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28 ルナさん、お楽しみでしたね
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勇太は結局、ルナとともに月曜日の1時間目をサボってしまった。
「勇太・・。授業サボっちゃったね」
「すまん。喧嘩に巻き込みそうになった上に、こんな場所で・・」
「謝んないで。私、すごく嬉しい。場所は関係ないよ。勇太は?」
「うん、俺も嬉しかった」
「梓ちゃんに、婚約者でもないのに、先に勇太とシてごめんって言わないと、へへ」
にっこりしたルナが可愛すぎて、勇太はキスした。
危うく2回戦に突入しそうになったとき、保健室に保険の先生が帰ってきた。
2人は断念して、パーテーションの外に出た。
勇太はギンギンのままだった。シャツのボタンも左右でずれて、3つ空き。
ルナは衣服が乱れて、ブラウスのボタンも2個飛んでいた。
先生は驚いた。こいつら、この薄壁の中でヤッたのかと。
「保健室ならセーフですよね、それじや、失礼しま~す」
歯切れがいいルナだったが、下半身はかくかく。見事な、がに股で自分の教室に帰った。
勇太は教室に向かう前に、担任の佳央理先生に謝りに行った。
さぼった1時間目は、佳央理先生の日本史の授業だったからだ。
なぜか佳央理先生は顔を赤くして、初めて態度が柔らかだった。
「いや、1時間目は自習になったし問題ない」
「ああ、そうでしたか」
「ところで坂元、保健室の奥に男女用の特別室があるぞ。上が空いたパーテーションの内側じゃ、防音機能ゼロだからな・・」
「え、まさか、自習の理由って、佳央理先生・・」
「すまん、他の女子生徒と一緒に、お前と花木の声を聞いてた。2人とも、初めてだったんだな」
「ええ~・・・」
「ま、保健室だから、ギリギリ校則違反ではないがな~」
佳央理先生も勇太も、周囲の教師も真っ赤である。
以降、佳央理先生はほんのり優しくなった。
あと勇太は、この状況って前世なら即退学だよと思った。
◆◆
昼休み。勇太はルナとお弁当を食べた。そこまでの彼女は、大変だった。
ルナは勇太といたしたあと、2年4組の教室に帰った。クラスの女子から質問攻めだった。
保健室で勇太とルナが絡む音声をリアルタイムでネットに流していたのは、足達リエコ。
ルナと仲良しだけど天然だ。
女の子が保健室で男子生徒をパクリするのは、乙女のあこがれ。
達成できたら、大概の女子は自慢する。
だからルナの武勇伝も表に出していいと思っている。
ましてや相手は人気上昇中の、エロカワ男子。
ルナのために、ネットに流して言いふらして回った。
映像には壁だけと思ったら、ご丁寧にルナと勇太の実写版アイコンを合成してあった。
『ルナがユータをおいしくいただいてます』のテロップ付き。
2年4組の女子生徒だけでなく、友人達もルナのところに集まった。
ルナは、これ以上目立ちたくないから黙っていた。
しかし、がに股、くしゃくしゃでボタンが飛んだブラウス、それにスカートに付いた白い染み。そんな格好で2時間目の開始前、教室に帰ってきた。
今はジャージに着替えていても、戦った痕跡を見られている。
一方、勇太は授業中も、ルナを守ることばかり考えていた。
先週の木曜日、ルナの友人から声をかけられた。パラレル井川ナツミ。
前世では中学から高校にかけて同級生だった。病気になった勇太のため、中学の同級生とお見舞いに来てくれた女の子。
友人のために戦える尊敬できるタイプ。だから、ルナのことを言いに来たのだろうと、勇太は思った。
今世では、パラレル勇太が迷惑をかけたことがある相手。そしてルナの友人だ。
「坂元、あんた純子に近付くために、ルナを利用してないよね」
「ルナのことは本気だよ。純子も顔くらいは知ってるけど、その程度だね」
このあたり、前世の恋愛感情が絡まない幼馴染みだったという意味。
「それ、信用していいんだよね」
中学時代のパラレル勇太はキモかった。学区内に男子が少なく、クラスに1人だけだった。
