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17 新しい仲間との日々
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私と臨時パーティーを組んでくれた3人は強い。
アーチャーダリアは風魔法適正C。弓矢に魔法を乗せて「ウインドショット」を使う。
男子2人は身体強化。単純だけど発動に手間取らない。
その強さに見合った装備が欲しい彼ら。
収納指輪持ちの私の加入はプラスだと思う。
倒しても持ち帰れず、諦めていた素材も多かった。これからは無駄がない。
◆
3日で最初の草原を卒業し、ミドルボアが出る森の浅部で10日間の狩りをした。
さらに10日後。
森の奥に進み、今日からオークが出るエリアに狩り場を移している。
「略奪気功拳!」
くりゅ!左胸に当てた。
初めてオークと遭遇して、3人は動きが鈍った。
私はダンジョンで5ランクくらい上のオークと戦ってきた。
自分の特性も考えて、小型ガントレットを購入した。
拳に2センチのビス、指はフリー。
体はミスリルタンクトップ。すごく高い紙装甲だ。
メイン武器、指で攻撃した。
身長2メートル近い魔物の胸に触れただけ。
腰が入らない。
だが、少し前にみんなに隠れて自分の腹を裂き『超回復』で修復。
身長5センチ減で準備している。
むき出しの人差し指と中指をくっつけて押しただけ。
肋骨左側、下から3番目、4番目の間。
触れた指先から「等価交換」発動。
オークは私に、心臓付近の肉を吸い取られた。
巨体が胸を押さえ、よろけた。
「みんな、今回は気功が通ったわ。一斉攻撃よ!」
「お、おう!」
「ありがとうユリナさん」
「感謝」
少しオーバーキルとなっても、「暁の光」はオークの初討伐に成功した。
それから2度のオーク戦。
元から才能がある3人。初見をクリアして自信が付いたら、本来の動きに戻った。
私のなんちゃって気功拳は必要なかった。
「さすがね、3人とも」
「ユリナさんが大事な1体目で自信を付けさせてくれたからだ」
「ふふ。リュウ君、あなた達、本当に才能があるよ」
◆◆◆◆
初日にオーク3匹、
30日ほど、同じエリアで狩り。平均3匹のオーク、たまにミドルボア付き。
ここ1ヶ月だけで、1人120万ゴールドを得た。
今日もリュウがコンパクトスイングで、オークの首を斬った。
「ナイスリュウ。これなら高く売れるわ」
「3人とも牽制サンキューな」
「好連携」
「暁の光」の3人は、どんどん技の精度が増している。
「この調子なら、いい武器が買えます」
「新調」
「早く帰ってメシにしようぜ、ユリナ」
「リュウ君、気が緩んでるよ。その前にギルド。暗くなる前に戻るわよ」
今さらだか、拠点にしているカナワの街は海岸寄り。
東側が海で西が山。
南北に平地が続き、北に行くと王都、南に行くと大きな街が3つあって、国境。
私達の狩り場は街から西で、西の山に入るほど、モンスターの強さが増していく。
私は、リュウ君と並んで歩いている。
オーグとダリアがカップルだから、その形になる。
2ヶ月くらい一緒にいて、正式にパーティーを組もうと言ってくれる。
みんなといて、楽しいと思うようになってきた。
私は自分のスキルのことで懸念があるから、宿は別のまま。
だけど、4人で手頃な家を借りるなんて話に、すごく魅力を感じるようになってきた。
リュウ君とは、酔った勢いでキスも一回した。
死んだ仲間を思い出して泣いた日、肩も抱いてくれた。
「ほら、南北街道まで出た」
「みんな強くなってきたし、狩り場をもうワンランク上げたいね」
「賛成」
「ふふっ、あれ?」
山からおりて、街まで北に40分。
いつもの道だが、馬車が南に100メートルの地点で左側の草原に脱輪していた。
オーク4匹に襲われている。中の1匹が少し大きい。
馬一頭が倒れ、騎士2人転がっている。御者のような人も変な倒れ方をしてる。
状況はともかく、残り4人の騎士は陣形が乱れている。
騎士VSオークのマンツーマン。騎士が連携できない形がっている。
騎士が劣勢。
ダリア、オーグが私の方を見る。2人は冷静だ。
関わるべきではない。
恐らく貴族関係者。
向こうから見えてないし、今のうちに去った方がいい。
私は首を横に振った。
けど、リュウ君の気持ちは違った。
「なんで動かないの?助けに行こうよ」
「否」
「ダメよリュウ、もう視界が悪い」
「そうよ。それに襲われてるのが、何者か分からない」
リュウ君は根が優しい。だから私も受け入れてくれた。
けど、ここで全員が出るのはリスクが高い。
私が出る。
