ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる

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80 自分が正義だと思ってる

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予定より1日遅れで、ダンジョンに出発した。

傷を癒やしたミールは激かわいい。

 ダンジョンにも付いて来ると言うが、困った。

まず、私のレベル上げは、一戦ごとに時間がかかる。休憩も定期的に取らない。
ソロでしか行けない。

スマトラさんが面倒みてくれるって言うし、そっちで冒険者登録をしてランクを上げてもらう。

「ごめんね。私はBランクになるまでソロって決めてるんだ」

「Bランクになったら一緒に冒険に行って。約束だよ、ユリナ様」


うるうるした目でミールに見られ、後ろ髪を引かれながら街を飛び出した。

馬に乗った奴が付いてくる。

「なんだ、あいつまだオルシマにいたんだ。教会本部の監視役かな。ま、あいつが見てても自重しないけどね」

聖騎士ルリイが馬で付いてきている。

クズの仲間にしては、まし。だから放っておいている。

だけどミールに聞いた。

「ルリイも嫌い」

はい決定。

ミールの言葉には従っていい。すんなり、心に入ってくる。

だからルリイ、敵になることはあっても、仲間にする可能性はゼロ。

「そういえば、聖騎士ルリイは鑑定が使えたな。面倒だな」

ダンジョンに着いた。泥だらけの街道の25キロ。

私は1時間で走破できるようになっている。ルリイも付いてきたが、彼女を乗せた馬はかなり無理をしたようだ。

「ま、待って下さい。私も一緒にダンジョンに入る。許してくれませんか」

「・・いいけど、私31階の転移装置まで飛んで、32階から狩りをするよ。あんた付いてこれる」

「私もこのダンジョンは6人パーティーで30階までクリアしています」

「ふ~ん。無理しないでね」

「と、ところで他の仲間は?」

「前回もソロ。レベルとランク上げが目的だから、1人が効率いいでしょ」

「えええ~?」

驚きながら、ルリイは付いて来た。

転移装置で31階に飛んで、32階スタート。

階段を降りる前に、重傷者2人に施した。値段は変わらず1000ゴールド。

軽症者は治さない。街の治療院は、それが稼ぎになるそうだ。

前回の30階イレギュラーボスについて聞かれたりした。情報交換をした。

聖騎士は、冒険者に好かれない。ルリイは、ちらちら見られている。

「ユリナさん、ユリナ様って・・」
「あんたに教えない」

32階に降りて20分後、初の敵が現れた。

オークソルジャーとオーク。推定レベルは50と46。

「まず、オークソルジャーかな」
「な、ならば私がオークに」

「邪魔くさい。手を出さないでほしいな」


オークソルジャーに正面から突っ込んだ。

剣で肩を斬られる瞬間に『超回復』

「ブモッ」

ここからは盛り上がりもない消耗戦。

ただただ、時間がかかる。

「29階の魔物とはまた、ワンランク違うね」

だが慌てず、確実に倒した。

この間、1時間。

ルリイの方を見ると、聖剣技を持っているだけあって、レベル46オークにも負けていない。

が、まだ勝ってもいない。

「本来は私の獲物。倒させてもらう」

後ろから近付いて、オークの股間をめった刺し。

倒れたオークの首を何度を刺して、最初の討伐に成功した。

『超回復』から地上オーク肉を出して「等価交換」。身長マックスの160センチ、体力全開。

この間、15秒。

次の獲物を求めて走ろうとしたら、ルリイから待ったがかかった。

「はあっ、はあっ。ユリナさん休憩は?」

「こっから40階までは33、35、37、39階にセーフティーゾーンがあるでしょ。まずは33階に行って休むよ」

「目安の時間は?」

「72時間くらい。戦いながら行けると思う」

「丸3日ですよ」

「じゃあ邪魔だよ」

「街の人には優しいと聞いていたのに」

「昨日、フードを取ったミールを見てから、あなたもベノアと同じく、ゴブリンに見える。これでいい?」

「聖女様とか呼ばれてるのに、冷たいですね・・」

「私に慈愛なんてない。心はエールのジョッキよりも狭い。目の前の、死にそうな人間を助けただけ」

「だけど、不良冒険者も助けて・・」

「ああ・・。以前に私を大事にしてくれた男に似てただけ。動機は顔だよ」

「それだけですか?」

「うん。金持ちしか助けない、あんた方と似てるよ」
「・・」

「名もなき神様も、劣等人に難しいことは求めないよ」

「聖女と呼ばれる人にしては、人の見方が偏っていませんか」

「考えたこともない。それよりミールに身分証はあるの?」

「・・恐らくありません。いざというときは捨て石になる存在ですから」

カチンときたが、それなら冒険者として登録しても問題ないだろう。

30分後に、オーク2匹、豚1匹と戦った。

戦闘時間は1時間半。「等価交換」を使えば、最短で10分。すごい差だ。

ルリイは肩で息をしている。

けれど付いてくると言い張る。

「ルリイ邪魔・・」

ばきっ。

「は・・?」
「あんた、なんで私が心を許すと思ったの? ミールに直接の暴力を振るってないだけでのクズが」

ルリイをぶん殴り、31階転移装置まで抱えていって放り投げた。


私の教会上層部の印象は、フードの下の傷ついたミールだけが基準だ。

確かに、視界は狭い。

「ルリイ、そういえば、冒険者ギルドの中で、劣等人とばらしてくれたわね」

どぼっ。

追加で腹を蹴る。

「破壊的絶対領域」を使って攻撃してるから、見た目の10倍効いている。

ようやく本気度が分かったようだ。

彼女は21歳で聖魔法、鑑定、剣技に恵まれている。

「自分の正義が通じるとこで遊びなよ。次は容赦しない」

周りに人がいても、構わず蹴った。

60時間で次の33階セーフティーゾーンに到着。
成果はオークソルジャー4、オーク12、豚21。

豚が地味に突進力があり、これで時間を食った。

休憩中、3日前に重傷者を治療したBランクパーティーと話した。

なぜ教会勢力の人間と一緒だったのか、聞かれた。

「金と欲のため、私のスキルを悪用する気なの。監視よ。最悪」

ミールのことで腹も立っているし、悪意を込めて伝えた。

感情の垂れ流しだが、彼ら「オルシマの剣」はすごく怒ってくれた。

ダンジョン内で教会騎士を見かけたら、証拠を残さず始末してくれるそうだ。

仲間にも伝えるという。

それ以降、聖騎士をオルシマ周辺で見ないが・・

まさか・・


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