だからモテると思って、女の子を舐めるような目で見回していた。パラレル井川の育った胸もジロジロ見ていた。
その記憶を引き出した勇太は、またも気絶しそうになった。
「ナツミにも迷惑をかけてきた。申し訳ない。俺は気持ち悪くても、ルナの友達でいてあげて欲しい」
勇太は改めてルナのために、もっとイメージアップを頑張ろうと思った。
ちなみに井川ナツミは霊感かぶれ。
ルナのために深々と頭を下げる勇太を見て、頭を打った勇太に違う人間の魂が入り込んだと感じた。
なにげに大正解である。
◆
勇太を長く知っている井川は困惑している。
ルナは今日だけでなく、心を入れ替えた勇太と出会ったあとは嬉しそうだ。
勇太は公開プロポーズのあと、きちんと責任を取るためにルナの親に会いに行った。
男女比1対12の世界で考えられない誠実さだ。
井川も今朝、ルナのために怒った勇太を見て濡れた。
こんな男に好かれるルナがうらやましいと思った。
けれど、相手は長く侮ってきた勇太。
ベッドの上に押し倒したいと思ったけど、勇太の同じクラスの人間と同じく、今後は勇太に拒絶されるかと思った。
勇太との別れ際に、中学からのお詫びだと言って、たくさんのリーフカフェの飲食チケットを渡された。
歓迎するから来いということ?と希望が見えた。
ネットではルナ、梓、そして看護師軍団が勇太と過ごす動画を何度も見た。女性は、みんな嬉しそうだった。
一緒に買い物に行って、尽くされ、夕暮れの公園でキスされ、そして・・
ルナの、あんな幸せな顔を見せられて、つい妄想してしまった。
絶大な人気を誇る伊集院光輝君には自分も憧れるけど、学校に来るとファンクラブ上位の自称・親衛隊に囲まれている。話したことはない。
だけど勇太は違う。
最初はルナのことが気になって、勇太を呼び止めた。
明らかに釘を刺しに、睨みながら話かけたのに、嫌な顔はしなかった。
それどころか嬉しそうに応じてくれた。
むしろ「ナツミ、元気だった~」と、手を握られた。
周りの視線を感じて勇太が慌てて手を離したけど、ドキドキしてる。
今度、話すチャンスがあればハグくらいリクエストしてみようと目論んでいる。
「勇太・・。授業サボっちゃったね」
「すまん。喧嘩に巻き込みそうになった上に、こんな場所で・・」
「謝んないで。私、すごく嬉しい。場所は関係ないよ。勇太は?」
「うん、俺も嬉しかった」
「梓ちゃんに、婚約者でもないのに、先に勇太とシてごめんって言わないと、へへ」
にっこりしたルナが可愛すぎて、勇太はキスした。
危うく2回戦に突入しそうになったとき、保健室に保険の先生が帰ってきた。
2人は断念して、パーテーションの外に出た。
勇太はギンギンのままだった。シャツのボタンも左右でずれて、3つ空き。
ルナは衣服が乱れて、ブラウスのボタンも2個飛んでいた。
先生は驚いた。こいつら、この薄壁の中でヤッたのかと。
「保健室ならセーフですよね、それじや、失礼しま~す」
歯切れがいいルナだったが、下半身はかくかく。見事な、がに股で自分の教室に帰った。
勇太は教室に向かう前に、担任の佳央理先生に謝りに行った。
さぼった1時間目は、佳央理先生の日本史の授業だったからだ。
なぜか佳央理先生は顔を赤くして、初めて態度が柔らかだった。
「いや、1時間目は自習になったし問題ない」
「ああ、そうでしたか」
「ところで坂元、保健室の奥に男女用の特別室があるぞ。上が空いたパーテーションの内側じゃ、防音機能ゼロだからな・・」
「え、まさか、自習の理由って、佳央理先生・・」
「すまん、他の女子生徒と一緒に、お前と花木の声を聞いてた。2人とも、初めてだったんだな」
「ええ~・・・」
「ま、保健室だから、ギリギリ校則違反ではないがな~」
佳央理先生も勇太も、周囲の教師も真っ赤である。
以降、佳央理先生はほんのり優しくなった。
あと勇太は、この状況って前世なら即退学だよと思った。
◆◆
昼休み。勇太はルナとお弁当を食べた。そこまでの彼女は、大変だった。
