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29 私に何が起こっているんだろう
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ルナは戸惑っている。
2週間と少し前、学校で階段から落ちる坂元勇太を助けようとした。なのに、突き落としたと冤罪をかけられた。
自分の高校生活って、ろくなことがないと思った。
まさかそれが、幸せの糸口だと思ってなかった。
今は毎日が目まぐるしい。
以下ルナ。
今、勇太が誕生プレゼントをくれた。駅前のコーヒーチェーン店で堂々と。
5月27日、17回目の誕生日を祝ってくれる。
勇太は4月生まれだから、もう誕生日を過ぎてるのが残念だ。
プレゼントをくれた勇太の笑顔に、私も満面の笑みで返してしまった。
自分までネット上で話題の人物となりつつあることを自覚している。
女性同士の経験さえなく、いきなり男子の勇太と関係を持ってしまった。
男性と付き合うなんて考えたこともなかった。
冤罪から救ってくれて、再会できたって言ってくれた。
そこから交流が始まって公開プロポーズ、キス。そして今日ほ保健室●ックスまで怒濤の勢い。
ヤバい・・
5月11日に、最初に2人きりで話した夜を思い出した。彼の叔母さんが経営するカフェの前だ。
月明かりの中で短いながら楽しい時間を過ごせた。
妹・純子狙いの男子と話したことはあるけど、勇太との会話は気分が違った。
どきまきした。
図々しく出向いて、門前払いされなかっただけで満足だった。なのに、連絡先まで聞いてくれた。
連絡先を男子から聞かれる女子は、50人に1人と統計が出ている。それも美女ばかり。
私は自分が、それを経験すると思わなかった。
それからLIMEが頻繁にくる。
返信したら、また返事が来る。毎日来る。
『梓とイカフライ揚げた』とか笑ってしまった。楽しい。
連絡先を教えて本当に連絡をもらえる女子は、統計では200人に1人。
1日会わないうちに、勇太はエロ可愛い男子に変わっていた。
同じ柔道部に入ってくれて、体育館でプロポーズされた。
そして体育館裏でキスされた。
次の日、勇太のバイトが終わって、夜の街角でも不意打ちのキスをされた。
男子との街角チュー、統計では1000人に1人。
今日は、嫌いな男子と遭遇した。双子の妹・純子との橋渡しを頼まれて、断った人。勇太も一緒のときだ。
嫌みを言われた。最悪の誕生日だけど、私が我慢すればいいと思った。
だけど・・・
勇太は烈火のごとく怒った。
そのシーンをネット上で探して繰り返し見た。
映像ではボブカットのモブ顔女が長髪男子にからかわれた。するとエロ可愛い男子が相手を床に倒した。
エロ可愛い男子は、大事そうにボブカットのモブ顔女の肩を抱いた。
肩を抱かれたモブ顔は、何度見返しても私なのだ。
やっぱり、あれは現実だった・・
LIMEは勇太以外は着信音が鳴らない設定にしている。
トラブルのあと保健室に行って、勢いで勇太と結ばれてしまった。
そのあと昼休み前にLIMEを確認したら、勇太から2件、その他で328件のメールが届いていた。
勇太とは早くも『勇太』『ルナ』と呼び合う関係になった。
ネット上は最初、私の悪口で炎上していた。
だけどここ数日間、モテる秘訣を教えてくれという意見が押し寄せている。
それは、渦中にある私自身が聞きたい。
学校を出た直後から勇太に手を引かれた。
改めて誕生日おめでとうと言われた。スマホを構える女の子達の視線が痛い。
勇太は今、リーフカフェで超人気の店員になっている。
まだ10回くらいの出勤だけど、素肌に白シャツのボタン2個空け。そして常に笑顔。
学校でも同じスタイルを通している。
スマホを向けられても動じない勇太だけど、私は動揺しっぱなし。
歩きながら勇太に、私なんかでいいのか聞いた。怖いけど、双子の妹・純子をどう思ってるかも聞いた。
「実は昔、ルナだけじゃなく、純子らしき女の子にも会ったことあるんだ」
「・・あ、ああ、そうなんだ。美人でしょ・・純子」
「だね」
「・・やっぱり純子ってモテるんだよ。私達姉妹の両方に会って、私を好きになる人っていないんだよね」
「え、俺がいるじゃん」
胸がドクンと鳴って足が止まった。
「ルナと純子は双子でも似てないな。見間違うことがなくていいよね」
まるで、モテ女の純子の方が、オマケのような言い方だ。
それから勇太は従妹の梓さんとの入籍が、私よりも先になることを謝った。すごく深く頭を下げられた。
「いやいや、何度も言ってるけど、気にしないで。もし勇太がもらってくれるなら、10番目がいいんだから」
モテる男子が沢山の女性と結婚するのは当たり前。なのに、こういう常識的なこと言うと勇太は驚く。
男女比が1対12になって四百年。勇太だって知ってるはずなのに。
私は、私が勇太の最初の相手だったってだけで、すごいことだと思ってる。
その上、上位ナンバーのお嫁さんだなんて・・
「とにかくルナとこうなれて嬉しいよ」
勇太に赤い顔をされた。
本当に、私でよかったんだろうか。
ぎゅっと手を握られ、またドキドキした。
やっぱり、スマホを構える人がたくさんいる。
誕生日を未婚男子に1対1で祝ってもらえる女子は、統計では250人に1人。
その日にエッチまでいっちゃうケースは600人に1人。