「リュウ君、それならみんなと隠れて付いてきて。私なら、反則スキルがあるから大丈夫だと思う」
嫌な予感がする。
アーチャーダリアは風魔法適正C。弓矢に魔法を乗せて「ウインドショット」を使う。
男子2人は身体強化。単純だけど発動に手間取らない。
その強さに見合った装備が欲しい彼ら。
収納指輪持ちの私の加入はプラスだと思う。
倒しても持ち帰れず、諦めていた素材も多かった。これからは無駄がない。
◆
3日で最初の草原を卒業し、ミドルボアが出る森の浅部で10日間の狩りをした。
さらに10日後。
森の奥に進み、今日からオークが出るエリアに狩り場を移している。
「略奪気功拳!」
くりゅ!左胸に当てた。
初めてオークと遭遇して、3人は動きが鈍った。
私はダンジョンで5ランクくらい上のオークと戦ってきた。
自分の特性も考えて、小型ガントレットを購入した。
拳に2センチのビス、指はフリー。
体はミスリルタンクトップ。すごく高い紙装甲だ。
メイン武器、指で攻撃した。
身長2メートル近い魔物の胸に触れただけ。
腰が入らない。
だが、少し前にみんなに隠れて自分の腹を裂き『超回復』で修復。
身長5センチ減で準備している。
むき出しの人差し指と中指をくっつけて押しただけ。
肋骨左側、下から3番目、4番目の間。
触れた指先から「等価交換」発動。
オークは私に、心臓付近の肉を吸い取られた。
巨体が胸を押さえ、よろけた。
「みんな、今回は気功が通ったわ。一斉攻撃よ!」
「お、おう!」
「ありがとうユリナさん」
「感謝」
少しオーバーキルとなっても、「暁の光」はオークの初討伐に成功した。
それから2度のオーク戦。
元から才能がある3人。初見をクリアして自信が付いたら、本来の動きに戻った。
私のなんちゃって気功拳は必要なかった。
「さすがね、3人とも」
「ユリナさんが大事な1体目で自信を付けさせてくれたからだ」
「ふふ。リュウ君、あなた達、本当に才能があるよ」
◆◆◆◆
初日にオーク3匹、
30日ほど、同じエリアで狩り。平均3匹のオーク、たまにミドルボア付き。
ここ1ヶ月だけで、1人120万ゴールドを得た。
今日もリュウがコンパクトスイングで、オークの首を斬った。
「ナイスリュウ。これなら高く売れるわ」
「3人とも牽制サンキューな」
「好連携」
「暁の光」の3人は、どんどん技の精度が増している。
「この調子なら、いい武器が買えます」
「新調」
「早く帰ってメシにしようぜ、ユリナ」
「リュウ君、気が緩んでるよ。その前にギルド。暗くなる前に戻るわよ」
今さらだか、拠点にしているカナワの街は海岸寄り。
東側が海で西が山。
南北に平地が続き、北に行くと王都、南に行くと大きな街が3つあって、国境。
私達の狩り場は街から西で、西の山に入るほど、モンスターの強さが増していく。
私は、リュウ君と並んで歩いている。
オーグとダリアがカップルだから、その形になる。
2ヶ月くらい一緒にいて、正式にパーティーを組もうと言ってくれる。
みんなといて、楽しいと思うようになってきた。
私は自分のスキルのことで懸念があるから、宿は別のまま。
だけど、4人で手頃な家を借りるなんて話に、すごく魅力を感じるようになってきた。
リュウ君とは、酔った勢いでキスも一回した。
死んだ仲間を思い出して泣いた日、肩も抱いてくれた。
「ほら、南北街道まで出た」
「みんな強くなってきたし、狩り場をもうワンランク上げたいね」
「賛成」
「ふふっ、あれ?」
山からおりて、街まで北に40分。
いつもの道だが、馬車が南に100メートルの地点で左側の草原に脱輪していた。
オーク4匹に襲われている。中の1匹が少し大きい。
馬一頭が倒れ、騎士2人転がっている。御者のような人も変な倒れ方をしてる。
状況はともかく、残り4人の騎士は陣形が乱れている。
騎士VSオークのマンツーマン。騎士が連携できない形がっている。
騎士が劣勢。
ダリア、オーグが私の方を見る。2人は冷静だ。
関わるべきではない。
恐らく貴族関係者。
向こうから見えてないし、今のうちに去った方がいい。
私は首を横に振った。
けど、リュウ君の気持ちは違った。
「なんで動かないの?助けに行こうよ」
「否」
「ダメよリュウ、もう視界が悪い」
「そうよ。それに襲われてるのが、何者か分からない」
リュウ君は根が優しい。だから私も受け入れてくれた。
けど、ここで全員が出るのはリスクが高い。
私が出る。
「リュウ君、それならみんなと隠れて付いてきて。私なら、反則スキルがあるから大丈夫だと思う」
嫌な予感がする。
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