ルナは勇太といたしたあと、2年4組の教室に帰った。クラスの女子から質問攻めだった。
保健室で勇太とルナが絡む音声をリアルタイムでネットに流していたのは、足達リエコ。
ルナと仲良しだけど天然だ。
女の子が保健室で男子生徒をパクリするのは、乙女のあこがれ。
達成できたら、大概の女子は自慢する。
だからルナの武勇伝も表に出していいと思っている。
ましてや相手は人気上昇中の、エロカワ男子。
ルナのために、ネットに流して言いふらして回った。
映像には壁だけと思ったら、ご丁寧にルナと勇太の実写版アイコンを合成してあった。
『ルナがユータをおいしくいただいてます』のテロップ付き。
2年4組の女子生徒だけでなく、友人達もルナのところに集まった。
ルナは、これ以上目立ちたくないから黙っていた。
しかし、がに股、くしゃくしゃでボタンが飛んだブラウス、それにスカートに付いた白い染み。そんな格好で2時間目の開始前、教室に帰ってきた。
今はジャージに着替えていても、戦った痕跡を見られている。
一方、勇太は授業中も、ルナを守ることばかり考えていた。
先週の木曜日、ルナの友人から声をかけられた。パラレル井川ナツミ。
前世では中学から高校にかけて同級生だった。病気になった勇太のため、中学の同級生とお見舞いに来てくれた女の子。
友人のために戦える尊敬できるタイプ。だから、ルナのことを言いに来たのだろうと、勇太は思った。
今世では、パラレル勇太が迷惑をかけたことがある相手。そしてルナの友人だ。
「坂元、あんた純子に近付くために、ルナを利用してないよね」
「ルナのことは本気だよ。純子も顔くらいは知ってるけど、その程度だね」
このあたり、前世の恋愛感情が絡まない幼馴染みだったという意味。
「それ、信用していいんだよね」
中学時代のパラレル勇太はキモかった。学区内に男子が少なく、クラスに1人だけだった。
だからモテると思って、女の子を舐めるような目で見回していた。パラレル井川の育った胸もジロジロ見ていた。
その記憶を引き出した勇太は、またも気絶しそうになった。
「ナツミにも迷惑をかけてきた。申し訳ない。俺は気持ち悪くても、ルナの友達でいてあげて欲しい」
勇太は改めてルナのために、もっとイメージアップを頑張ろうと思った。
ちなみに井川ナツミは霊感かぶれ。
ルナのために深々と頭を下げる勇太を見て、頭を打った勇太に違う人間の魂が入り込んだと感じた。
なにげに大正解である。
◆
勇太を長く知っている井川は困惑している。
ルナは今日だけでなく、心を入れ替えた勇太と出会ったあとは嬉しそうだ。
勇太は公開プロポーズのあと、きちんと責任を取るためにルナの親に会いに行った。
男女比1対12の世界で考えられない誠実さだ。
井川も今朝、ルナのために怒った勇太を見て濡れた。
こんな男に好かれるルナがうらやましいと思った。
けれど、相手は長く侮ってきた勇太。
ベッドの上に押し倒したいと思ったけど、勇太の同じクラスの人間と同じく、今後は勇太に拒絶されるかと思った。
勇太との別れ際に、中学からのお詫びだと言って、たくさんのリーフカフェの飲食チケットを渡された。
歓迎するから来いということ?と希望が見えた。
ネットではルナ、梓、そして看護師軍団が勇太と過ごす動画を何度も見た。女性は、みんな嬉しそうだった。
一緒に買い物に行って、尽くされ、夕暮れの公園でキスされ、そして・・
ルナの、あんな幸せな顔を見せられて、つい妄想してしまった。
絶大な人気を誇る伊集院光輝君には自分も憧れるけど、学校に来るとファンクラブ上位の自称・親衛隊に囲まれている。話したことはない。
だけど勇太は違う。
最初はルナのことが気になって、勇太を呼び止めた。
明らかに釘を刺しに、睨みながら話かけたのに、嫌な顔はしなかった。
それどころか嬉しそうに応じてくれた。
むしろ「ナツミ、元気だった~」と、手を握られた。
周りの視線を感じて勇太が慌てて手を離したけど、ドキドキしてる。
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