私は誕生日を祝ってもらう前に、勢いで結ばれた。
このケースは、統計では・・ないですね・・
2週間と少し前、学校で階段から落ちる坂元勇太を助けようとした。なのに、突き落としたと冤罪をかけられた。
自分の高校生活って、ろくなことがないと思った。
まさかそれが、幸せの糸口だと思ってなかった。
今は毎日が目まぐるしい。
以下ルナ。
今、勇太が誕生プレゼントをくれた。駅前のコーヒーチェーン店で堂々と。
5月27日、17回目の誕生日を祝ってくれる。
勇太は4月生まれだから、もう誕生日を過ぎてるのが残念だ。
プレゼントをくれた勇太の笑顔に、私も満面の笑みで返してしまった。
自分までネット上で話題の人物となりつつあることを自覚している。
女性同士の経験さえなく、いきなり男子の勇太と関係を持ってしまった。
男性と付き合うなんて考えたこともなかった。
冤罪から救ってくれて、再会できたって言ってくれた。
そこから交流が始まって公開プロポーズ、キス。そして今日ほ保健室●ックスまで怒濤の勢い。
ヤバい・・
5月11日に、最初に2人きりで話した夜を思い出した。彼の叔母さんが経営するカフェの前だ。
月明かりの中で短いながら楽しい時間を過ごせた。
妹・純子狙いの男子と話したことはあるけど、勇太との会話は気分が違った。
どきまきした。
図々しく出向いて、門前払いされなかっただけで満足だった。なのに、連絡先まで聞いてくれた。
連絡先を男子から聞かれる女子は、50人に1人と統計が出ている。それも美女ばかり。
私は自分が、それを経験すると思わなかった。
それからLIMEが頻繁にくる。
返信したら、また返事が来る。毎日来る。
『梓とイカフライ揚げた』とか笑ってしまった。楽しい。
連絡先を教えて本当に連絡をもらえる女子は、統計では200人に1人。
1日会わないうちに、勇太はエロ可愛い男子に変わっていた。
同じ柔道部に入ってくれて、体育館でプロポーズされた。
そして体育館裏でキスされた。
次の日、勇太のバイトが終わって、夜の街角でも不意打ちのキスをされた。
男子との街角チュー、統計では1000人に1人。
今日は、嫌いな男子と遭遇した。双子の妹・純子との橋渡しを頼まれて、断った人。勇太も一緒のときだ。
嫌みを言われた。最悪の誕生日だけど、私が我慢すればいいと思った。
だけど・・・
勇太は烈火のごとく怒った。
そのシーンをネット上で探して繰り返し見た。
映像ではボブカットのモブ顔女が長髪男子にからかわれた。するとエロ可愛い男子が相手を床に倒した。
エロ可愛い男子は、大事そうにボブカットのモブ顔女の肩を抱いた。
肩を抱かれたモブ顔は、何度見返しても私なのだ。
やっぱり、あれは現実だった・・
LIMEは勇太以外は着信音が鳴らない設定にしている。
トラブルのあと保健室に行って、勢いで勇太と結ばれてしまった。
そのあと昼休み前にLIMEを確認したら、勇太から2件、その他で328件のメールが届いていた。
勇太とは早くも『勇太』『ルナ』と呼び合う関係になった。
ネット上は最初、私の悪口で炎上していた。
だけどここ数日間、モテる秘訣を教えてくれという意見が押し寄せている。
それは、渦中にある私自身が聞きたい。
学校を出た直後から勇太に手を引かれた。
改めて誕生日おめでとうと言われた。スマホを構える女の子達の視線が痛い。
勇太は今、リーフカフェで超人気の店員になっている。
まだ10回くらいの出勤だけど、素肌に白シャツのボタン2個空け。そして常に笑顔。
学校でも同じスタイルを通している。
スマホを向けられても動じない勇太だけど、私は動揺しっぱなし。
歩きながら勇太に、私なんかでいいのか聞いた。怖いけど、双子の妹・純子をどう思ってるかも聞いた。
「実は昔、ルナだけじゃなく、純子らしき女の子にも会ったことあるんだ」
「・・あ、ああ、そうなんだ。美人でしょ・・純子」
「だね」
「・・やっぱり純子ってモテるんだよ。私達姉妹の両方に会って、私を好きになる人っていないんだよね」
「え、俺がいるじゃん」
胸がドクンと鳴って足が止まった。
「ルナと純子は双子でも似てないな。見間違うことがなくていいよね」
まるで、モテ女の純子の方が、オマケのような言い方だ。
それから勇太は従妹の梓さんとの入籍が、私よりも先になることを謝った。すごく深く頭を下げられた。
「いやいや、何度も言ってるけど、気にしないで。もし勇太がもらってくれるなら、10番目がいいんだから」
モテる男子が沢山の女性と結婚するのは当たり前。なのに、こういう常識的なこと言うと勇太は驚く。
男女比が1対12になって四百年。勇太だって知ってるはずなのに。
私は、私が勇太の最初の相手だったってだけで、すごいことだと思ってる。
その上、上位ナンバーのお嫁さんだなんて・・
「とにかくルナとこうなれて嬉しいよ」
勇太に赤い顔をされた。
本当に、私でよかったんだろうか。
ぎゅっと手を握られ、またドキドキした。
やっぱり、スマホを構える人がたくさんいる。
誕生日を未婚男子に1対1で祝ってもらえる女子は、統計では250人に1人。
その日にエッチまでいっちゃうケースは600人に1人。
私は誕生日を祝ってもらう前に、勢いで結ばれた。
このケースは、統計では・・ないですね・・
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