尽蔵の体力には心当たりがある。
ネットで勇太の行動をチェックして、すでに異常性に気づいている。
休んでないのだ。
今日が日曜日。金曜日からここまでの勇太の行動を思い返した。
金曜日は朝6時から走って、午前9時にはリーフカフェに現れて仕事。
フルタイムで働いたあと、夜9時に家でご飯を食べて自分とイチャイチャして12時前に自室に帰った。
部屋に忍び込んで眠ったとこも確認して、ついでにキスした。
なのに日付けが変わって土曜の午前2時、つまり2時間後には勇太が街に出没。7時に自分達と走って朝ごはん。9時過ぎから夜8時までカフェでフルタイムの仕事。
その直後からルナとデートしてエッ●で午前4時。朝7時にルナと一緒に家を出た。そして朝9時からカフェに仕事に来て、現在が午後5時。
体力オバケである。
ルナが顔を赤くして梓を見る。
「私、朝方まで勇太とセ●クスして疲れきって、さっきまで寝てたの。梓とカオルも勇太のセッ●スの相手してくれないと。私1人じゃ勇太の全部を受け止めきれない」
ストレートなルナの、赤裸々すぎる告白である。
さすがの梓も絶句した。
そしてカオルはフリーズしたままだ。
「アタイも嫁って・・」
「そうだよ、きっとカオルのことも勇太は大事に考えてるよ」
もうここまでくれば、ルナも謙遜なんてしない。何が絡み合ってそうなったか分からないが、自分は勇太の『特別』だと実感している。
「勇太と長い付き合いじゃないけど感じてたの。梓と私は、何かで繋がってる勇太の特別なんだって」
「ルナさん・・それって」
「う~ん、勇太って怪我したときから変わったんでしょ」
「ですよねえ。まるで別の人の人格が混じったような」
「うん。私も前の勇太のこと聞くと感じるの。半分は太ってた勇太のまんま、半分は別の勇太が浸透したじゃないかなってくらい違うんだよね」
「なんで、そんなこと考えるの、ルナさん」
「だって、勇太って不思議なんだもん」
「不思議?」
「私の友達も知らない、変なこと知ってるの」
「・・変なこと?」
「そう。この前は私が1人で行ってた公園に連れていこうとしたら、勇太が場所だけじゃなくて、近道まで知ってた」
「私、そんなファンタジックなやつはないけど、日常が変わりましたね・・」
「梓の同級生に、いきなり勇太が謝罪して回ってたでしょ。男子がだよ。それがまさに『特別』だよね」
「そうですね。あの日を境に、すべてにおいて優しいんです。別に今日だけのことじゃなかったんですね・・」
「さっきも梓のために、ただ敵に突っ込んで行ったもんな。すごかったぜ」
「カオルちゃんのためでもあるよ」
「あ、まあ、私はまだわからんけど、可愛い女とか言われて・・あはは」
「カオルとの再会も、間違いなく『特別』だって」
なにげに真髄に近づいてきたルナ達だった。
梓とルナは、パラレル勇太ではない、前世勇太の存在を感じている。そして、3人とも前世勇太に惹かれている。
「きっと融合した勇太は、違う世界で、その世界の私達3人と深い関係だったんだよ・・」
「なんか否定できない」
「アタイまで入ってんのかよ」
次元を越えた真実に近付いてきた3人である。
ルナが結論を言おうとしている。
果たして、正解は出るのか。
梓とカオルは、真面目に聞いている。
「きっと融合した方の勇太は、自分の世界でも梓、カオル、私を嫁にしてたんだよ」
「かもね!」
「そうか。じゃなきゃ、アタイなんか可愛いって言わないよな」
ルナ惜しい!
真実から離れていってしまった。
正解は妹、親友、彼女である。嫁、嫁、嫁ではない。
ルナは男女比1対12の世界の住人。前提が間違っていた。別世界のことを重婚アリで考えている、
カオル、梓の中にも男女比1対1の概念がない。
優しくなった勇太の半身が違う世界から来たとして、その世界の自分達は勇太の嫁、嫁、嫁で結論付けた。
「へへへ、ま、あり得ない話だよな」
「だよね~、ユウ兄ちゃんでも、それはないよね~」
「考えるの面白かった。2人とも聞いてくれてありがとう」
こうして真実は忘れられていく。
応援ありがとうございます!
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